問題児達は異世界から来るそうですよ?~ショタは問題児に入りますか?~    作:+無音+

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今回はジャックVS七です。


第二十一話

耀を先に行かせた七はカボチャ頭、ジャック・オー・ランタンの足止めをするために前に出る。

何故か後ろから悲鳴が聞こえた気がして心配するがきっと耀は大丈夫だと思いながら、気持ちを切り替える。

 

「YAFUッ?」

 

「あの女の子も先にいったし、僕はカボチャさんの足止めをするから」

 

ふざけたようなカボチャに向かって睨みつけるように言い放ち、ギフトを発動させと共に、周囲に黒い霧が漂い始める。

それを見たジャックは、ぴくりっと身体を震わすように反応する。

 

「これは...一体どこでそのようなギフトを手に入れたのでしょうか」

 

突然、やほほ以外の言葉を喋りだすジャックに驚いてしまい固まる。やほほとしか言ってないかぼちゃが喋れば他の人も驚くだろう。

 

「普通のジャック・オー・ランタンじゃない?」

 

「おや、私としたことがつい。では改めて自己紹介を行いましょう。」

 

ジャックが持っていたランタンから火が零れる。

零れた火はたちまち七の周囲を覆うように広がり、炎の檻と化した。

圧倒的な熱に、額から汗を流す。

 

「私はアーシャ=イグニファトゥス作のジャック・オー・ランタンではありません。生と死の境界に顕現せし大悪魔!

ウィラ=ザ=イグニファトゥス製作の大傑作!それが私、世界最古のカボチャお化け......ジャック・オー・ランタンでございます♪」

 

ふざけた口調と仕草をするジャックからは先ほどまでなかった威圧感を発していた。

重力が増したように身体の動きが鈍くなるような錯覚が襲う。それは以前、経験したことがある感覚。

白き夜の魔王と名乗った白夜叉の時と同じ。

 

強者がまた、現れた。

 

あの時は、恐怖で足が震えていた。だが、今は違う。

自分が持っていたギフトを手足のように使える今なら。

 

「なかなかよい意思をお持ちになっておりますね」

 

「それは、どうも?」

 

やほほ♪と笑うジャック。だが、すぐにそれは真剣なものへと変わる。

 

「さて...貴方に一つ聞きたいのですが。そのギフトは一体何なの聞いてもよろしいでしょうか?」

 

ジャックが言っているのは七の周りに漂っている霧のことだろう。正体不明のギフト。ギフトカードにも名は現れず、まさに謎に包まれたギフト。

 

「残念だけど、ギフトカードには空白しかなくて名前はわからないんだ」

 

「やほっそれは奇妙ですね。ラプラスの紙片であるギフトカードに名前が表示されないとは」

 

「何か知ってるの?」

 

「いえいえ、残念ながらそのようなギフトは始めて見ましたので。つい気になってしまいました」

 

「そっか」

 

もしかしたらジャックはこのギフトについて何か知っているのではないだろうかと期待していたが何も知らないといわれ落ち込んでしまう。

だが、今はゲーム中。落ち込んだ気持ちを切り替えてジャックと改めて向き合う。

 

「それじゃ、さっそくはじめるけどいい?」

 

「やほほ♪よろしいです。さあいざ来たれ、勇敢な者よ!

聖人ぺテロに烙印を押されし不死の怪物――――このジャック・オー・ランタンがお相手しましょう!」

 

今、七VSジャックの戦いが始まった。

 

 

 

 

今回のゲームはこのエリアからの脱出、それと相手側のギフトの破壊。

こちら側は耀のギフト。相手はジャック。

不死の怪物と名乗っているジャックに対し、二つ目の条件は不死であるジャックを破壊しなければ果せない。

つまり、目の前の怪物が耀の前に立つことを阻止しするか、どうにかして破壊するか。

 

「だけど、まずこの火をどうにかしないと」

 

「ヤホホホホホ!その業火の炎は、貴方に消すことができるのでしょうか?」

 

ジャックが放った業火の炎は周囲を燃え盛り、樹の根に燃え移る。尋常じゃない熱量と密度を見れば誰もがそういうだろう。

七自身もこれを消すのは無理と思ってしまう。

 

