問題児達は異世界から来るそうですよ?~ショタは問題児に入りますか?~    作:+無音+

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出来立てほやほやの投稿です。
やっとできた・・・がんばったよ。(主に別のことを)

今回はサウザンドアイズに行き、ギフトを鑑定して貰うところです。
ついに七のギフトが明らかになるのか・・・!?

楽しみです。


では、どうぞ!





第七話

 

店の外観からは考えられない不自然な広さの中庭に驚きながら白夜叉の後に着いて行く。

 

「生憎と店は閉めてしまったのでな。私の私室で勘弁してくれ」

 

五人は和風の中庭を進み、縁側で足を止める。

障子を開けて招かれた場所は香のような物が焚かれており、風と共に五人の鼻をくすぐる。

個室と言うにはやや広い和室の上座に腰を下ろした白夜叉は、大きく背伸びをしてから五人に向き直る。

 

「もう一度自己紹介しておこうかの。私は四桁の外門、三三四五外門に本拠を構える“サウザンドアイズ”幹部の白夜叉だ。この黒ウサギとは少々縁があってな。コミュニティが崩壊してからもちょくちょく手を貸してやっている器の大きな美少女と認識しておいてくれ」

 

投げ遣りな言葉で受け流す黒ウサギ。その隣で耀が小首を傾げて問う。

 

「その外門、って何?」

 

「箱庭の階層を示す外壁にある門ですよ。数字が若いほど都市の中心に近く、

同時に強力な力を持つ者達が住んでいるのです。箱庭の都市は上層から下層まで七つの支配層に分かれており、それに伴ってそれぞれを区切る門には数字が与えられています。

ちなみに、白夜叉様がおっしゃった三三四五外門などの四桁の外門ともなれば、名のある修羅神仏が割拠する人外魔境と言っても過言ではありません」

 

黒ウサギが描く上空から見た箱庭の図は、外門によって幾重にも階層に分かれている。

その図を見た四人は口を揃えて、

 

「・・・・・・超巨大タマネギ?」

 

「いえ、超巨大バームクーヘンではないかしら?」

 

「そうだな。どちらかといえばバームクーヘンだ」

 

「真ん中が高くなってくるみたいだから・・・・・ウエディングケーキ?」

 

おぉ、っと手をぽんと叩く三人。見も蓋もない感想にガクリと肩を落とす黒ウサギ。

対照的に、白夜叉はカカと哄笑を上げて二度三度と頷いた。

 

「ふふ、うまいこと例える。その例えなら今いる七桁の外門はバームクーヘンの一番皮の薄い部分にあたるな。更に説明するなら、東西南北の四つの区切りの東側にあたり、外門のすぐ外は“世界の果て”と向かい合う場所になる。あそこはコミュニティに属してはいないものの、強力なギフトを持ったもの達が住んでおるぞ―――その水樹の持ち主などな」

 

白夜叉は薄く笑って黒ウサギの持つ水樹の苗に視線を向ける。白夜叉が指すのはトリトニスの滝を棲みかにしていた蛇神のことだろう。

 

「して、一体誰が、どのようなゲームで勝ったのだ?知恵比べか?勇気を試したのか?」

 

ニヤリと笑う白夜叉。その視線の先には同じ白髪の少年、七を見ていた。

 

「いえいえ、この水樹は十六夜さんがここに来る前に、蛇神様を素手で叩きのめしたのですよ」

 

自慢げに黒ウサギが言うと、白夜叉は声を上げて意外な人物が倒したことに驚いた。

 

「なんと!?クリアではなく直接的に倒したとな・・・・・ではその童も神格持ちの神童か?」

 

「?いえ、黒ウサギはそう思えません。神格なら一目見ればわかるはずですし」

 

「む、それもそうか。しかし神格を倒すには同じ神格を持つか、互いの種族によほど崩れたパワーバランスがある時だけのはず。

種族の力でいうなら蛇と人ではドングリの背比べだぞ」

 

