大空を陰から支える蜃気楼   作:itigo_miruku121

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次回で黒曜編が終わります


大空を陰から支える蜃気楼 黒曜編 ~3話~

ツナ「この先に・・本物の六道骸が…」

 

 

俺は廃墟と化した黒曜ランドの本館内を歩きながらそう呟く。

 

 

六道骸・・マフィアを追放された脱獄囚でフゥ太のランキングを利用し風紀委員の人や雲雀さん、京子ちゃんのお兄さんや獄寺君の襲撃を画策した張本人。

さらに、俺たちがここに乗り込んできても多数の刺客を差し向けみんなを殺そうとした。そして‥その牙はマフィアに一切の関係がない京子ちゃんやハルにまで…

 

 

ビアンキ「ツナ。何を考えているのか大体想像は付くけど程々にしておきなさい。気負いすぎるのは逆効果よ」

 

 

ツナ「ビアンキ……うん、わかった。ありがとう」

 

 

一緒に本館内を歩く赤い長髪をしたビアンキにそう声を掛けられる。考えること自体を咎めないところを見ると彼女も六道骸に対して俺と同じ感情を抱いているのだろう。

だが、それも当然だ。彼女は京子ちゃんたちと仲が良かったし、Dr.シャマルの治療の副作用が残っている獄寺君に敵の一人を任せているのだから…そしてその獄寺君は彼女の実弟なのだ。六道骸はもちろんそんな彼に任せざるを得なかった自分に対しても怒りを感じているだろう

 

ツナ「獄寺君…大丈夫かなぁ」

 

 

俺はこれまで通った道を振り返り、隣を歩く彼女の実弟であり俺の友達でもある獄寺君の事を想う。

 

 

ビアンキ「隼人の事が心配なのもわかるけど今は先を急ぐ方が先決よ。六道骸を倒さない限りまたランチアみたいな被害者が出続けるわ。それに…あの子もガキじゃないのよ。自分のことくらい自分で何とかするはずよ」

 

 

先程よりも強い口調で彼女に咎められる。これ以上はまた彼女に殴られてしまいそうだったので先を急ぐことにした。

三階に続く階段をのぼりしばらく進むと一つの部屋に続く扉が見えてきた。その扉を開けるとそこには…

 

 

???「また会えて嬉しいですよ」

 

 

室内はどこからか差し込む外の光以外は光源の一切がなく、その声の主もまるで俺たちを待ち構えるかのようにドアの真正面にあるソファに腰かけていた。

 

 

ツナ「えっ…」

 

 

ビアンキ「ッ!!」

 

 

その男の姿を確認すると隣にいたビアンキが表情を変え目の前の男に敵意を向けながら俺を庇うようにして前に立った

 

 

ツナ「き、君は…!」

 

 

ビアンキに敵意をむき出しにされても表情一つ変えないその男は少し前に森で会った人質の黒曜中の子だった。

 

 

ツナ「君もここに捕まっているの?あっ、この子はさっき森であった黒曜生の人質なんだよ」

 

 

ビアンキとリボーンは彼と初めて会うことになるので彼は敵ではないと証明するために、軽く紹介をする。でも彼がここにいるという事は本物の六道骸はいったいどこにいるんだろう…さっきのビアンキの反応といい…なんだか嫌な予感がする。

 

 

学生?「クフフ・・ゆっくりしていってください。君とは長い付き合いになる…ボンゴレ10代目」

 

 

ツナ「えっ…なんで君がボンゴレを知っているの?」

 

 

リボーン「待て、ツナ」

 

 

ビアンキ「違うわツナ。コイツ‥…」

 

 

その言葉で確信を得たのかずっと黙っていたリボーンが口を開き、ビアンキも彼を敵と確信したのかさらに俺の前に出る

 

 

学生?「クフフ……僕が本物の‥‥六道骸です」

 

 

ツナ「なっ‥‥ハァ!??」

 

 

目の前の学生はプロのヒットマンであるビアンキとマフィアのボスによって派遣され本人も凄まじい実力を持つリボーンに敵だと判断されても、一切臆することなく自分から敵だと自分の正体を明かした。

 

 

バタン!!

