美少女たちと飛蝗~バッタ人間でなにが悪い!~   作:たまごサンドDX

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みなさん、クリスマスはどう過ごしました?
私はケーキを食べて終わりました。

感想にてご指摘をいただき、アナザーアギトを変身可能ライダーに追加しました。

<ほほぉ…いい性能だな。キサマの作戦目的とIDは!?

正義、仮面ライダー2号

この話を読むとき少し考えてみてください。いきなり化け物を簡単に殺せる力を自分が手に入れたら、もし家族も知り合いもいなくあなたのこと知っている人が世界に一人もいなかったら……そんな世界であなたは自分のことをどう思い、どう考え行動しますか?

※オリキャラやオリジナル設定が登場します
 話の内容に合わせ、タイトルを変更しました。



第2話 改造人間の悲しみ、そして飛鳥は軍に入隊!?

「……大丈夫ですか?」

 

 変身を解除した俺は、女性へと近づき手を貸す。

 

「ええ、ありがとう……名前は仮面ライダーでいいのよね」

 

「え!?あっ……それはあの時の姿の名前であって本名では……」

 

 俺が、さっき名前を聞かれたときに『仮面ライダー』って言ったせいで、この女性は俺の名前を『仮面ライダー』だと思っているようだ。本当にごめんなさい!

 

「じゃあ、あなたの本当の名前は?」

 

「えっと、皇神飛鳥といいます」

 

「そう、皇神君ね……」

 

 俺に君付けですか?俺ってそんなに幼く見えるのか……確かにこの女性のほうが年上だろうけど……

 

「……何か失礼なこと考えなかった?」

 

「い、いえ‼」

 

「そう……」

 

 こ、怖ぇぇ。どうして女ってそんなに勘がいいの!?

 

「私は八意永琳よ。それで皇神君が鳴っていたあの姿、『仮面ライダー』って何かしら?あなたは人間なの?」

 

 自分が人間なのか?そんなの分かりきっているだろう。俺は…………

 

「俺は、人間じゃありません……」

 

 俺がそう言うと、八意さんは警戒していた。

 

「人間じゃない。なら、あなたは妖怪なのかしら?」

 

「妖怪?本当にいるんだ……残念ですが、俺は妖怪でもありません」

 

「そう。あとなぜ私を助けたの?」

 

 なぜ助けたかって?

 

「これでも俺は耳がいいんです。それで遠くから女性の悲鳴が聞こえてきたので、走って近づいてみたら八意さんが襲われていたので助けただけです」

 

「本当に助けようとしただけ?ホントはあなたも人間を食べるような化け物で、私を食べるのに他の妖怪が邪魔だから排除しただけじゃ「違います!!!!」――――ッ!?」

 

 俺は八意さんに向かって怒鳴っていた。

 俺のことはどう言おうと構わない。知らないから仕方ないのだろう。だが、『仮面ライダー』のことを悪く言われることがたまらなく嫌だった。

 怒鳴ってしまった俺はどうすればいいかわからなく、俯いたままだった。

 

「……ごめんなさい、命の恩人にに向かって言うことではなかったわ。でもあなたの体を調べてもいいかしら?どうしてもそれだけは気になるの」

 

「わかりました」

 

「じゃあ、行きましょうか――――ッ!」

 

 八意さんは歩こうとするが、捻った足が痛むのか、顔を苦痛で歪めていた。

 

「……すみません!」

 

 俺は見ていられず、八意さんをお姫様抱っこした。

 

「ちょっ、ちょっと!なにしてるの!?」

 

「いや、足が痛そうだったんで……」

 

「だからって……ハァ、もういいわ……」

 

 俺は八意さんに案内してもらいながら目的地を目指した。

 

 

 

 

 

 ―――――――――――

 

 

 

 

 

 私を抱いて歩いている男、名前は皇神飛鳥というらしい。

 妖怪に襲われていたところを助けてくれ、そして『仮面ライダー』というものに姿を変えた……あまりにもわからないことが多すぎる。

 彼は拳と足だけで妖怪を倒していた。妖怪たちは彼の攻撃に耐え切れなかったようで、無残な姿になっていた。

 

「………」

 

 彼は何もせず黙って私を運んでいるが、彼の手は妖怪をいとも簡単に殺すことができる。そう思うと恐ろしいが、彼の手は温かく柔らかい。私たちと変わらないのだ。

 

「あの……ジッと俺の顔見てどうしたんですか?俺の顔に何かついてます!?」

 

 どうやら私は彼の顔をずっと見ていたようだ。

 彼は顔を赤くし、慌てて顔を確かめていた。

 

「フフッ、何もついてないわよ」

 

「えっ!うぅ……」

 

 彼は慌てていた姿を見られ、恥ずかしいようだ。

 彼は私たちと何も変わらない。

 私は何を恐れていたのだろう。こんな反応をする彼が人間を食べるような化け物には思えない。では『仮面ライダー』とは何なのだろう?

