美少女たちと飛蝗~バッタ人間でなにが悪い!~ 作:たまごサンドDX
もしよければ読んでください。
更新は不定期ですので悪しからず……
俺は部活が終わり、上機嫌で家へと向かっていた。
「やっとだ!やっと今日、届くんだ!」
自転車を立ち漕ぎし、速度を上げていく。
俺が上機嫌な理由。それは……
「コンセレ版の新1号変身ベルトが届く!」
高校生になったというのに、バイトをしようと思ったら親に反対されるわ。お小遣いは月5000円だと!?足りるわけがない。ただでさえ俺が欲しいベルトはコンプリートセレクションと言われる、《大人の為の変身ベルト》なのだ。大人の為の……。もちろん大人が買うのが前提のためお値段がお高め。だがそのクオリティは値段が高くても欲しいと思えるほどのものだ。
「やっとかぁ~、この時が待ち遠しかった……」
お小遣いが月5000円という中、友達の遊びの誘いを断り、新作のS.I.Cの誘惑にも負けずに8か月だ。8か月だぞ!高校に入学して初めての秋の時だった。金欠だったし、母さんに誕生日プレゼント貰えなかったから、誕生日プレゼントの代わりに買ってもらおうと思ったら
「はぁ!?中古でも約40000万!?そんなもの買えないわよ!」
と言われた。
買ってくれないならバイトを許可するか、お小遣いのupを要求したら
「バイトなんて許可しないから!それとお小遣いも5000円で足りるでしょ!」
と取り合ってくれさえしなかった。
あぁ、今思い出しただけでもむかつく!自分は買い物行くたびに服とか靴を見ては買ってるくせに。払ってる金は母さんが働いて稼いだものだからいいよ?でもね、自分の考えを子供にも強要しないでくれよ。
母さんは言うには学生が働くなんてとんでもないらしい。学生はイスに座り、机に向かって勉強してろと……。そんなこんなで俺のストレスはマッハ‼だよ。
「はぁ……ん?これは!」
自転車を漕ぐのをやめて立ち止まる。
立ち止まったところに建っているのは、自分がいつも利用している模型店。そのショーウィンドウに
「ほえッ!?な、なんでS.I.Cの魔進チェイサーが!」
「おぉ、飛鳥君。久しぶりだね!」
「ひ、久しぶりです、店長。それでなんでチェイサーがあるんですか!?」
店から出てきたのは、この模型店の店長だ。
俺はよくこの模型店を利用するため、顔を覚えられ常連さんとして扱ってくれている。
「さすがは飛鳥君、お目が高いねぇ。これはつい最近知り合いから引き取ったんだ」
「引き取った?」
「ああ、そいつさ、S.I.Cを集めてたんだけど奥さんに怒られたらしく、引き取ってくれと言われたんだ」
「へぇ、それで……もったいないなぁ」
俺がそう言うと、店長は笑みを浮かびながら近づいてきた。
「飛鳥君、どうだい?今なら少しは安くしてあげられるけど……」
店長は俺の肩を掴み、甘い言葉をかけてくる。
「うぅ……」
「今買わないとすぐに無くなっちゃうよ」
だが俺は
「すみません、店長。俺今日はダメなんです」
その言葉に店長は驚いた表情をしていた。
「買わないなんて珍しいね?ここ最近、うちに顔出さなかったのと関係あるのかな?」
「……はい」
「そっか、残念だな~」
店長は笑顔だが少しだけ残念そうにしていた。
「僕としては飛鳥君に買ってもらいたかったんだが……」
「え?」
店長は目を細め、ショーウィンドウを眺めながら、ポツリポツリと話し出した。
「僕はね、ホントはこの店が嫌いだったんだ……親が死んで、ほとんど強制的にこの店を引き継がされ、嫌々仕事をしていたんだ」
「そう、だったんですか……」
「でもそんなとき、一人の少年に出会った」
「それって……」
「そう、飛鳥君。君だよ」
店長はショーウィンドウのガラスに寄りかかる。
「初めてだったなぁ。あんなにはしゃいでる子に会ったのは」
「あの頃はなんというか、見るものすべてが初めてのものばかりですから……」
俺は恥ずかしく、顔をそっぽに向けながら言葉を返す。
「フフッ、あの頃が懐かしいよ。あの頃の僕には君の気持ちが理解できなかった。なぜ、そんなに夢中になれるのか。なぜそんなに楽しそうなのか。ホント理解ができなかった」
「でも今は?……」
「すっかりハマってしまったよ。君が熱心に解説してるのを聞いていたら、いつしか興味が湧いてきたんだ」
店長は笑顔で言う。
「君のおかげで、僕の世界は一変した。ホントにありがとう。そして、これからもよろしく」
店長は俺に手を差し伸べてきた。
俺はその手を少し強く握り、握手をした。
「俺の方こそ、これからもよろしくお願いします」
手を離し、俺は疑問に思っていたことを聞く。
「そういえば、なんで俺に買ってもらいたかったんですか?」
「え?だって飛鳥君の財布の紐が緩いから……」
店長に言った言葉に、俺はポカンとしてしまう。
「え、俺の財布の紐ってそんなに緩いですか?」
「うん。かなり緩緩だね」
「そ、そうですか。ハ、ハハハッ……ハァ……」
そんなことを話していると、周りが騒がしいことに気が付いた。
「何が……―――――ッ!」