 

 

ツナたち「「「!!」」」

 

 

彼の宣言がまるで合図だったかのようにこの室内唯一の入り口が大きな音を立てて閉まった。俺たちは慌てて振り返ったが扉は確かに固く閉ざされていて、その前には見覚えのある人物がその先へ行かせないようにして立っていた。

 

 

ツナ「フゥ太!お、脅かすなよ・・」

 

 

ビアンキ「無事みたいね」

 

 

扉の前に立っていたのは数日前から行方不明だったフゥ太だった。見る限りではどこも怪我などはしていようだったが、どこか違和感を感じる…骸から感じる嫌な気配とはまた違った…これはいったい何なんだ?

 

 

ツナ「いったいどこ行ってたんだ?あの後ずいぶん探したんだぞ・・みんなも心配してた。」

 

 

リボーン「…」

 

 

骸「クフフ…」

 

 

ビアンキ「危険だから下がってなさい・・フゥ太」

 

 

ビアンキがフゥ太を庇うようにしながら近づくとフゥ太の手には三本槍の穂先の部分だけがいつの間にか握られていて、フゥ太は何の躊躇いもなくそれをビアンキの腹部に突き刺した。

 

 

ツナ「ビアンキ!ビアンキしっかりして!!」

 

 

倒れこんだビアンキに呼びかけるが一切の反応はない。一応リボーンが持ってきていた救急セットで応急処置を施してくれているが目を覚ます気配はない。

 

 

ツナ「フゥ太何やってんだよ!!」

 

 

ビアンキを刺したフゥ太は三本槍の穂先を以前まで持っていたランキングブックのように大切に抱え込み、獣の唸り声のような声をあげて俺を睨んでいた。

 

 

フゥ太?「ッ!」

 

 

ツナ「おい、フゥ太!!」

 

 

フゥ太は抱え込んでいた穂先で俺に向かって攻撃してきた。その攻撃は辛うじて回避できたがフゥ太は槍を再び構えて今にも俺に攻撃してきそうだった。その穂先がどこからか入っていた外の光を受け、その反射光で初めてフゥ太の顔を明確に見ることができた。

 

 

フゥ太?「……」

 

 

その眼には一切の光がなく、暗い闇が広がっていた。しかしその闇しかない瞳の中で俺への殺意という炎だけがメラメラと燃え盛っていた。

 

 

リボーン「フゥ太のやつ、自意識ってやつがねぇな。マインドコントロールされてんのか?」

 

 

俺の後ろでビアンキに応急処置を施しているリボーンがそう呟く。だが俺の意見は彼とは違う。

 

 

ツナ(違う‥これは骸にマインドコントロールされているんじゃない…それどころかフゥ太ですらない……誰だ、目の前にいるフゥ太の格好をした奴は)

 

 

俺がそんな違和感を感じているとフゥ太は俺に再び攻撃を浴びせてきた。俺は繰り出されてきた突きと薙ぎ払いを紙一重のタイミングで躱す。その後も続けて攻撃はされてきたがその全てを何とか回避することができた。そして、その攻撃の度に俺の違和感も増大していった

 

 

ツナ(やっぱりおかしい……このフゥ太が出す攻撃は‘‘俺が少しでも動けば当たらないもの’’ばかりだ。ビアンキを躊躇いもなく刺しておきながら俺に対してはそんな攻撃ばかり…まるで()()()()()()()()()()()()()()()()()()()みたいだ)

 

 

そんな中、不意に俺の体が後ろから鞭で縛られ倒された。その鞭の取っ手を握っていたのはリボーンだった。

 

 

リボーン「前にディーノの奴にもらった鞭を持ってきてやったぞ」

 

 

ツナ(コイツがスパルタだってことは随分前からわかっていたが改めて思う。こいつには慈悲の精神なんて欠片もないんじゃないかって……。俺は仮にもお前の生徒だぞ?)