むむっと考え込む白夜叉。それほど神格というものは重要であることがわかる。

 

「あの時は驚いたよ、十六夜さんが蛇神の攻撃を跳ね返して、それに巻き込まれて蛇神の攻撃を受けたし・・・」

 

「本当ですよ、黒ウサギはびっくりしすぎて心臓が止まるかと思いました」

 

思い出したかのようにポツリと呟く七。

それを聞いた十六夜は気まずそうに笑って誤魔化す。

 

「なんとっ、神格持ちの攻撃を受けて無傷とな・・・・」

 

更に、七のことを観察するように上から下を見る白夜叉。また、後ろに隠れる七。

 

「白夜叉様はあの蛇神様とお知り合いだったのですか?」

 

「ん?知り合いも何も、あれに神格を与えたのはこの私だぞ。もう何百年も前の話だがの」

 

小さな胸を張り、カカと豪快に笑う白夜叉。

それを聞いた十六夜は瞳を光らせて問いただす。

 

「へぇ。そんなもんを与えられるってことはオマエはあの蛇より強いのか?」

 

「ふふん、当然だ。私は東側の“階層支配者”だぞ。この東側の四桁以下にあるコミュニティでは並ぶ者がいない、最強の主催者だからの」

 

“最強の主催者”―――その言葉に、十六夜・飛鳥・耀の三人は一斉に瞳を輝かせた。

一方、何故か白夜叉に見られていることに少し怯える七は黒ウサギの後ろに一歩下がっている。

 

「そう・・・・・・ふふ。ではつまり、貴女のゲームをクリア出来れば、私達のコミュニティは東側で最強のコミュニティという事になるのかしら?」

 

「無論、そうなるのう」

 

「そりゃ景気のいい話だ。探す手間が省けた」

 

三人は剥き出しの闘争心を視線に込めて白夜叉を見る。白夜叉はそれに気づいたように高らかと笑い声を上げた。

 

「抜け目ない童達だ。私にギフトゲームで挑むと?」

 

「え? ちょ、ちょっと御三人様!?」

 

慌てる黒ウサギを右手で制す白夜叉。

 

「よいよ黒ウサギ。私も遊び相手には常に飢えている」

 

「ノリがいいわね。そういうのは好きよ」

 

「ふふ、そうか。―――しかし、ゲームの前に確認しておく事がある」

 

「なんだ?」

 

白夜叉は着物の裾から“サウザンドアイズ”の旗印―――向かい合う双女神の紋が入ったカードを取り出し、壮絶な笑みで一言、

 

「おんしらが望むのは“挑戦”か―――もしくは、“決闘”か?」

 

刹那、五人の視界に爆発的な変化が起きた。

五人の視覚は意味をなくし、様々な情景が脳裏を過ぎていく。

黄金色の穂波が揺れる草原、白い地平線を覗く丘、森林の湖畔。

 

五人が投げ出されたのは、白い雪原と湖畔―――そして、水平に太陽が廻る世界だった。

 

「・・・・なっ・・・・・・!?」

 

あまりの異常さに、十六夜達は息を呑んだ。もはや言葉では表現できる御技ではないことに。

遠く薄明の空にある星は、世界を緩やかに廻る白い太陽のみ。

唖然と立ち竦む四人に、今一度、白夜叉は問いかける。

 

「今一度名乗り直し、問おうかの。私は“白き夜の魔王”―――太陽と白夜の星霊・白夜叉。おんしらが望むのは、試練への“挑戦”か? それとも対等な“決闘”か?」

 

魔王・白夜叉。少女の笑みとは思えぬ凄みに、その場に居る者は息を呑む。

十六夜は背中に心地いい冷や汗を感じ取りながら、白夜叉を睨んで笑う。

 

「水平に廻る太陽と・・・・・・そうか、白夜と夜叉。あの水平に廻る太陽とこの土地はオマエを表現してるってことか」

 

「如何にも。この白夜の湖畔と雪原。永遠に世界を薄明に照らす太陽こそ、私が持つゲーム盤の一つだ」

 

