美少女たちと飛蝗~バッタ人間でなにが悪い!~ 作:たまごサンドDX
|д゚)…ぇ
皆様、本当にありがとうございます<(_ _)>
前回も言いましたが5か月近くも投稿していなかったのに……
こんな作者ですがこれからもよろしくお願いします!
とはいえまだリハビリ段階なので、もしよろしければご指摘お願いします
早く、早く逃げなきゃ!もっと、もっと遠くへ……
アイツらに追いつかれちゃう。もうあんな思いをするのはイヤ。
私は近くの茂みに身を隠し、息を殺した。
「おい、いたか?」
「いいや、だがそう遠くへは行ってないはずだ」
アイツらだ。
もう話し声が聞こえる距離まで来ている。
心臓の鼓動がうるさく思えるほど聞こえる。
早くどっか行って‼
私の思いとは裏腹に、足音と話し声は近づいていき、そして
「みぃつけた……」
アイツらに見つかった。
一人が私の髪を乱暴に掴み、そのまま宙へと持ち上げる。
「痛い!は、離してよ‼」
「ったく、逃げるなんて面倒なことすんなよ。探すのが大変だろぉ……」
「おぉ、見つけたか……このガキッ‼」
離れたところにいたもう一人が私に近づくと、腹部を思いっきり殴ってきた。
「ガハッ!」
ここ最近、食事を取っていなかったため、胃液だけが喉まで上がってきた。
「おいおい、あんまり乱暴にするなよ。壊れたら使い物にならなくなるんだから」
「悪い悪い、だけど今回はこいつが悪いだろ?」
私の前で異形たちは笑っていた。
私やこいつらは妖怪と呼ばれる存在だ。
人よりも身体能力などが優れており、人とは比べ物にならない位長生きする。
それが妖怪という存在だ。
私は他の妖怪とは少し異なるのだが、それがいけなかった。
私の特殊な能力に目を付けたこいつらは、ろくに能力の使い方も分からなかった私に暴力を振るい、力づくで従わせた。
それからはこいつらに指示された通りに行動する毎日、最初の頃は指示されたことができないたびに殴られた。
私は自分の能力が嫌いだ。
私自身を不幸にするし、こいつらに指示された通りに能力を使えば、周りの人や妖怪たちが傷つく。
こんな能力、私はいらなかった。普通に生きていければ、それでよかった。
何度も逃げようとした、逃げようとはしたが……私はそのたびに殴られる恐怖に怯え、動けなくなった。
今回、逃げ出せたと思ったらこのざまだ。
もう二度と逃げ出すことはできないだろう。
そう思うと私の瞳から涙が溢れてきた。
妖怪たちに引きずられながら、私は呟く。
助けて…………
その瞬間だった。
私と妖怪たちの目の前に何かが立ちはだかった。
赤い仮面に緑の複眼、風で靡く2本のマフラー。
彼は左手の手のひらに握りこぶしを作った右腕をぶつけ、少しずつずらし、両手の中指と人差し指を立て、右腕が縦で左腕が横になるようにした。
その瞬間、彼の緑の複眼が光った。
「あなたは……」
私の問いかけに、男はこう答えた。
ホッパーVersion3、またの名を仮面ライダーV3
と…………
――――――――――――
諏訪子のところを去ってから何日か経った。
今更だが、野宿がかなりキツイことを体感した。
火などはどうにかできたのだが、問題は食料だった。
改造人間とはいえ、毒のある物を食べて平気とはいかないだろうし、などと考えていたらその辺の物を食べるのが怖くなった。
ほんと自然は何があるか分からない。
とりあえず川で魚を捕まえたりして食べたのだが、しばらくすると取りつくしたか、俺がいることを察知してなのか知らないが、まったくもって魚が現れなくなってしまった。
今思うと、俺は今まで安定した生活をしていたんだな……ハハッ。
俺がこれからどうしようと思ったその時、遠くから野太い声と女の子の小さな声が聞こえた。
助けて、と……
俺は腹部に風車が2つ付いた白いベルトを出現させると、走りながら変身した。
