問題児達は異世界から来るそうですよ?~ショタは問題児に入りますか?~ 作:+無音+
いろいろと忙しい中書いたので問題があるかもかもです
今回はちょっとホラー的なのを入れてみた。
後悔も反省も無い!
現在、七は白亜の宮殿の最奥に向けてその小さな足で必死に走っていく姿がそこにあった。
白い服に、銀に近い白い髪を揺らし、くりっと紅い瞳を持つ少年。
先ほどまで瞳一杯に涙を貯めていた為だったのか、その赤さは更に赤に染め上げていた。
何故、一人で宮殿の中に彷徨っているのか......それは彼が迷子になっていたからだ。
七が所属するノーネームはこの宮殿のペルセウスのリーダーにギフトゲームを挑んでいる。
理由は、元ノーネームメンバーであるレティシア=ドラクレアを助けるためだ。
それを知ったのは、レティシアがノーネームの本拠にきたからだ。
本人は新たに入ってきたメンバーの力量を確かめにきたようだが、そのときの七にとっては迷惑極まりなこと。
七自身、レティシアにあまり良い印象を持っていないものそのせいである。だが、黒ウサギがレティシアを助けたいというから自分もそれに賛成しただけ。
それに、七の機嫌を損ねる話も聞いたということもある。
"ペルセウスのリーダー、ルイオスが黒ウサギを自分のコミュニティに誘った"
その事実を知った七は、ゲーム開始から表現できない何かが胸に突き刺さっていた。唯の比喩であるにも関らず本当に何かが刺さっているような不快感が確かにあった。
そんな状態だが、今はゲームに集中しないと。
そう心で自分に言い、さらに足を速めて目的の場所へ行く。
宮殿の最奥からは何か大きな音が、声にも聞こえる何かが響いた。それは宮殿を振るわすほど。
既に十六夜たちが戦っている。
そう確信した七は今現在、そこの場所へ向かっていた。
時間にして一分も経たない内にそれらしいところを見つけた。
長い階段が上へと向かって伸びていた。この先が宮殿の最奥だろう。
何人かの見張りが倒れているところを見ればやはり十六夜たちがここを通ったことがわかった。
上では戦闘は始まっている。
「......急ごう」
温存していたギフトを使う。すると身体から黒い霧が吹き出るかのように現れる。
黒い霧は消えずに、使用者である七の身体の周りを漂っている。指示を待っているかのように。
黒い霧を足に纏わせていく。ギフトを使ってこの階段をいっきに上るつもりだろう。
「ん?」
ふと、気になったものが七の視界に入った。それに疑問を覚えた七は『それ』に近寄り手に取る。
それを手に取った七は、それが何なのか分かったそれに笑みを浮かべ、それを"被った"
□□□
数分前...
既に到着していた十六夜とジンは最奥、最上階へと辿り着く。最奥は天井はなく、まるで闘技場のような簡素な造りだった。
最上階で待っていた黒ウサギが安堵のため息をつくのを横目に、十六夜たちは上空を見上げる。
「ふん。ホントに使えない奴ら。今回の一件でまとめて粛清しないと」
見下ろすように空へと浮かぶルイオスのロングブーツから光り輝く一対の翼が付いていた。
「まあでも、これでこのコミュニティが誰のおかげで存続出来ているのか分かっただろうね。自分達の無能っぷりを省みてもらうにはいい切っ掛けだったかな」
バサッと翼が羽ばたき空を駆け、風を追い抜き、落下の速度の倍の勢いで十六夜達の前に降り立つ。
「なにはともあれ、ようこそ白亜の宮殿・最上階へ。ゲームマスターとして相手をしましょう。......あれ、この台詞を言うのってはじめてかも」
それは全ての騎士達が優秀だったからだ。今回のように準備が整わない突然の決闘でさえなければ、ここまで十六夜達の目論見通り事が進む事は無かっただろう。
十六夜は肩を竦ませて笑った。
「ま、不意を打っての決闘だからな。勘弁してやれよ」
「フン。名無し風情を僕の前に来させた時点で重罪さ」
ルイオスはゴーゴンの首の紋が入ったギフトカードを取り出し、光と共に燃え盛る炎の弓を取り出した。
「......炎の弓?ペルセウスの武器で戦うつもりはない、という事でしょうか?」
ギフトを見た黒ウサギは顔色を変え、そう言う。
「当然。空が飛べるのになんで同じ土俵で戦わなきゃいけないのさ」
小馬鹿にするように天へと舞い上がる。だが戦いの意思はまだ見られない。壁の上まで飛び上がったルイオスは、首にかかったチョーカーを外し、付属している装飾を掲げた。
余裕の顔をするルイオスは不敵な笑みを浮かべて十六夜達に向けて言う。
「メインで戦うのは僕じゃない。僕はゲームマスターだ。僕の敗北は"ペルセウス"の敗北になる。そこまでリスクを負うような決闘じゃないだろ?」
黒ウサギは慢心しないルイオスに焦り始めていた。もしも彼女の想像通りならば、ルイオスの持つギフトはギリシャ神話の神々に匹敵するほど凶悪なギフトだろう。
ルイオスの掲げたギフトは光り輝き始める。星の光のようにも見違う光の波は、強弱を付けながら一つ一つ封印を解いていく。
十六夜はとっさに構えた。ジンを背後に庇い、いつでも戦えるように臨戦態勢をとる。
光が一層強くなり、ルイオスは獰猛な表情で叫んだ。
「目覚めろ―――"アルゴールの魔王"!!」
光は褐色に染まり、三人の視界を染めていく。
白亜の宮殿に共鳴するかのような甲高い女の声が響き渡った。