白夜叉が両手を広げると、地平線の彼方の雲海が瞬く間に裂け、薄明の太陽が晒される。

その姿はまさに、箱庭の代表とも言えるほど―――強力な“魔王”だった。

 

「これだけ莫大な土地が、ただのゲーム盤・・・・・・!?」

 

「如何にも。して、おんしらの返答は?“挑戦”であるならば、手慰み程度に遊んでやる。―――だがしかし“決闘”を望むなら話は別。魔王として、命と誇りの限り闘おうではないか」

 

「・・・・っ」

 

三人は即答できず返事を躊躇った。

白夜叉がいかなるギフトを持つのか定かではない。

だが、勝ち目が無いことだけは一目瞭然だった。

しばしの静寂の後――――諦めたように笑う十六夜が、両手をあげ、

 

「参った。やられた。降参だ、白夜叉」

 

「ふむ? それは決闘ではなく、試練を受けるという事かの?」

 

「ああ。これだけのゲーム盤を用意できるんだからな。あんたには資格がある。―――いいぜ。今回は黙って試されてやるよ、魔王様」

 

苦笑と共に吐き捨てるような物言いをした十六夜を、白夜叉は堪えきれず高らかと笑い飛ばした。

プライドの高い十六夜にしては最大限の譲歩なのだろうが、『試されてやる』とは随分可愛らしい意地の張り方があったものだと、白夜叉は腹を抱えて哄笑を上げた。

一頻り笑った白夜叉は笑いをかみ殺して他の二人にも問う。

 

「く、くく・・・・・して、他の童達も同じか?」

 

「・・・・・・ええ。私も、試されてあげてもいいわ」

 

「右に同じ」

 

苦虫を噛み潰したような表情で返事をする二人。

 

「ふむ、最後に・・・・おんしはどうする?」

 

白夜叉の視線が未だに黒ウサギの後ろに居る七に向けられる。

そんな七はびくりっと身体を震わせ、こう答える。

 

「ぼ、僕も皆と同じで・・・・」

 

その答えを聞いた白夜叉の少し考えた総振りを見せてから、

 

「そうか」

 

一言だけ言った。

一連の流れをヒヤヒヤしながら見ていた黒ウサギは、ホッと胸をなでおろす。

 

「も、もう! お互いにもう少し相手を選んでください!“階層支配者”に喧嘩を売る新人と、新人に売られた喧嘩を買う“階層支配者なんて、冗談にしても寒すぎます! それに白夜叉様が魔王だったのは、もう何千年も前の話じゃないですか!!」

 

「何? じゃあ元・魔王様ってことか?」

 

「はてさて、どうだったかな?」

 

先ほどとは打って変わってケラケラと悪戯っぽく笑う白夜叉に、ガクリと肩を落とす三人。

 

その時、彼方に見える山脈から甲高い叫び声が聞こえた。

獣とも、野鳥とも思えるその叫び声に逸早く反応したのは、春日部耀だった。

 

「何、今の鳴き声。初めて聞いた」

 

「ふむ・・・・・・あやつか。おんしら四人を試すには打って付けかもしれんの」

 

湖畔を挟んだ向こう岸にある山脈に、チョイチョイと手招きをする白夜叉。

すると体調五メートルはあろうかという巨大な獣が翼を広げて空を滑空し、風の如く四人の元に現れた。

鷲の翼と獅子の下半身を持つ獣を見て、春日部耀は驚愕と歓喜の声を―――

 

「合成獣?」

 

上げる前に、七が答え周りの空気が凍る。

 

「な、七さん。あれはグリフォンって言って鳥の王にして獣の王なのです。けっして合成獣ではありません」

 

黒ウサギは七にグリフォンの事を説明する。

が、七は、

 

「でも、他の生物の身体を繋ぎ合わせてる生物って合成獣くらいしか....」

 

「と、ともかく!あの生物はグリフォンっと覚えておけば良いのですよ七さん」

 