「やってみないとわからないよ?意外とできちゃったりして」

 

そう言いながら、漂っている霧の量を増やしていく。それに警戒をするジャック。

そんなことは知ってか知らずかどんどん膨れていく霧は視界を悪くしていく。

濃度が増すに連れて周囲に広がっていき、業火の炎を包むように霧が触れると、

 

ポンッ

 

軽い音と共に業火の炎はあっけなく消え去ってしまった。

 

「やほっ?」

 

思わずそう言ってしまうジャックは仕方ないだろう。

化学現象では説明できない、悪魔の炎。そう簡単に消してしまうなんて誰が想像するか。

一体どのようなギフトかをカボチャ頭で思考が......それは妨げられる。

 

「どうしたの、カボチャさん?ボーっとなんかして」

 

「っ!?」

 

突然、横から声を掛けられ驚きそちらへ身を向ける。

霧で視界が悪い中、白い何かが立っている。小さな白い影。そう、丁度さっき行く手を阻んでいた七ぐらいの大きさ。

その影が前へ一歩出るとその姿が明らかになる。やはり、姿を現したのは七だった。

黒の中で目立つ白い髪を揺らしながら、ジャックの姿を見てクスクスと笑う姿は年相応だが対面しているジャックには不気味に思えた。

 

「...一瞬で移動するとは、移動系のギフトか何かでしょうか?」

 

「別にそんなギフトなんて使ってないよ?ただ、ゆっくりとカボチャさんの横に歩いてきただけだよ?」

 

そういい、ジャックに向かって一歩、前に進む。なんの変哲もない唯の一歩。散歩でも始めるかのように自然な動き。

ジャックは身の危険を考え、その大きな手で七を吹き飛ばし距離を置こうと突き出す。

振りかぶった手はかなりの勢いを保ちながら七に向かっていく。当たれば軽症では済まない。

そんな大きな手は七に触れるや否や、まるで幻影のように姿は消え、霧へと変わっていた。

 

「行き成り突き飛ばそうとするなんて、ひどいな」

 

今度は後ろから声が聞こえる。それに振り替えずジャックは何のギフトを使っているかある程度予測がつく。

最初は目晦ましかと思えば、一瞬で横に移動。攻撃を行うと幻のように消え去る。

 

「なるほど、幻影の類のギフトでしたか。この霧は目晦まし代わりですかね?」

 

どんなギフトか暴いた為か余裕を出して七に語りかけているように見えるジャックだが、内心七のギフトをどう攻略するか考えていた。

業火の炎で攻撃すれば霧のギフトで消され、接近戦に持ち込もうにも姿を暗ます。

ジャックの言葉を聞いて一瞬きょとんっとした顔をした七だが、面白いものを聞いたようにくすくすと笑い出す。

 

「カボチャさん。僕は一つしか使ってないよ?炎を消してのも、気づかないように横に移動したのも、姿が消えたのも全部」

 

ジャックはその言葉が本当かどうか分からない今は手が出しようがない。

もし本当なら、一体どんなギフトを使っているか。

 

「ねえねえ、カボチャさん。霧の中にずっといるけど、大丈夫?」

 

怪訝な顔をするジャック。だが、あることに気がつく。周囲に漂っていた霧は、いつの間にか自分も霧の中に入っていたことに。

直ぐに霧の中から抜け出そうと動き出すが、既に遅かった。糸か切れてしまったマリオネットのようにダラリと手足が動かなくなる。

身体のあちこちの力がゆっくりと抜けていって動かなくなる。

そこで霧の中は、不思議な感覚を覚える。霧は冷たさを感じるがそれを心地よく、それに身を任せてしまいたい。そう思ってしまう。

それが頭の中を埋めていく。止めようとしても止められない、止め方が分からない。考えたくなくなる。

 

「それはとてもとても心地いいもの。誰にも邪魔はされない。だから身を委ねれば最高の幸福が訪れる」

 

