Epic_of_Remnant another 完全臨界特区 高天ヶ原(Fate/Grand Order)   作:RUM

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第四章になります。
これから投稿が鈍化すると思います。
感想および質問があれば、遠慮なくどうぞ。


fate /grand order 完全臨界特区 高天ヶ原 第四章

―――スクランブル交差点。

 夜十二時を回ったころ。

静けさとアスファルトで覆われた異様な空間で、アサシンとサーヴァントは実体化した。

 互いの間は約十五メートル弱。

 二体のサーヴァントは、その視線で相手を威嚇しながら相手の動きを見つめる。

アサシンは日本刀に手をかけて敵サーヴァントに殺気を向けた。

敵サーヴァントは屈伸、伸脚、前屈と準備運動をしながらアサシンと対峙した。

決闘場となった交差点で二人は静寂が破られる時を待つ。

「獲物は抜かないのか?」

「安心してくれ、いま出してやる」

サーヴァントは右腕を横に伸ばし手を広げると一瞬にして長さ約2メートルの赤い棒が出現し、彼はそれを握りしめて構えを取った。棒の先をアサシンに合わせ、肩幅に足を広げて間合いを図る。

「こいつが俺っちの獲物さ、棍棒っていえばわかるかな?」

「なるほど。一瞬ランサーかと思ったが、当てが外れたようだ。お前は、ライダーだな?」

「へー、これだけで俺っちのクラスがわかるのか…… 意外だな?」

「これくらい誰でも雰囲気で分かる。獲物を見ればな。三騎士クラスで棍棒を使うサーバントなんて想像できない。加えて四騎士からそれらしいものを使うクラスとすれば、それはライダーくらいだ。んで、どうだ? お前も戦車くらい持ってるだろう? 出したらどうなんだ?」

「戦車の方は整備中だ。でも俺っちからすれば、これだけで十分。なんたって最強だからな」

「吠え面賭けるのも今の内だぞ、ライダー」

「よく言う、そういうお前はアサシンか? セイバーにしては魔力を感じない、ランサーなら獲物は槍、同じ条件でアーチャーとキャスターは除外、バーサーカーは言わずとも除外、ライダーの可能性もあるが、それにしてはお前っちの構えは地上戦に特化しているようだから、騎乗戦もない。とすればアサシンしかない」

「エクストラクラスの可能性もあるのにか?」

「そん時はそん時だが、クラスはどうであれ、俺っちが強いことに一瞬の揺らぎもない」

ライダーは体の重心を低くして、戦闘態勢を取る。

アサシンも即座に抜刀して、中段の構えを取った。

ライダーの獲物は両端に金の装飾のある棍棒。アサシンの獲物は刃の青白く日本刀。

「行くぜ、見せてやるよ。最強の証ってやつをよ!」

 

―――戦いの啖呵は刹那で切られた。

 

 瞬刻、ライダーの姿が消えたかと思った瞬間、彼の棍棒の突きがアサシンの顔面まで迫る。アサシンはそれを驚きながらも冷静に頭部を右にずらして、ライダーの初撃を避けて,中段の態勢を維持したまま一旦距離を取った。

「へー、これを躱すか? 俺っち渾身の初撃をよく見切った。大したもんだ」

(コイツ、何を馬鹿げたこと言ってる! 完全ノーモーションかつ低姿勢からの一本突き。加えてあの速さは化け物か!)

ライダーはないも動きの兆候を見せていない。構えから全くの動きのロスなく放たれた渾身の突きをアサシンが躱せたのは『彼の闘気が一瞬だけ強まった気がした』ただそれだけだ。人は誰でも雰囲気を放ち、それで人を見る時がある。

 決闘の時も同じことが言える。人を殺す覚悟のある殺気は相手の動きを図る手段と言えよう。誰しも「倒す」と思った瞬間に眼つきが変わるものだ。それすらも隠ぺいするのは、まさに手練れとしか言えない。いや、コイツに関しては『殺気を発した後、その殺気を相手が感じる前に間合いを詰めた』の方が正しい。

(―――どうであれ、今ので分かった。こいつの技も、動きも、殺気もすべて人外の域だ)