 

「あぅ……八意さん、ここでいいんですか?」

 

 どうやらついたようだ。

 

「ええ、そうよ。あと、名前で呼んでちょうだい。私も名前で呼ぶから」

 

 男とは思えない可愛らしい反応。

 なぜだろうか、彼を見ていると胸のあたりが熱くなる。守ってあげたい、そばにいてあげたいと思ってしまう。

 そして、彼を独占したいと……

 

 

 

 

 

 ――――――――――――

 

 

 

 

 

「わ、わかりました……永琳、さん」

 

「さん付けもしなくていいのに……まぁ、いいわ」

 

 急に名前呼びにすると言われたときは驚いたが、まぁ距離が縮まったと考えれば気にはならなかった。

 それはそうと、俺の目の前にあるのはなんだ?超未来的な都市があるんですが……もうスマホが時代遅れと言わんばかりの……周りの風景と全くもって合ってないんですが、ここだけ時代が違いますよ。

 

「ッと、ここよ」

 

「ここですか……」

 

 それなりにでかくないですか?もしかして永琳さんって、めっちゃ偉い人!?

 

「あの、永琳さんって偉い人なんですか?」

 

「まぁ、それなりにかしら?……」

 

 うぇッ!?やっぱりか……いいのかなぁ。俺みたいなよくわからない奴が入っても……

 

「どうかしたの?」

 

「あの、本当に俺も行くんですか?なんかまずいことになったりしないですかね?」

 

「大丈夫よ。もし何かあったりしても、私が何とかするから……それに約束したでしょ。あなたの体についてどうなっているのか」

 

「それはそうですけど……」

 

「あぁ~、もうッ!私がいいって言っているんだから、さっさと中に入る!入らないと私の足の治療もできないでしょ!わかった?わかったなら入る‼」

 

「は、はいぃぃ~~ッ!」

 

 俺は慌てて永琳さんの家に入った。

 中は普通で永琳さんの手当てが終わり、すぐ俺の体の検査をした。

 

「なによこれッ!」

 

 永琳さんがそう言うのも当たり前だろう。

 俺の体は骨が鋼に代わっており、その他も改造された肉体。俺の肉体そのものが兵器と化しているのだから……

 

「どうなっているの‼体の構造だけじゃない、バッタの遺伝子自体が身体に組み込まれている!?飛鳥、あなたの体はいったい……」

 

「永琳さん、俺に妖怪かどうか聞きましたよね」

 

「……ええ」

 

「その時俺は違うと言った。だけど人間でもない……なら俺はいったい何なのか……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺は、改造人間です…………

 

 

 

 

 

 

 

 

「改造人間?」

 

「そのままの意味です。肉体を改造された人間、それが改造人間。そして俺にはもう一つ、改造兵士という呼び方がある」

 

「改造兵士……」

 

「改造人間と同じようなものです。まぁ、改造兵士の方はゲリラ戦を想定されたものですが……」

 

 永琳さんは驚いているようだ。

 それもそうだろう。肉体をこんな風に改造された人間なんて本来存在しない。空想上のものが目の前に居るのだ。怖がられてもおかしくない。いや、怖がられて当然だ。俺は化け物なのだから……

 

「……」

 

「えっ!?」

 

 俺を拒絶する思いきや、永琳さんは優しく抱きしめてくれた。

 

「あなたがなぜこんな体なのかは聞かない……でもね、だからって拒絶なんてしないわ。確かに少しは怖い。だけど私はあなたに助けられたし、あなたには感情があって、肌は柔らかく体温が感じられる。あなたは兵器なんかじゃない、れっきとした人間よ……」

 

「で、でも!!!!」

 

「大丈夫よ。たとえ、他の誰かにあなたが人間であることを否定されたとしても、私が肯定してあげる。私はあなたが人間だと言い続ける。だから安心して」

 