「おいあれ、こっちに向かってきてないかい」
「そうみたいですね……」
一台のトラックが信号を無視し、こちらに向かってきていた。
そして気づいた時には遅かったようだ。
距離的にも逃げられるのは一人だけ、なら俺は……
「店長……すみません‼」
俺は思いっきり店長を突き飛ばしていた。
「飛鳥君、何をッ!?―――――」
店長が俺の名前を叫んだ瞬間、トラックは俺へと突っ込んで店のショーウィンドウを突き破り、店の中にまで入っていった。
「あ、あぁ、飛鳥ああああぁぁぁぁッ!!!」
店長は半壊状態の店に入り、ケガをするのもお構いなしに瓦礫を退かし始める。
「どこだ、どこにいるんだ!?頼む返事をしてくれッ‼」
店長の叫びは飛鳥に届くことなく店内に響くだけだった。
「飛鳥あああああぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!」
――――――――――――
寒いし暗い、それに何も見えないし聞こえない空間。
俺の体のあらゆる感覚もなくなりつつあった。
「死んだんだよな」
自分では呟いたと思うが、何せ何も聞こえないせいで自分が本当に呟いたかすら判断できない。もしかしたら心の中で思っただけかもしれない。
どうすればいいかわからない中、何もなかった空間に一筋の光が見えた。
俺は歩いたのか宙に浮かびながら移動したのかわからないが、その光のもとまで行った。
「―――――――ッ!?」
光のもとに着くと、一筋だった光は辺りを眩く照らした。
俺は光があまりにも眩しく、腕で目を隠した。
光が納まるとそこは、真っ白な部屋だった。
「ここは……?―――ッて、声が聞こえる!?」
音も聞こえるようになっており、足も床についていた。
「いったい何なんだよ!」
状況がわからないため、俺は徐々に苛立ち始めた。
「すみません」
「……は?」
背後から声が聞こえたので振り向くと、そこには一人の少女がいた。
まぁ、少女というより幼女かな?というかなんで金髪幼女なのかな?
「あの、あなたは?」
「私はあなた方、人間の言うところの神の一人です」
まさか神様が本当にいるとは思わなかった。
「で、神様はなぜ俺をこんなところに?」
「それは、私たちのせいです」
「………というと、どういうことですか?」
「では事情をお話しします」
俺は神様に事情を聞かされた。
話を聞いた限り、俺が死んだのはイレギュラーで死んだ理由は神様の部下がやらかした結果、俺のあれから先のことが消えてしまったんだと……
「ハァ、今日はコンセレ版の1号変身ベルトが届くはずだったのに……」
「……あの」
「なに……?」
神様はおどおどした感じで尋ねてきた。
「そ、れだけですか?」
「なにが?」
「その、私たちのせいで死んでしまったのに文句とかないんですか?」
そう言われても、俺の言いたいことは一つだけだ
「じゃあ、なんで今日なん?」
「あの、その、消えてしまった部分が今日から先のことだったので……」
「わざとじゃないですよね?」
「わざとじゃ、ありません!そんなこと、しません……」
神様は目に涙を浮かべながら答えた。
流石に泣かせるのはまずいと思い慰める。
「そ、そうですよね?神様がそんなことしないですよね」
「うっ、ひっく、はいぃ……」
よ、よかった。どうにかなりそう。
「それで、俺はこれからどうしたらいいんですか?」
「え、えっと、転生してもらいます」
神様転生、二次創作の定番だな。
「えーっと、神様?」
「は、はい、なんですか?」
そんなにおどおどしなくてもいいんだけどなぁ。
「流石に手ぶらってことはないですよね」
「はい、幾つかの特典を用意してます」
「それならよかっ「ただし……」ただし?」
神様はなぜか言いにくそうにしていたので、俺は優しく言った。
「大丈夫ですよ。怒ったりしないので教えてください」
「……はい、えっと、特典なんですが……」
―――――選ぶことができません―――――
「……え?」
「だから、えっと、特典を選ぶことが「いや、それはわかりました……」は、はうぅ~」
「その理由を教えてください」
「過去、転生者の中で特典を多く頼んでせいで、転生した先の世界が滅んだことがあったんです」
「は、はぁ……」
「滅ぼすほどの力を与えるのはまずい、ということになりまして。それから特典はランダムで数は最高で3つまでになりました」
「なるへそ~」
納得した、というか転生の特典でそこまでできるのかと思った。
「では、どうぞ……」
神様がそう言うと、目の前にガチャガチャの機械が現れた。
「じゃあ、1回目」
俺がハンドルを回すと、カプセルが1つ出てきた。
「私が開けますね。ん、ううぅぅーーん!」
一生懸命開けようとしている姿がかわいいが、時間がかかりすぎだ。
「貸してください」
俺は神様からカプセルを取り上げる。
「あぁッ……」
なんでそんなに残念そうなんだよ。
少し力を加えるとカプセルは簡単に開いた。
「はい、どうぞ……」
「むうぅぅ~!」
カプセルを渡すと神様は頬を膨らませ、怒っていた。
俺が何をしたっていうんだ?