1973年の2月から1974年の2月まで放送された特撮テレビドラマの仮面ライダーV3はモチーフがトンボだったが、2007年に公開された『仮面ライダーTHE NEXT』に登場した仮面ライダーV3はモチーフがトンボではなく1号、2号を超える存在ホッパーVersion3、つまりバッタ型の改造人間として登場した。
つまりだ、俺がなぜTHE NEXTのV3になれるかの理由はそこにある。
そして俺は声の発生源に着いた。
恐らく妖怪であろうヤツに髪を掴まれ引きずられていた少女が俺を見て、多分名前かな?聞いてきたので
「ホッパーVersion3、またの名を仮面ライダーV3」
と答えた。
妖怪の片割れが髪を掴んでいた手を離し、俺に近づいてくる。
「おい、もしかして俺たちの邪魔をするつもりか?」
「……」
「黙ってんじゃねぇよ!」
俺が黙っているのにムカついたのか、妖怪は殴りかかってきた。
人が当たればひとたまりもないだろうが、俺はそれを避けずに顔面で受け止めた。
妖怪は拳が当たったのを見て、ニヤリと笑ったが、妖怪の拳からは血が出ていた。
状況が理解でき、激痛を感じたのか妖怪は拳を俺から離すと、地面に膝を付いた。
俺は透かさず、妖怪の頭を思いっきり掴み持ち上げた。
かなりの力を入れているので、妖怪の頭部からは血が出てきており、ミシミシッと音が聞こえた。
「テメェ!その手を離せ!」
もう一匹が近づいてきたが、腹部に蹴りを当て黙らせる。
「―――ッ!――ッッ‼」
頭部を掴まれている妖怪はあまりの激痛で悲鳴をあげていた。
「少しうるさいな……はぁ、そろそろ黙らせるか」
頭部を掴む手にさらに力を加えていき、最終的に妖怪の頭はまるでトマトのように破裂した。
それを見たもう一匹が逃げようとしていたところを、無理やり立たせ、少し離れた距離から空中に飛び上がり妖怪にキックを放つと今度は反対の足で、妖怪を蹴り、その反動を利用し反転した、そしてV3きりもみキックを放った。
俺がやったのはV3の技の一つでV3きりもみ反転キック。
技を受けた妖怪は爆散した。
「……何度やっても疑問に思うが、火薬もないのに技を受けたヤツが爆散するのはなんなんだ?」
そんなことを言いながら、俺は助けた少女へと近づく。
「おい大丈夫、か……」
少女は緊張の糸が切れたのか気を失っていた。
「ふぅ、仕方ないな」
俺は少女を抱えると一休みできそうな場所まで移動した。
――――――――――――
「ん、んぅ……?」
「お、目が覚めたか?」
少女は体を起こし、辺りを見渡していた。
「ここは?」
「あーキミが気を失ったところから少し離れた場所だよ。安心してくれ、俺はキミに危害を加えるつもりはない」
敵意がないことを証明するために両手を宙でぷらぷらさせる。
少女も俺に敵意がないことを理解したのか頷いてくれた。
「で、今度は俺が質問してもいいかな?」
「……」
少女は黙って頷いた。
「うーんとなんでキミはあの妖怪たちに狙われてたのかな?」
「それは、私に特別な力があるから……」
そう言うと少女は、すぐそばに空間の裂け目のようなものを作った。
「これは……」
「私はスキマって呼んでる。これのせいで私はアイツらに追いかけられてた」
「これの使用用途は?」
「移動に使ったり、物をしまったり……」
俺はスキマと呼ばれるソレをジッと観察した。
裂け目の中は無数の目玉がギョロギョロと動いていた。
……やべぇ、これ中に入ったら気が狂いそうだ。
少女がスキマをなぞるようにすると、スキマは閉じた。
「なぁ、なんでこれを使って逃げなかった?これを使えば、追いかけられることもなく簡単に逃げれたんじゃないのか?」
少女は俯くと小さな声で呟くようにして話し出した。
「だってこの力は誰かを傷つけるから……もうこんな力、使いたくない。だから使わなかった」
「……」
強すぎる力は己だけでなく、多くの人を傷つける。
この子も妖怪で恐らく年齢もそれなりだろうが、精神はまだ幼い。
そんな子がこんな力を持ち、ああいったヤツらの悪事に利用されたとなれば、たとえ自分の意志でなくても傷つけたことに変わりないと自責の念に駆られるのも仕方ないだろう。