 

 

なんてことを思うが口には出さない。なぜなら、出せばどんなひどいことをされるか分かったものじゃないから…

 

 

ツナ「こんなもん渡されてどうしろって言うんだよ!」

 

 

拘束を解除され投げ渡された鞭を持ちながらリボーンに抗議する。だがリボーンは俺の抗議など気にも介さず「やらねぇとお前が殺られるぞ」と正論を振りかざしてきた。

 

 

骸「クフフ…さぁ、どうします?ボンゴレ十代目」

 

 

ツナ「ッ!」

 

 

骸は頬杖をつきながら俺たちをずっと見ていた。その言動や態度からはあいも変わらず余裕が見て取れ、俺たちがもがき苦しむさまを楽しんでいるようだった。

 

 

ツナ(フゥ太の違和感はまだ続いているけど・・骸に危険が迫ればこの状況は打破できるはず!)

 

 

俺は渡された鞭を構えながら骸の方へと走った。後ろから誰かが追いかけてくる足音が聞こえる。走りながら一瞬だけ振り返り、後ろを見てみるとそこにはフゥ太が俺を狙って追いかけていた。

 

 

ツナ(骸に操られているわけでもなければ、俺を殺す気もない。なのに俺を執拗に狙うのはなぜだ!?)

 

 

俺はフゥ太に対する違和感をさらに強めながら骸の方へと向き直り鞭を振るう。しかし鞭は弧を描きながら俺の方へとしなり顔面に直撃した。

 

 

ツナ「痛ぇ!!」

 

 

骸「クッハッハ!君にはいつも驚かされる。ホラホラうしろ、危ないですよ?」

 

 

骸は先程までよりは大きな声で笑いながら俺に注意喚起をした。敵である俺に向かってアドバイスをするとはよほど自信があるようだ。

骸のアドバイスに倣うのは癪だが言われた通り後ろを見てみると、俺が振るった鞭に絡まり身動きが取れないフゥ太がいた。

 

 

フゥ太?「……」

 

 

フゥ太は絡んで転倒した際に手から離れてしまったのか、俺の近くにある三本槍の穂先を取り戻そうと匍匐前進をしていた。

 

 

ツナ「おい、フゥ太!やめr」

 

 

フゥ太の顔をもう一度正面から見た俺は、フゥ太の眼が先程とはまた違っていたのに気づいた。

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

ツナ(炎が…消えてる‥‥)

 

 

フゥ太の眼には先程まですべてを灰燼に帰するかのように燃え盛っていた炎が消え、完全な闇に染まっていた。その闇の暗さは今いる室内などとは比べ物にならない程で、もしその闇の中に放り込まれたのなら俺や山本といった常人はもちろん、ビアンキや骸といったプロのヒットマンですら孤独と自分の存在を認識することさえ阻害するほどの暗闇からくる絶望で自ら命を絶ってしまうのではないかと思わせるほどだった。

 

 

ツナ(コイツ・・やっぱりフゥ太じゃない。今までは確信が持てなかったけどこの眼を見てはっきりと分かった。これはマインドコントロールされている人の眼じゃない…もっと悍ましくて暗い暗黒しかない世界からやってきた人の眼だ)

 

 

フゥ太は穂先を取り戻し、再び俺に向け今にも振り下ろさんとしてきた。だが、俺はフゥ太の姿をしてそんな演技を続ける謎の人物に底知れぬ怒りを感じ、怒気を含んだ口調で目の前の人物に言葉を放った

 

 

ツナ「お前は誰だ!」

 

 

骸・リボーン・フゥ太「「「!!」」」

 

 

リボーン「おい、どうした。ツナ」

 

 

骸「これは不思議なことを言いますね。ボンゴレの目の前にいるのはフゥ太君ですよ。正真正銘本m「違うッ!」

 

 

俺は骸の言葉を遮ってそれを否定した。そうだこれは・・今俺の目の前にいるのはフゥ太なんかじゃない。別の何かだ。その証拠にフゥ太の姿をした目の前にいる何かは動きを止めている

 

 

骸「いったい何が違うというのです?そんなにも主張するのには何か証拠でもあるのですか?」

 