 俺は心のどこかで自分が化け物だと思っていたのだろう。化け物を簡単に殺すことのできる自分が恐ろしかったんだ。本郷猛たちのような正義感も何もない自分は凶悪な兵器なのではないかと思っていた。

 

「う、うぅぅうぅうわぁぁぁぁッーーーー!!!!」

 

 永琳さんに抱き着き、思いっきり泣いた。

 死を体験し、転生すると同時に強い力を手に入れた。自分でも制御できるかわからない力を……自分を知る人がいない世界、誰も俺のことをわかってくれないだろうと、知らない世界で一人きりだった。本当は寂しかったんだ、俺は……

 

「怖かった、怖かったんだ!世界が!自分が‼誰も自分のことを理解してくれないのがッ!!!もう一人になるのは嫌だよぉ、俺をことを嫌いにならないで‼」

 

「大丈夫、大丈夫だから……絶対にあなたを一人にしない。私がずっとそばにいてあげるから、もう安心して……」

 

 永琳さんの声や体温が心地よくて、俺はそのまま寝てしまった。

 

 

 

 

 

 ――――――――――――

 

 

 

 

 

 彼は一人で抱え込んでいた。とても一人では抱えきれないものをたくさん……一人にしないで、と叫んでいた彼は寂しく、自分が恐ろしかったんだろう。

 私に抱き着き、寝ている彼の表情はとても落ち着いており、呼吸も正常だった。

 

「よく頑張ったわね……」

 

 彼の頭を撫でる。

 誰が、彼をこんな状態にしたかはわからない。こんなこと彼自身ができるわけがない。

 私は頭を撫でている手とは逆の手を、血が出るほど強く握りしめた。

 こんなことをする奴は人ではない。

 

「……わたしがずーっとそばにいてあげる……あなたを嫌う者、あなたを拒絶する者、すべてを私が消してあげる。だからあなたはここに居ていいの、ずっとね……フフッ………」

 

 そしてあなたを私のものに……

 彼女は微笑んでいた。

 だが彼女を知る者なら、今の彼女を見てこう言っていただろう……

 

 

 

 

 

 

 

 あれは本当に八意永琳なのか、と……

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――――――――――

 

 

 

 

 

 あれから一か月ほどが過ぎた。

 

「永琳、この書類はここでいい?」

 

「ええ、そこに置いといて」

 

 俺はさん付けを止め、呼び捨てにするようにした。お互いの距離も縮まりいい感じだと思うが……部屋を借りている俺が言うのもなんだが、俺が寝ているときにベッドに入ってくるのをやめてほしい。

 永琳のような美人でスタイルのいい女性に近づかれると、俺も男だから大変なんだけどな。あとなぜか服が着崩れているときがあるのだが、まさか永琳が脱がせてるとか……いや、ないな。

 

「あ、そうだ飛鳥」

 

「ん、なに?」

 

「あなた、普段やることないでしょ?どうせなら軍に入ってみれば?」

 

「永琳、それは「兵器としてとかではないから安心して」……ああ」

 

「飛鳥が戦うのは守るためでしょ、軍と言っても戦争をするわけじゃないわ。都市を妖怪から守る仕事よ。それが嫌なら私の権限を使って私専属の護衛とかにするから……ね……」

 

 永琳にそこまで言われると俺も断れない。

 流石にずっと働かないのも不味いと思っていたので、ちょうどいいのかもしれない。

 

「わかったよ」

 

「そう、ならすぐにでも入れるように手配するわ」

 

「いや、今すぐでなくても……ハァ、言っても遅いか……」

 

 手配し終わった永琳に軍の基地の場所を教えてもらって、永琳の証明書を受け取り基地へと向かった。

 

 

 

 

 

 ――――――――――――

 

 

 

 

 

「そこまで遠くないのな……」

 

 基地の門番に証明書を見せ、通してもらうと一人の女性がいた。

 

「貴様か、八意様が推薦したという者は……本当に強いのか?そのような細い体で……」

 

「あの、皇神飛鳥です」

 

「坂上焔だ。ついてこい、貴様をテストしてやる。いくら八意様の推薦でも使い物にならなければ意味がない」

 

