Assassin's Creed/Grand Order 作:キサラギ職員
ロンドンはctOS導入で監視体制が整ってたりする感じ
短くない? お前が続きを書くんだよ!
2000と、450年は待っただろうか。
この場所を……この都市を門徒共から隠すためにはそれだけの時間を待つ必要があった。
門徒。今はなんと呼ばれているのやら。曰く、騎士を名乗ったことがあるらしい。今は商売人の仮面を被っているという話も聞いた。
神話は確かにあったのだ。だが、神話はあっても神などいなかった。
我々の信じる
女がいる。あの女はきっと、門徒と敵対した戦士や思想家たちの遠い子孫だろう。
役割を終えるときだ。この街を正しく使える人間に引き渡すのだ。
「こちらオルガマリー。レイラ、随分時間がかかってるわね」
女がいた。ロンドンの町並みを、漆黒のレインコートを被って歩いている。手には防水仕様らしい携帯端末を握っており、操作しながら器用に人ごみを避けていた。
『ちょっとアブスターゴ……
「そう、お友達と楽しくするのもいいけど目的は杖と街なのだから忘れないように。今のところ連中の姿は見えないけど、偽装された監視カメラが街中に仕込まれているようね。すべて処理したけれど。オーバー」
『ありがとうオルガマリー。仕事の邪魔はしないわ』
女はつい今しがた街中に仕掛けられていた監視カメラをctOSというオペレーションソフトウェアを介してループ映像と置き換える作業を行っていた。やったことは単純で同志が作ったソフトを起動させただけだが、効果は絶大だった。監視者達はひたすら流される何の変哲も無い人ごみの映像を見せられてさぞ退屈していることだろう。
雨が容赦なく打ち付けてくる。携帯端末をしまうと、人ごみに紛れて歩き出す。傘を差した人の群れ。レインコートを被って走っていくものも少なくない。
レインコート越しに空を見上げたオルガマリーの姿は、雷が一瞬街を染め上げただけで消失していた。
「……来たわね」
雨が止み始めた。豪雨打ち付ける街並みにかかっていた霧が徐々に晴れていく。
ビルの屋上に陣取ったオルガマリーは、丁度魔術師の巣でもある時計塔を望む位置についていた。ビルの屋上の転落防止用の手すりの上に仁王立ちしていた。
レインコートを脱ぎ捨てる。ごくありきたりなパーカーが姿を見せる。顔を隠すように被られたフードには、猛禽類を彷彿とさせる飾りが縫い付けられている。
オルガマリーの瞳が黄金に輝いていた。その瞳は、上空を周回する一羽の鷲に向けられていた。
「そう、わかった。今行く」
両腕を水平に広げ、重力に身を任せて跳躍する。
猛禽類の嘶きにも似た風斬り音を響かせ、霧に沈んだ街へと落ちていく――。
『携帯端末』
フードを被った骸骨のペイントがされたスマートフォン。
特定のコードを入力することで使用することができるようになり、
電子機器に疎い人でも自動で周辺の監視カメラに偽装映像を送り込むことができる。
『ヒドゥンブレード』
クセルクセス王を暗殺した時に用いられたというアサシンたちにとっての象徴的な武器。
ロープダートによる自動巻き上げ装置によって瞬時にビルの屋上によじ登ることができる他、ショックブレードなど非殺傷武器も備える。射程こそ短いがサプレッサー付きの隠し銃も備えている。
同時に魔術師である彼女はこれを触媒として使えるように改造を施している。