問題児達は異世界から来るそうですよ?~ショタは問題児に入りますか?~ 作:+無音+
一部修正をした後に、次を投稿していこうと思います。
出来れば火龍誕生祭、もしくは七の日常あたりを書くと思います。
「「「じゃあこれからよろしく、メイドさん」」」
〝ペルセウス″に勝利した後、問題児三人は石化を解かれたレティシアに向けてそういった。
何のことか分からない吸血鬼、月の眷族、コミュニティのリーダーの三人は頭の上にハテナマークを浮かべて声を上げた。
「だって今回のゲームで活躍したのって私達だけじゃない?貴方達はホントにくっ付いてきただけだったもの」
「うん。私なんて力いっぱい殴られたし。石になった......し?」
「つーか、挑戦権を持ってきたの俺と、白チビだろ。所有権は俺達で等分、2:2:3:3でもう話は付いた!」
混乱した黒ウサギは問題児が言ったことに理解できなかった。ジンも混乱している。
黒ウサギと ジンは こんらんしている!
「何を言っちゃってんでございますかこの人達!?」
わけも わからず もんだいじに つっこみを いれた!
......唯一、当事者であるレティシアだけが冷静に、
「んっ......ふ、む。そうだな。今回の件で、私は皆に恩義を感じている。コミュニティに帰れた事に、この上なく感動している。だが親しき仲にも礼儀あり、コミュニティの同士にもそれを忘れてはならない。
君達が家政婦をしろというのなら、喜んでやろうじゃないか」
「レ、レティシア様!?」
黒ウサギの声は今までにないくらい焦っていた。まさか尊敬していた先輩をメイドとして扱わなければならないとは......と困惑しているうちに、飛鳥が嬉々として服を用意し始めた。
「私、ずっと金髪の使用人に憧れていたのよ。私の家の使用人ったらみんな華も無い可愛げも無い人達ばかりだったんだもの。これからよろしく、レティシア」
「よろしく......いや、主従なのだから『よろしくお願いします』のほうがいいかな?」
「使い勝手がいいのを使えばいいよ」
「そ、そうか。......いや、そうですか?んん、そうでございますか?」
「黒ウサギの真似をやめとけ」
ヤハハと笑う十六夜。意外と和やかな四人を見て、黒ウサギは力なく肩を落とすのだった。
「......そういえば、あの白い髪をした少年は何処に言ったの、ですか?」
慣れない言葉遣いに戸惑いながら喋るレティシアに苦笑いを浮かべる黒ウサギはそれに答える。
「七さんは、昨日のゲームで疲れて自室で寝ています」
「迷子になっていたそうだしね」
「私が、ちゃんと抱きしめて置けばよかった...」
ガクリと落ち込む耀。それが七を迷子にしてしまった責任を感じているのか、それとも抱きしめ続けれなかったことを悔やんでいるのか......後者だろう。
「ま、後で会えばいいさ」
「......それも、そうだ、ですね?」
レティシアのなれない言葉使いに気にしない十六夜はヤハハと笑っていた。
―――"ペルセウス"との決闘から三日後の夜。
子供達を含めた"ノーネーム"一同は水樹の貯水地付近に集まっていた。
その数、一二六七人+一匹。数字だけを見れば中堅以上のコミュニティとも呼べるだろう。
「えーそれでは!新たな同士を迎えた"ノーネーム"の歓迎会を始めます!」
ワッと子供達の歓声が上がる。周囲には運んできた長机の上にささやかながら料理が並んでいる。本当に子供だらけの歓迎会だったが、それでも三人は悪い気はしていなかった。
「だけどどうして屋外の歓迎会なのかしら?」
「うん......私も、思った......」
「黒ウサギなりに精一杯のサプライズってところじゃねえか......って大丈夫か?」
春日部耀の心配する十六夜。耀は干からびたミイラのように力なく長机に顎を置きその場にいた。
よく見れば、目の下にはクマがありその目からは光が消えていた。突然、笑い出すその姿に彼女と一緒にいた猫ですら距離を取るほどだ。
なぜ耀がこのような状況になっているか。原因は七である。
あれから、何かと距離を取るようになっていた。七自身も耀の行動にうんざりしている所があり、少し距離を取っているのだ。
だが、耀は一回だけでは諦めず何度も迫り、七にアタックをしていた。
そして今日の朝。まだ寝惚けている七に忍び寄り、抱き上げて七ニウムを補充しようとしていたときだった。
七が徐に耀を見て、
――耀お姉ちゃん、しつこい。そんなお姉ちゃんは嫌い。
その言葉を聴いた耀は信じられないものを見るかのように目を開いて固まる。思わず七を話してしまうほどに。
今の耀の心境を言うなら、娘にパパ臭いといわれた父親のようなものだろう。
七はそんな耀を置いて、食堂へと歩いて去ってしまった。
立ち尽くしていた耀は、ガクリとその場に膝を突くしかなかった。
その後、通りかかった飛鳥に心配されながら自室に戻ったが七のあの言葉が頭に響くように残り、うーだのあーと言っていた。
...因みに七は本心で言ってはいないが、前日に十六夜にこう言えば離れていくれぞ、と言われ実行しただけだった。耀の姿を見た十六夜は最初は笑っていたものの段々や連れて行くその姿に流石に心配するしかなかった。内心、やりすぎたか?と思っているが耀の自業自得だ。
そして落ち込んでいる耀はミイラになりかけている。
なんとかパーティーに出てきたものの、目の前に美味しそうな料理があるにもかかわらず食べる気力もですそれどころか生きる気力も出てこなかった。
チラリと隣のテーブルを見る。そこには食事をしている飛鳥の膝の上に座っている七がいた。二人は楽しそうに話しながら七が取ってきたというイカの足を食べていた。
飛鳥に背を預け、楽しそうに笑っている。
――やはり胸の大きさか!