神様はカプセルに入っていた紙を取り出すと読み始めた。
「ふん!一つ目の特典は、『全ての仮面ライダーになれる』ですね」
「よっしゃあぁぁぁーー「ただしバッタモチーフに限る」……え?いまなんて?」
「バッタモチーフに限るって言っただけですが?」
俺は素早く、神様の持っていた紙を奪い見る。
「う、嘘だろ?」
紙には確かに『全ての仮面ライダーになれる。ただしバッタモチーフに限る』と書かれていた。
「私は嘘をつきません!」
俺はその場で絶望し、地面に膝をつける。
「もう!早くしてください!」
神様に怒られたので、なんとか立ち上がりガチャガチャのハンドルを回し、2つのカプセルを取り出す。
神様はチャッチャッとカプセルを開け、中の紙に書いてある内容を読む。
「二つ目は『不老不死』で、三つ目が『限界のない鍛えれば鍛えるほど強くなる肉体』ですね」
「不老不死って、そんなに生きるつもりないのに……それに三つ目もなんだかなぁー」
「いいじゃないですか。仮面ライダーは肉弾戦メインなんですから、特にバッタがモチーフのライダーは」
「もう一度引き直すというのは……」
「ありえません」
「ですよねぇー」
俺は覚悟を決め、神様に言う。
「じゃあ転生させてくれ」
「わかりました。転生する世界はランダムなので。それと……」
「なんだ?」
神様は真剣な表情をし、こちらを見てくる。
「時々、イレギュラーが発生するので気をつけてください」
「イレギュラー?」
「はい。本来存在することのないあなたがその世界に介入することで、極稀にイレギュラーが発生します」
「そういうことか、わかったよ」
「ではあなたを転生させます」
ふと俺は転生する前に気になることがあった。
「……神様」
「ん、なんですか?」
俺が気になったこと、それは
「俺が死んだあの場で、他に死んだ人はいますか?」
「…………」
神様はしばらく黙っていたが、悲しい表情をしながら答えた。
「いません。あの場で死亡したのはあなた、ただ一人です」
俺はそれを聞き安心する。俺のやったことは無駄ではなかったと……
「ありがとう。それだけ聞ければ十分だ」
「あの……!?」
俺の体はが透け始め、足元から消えていく。
「じゃあな。これから先、俺の時みたいなミスするなよ……神様……」
それを最後に俺は完全にその場から消えた。
――――――――――――
彼は消える最後まで笑顔だった。
私が殺したも同然なのに、彼は私を責めなかった。あまつさえ、自分の時のようなミスをするなとアドバイスまでくれた。
「ごめんなさい。本当にごめんなさい!!!」
本当なら彼は死ぬことなく、幸せな人生を歩めたはずだ。
その未来を私は容赦なく奪った。それが偶偶とはいえ許されることではない
「私はもう二度と過ちを繰り返さない‼」
私は自分の仕事に戻るため移動した。
―――――あなたのこれからに祝福があらんことを……皇神飛鳥様―――――
1話目から長くてすみません。
誤字脱字やおかしな日本語がありましたら、感想か誤字報告にてお願いします。
次回!バッタ人間美女を救う‼にてお会いしましょう。
良かったら次回も読んでください。