 坂上さんの言うことを聞き、ついていくと少し大きめの建物に入った。中は中央が開けており、周りを囲うようにたくさんのイスが設置されていた。

 そう、まるでローマ帝政期に造られたコロッセオのように……

 

「ここは?」

 

「普段は訓練でつかっているが、今日は急遽お前のために空けた。そのかわりギャラリーはたっぷりいるぞ。せいぜい無様な姿を見せないように気をつけるんだな」

 

 この坂上焔とかいう女性、性格が悪すぎないか?……いや、ちがうか。周りのギャラリーたちも俺に向かって殺気を放っている。

 つまり、永琳のお気に入りである俺が気に入らないと、そうかそういうことか。

 

「時間が惜しい。さっさと始めろ!」

 

 俺の目の前には10人ほどのガタイのいい男がいた。

 

「おら、殺さない程度にしてやるからさっさと来いよボウズ」

 

 俺は仕方なく中央へと歩いて行った。

 

「もらった!」

 

 一人の男が俺に向かって、蹴りを放った。

 それを喰らった俺は後ろへと飛ばされる。

 痛みはなかったが、口の中を切ったのか血が垂れてきた。

 

「……ぺッ」

 

「おいおい、この程度かぁ?本気出せよ、少しぐらい俺たちを楽しませろ!」

 

 仕方ない、こんなことに力を使いたくはないのだが、完全に認めさせるのにはそれしかないか……

 

「後悔するなよ……」

 

「は?何言ってんだ!」

 

 両腕を右の方向で水平に揃え、両腕を体の前で反転させる。そして左側で握りこぶしを作るように立てる。

 

「変身……」

 

 俺の腰にあるベルトのタイフーンを保護する役割のある、立花レーシングのマークが描かれたシャッターが開き、勢いよく回るタイフーンで風圧を受け

 

「トォッ!」

 

 ジャンプをすると俺の姿は変わっていた。

 1号と似ているが手袋とブーツの色は赤く、体の両側の銀色のラインは1本だった。

 

「その姿はなんなんだ!?」

 

「さっさと終わらせるぞ……」

 

 俺はダッシュで近づき、男の鳩尾にパンチをする。もちろん相手は人間だから威力を弱めて

 

「うっ……」

 

 男は呼吸困難を起こした後、気を失った。

 

「テメェ、おかしな格好しやがって!」

 

 突っ込んでくる相手には顎を軽く殴ると脳震盪を起こし地面へと倒れる。

 次々と男たちが来るが、軽く殴るだけで気絶するので非常に楽であった。

 見ていたギャラリーもあまりにも早く終わってしまったのと、俺の姿や強さのせいで黙ってしまっていた。

 

「ハァ、手加減したけど大丈夫か?」

 

「手加減していただと!?」

 

 間近で見ていた坂上焔は言う。

 

「あれで手加減していた?そんなバカな!?貴様ぁッ、目的はなんだ!貴様はいったい何者なんだ‼」

 

 それに対し俺は……

 

 

 

 

 

「誰かを守ること、仮面ライダー」

 

 

 

 

 

 と答えてやった。

 

 

 




今回は2号の出番でしたが、本当にごめんなさい!
もっとパワフルな戦闘を書きたかったのですが、相手が人間ということもありさすがに殺すのはまずい!ということでこのような感じになりました。
本当にごめんなさい!2号の出番はこれからもあるのでどうか許してください‼
あと少し時間を飛ばしてしまいました。飛鳥と永琳の生活をだらだらと書くのもどうかと思ったので、一か月ほど時間を進めました。
もし二人の生活を見たいのでしたら、感想で言ってください。もしリクエストが多かったら書きますので。
あとヤンデレ永琳ですが、恋愛というより愛情ですね。恋人というより姉や母親と言ったほうが正しいかもしれません。保護欲ですかね?
文章中に『あれは本当に八意永琳なのか』と書きましたが、偽物疑惑とかではなく、ただ永琳が普段することのないような表情や言葉を言っていたため、そう書きました。
分かりづらく申し訳ございません。

今回の話ですが作者がただ単に仮面ライダーSPIRITSの2号のセリフが使いたかっただけです。すみません<(_ _)>

誤字脱字やおかしな日本語がありましたら感想か誤字報告にてお願いします。あと永琳の口調も……

次回!包囲された飛鳥!?物量で圧倒せよショッカーライダー‼

後書きを長々とすみませんでした。次回もよろしければ読んでください。


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