アサシンの刀を握る手に力がこもる。

(舐めていたら負ける、コイツの動きは『本物』だ)

ライダーは突きの構えを再度アサシンに向けて突貫する。狙いはまた顔面だ。

アサシンは冷静に二撃目を同じ動きで避けて見せた。だが今度は避けるだけではなく、膝を曲げて低姿勢を維持して腕を引き肉迫して、こちらも同じ突きで返す。

 ライダーの胸にアサシンの切っ先が沈む。

 だが手ごたえが薄い。

 ライダーはすぐさま後退したからだ。

「今度は突きを突きで返してきたか。面白い…… じゃあ、次は―――こんなのでどうだ!」

ライダーは左腕を突き出した。魔力が手に収束し、真っ赤な炎が作られる。

 魔力の収束は炎に変わり、ライダーの手から火炎の魔力弾が放たれる。

 その間、僅か二秒足らず。

 弾速も速い。

「―――ッ!」

アサシンはすぐさま射角から速攻で逃げる。火球はアサシンをとらえることなく後方で乗用車に直撃し爆発を起こした。アサシンは爆発音を聞いてもライダーから眼をそらすことはなかった。

「面白い曲芸だな」

アサシンは頬に冷汗を感じながらも挑発する。

「ああ、これでも俺っち最強なんでね!」

ライダーは急接近し、続けざまにアサシンを突く。ライダーはアサシンの体全体をランダムで狙って連続突きを繰り出す。アサシンはそのすべてを紙一重で流して見せる。顔、胸、腕、足、膝、肩、脇腹、二の腕。ライダーが狙う部位を瞬時に見抜き、そこの部分だけを避ける動きで、必要最低限の紙一重でいなす。

(なんだ、このアサシン! これが本当にアサシンの動きか?)

ライダーは口では緩い言葉を言っていたが、内心は驚きの連続だ。

実のところライダーは初撃で終わらせるつもりだった。それが見事にかわされたかと思ったら、次はそれよりも速い攻撃をしたつもりだったが逆に突きを返され、火球も見事に避け、今の連続突きも紙一重ながら一発も当たる気配がない。

 すべて避ける。渾身の突きも、連続の突きも、フェイントを混ぜても、本来の狙いから位置をずらしても悟られてしまう。

彼女の態勢は一切崩れていない。中段の構えを大きく崩すことなく体を巧みに動かしてライダーの連撃を避けてみせる。

「……ッ!」

ライダーの肩を狙った突きに対してアサシンは態勢を低くした。ライダーは瞬時に突きを引き、アサシンの顔面を狙って突きを繰り出す。アサシンは足の筋肉、胴の筋肉、腕の筋肉すべてを使いライダーの突きとすれ違いざまに日本刀の突きを繰り出す。

「―――グッ!」

ライダーの突きは外れ、アサシンの突きがライダーの脇腹を貫く。ライダーはたまらず身を引いて傷を押える。しかし、アサシンが得た手ごたえはさっきと同じく薄い。

「ライダー、貴様の力はこの程度か?」

切れる息を整えながらアサシンは構えを立て直す。

「油断しただけさ。まさかここまでアサシンに健闘されるとは思いもよらなかった」

ライダーは傷の痛みをこらえるが、目じりがピクピクとして隠しきれていない。だが、それもすぐさまなくなりライダーはまた構えを立て直す。

「だが、これで仕舞だ。ウォーミングアップはこれくらいで十分だ、そろそろ俺っちの本気を見せようか?」

ライダーはコンクリートが割れるほどの勢いで地面を蹴った。棍棒を振りかぶり、右から袈裟懸けに全体重ごとアサシンにたたきつけるつもりだ。アサシンは体を右に翻して躱す。ライダーは両足で踏ん張って棍棒を振り払った切り返しで突き上げるが、アサシンは身を引いて避けて見せた。続けざまに突き上げを振り下ろすが、これも完璧な身のこなしで避けられる。

ライダーは追撃をやめて距離を取った。これ以上近接になればアサシンの間合いに踏み込み、先ほどのような反撃を受けてしまう。

「―――はああああ!」

ライダーは左手に魔力を収束させ高速の火球を、連続で放つ。アサシンの動きは単発的な攻撃では有効だが、連続で発射される火球では不利だ。アサシンはライダーの射線から退避するが、ライダーもみすみす逃すわけはなく、アサシンの影を追いながら火球を連射した。