 

ツナ「物的証拠はないし、核心に至れる証拠もない」

 

 

骸「ならばボンゴレの妄言ですか?それとも勘が証拠とでもいうつもりですか?クッハッハ!ボンゴレはマフィアのボス以外にもコメディアンとしての才能もあるのですね」

 

 

ツナ「そうだ…今から言うのは全て俺の主観だ。直感と言ってもいい。でも・・それでも俺は声を大にして言う。こいつはフゥ太じゃない…ましてや骸・・お前にマインドコントロールもされていない」

 

 

リボーン・骸「「なに」」

 

 

リボーン「おいツナ!それはどう骸「どういう意味です!!」

 

 

大口を開けて笑っていた骸がその言葉で驚愕した表情を浮かべ、リボーンの言葉を遮って俺とフゥ太を睨みつけてくる。

 

 

ツナ「おかしいと思ったんだ。ビアンキを刺しておきながら俺には俺でも躱せる攻撃しかしてこない。いや、正確に言うと‘‘俺が少しでも動けば躱せる攻撃’’しかしてこなかった」

 

 

リボーン「死ぬ気モードじゃないお前が…か?」

 

 

ツナ「うん。骸も見ただろ?今の俺は鞭もまともに振るえない程戦闘に関しては全然ダメだ。その俺がこう言うってことはそれだけ当てる気がなかったってことだ。骸に操られているのならそんな攻撃はしてこないだろうし、お前もさせないだろ?」

 

 

骸「ばかばかしい!彼の本来の意識がまだ僅かに残っていてそれが攻撃を鈍らせただけのこと!!彼の君に対する感情は凄まじかった!![[rb:沈黙の掟 >オメルタ]]を貫き通し僕の支配下に置かれるまで一切口を開かないほどに!!」

 

 

ツナ「それでもだ。ランチアさんほどの人を絶望の淵に叩き落したお前が出来なかったとは考えられないんだ」

 

 

激昂する骸に対し俺は冷静に言葉を続ける。フゥ太の姿を何かはそんな会話の中でも指一つ動かさずに俺を光のない眼でじっと見つめていた。

 

 

ツナ「そして、これが一番の理由だけど…今とビアンキを刺した時だとコイツの眼が違うんだ」

 

 

リボーン「眼が違う?それはどういう意味だ?」

 

 

リボーンは疑問を投げかけてきた。骸は何か言いたげだったが俺に話を続けさせるために黙ったままフゥ太の姿をした何かを睨んでいた

 

 

ツナ「ビアンキを刺した時の眼は確かに今みたいに光がなかったんだ。でも、何か固い決意みたいなのが瞳孔の奥で炎みたいに激しく燃え盛っていたのを感じた」

 

 

リボーン「決意?何の決意だ?」

 

 

ツナ「それはわからない。でも確かにあの時にはそう感じた。でも今は違うんだ」

 

 

リボーン「どう違うってんだ?」

 

 

ツナ「今はその決意の炎が消えて何もない暗闇しかない気がするんだ。さっき絡まった後襲われる前にこのフゥ太の眼を見たんだけど、そこには炎が消えて何もない真っ暗闇だったんだ。常人だろうとビアンキみたいな裏社会の住人だろうと、その中に放り込まれたなら自殺しそうなほどに…」

 

 

リボーン「………そうか」

 

 

ツナ「リボーン?」

 

 

リボーンは少しの間黙考し、その後このフゥ太が俺たちが知っているフゥ太じゃないことを確認すると、また思考の海へと潜っていった。

 

 

一方、骸の方は何かに気づいたのか怒りと羞恥と驚きが入り混じった複雑な表情をして声を荒げた

 

 

骸「ふざけるなァァ!!!たかが中坊の風紀委員風情がァァァ!!私の計画を…私の復讐劇を踏みにじりやがってェェェ!!」

 

 

ツナ「おい、骸!どうした!!」

 

 

骸「お前だけはゆるさん!許さんぞォォ!!必ずこの手で殺し、貴様が六道のどこに行こうとも追いかけてもう一度殺してやる!!」

 