「命令されてなんでもやらされた。人攫いに盗み、色々……みんな泣いてた。攫った人たちは痛い痛いって叫んでた。全部私のせい、私が弱いから、こんな力持っているから、みんな傷つく。もうヤダ、これ以上誰かを傷つけるくらいなら死にたい」
「……俺が尊敬してる人たちもそうだよ」
「……え?」
「俺が尊敬している人たちの大半もな、望んでもいない強大すぎる力を手に入れてしまった人たちなんだ。ある人たちは無理やり、またある人はみんなの笑顔のために、ある人は神様に無理やり力を押し付けられて自分は記憶喪失なのに、それなのに自分と同じ存在や人間のためにって言ったり、願いをかなえるために13人で殺し合う、そんな中一人だけその殺し合いを止めるために戦った人もいた」
「なにが、言いたいの?」
「キミ、名前は?」
「八雲、紫……」
「なぁ紫、俺が思うに力の使い方はその人自身が決めることなんだと思う」
「自分自身が決める……」
「そう、紫は今までアイツらに命令されて力を使い、多くの人を傷つけた。その事実は紫が生きている限り一生消えない。でもな、それも今日までだ」
俺は紫の目の前に座り、紫の肩を掴みまっすぐ見つめた。
紫も俺から目を離さず、こちらをジッと見つめる。
「今日から紫は自由の身だ。その力をこれからどう使うかは、紫自身が決めなきゃいけない。紫はさっき死にたいって言ってたよな」
紫は頷く。
「でもそれで本当にいいのか?それは逃げることと同じだ。自分が他人を傷つけたという事実から、なにより傷つけた人たちから…………自分から逃げるな。自分と向き合え、そして考えろ。自分がこれからどうするべきなのか、本当に死んだ方がいいのか。生きるということは考えるということだ。悩み、苦しみ、それでもみんな生きているんだ……確かに今までは誰かを傷つけるだけだったかもしれない。だけどこれからは誰かを助けるためとかに、その力を使えるんじゃないのか?」
「誰かを、助ける」
「そうだ」
紫は自分の手をジッと見つめた後、ギュッと握り、握り拳を作ると顔をあげ俺を見た。
「できるかな?私に……」
「それは俺にも分からない。だってここから先は紫自身が決めていくことだから。でも一つだけ言えることがある」
「……?」
「紫の力は決して人を傷つけるだけじゃないってこと」
俺がそう言うと紫は両目からボロボロと涙を流し、俺に抱き着いた。
最近俺、女の子を泣かせてばっかだよな?
紫が泣き止んだのを確認すると、俺は立ち上がった。
「じゃ、俺から言えるのはこれだけだ。頑張れよ!」
俺がその場から立ち去ろうとすると
「待って!」
紫に呼び止められた。
「ん、なんだ?」
紫は顔を赤くしモジモジしながら
「な、名前!まだ名前聞いてなかったから‼」
大きな声でそう言った。
そういえば、俺から紫に名前を聞いたが俺の名前は言ってなかったな。
「飛鳥、皇神飛鳥だ!じゃあな!」
俺はそう言って、その場を離れた。
――――――――――――
彼は名前を言うと去ってしまった。
「私にできること……」
私も彼のようになれるだろうか。
誰かを救うことができるような存在に……
もう私は誰かに縛られる存在じゃない。
これからは私が自分で決めていくんだ。
「私の力の使い方は、私が決める!」
それから私はあることを思いついた。
人間や妖怪、多様な存在が共存することのできる世界を作ろう。
これはきっと私と私の力にしかできないことだ。
そしてそれを実現させるには途方もない時間が掛かり、とてつもない苦労をするだろう。だがそんなことは関係ない。
彼は私を褒めてくれるだろうか?
ねぇ、飛鳥……
ということで少女時代の紫さんでした。
見た目的には小学校高学年ぐらいをイメージしてください。
久しぶりの戦闘シーンも短めでしたが書けました。
んにゃぁV3カッコいいですよねぇ……(´∀`*)ウフフ
おかしなところや誤字などありましたらご指摘お願いします。
んじゃまた次回お会いしましょう(^_^)/~