射線上の商店のショーケース、乗用車、窓ガラス、オフィス、街路樹が爆発で吹き飛び燃え上がるこの威力なら、火球と言えど耐久力の低いサーヴァントならば数発で倒せてしまう。

アサシンは火球の射線上から逃げながら少しずつ間合いを詰め……

「―――はッ!」

地面を蹴って急速に方向転換、ライダーに突貫する。ライダーも火球の連射を打ち切って近接戦に切り替える。アサシンは一直線に突っ込み、ライダーの間合いに入った。

 ライダーは棍棒を振り下ろす。だが、これも空を裂いた。

 アサシンが瞬間的に眼前からまるで霧が空に溶けたように消滅したのだ。

「―――ッ!」

 アイツが消えた? ―――いや、違う!

 ライダーは横目で後方に意識を向ける。

 ―――そこにアサシンはいた。

 あの一瞬で方向転換して彼の後ろに回っただけだった。

 ライダーが気付いても、遅い。

アサシンの振りかぶった日本刀がライダーの背中をとらえた。

「……ハッ!」

アサシンは渾身の力で切り払った。

 

―――勝ったと思った。ライダーに勝ったと思った。

 

―――だが、現実は甘くはなかった。

 

―――捉えたと思った。しかしアサシンが切ったのは、先ほどライダーがいた空間だった。

 

―――残念、俺っちはその程度じゃあ、切れないんだぜ!

 

「……ごぶっ!」

強い衝撃がアサシンの腹をとらえていた。

ライダーの赤い棍棒だ。

棍棒が腹にめり込み、ボキッと骨の折れる音と一緒に、ライダーは力いっぱいに棍棒を振り切って、アサシンを空中に投げ飛ばした。アサシンは軽く十メートル以上も放物線を描いて、冷たいアスファルトに落下した。日本刀はアサシンの手元から離れ、別の方向に飛ばされ地面に転がった。

「―――ぐ、あぁぁ……」

あばら骨が粉砕され、内臓は破裂していないがダメージがひどい。アサシンは痛みに耐えながら起き上がろうとするが、力が入らない。

「アサシンにしてはいい動きだ。でも、俺っちに比べればこんなのは平均的だ。これくらいの動きなら大抵の速いサーヴァントならできる。もちろん、俺っちも例外じゃない」

ライダーは悠然と語る。

「本気を出すっていったよな? これが俺っちの本気さ。 ―――1回だけ本気で隙を作って、お前っちの本気を避けてみた。 ―――お前っちの剣筋は大したものだ。ここまでくりゃあ剣客の中じゃあ上の上 ……だがよ、俺っちはそのレベルじゃねーんだよ。あのお遊びで決められる場面はいくらでもあった。でもお前っちができたのは、たった一つの傷口。それも、回避してから数秒もかかる前に治癒しきっちまう程度だ。これじゃ、お前っちの底も分かるってもんだ。まあ、手を抜いていたとはいえ俺っちが苦戦するくらいの芸当をして見せたんだ。それに免じてさっきのは手加減してやった。だから、とっとと逃げるんだな…… お前とマスターが何もしなければ俺っちは何もしないことだけは確約しよう。でも他の連中はどうするかは分からない。それだけは忠告してやる」

ライダーは身をひるがえして、霊体化した。

戦いは終わったのだ。

アサシンの完全な敗北だった。

最後の一撃もライダーがわざと隙を作ったからだ。

アサシンは悔しさに歯を食いしばりながら、涙を流して痛みに耐えていた。

 

―――今夜、アサシンのサーヴァントは敗北した。

 




マテリアル公開可能情報
『トリコロールのライダー』
《パーソナリティ》
真名 不明     性別 男性 
身長 180センチ   体重 約78キロ
好きなもの 不明  嫌いなもの 不明
属性 不明    
《ステータス》
筋力B 耐久A 敏捷A 魔力C 幸運B 宝具B+
《スキル》
騎乗A 対魔力B
《宝具》
不明

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