 

ツナ「骸!おい!!何に気づいたんだよ!!風紀委員がどうした!!!」

 

 

激昂し一種の錯乱状態に陥った骸が騒ぎ、今までと態度が急変した骸に困惑する俺の背後でとてつもなく冷たく暗い声が聞こえてきた

 

 

???「黙れ、自分で手は下せぬ臆病なパイン頭」

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

ツナ&リボーン「「ッ!!」」

 

 

その声は絶対零度のような冷たさとフゥ太の眼の暗闇にも負けないほどの暗さを持ち、聴いただけの俺でも息ができなくなるような圧迫感、迫ってくる絶望と恐怖に耐えられない程だった。あのリボーンでも黙考をやめ冷や汗を額から頬に流し、声の主をじっと凝視していた。

 

 

ツナ「い、今の声は……」

 

 

リボーン「ツナ、お前の後ろの奴からだ。お前の直感は当たっていたぞ」

 

 

リボーンは俺の後ろを鬼の形相で睨み、警戒しながら何かの格闘技の型を取っていた。

 

 

リボーン「振り向くのなら細心の注意をはらえ。一瞬でも気を抜けば…死ぬぞ」

 

 

リボーンは今までのふざけた態度や赤ん坊を想起させる口調とは違い、凄腕のヒットマンとしての口調でそう言った。リボーンが死ぬと明言したほどの相手が後ろにいるという事に更なる恐怖と絶望を感じたが、俺は恐る恐る振り返った。

 

 

フゥ太?「この世界を世界大戦という純粋な闇で塗りつぶすなんて掲げておきながら自分は直接的に手を下さず、やった事と言えば人道を外れた外道どもを皆殺しにし、収監された監獄を脱獄した後は、自分もかつて自分が殺した外道どもと同じ道を歩んだだけ…。小さい男だ」

 

 

骸「黙れ!貴様に僕たちの苦しみが分かるものか!!」

 

 

フゥ太?「お前はただ我儘を言ってダダをこねているだけだ。」

 

 

骸「貴様・・それ以上口を開いてみろ……六道巡りをその身をもって体験させてやる……」

 

 

フゥ太?「だが、それでいい!俺達(裏社会の住人)はどいつもこいつも駄々をこねるクソガキだ!!私利私欲や自分の感情だけで他人の命や意志をいとも容易く踏みにじる」

 

 

フゥ太?以外「「「何を言っているんだコイツは??」」」

 

 

フゥ太?「自分から進んでこっち(裏社会)に来た連中はどいつも救いようもねぇ屑共だ!!この男(ツナ)みたいなやつは滅多にいないだろう…だからこそ俺はこいつに…沢田綱吉に懸ける!!このどこまでも甘い男がこの先どこまで行き、どうするのか!!それを見てみたい!!」

 

 

ツナ「俺の名前…なんで知ってるんだ……」

 

 

フゥ太?「だからな、脱獄囚。お前にはこいつ(ツナ)の踏み台になってもらう。安心しろ、お前はこの男に負けるが死にはしない。こいつはそういう男だ。だからこそあの爆弾男や野球バカ、そこに寝ている女が命を張り、その赤ん坊が派遣された」

 

 

骸「僕が負ける…ボンゴレ十代目に?鞭一つまともに振るえないこの中学生に??どなたかは存じませんが‥実力差というものを御存知ですか?

フゥ太?「言ってろ。お前は能ある鷹だが、こいつはお前以上に能ある鷹だ。そしてその爪はもうすぐお前の喉元に突き刺さる」

 

 

骸「クッハッハ!言うは簡単ですがいったいどうやって勝つのです?あなたが加勢するとでもいうのですか!!」

 

 

フゥ太?「いや、俺は加勢しない。しなくても勝てるからな。それじゃあ俺はお前が再収監された後の用意があるから失礼する。精々油断しないことだ、南国フルーツ」

 

 