少し強めの声音で言う黒ウサギ。七は納得しない顔でうなずく。

 

「おっほん。黒ウサギの説明も終わったところで、先ほど黒ウサギがいった通りあやつこそ鳥の王にして獣の王。

“力”“知恵”“勇気”の全てを備えたギフトゲームを代表する獣だ」

 

白夜叉が手招きすると、グリフォンは彼女の元に降り立ち、深く頭を下げて礼を示した。

 

「肝心の試練だがの。おんしら三人とこのグリフォンで“力”“知恵”“勇気”の何れかを比べ合い、背に跨って湖畔を舞うことが出来ればクリア、という事にしようか」

 

双女神の紋が入ったカードを取り出す。すると虚空から“主催者権限”にのみ許された輝く羊皮紙が現れる。

白夜叉は白い指を奔らせて羊皮紙に記述する。

 

『ギフトゲーム名:“鷲獅子の手綱”

 ・プレイヤー一覧 逆廻 十六夜

          久遠 飛鳥

          春日部 耀

 

 ・クリア条件 グリフォンの背に跨り、湖畔を舞う。

 ・クリア方法 “力”“知恵”“勇気”の何れかでグリフォンに認められる。

 ・敗北条件 降参か、プレイヤーが上記の勝利条件を満たせなくなった場合。

 宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。

                              “サウザンドアイズ”印』

 

「ん?おい、白夜叉。白チビが入っていないぞ?」

 

十六夜は七がギアスロールを見て言う。

白夜叉は、何か企むような笑みを浮かべながら答える。

 

「安心せい。その童には、別のギフトゲームをやってもらう。・・・さて、誰がやる?」

 

「私がやる」

 

ピシ! と指先まで綺麗に挙手をしたのは耀だった。彼女の瞳はグリフォンを羨望の眼差しで見つめている。

隣で呆れたように苦笑いを漏らす十六夜と飛鳥。

 

「OK、先手は譲ってやる。失敗するなよ」

 

「気を付けてね、春日部さん」

 

「うん、頑張る」

 

二人は耀に言葉をかけ送り出す。

 

 

そうして、耀はグリフォンと誇りと命をかけ、背に跨り、湖畔を一周した。

途中、耀が落ちたハプニングがあったが、耀自身のギフトの力で助かった。

 

 

「やっぱりな。お前のギフトって、他の生き物の特性を手に入れる類だったんだな」

 

耀が使ったギフトはグリフォンと同じ、四肢で風を絡め、大気を踏みしめて走るギフトだ。

軽薄な笑みに、むっとしたような声音で耀が返す。

 

「・・・・・・違う。これは友達になった証。けど、いつから知ってたの?」

 

「ただの推測。お前黒ウサギと出会った時に“風上に立たれたら分かる”とか言ってたろ。

そんな芸当は人間にはできない。

だから春日部のギフトは他種とコミュニケーションをとるわけじゃなく、他種のギフトを何らかの形で手に入れたんじゃないか・・・・と推察したんだが、

それだけじゃなさそうだな。あの速度で耐えられる生物は地球上にいないだろうし?」

 

興味津々な十六夜の視線をフイっと避ける。

 

その傍に七が駆け寄る。

 

「大丈夫だった?」

 

心配そうに、声を掛ける。

 

「全然、余裕」

 

キリッとした顔を作る耀。それをみた七は安心したのかニッコリと微笑む。

それを見た耀は思わず、鼻を押さえる。何故押さえているのか言わずもわかる。

 

向こうでパチパチと拍手を送る白夜叉と、感嘆の眼差しで見つめるグリフォン。

 

『見事。お前が得たギフトは、私に勝利した証として使って欲しい』

 

「うん。大事にする」

 

「いやはや大したものだ。このゲームはおんしの勝利だの。・・・・・・ところで、おんしの持つギフトだが。それは先天性か?」

 

「違う。父さんに貰った木彫りのおかげで話せるようになった」

 

「木彫り?」

 