「ra.....Ra、GEEEEEEYAAAAAAaaaaaaaaa!!!」
人の言語野で理解できない叫びをあげ、その姿を現す。現れた女は全身に拘束具と捕縛用のベルトを巻き、女性とは思えない乱れた灰色の髪を逆立て叫び続ける。
両腕を拘束するベルトを引き千切り、半身を反らせて更なる絶叫を上げる。
「な、なんて絶叫を」
「避けろ、黒ウサギ!!」
十六夜の声に硬直する黒ウサギをジンと共に抱きかかえてその場を跳び退いた。
直後、空から巨大な岩塊が山のように落下してきた。、二度三度、と続く落石を回避する十六夜達を見てルイオスは高らかに嘲った。
「いやあ、飛べない人間って不便だよねぇ。落下してくる雲も避けられないんだから」
落下してきたのはアルゴールの力で石化した雲だった。アルゴールはこのギフトゲームに用意された全てに対して石化の光を放ったのだ。
「ちっ、御チビ。下がってろ」
落ちてくる雲がなくなったのを見計らい、ジンと黒ウサギを下がらせる十六夜。
空にいるルイオスに届くように声を上げる。
「さて、そろそろ行くぞ。ゲームマスター」
軽薄そうな笑みを浮かべ十六夜はアルゴールへ向けて拳を振りかぶっていった。
不敵に笑うルイオスは空からアルゴールと十六夜の戦いを見ていた。
だが、十六夜の力がアルゴールを上回ることがわかりその顔から笑みは消え、焦りと苛立ちが出ていた。
「何をしているアルゴール!さっさと名無しを捻り潰せ!!」
炎の弓を使っても気合の一喝で消し飛ばし、アルゴールに押さえつけさせ星霊殺しを付与されたハルパーを使おうにも十六夜の圧倒的な力で全て捻じ伏せられてしまった。
「名無し風情がっ!!」
バッと手を天に掲げ、叫ぶように声を上げる。
「アルゴール!全ての封印を解く、奴を早く倒せ!!」
それと同時に、アルゴールの拘束具の全てが弾け跳び絶叫をあげ、つかみ合っていた十六夜を押し始めた。
「ハハっ、いいねいいね!そうでなくちゃ面白くねぇよな!」
笑いと共にパワーアップしたアルゴールは無常にもそれすらも捻じ伏せ叩き付けられる。叩き付けられたアルゴールは絶叫とは違う叫びをあげ、倒れる。
ありえないものを見たルイオスは目を丸くしてその光景を見ていた。
「バカな......アルゴールが、名無し風情に?い、一体どんなギフトをつか......っ!?」
だが、その言葉は最後まで言えなかった。
首に何かに冷たいモノが巻きつかれて地へと引き摺り落とされたからだ。叩き付けられてた拍子、肺の中の空気が外へ出され痛みで目の前が白く染まったかのようにみえた。
ルイオスは何が首に巻きついているかを見ようと揺れる視線を首へと向けた。
それは、"霧"だった。
黒い、漆黒の霧が蛇のようにルイオスの首に漂うように巻きつき締め上げていた。
これは一体何のか、誰かが使っているのか、何処から。その疑問が一瞬頭に浮かんだがそれは別のモノで消えていった。
霧が巻きついている首から何かが頭に直接、送られてくる。恐怖、絶望、嘆き、消失。
あらゆる負の想いが流れ、思考を乱していく。ルイオスはこの霧の効果なのかと思ったがそれは違った。ルイオス自身、本能的に恐れていたからだ。
今のルイオスの目には、この霧が自分の死のイメージを固めたものとして見え震えるしかなった。
首に巻きついていた霧は、ゆっくりと周りを犯すように這いずり、その身体を黒く染めていく。
『空中散歩は、さぞかし気分がいいんだろうなぁ』
と、言葉が耳元で囁かれる。誰も居ない場所から。
だが、そこから霧は出ている。確かに何かが、そこにいる。見えない何かが。
『とても綺麗な一対の翼。引き裂いて奪いたいほどに』
新たに出た霧が翼がついている足へと向けて放たれる。グルグルと足を中心に螺旋状に広がっていった。
一体何をされるのか理解したルイオスは声を上げてやめさせるように言うが喉から出る言葉は形を持たず、うめくような音が出るだけだった。
『だから、潰そうか。その翼を、足を......』
その言葉とは他にルイオスの耳に何かが聞こえた。水っぽい何かが潰れる音、硬い何かが折れる音、床に水が落ちる音。
それはルイオスの耳に鮮明に聞こえた。と同時に音は自分の身体の中から聞こえてきたと理解した。
「ぁ、ぐぎっ!?」
足が熱を持ったように熱く、痛みが走る。今まで感じたことがない痛みが、脳を焼ききるような痛みが足から胴体、脳へと伝わる。
視界はボヤケ、呼吸は荒く、思考すらできなくなっていく。
自分が何をされているか、わからなかった。
『キヒヒッ。あーあ、綺麗な白が赤く染まっちゃった......いーらない』
ベチャッと床に捨てられるモノ。それを見てしまった。目を見開いて、
血で染まった自分の両足だったモノを。
「ひっ!?ぁ、うわあああああああ!!」
引き金を引いたように自分の中のものが弾け飛んだ。心が恐怖と痛みで染まったルイオスは叫び、両手で這って逃げようとした。
動くたびに足から命が出て行く。腕に力を入れるたびに身体から命が消えていく。動けば動くほど自らの命の灯火は小さくなっていく。
頭の中が恐怖で支配されたルイオスは逃げずにはいられない。いつの間にか首から霧が消えていた。いつの間にか思考は元に戻っていた。
逃げるなら今だ。
そう思った。
ひた。
――くそっくそくそくそ!!何だよ、一体何なんだよこれは!?