フゥ太がそういうとそれまではっきりしていた姿は蜃気楼のように薄くぼやけていった。

だが、そんな体を気にもせずにフゥ太は俺と目線を合わした。

 

 

フゥ太?「ツナ…俺の幻覚を見破るとは流石だ。流石はボス候補といったところだな」

 

 

ツナ「君は…誰なんだ?俺の名前やあだ名を知っているようだけど…」

 

 

フゥ太?「怪物()に名前はない。俺の親は二人とも俺に名前を付ける前に俺を殺そうとして死んだからな」

 

 

ツナ「えっ!?…それじゃあ君は……」

 

 

フゥ太?「ツナ‥お前は優しいやつだ。俺や俺の両親などといったあの地獄を体現したような世界の住人にまで包容しようと情をかける」

 

 

ツナ「そんなつもりはないよ!だけど・・親がいないっていうのは‥寂しいと思うから」

 

 

フゥ太?「そんなものこの世界だと珍しくもない。お前は人間だ、無理にすべてを包み込もうとするな」 

 

 

ツナ「でも!俺の周りでそういう人が増えるのは嫌なんだ!!そしてそういう人が俺の周りにいたのなら少しでも支えになってあげたい・・それだけなんだ!!!」

 

 

フゥ太?「正に大空そのもの・・だな。だがそれなら尚更だ‥蜃気楼なんていう一時的な現象のことは放っておけ」

 

 

ツナ「嫌だ!俺はまだ君が誰だか知らない・・でも君は俺を知っている!!つまり俺と君は知り合いの可能性があるんだ!!知っている誰かを放っておくなんて真似俺にはできないよ!!!」

 

 

フゥ太?「俺みたいな朧気なやつより、俺が今姿を借りてるこの子供のことを心配してやれ」

 

 

ツナ「そうだ!フゥ太!!フゥ太はどこに!!」

 

 

フゥ太?「心配するな‥この子供は今頃お前の部屋で眠っている。面倒になったら困るから姿は俺が見えないようにしているがな。当然、負っていた精神的負傷や身体的負傷も完治して、マインドコントロールも解除してある。これがその証拠だ」

 

 

そう言って目の前のフゥ太は俺の部屋のベットで眠っているフゥ太の映像を、手の上に出したスクリーンのようなものに映し出した。そこには確かにフゥ太が俺の部屋で安らかに眠っていた。

 

 

ツナ「よかった……本当に‥よかった。」

 

 

フゥ太?「さ、見せるべきものも見せたし俺はこれでさようならだ」

 

 

ツナ「ま、待って!まだ話したいことはいっぱいあるんだ!!」

 

 

フゥ太?「泣きそうな顔をするな、次期ボンゴレボス十代目候補。ボスがそんなんだとファミリー全体が舐められるぞ」

 

 

ツナ「待って!せめて君の名前だけでも!!」

 

 

フゥ太?「言ったはずだ、怪物()に名前はないと。だがお前は俺の名前を知っているはずだ」

 

 

ツナ「えっ・・それってどういう……」

 

 

フゥ太?「俺に名前を付けたのは紛れもないお前だ。あの時・・並中で寝ていた俺にな」

 

 

ツナ「!!君は・・まさか!!」

 

 

フゥ太?「じゃあな、ツナ。健闘を祈る。また縁があったらどこかで会おう。お前が俺を覚えているのならな」

 

 

ツナ「待って!清水君!!君は!!!」

 

 

そんな俺の呼びとめも虚しく、目の前のフゥ太の姿をした男……僕の友達の一人だった清水君は完全に消えてしまった。そしてそれと同時に頭を鈍器のようなもので激しく殴打されたような衝撃が襲い気を失ってしまった。

 

 

ツナ「し・・みず‥‥くん」

 

 

眩暈でまともにみれない視界の中でリボーンと骸も同じようにして気を失い倒れていくのが気を失う前に最後に見たものだった。

 

 

 

大空を陰から支える蜃気楼

 ~黒曜編 第三話~

    終わり




超直感とかいう公式チートならこの時点で有幻覚を見破っても何もおかしいところはない(暴論)
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