首を傾げる白夜叉にいつの間にか耀に抱きかかえられている三毛猫が説明する。

余談だが、ここで始めての登場だ。

 

『お嬢の親父さんは彫刻家やっとります。親父さんの作品でワシらとお嬢は話せるんや』

 

「ほほう・・・・・・彫刻家の父か。よかったらその木彫りというのを見せてくれんか?」

 

頷いた耀は、ペンダントにしていた丸い木彫り細工を取り出し、白夜叉に差し出す。

 

白夜叉は渡された手の平大の木彫りを見つめて、急に顔を顰めた。十六夜、飛鳥、七もその隣から木彫りを覗き込む。

 

「複雑な模様ね。何か意味があるの?」

 

「意味はあるけど知らない。昔教えてもらったけど忘れた」

 

「・・・・。これは」

 

白夜叉だけでなく、十六夜、黒ウサギも鑑定に参加する。

 

表と裏を何度も見直し、その表面にある幾何学線を指でなぞる。黒ウサギは首を傾げて耀に問う。

 

「材質は楠の神木・・・・・・?神格は残っていないようですが・・・・この中心を目指す幾何学線・・・・・そして中心に円状の空白・・・・・もしかしてお父様の知り合いには生物学者がおられるのでは?」

 

「うん。私のお母さんがそうだった」

 

「生物学者ってことは、やっぱりこの図面は系統樹を表しているのか白夜叉?」

 

「おそらくの・・・・ならこの図刑はこうで・・・・この円形が収束するのは・・・・いや、これは・・・・・・これは、凄い!!本当に凄いぞ娘!! 本当に人造ならばおんしの父は神代の大天才だ! まさか人の手で独自の系統樹を完成させ、しかもギフトとして確立させてしまうとは! これは正真正銘“生命の目録”と称して過言ない名品だ!」

 

興奮したように声を上げる白夜叉。耀は不思議そうに小首を傾げて問う。

 

「系統樹って、生物の発祥と進化の系譜とかを示すアレ? でも母さんが作った系統樹の図は、もっと樹の形をしていたと思うけど」

 

「うむ、それはおんしの父が表現したいモノのセンスが成す業よ。この木彫りをわざわざ円形にしたのは生命の流転、輪廻を表現したもの。再生と滅び、輪廻を繰り返す生命の系譜が進化を遂げて進む円の中心、すなわち世界の中心を目指して進む様を表現している。中心が空白なのは、流転する世界の中心だからか、世界の完成が未だに視えぬからか、それともこの作品そのものが未完成の作品だからか。―――うぬぬ、凄い。凄いぞ。久しく想像力が刺激されとるぞ! 実にアーティスティックだ!おんしさえよければ私が買い取りたいぐらいだの!」

 

「ダメ」

 

耀はあっさり断って木彫り細工を取り上げた。

白夜叉はお気に入りの玩具を取り上げられた子供のようにしょんぼりした。

 

「で、これはどんな力を持ったギフトなんだ?」

 

「それは分からん。今分かっとるのは異種族と会話できるのと、友になった種から特有のギフトを貰えるということぐらいだ。これ以上詳しく知りたいのなら店の鑑定士に頼むしかない。それも上層に住む者でなければ鑑定は不可能だろう」

 

「え?白夜叉様でも鑑定できないのですか?今日は鑑定をお願いしたかったのですけど」

 

ゲッ、と気まずそうな顔になる白夜叉。

 

「よ、よりにもよってギフト鑑定か。専門外どころか無関係もいいところなのだがの」

 

ゲームの褒章として依頼を無償で引き受けるつもりだった白夜叉は困ったように白髪を掻きあげ、着物の裾を引きずりながら四人の顔を両手で包んで見つめる。

 

「どれどれ・・・・ふむふむ・・・・うむ、四人ともに素養が高いのは分かる。しかしこれではなんとも言えんな。おんしらは自分のギフトをどの程度に把握している?」

 

「企業秘密」

 

「右に同じ」

 

「以下同文」

 

「わからない?」

 