ひた。
――これもあれも名無し風情が、無能な部下のせいだ。何で俺がこんな目に......
ひた。
――アルゴールに宮殿の悪魔化を許可すれば、名無し共に...これをヤッた奴に!
ひた。
――石化のギフトを開放させれば、見えないコイツにも......っ!?
「ニガサナイヨ?」
□□□
「はっ!?」
突然、景色が変わる。見知らない天井、知らないベット、どこかわからない部屋。
一体何が起こったのか。身体を起こそうとすると全身に痛みが走り、顔を顰める。
「ルイオス様っ!目が覚めましたか」
部屋に入ってきた側近が傍に駆け寄ってくる。側近に一体何があったのか、ルイオスは聞いた。
話を聞くによると、自分はアルゴールを顕現させたあと、宮殿の悪魔化と石化のギフトを解放をしたそうだ。
なら、ゲームは勝てたのか?
側近は首を振って否定した。
どうやらあの十六夜という名無しが悪魔化した宮殿ごと破壊し、解放したギフトを踏み砕いたりと異常な戦いだったと。
側近も石化されて、審判だった月の兎に聞いたと言っていた。
なら、"アレ"は夢だったのだろうか?
今も鮮明に覚えている。見えない相手に対する絶望、足を潰され引き裂かれた痛み、死に対しての恐怖。
思い出したら、身体が震え、吐き気がしてきた。
きっと、ギフトゲームに負けたことで見てしまった悪夢、そう結論付けた。
「ルイオス様の怪我はとても酷かったですよ、特に足が。まるで潰されていたように見えるほど重傷だったんですから」
側近の言葉に、呼吸が止まり動かない足へ視線を向ける。
何も感じない足の上に被さっている毛布をゆっくりとめくっていく。
そこには何十にも巻かれた包帯まみれの足があった。
「アレは、夢じゃ......」
「ルイオス様?首の、それはなんですか?手当てしたときなかったはずですが」
バッと首に触れる。冷たい、氷のように冷えた首がそこにあった。
あのときのような霧のような冷たさが......
「っ!?ああああああああああああ!!」
甦る恐怖が襲い、叫びをあげる。首から何かを剥ぎ取るように、爪を立てて引っかき、激しく掻き毟る。
掻き毟った首の皮膚は裂け、血が滲み出て、次第にその量は増えていった。
側近は暴れるルイオスを押さえ込むが、それでもなお暴れる。
「誰か、誰かルイオス様を!!」
側近は他の部下を呼び、ルイオスを押さえつける。後に来た部下で押さえるがルイオスは叫び暴れ続けた。
しばらく、暴れていたルイオスはぷつんと意識を失い、倒れてしまった。
部下達は安心したが、一体何がこれほどルイオスを追い込んだのだろうか?と考えた。
ノーネームに負けたぐらいでこれほど乱すルイオスではないはず。それも恐怖で。
部下達はルイオスが掻き毟った首を見ると赤い引っかき傷の他に黒い痣があるのを見つけたが、特に気にしなかった。
だが、側近はその痣が何なのかわからないが、それがルイオスを追い詰めている原因の一つだということが何故か分かった。
側近には、その黒い痣が這いずり回っているように見えていた。
ルイルイにトラウマを植えつけたのはダレダー
さて、ルイルイギフトゲームに負けちゃったね。ざまー
この様子だと次の出番はなしかな?トラウマを乗り越えて出てくるのかな?
そのときに気分によるけどw
とりあえず。ルイルイがボッコボコ(足グチャ)にしたけどルイルイファンの方々すいませんでしたー!(土下座
次回はレティシアを出しますね。
ではでは
評価、感想、アドバイスなどなど待ってます!いつまでも
※一部修正2015/02/22