......変態のことはさて置き。
他の二人も耀を置いておき、話し始める。すると、黒ウサギが大声を上げて注目を促す。
「それでは本日の大イベントが始まります!みなさん、箱庭の天幕に注目してください!」
干からびている耀と七を膝に乗せている飛鳥、十六夜を含めたコミュニティの全員が、箱庭の天幕に注目する。
その夜も満天の星空だった。空に輝く星空は今日も燦然と輝きを放っている。
異変が起きたのは、注目を促して数秒後の事だった。
星が、流れた。唯の流れ星ではない。連続して流れていく。それが流星群だと全員が気づくと口々に歓声を上げる。
「この流星群を起こしたのは他でもありません。我々の新たなる同士、異世界から四人がこの流星群のきっかけを作ったのです」
黒ウサギは十六夜達や子供達に聞かせるような口調で語る。
十六夜達は子供達の歓声の裏で、驚いた声を上げる。
箱庭の世界は天動説のように、全てのルールが箱庭の都市中心に回っている。
"ノーネーム"が倒した"ペルセウス"のコミュニティは敗北の為に"サウザンドアイズ"から追放され、今見ている星々からも旗を降ろすことになった。
それを聞いた三人は驚愕し、絶句した。
さっきまで見ていた空を見ればあったはずのペルセウス座は、流星群と共に跡形もなく消滅していく。
あの星空全てが、箱庭を盛り上げる為の舞台装置で、箱庭だけの為に作られたものとわかった四人は驚き以外何も無かった。
干からびていた耀でさえ、あったはずであろうペルセウス座の場所を眺めていた。
前の世界では見れない夜空。それはそこにあった。
「綺麗」
思わず口に出してしまう光景。
誰もが釘付けとなり大空を見上げていた。
七を抱えている飛鳥がまだ流星群に見とれている七に声を掛ける。
「ねえ、七」
「ん~、何?飛鳥」
飛鳥に対してはお姉ちゃんは付けていない。耀の場合、お姉ちゃんと呼んでくれと言われ呼んでいるだけなそうだ。それを知った十六夜はさん付けはやめろと言うが、少し悩んだ七は首をかしげてお兄ちゃん?と言った。飛鳥はニヤニヤと十六夜を見ていたが、本人は普通に十六夜でいいらしい。あと、七のことも名前で呼ぶそうだ。
「そろそろ、春日部さんに何か言ったらどうかしら?流石に痛々しいわ」
そう言われチラッと隣にいる耀を見る。顔を伏せて何か呻いているのが不気味でなかなか話しかけづらいその姿に少し悩んだ素振りを見せてから飛鳥の膝から降りる。
とてとてと耀の傍に近寄り、その隣に座る。それにピクリと反応する耀。誰が座ったのか直ぐに理解したようだ。
「耀お姉ちゃん」
チラッと伏せている顔を動かし、七を見る。
「前に言ったのは冗談だから元気出して」
ね?と笑顔を見せる。それからの耀の行動は早かった。七が気づいた時には耀の膝の上だった。その頭を撫でながら笑顔を見せる。心なしか血色がいい。
七との距離が縮まったと思い更に距離を縮めていこうなどと考えていると、
「あ、でもしつこ過ぎるのは駄目だからね」
釘を打たれ、少し自重すると決めた耀だった。
白夜叉に呼ばれるところを消し、迷子になって疲れて寝ているというシーンに書き直し。
読み直してまだシリアスは早いと気づきこのようになりました。
やっぱりシリアスは後半か中盤にやるもんでしょ。(前話のあれは?)
なのでちょっとギャグを入れました。
やっぱり耀は耀だった。