「うおおおおい?いやまあ、仮にも対戦相手だったものにギフトを教えるのが怖いのは分かるが、それじゃ話が進まんだろうに。」

 

「別に鑑定なんていらねえよ。人に値札張られるのは趣味じゃない」

 

ハッキリと拒絶するような声音の十六夜と、同意するように頷く飛鳥と耀。

困ったように頭を掻く白夜叉は、突如妙案が浮かんだとばかりにニヤリと笑った。

 

「ふむ。何にせよ“主催者”として、星霊のはしくれとして、試練をクリアしたおんしらには“恩恵”を与えねばならん。ちょいと贅沢な代物だが、コミュニティ復興の前祝いとしては丁度良かろう」

 

白夜叉がパンパンと拍手を打つ。

すると三人の眼前に光り輝く三枚のカードが現れる。

カードにはそれぞれの名前と、体に宿るギフトを表すネームが記されていた。

 

コバルトブルーのカードに逆廻十六夜・ギフトネーム“正体不明”(コード・アンノウン)

 

ワインレッドのカードに久遠飛鳥・ギフトネーム“威光”

 

パールエメラルドのカードに春日部耀・ギフトネーム“生命の目録”(ゲノム・ツリー)“ノーフォーマー”

 

それぞれの名とギフトが記されたカードを受け取る。

 

黒ウサギは驚いたような、興奮したような顔で三人のカードを覗き込んだ。

 

「ギフトカード!」

 

「お中元?」

 

「お歳暮?」

 

「お年玉?」

 

「ち、違います!というかなんで皆さんそんなに息が会っているのです!?このギフトカードは顕現しているギフトを収納できる超高価なカードですよ!耀さんの“生命の目録”だって収納可能で、それも好きな時に顕現できるのですよ!」

 

「つまり素敵アイテムってことでオッケーか?」

 

「だからなんで適当に聞き流すんですか!あーもうそうです、超素敵アイテムなんです!」

 

黒ウサギに叱られながら三人はそれぞれのカードを物珍しそうにみつめる

 

「我らの双女神の紋のように、本来はコミュニティの名と旗印も記されるのだが、おんしらは”ノーネーム”だからの。少々味気ない絵になっているが、文句は黒ウサギに言ってくれ」

 

白夜叉は双女神のカードを取り出し、まだギフトゲームを行っていない七に向かう。

 

「さて、おんしにもギフトゲームをしてもらうんだが・・・・内容はこれじゃ」

 

目の前に輝く羊皮紙が現れる。

その内容を見た黒ウサギは驚きのあまり息をすることを忘れていた。

他の三人も驚きの表情を顔に出していた。

 

 

 

『ギフトゲーム名:“力の証明”

 ・プレイヤー一覧 七

 

 ・クリア条件 ホストに力を認められる。

 ・クリア方法 ホストに一撃を与える、もしくは負けを認めさせる。

 ・敗北条件 降参か、プレイヤーが上記の勝利条件を満たせなくなった場合。

 宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。

                         “サウザンドアイズ”印』

 

 

 

「さぁ・・・おんしの力を証明してみるがよい!」

 

高らかに白夜叉は七に言った。

 

 

 

 

 




ふぅ、お疲れ様です。
今回は七のギフトは判明しなかった上に、白夜叉とのバトル突入。
七は勝てるのか!?そして、ギフト開放!?

「いや、なぜ白夜叉と戦うことに?」

深夜のテンションで書いたから。反省も後悔もない。あるのは達成感だけだ・・・!!

「データ消してあげる?(黒笑み)」

すいませんデータだけは勘弁を・・・・


ではでは、次回予告!!

「おんしはその程度なのか?」

蔑む眼差しで見下す白夜叉。
それを止めようとする黒ウサギ。

既に敗北に近い状態の七。そして・・・覚醒。


「何コレ・・・」

かっこいいだろ?

「本当にこれでいくの?」

なわけ無いじゃん☆

「予告詐欺だ・・・」


次回もお楽しみに!
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