声が近くで聞こえてくる。声は耳を通って頭の中に透き通るように聞こえる。一言一言が心地よく聞こえてくる。

言われた通り、ここは心地いい。何時までもここに居たくなってしまう。

動かなくなっていく身体の感覚が足から、手から感じなくなる。失っていくような冷たさだけが感じなくなった足と腕の跡からわかる。

それは、霧と同じ冷たさ。居心地が良い霧と一緒。

自分の身体は霧と一緒に解けて融けて溶けてしまう。

 

不死であるジャックは思ってしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――溶けて消えたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゲームの舞台が硝子細工のように砕け散っていく。気づけば元の舞台に戻ってきていた。

 

『勝者、春日部耀!!』

 

観客の喝采が会場に響く。

司会の黒ウサギの宣言でこちらが勝利したことがわかりホッとする七。近くに耀が立っているのを見えすぐに駆け寄っていきその場から離れる。

残るのは、動かなくなっているカボチャ。その目からは虚ろな光が灯っている。

 

「耀お姉ちゃん!大丈夫だった?」

 

「うん、大丈夫。七こそ平気だった?」

 

何か満足そうにしている耀は七の心配をしながら腕の中に引っ張り込む。

七は、引き寄せられる手に抵抗せず耀の腕の中に納まる。

 

「大丈夫だよ!ちょっとカボチャさんとお話してただけだから」

 

「...?なら、よかった」

 

不思議そうな顔をする耀だが、傷付いていない七を見て安心して鬼ごっこで消費した七ニウムを思う存分摂取していった。

 

 

そんな二人に背を向けているように倒れている一人の少女。

アーシャは、顔を上げてゲームが終わったことに安堵のため息をつく。

よく見るとその服装は所々切り裂かれ、ボロ絹状態。身体にも切り傷がついている。

 

「くそっ!なんだあのノーネームの女は。なんかぶつぶつ言ってると思ったら急に襲ってくるし。しかも、追いかけてくるときのあの顔が....うぅ」

 

思い出したアーシャは震えるように両手で自分を抱きしめる。どうやら耀にトラウマを植えつけられたようだ。

 

「って、ジャックさん。結局来なかったけど何してたんだ?」

 

辺りを見渡してジャックを探す。直ぐに転がっているジャックを見つける。

アーシャはジャックの下へ走り、安否を確認するが全く動かないジャックにアーシャは焦り、ジャックと戦ったであろう七に叫ぶ。

 

「おいっ!ノーネームのちび!一体ジャックさんに何をしたんだ!!」

 

アーシャに呼ばれたのが自分だと気づいた七は二人を見て思い出したようにアーシャのそばに駆け寄る。

その後ろから自分の手から離れた七を名残惜しそうに見つめる耀。

 

「ああ忘れたよ。僕ってうっかりさんだね、ほら起きてカボチャさん」

 

小さな手でパンパンと叩くと、ジャックの肩がピクリと震え瞳に灯っている炎が鮮明となっていく。

意識を取り戻したジャックは周りの様子を確認するようにきょろきょろと首を動かす。

 

「じゃ、ジャックさん。大丈夫か?」

 

「あ、アーシャ。私は一体......確かゲームが始まり、あの少年の霧の中で.....思い出せない」

 

記憶がなくなっているようでジャックは戸惑う。あの霧の中での事を思い出せない。確かに何かあったがそれがなんだったのか。

 

「それじゃ、カボチャさん。またねー」

 

手を振り、耀の元へ戻っていく。

 

「大丈夫かよ、ジャックさん?」

 

「ええ、記憶以外は特に問題なさそうですね。ですが......」

 

「やっぱり何処か悪いのか!?」

 

声を荒げるアーシャに落ち着くよう宥めながら舞台から降りていく。

その後ろから心配するようについていくアーシャ。

 

 

 

 

耀に再び抱えられている七は舞台裏に戻っていく二人を横目で見ながらその口に笑みを浮かべる。

 

「カボチャさんが溶けたらカボチャスープかな?」

 

 

 

 

 




も、文字数が4444とは。なんか不吉。

七のギフトの力がまたわかったようで。
どんなギフトか分かる人はわかるんじゃないかなと思うけどこんな駄文じゃわかるわけがない。

やっぱり戦闘を書こうとするとなぜかこうなるふしぎー
次こそはちゃんとした戦闘を・・・・



次回はついにあの斑ロリが登場。
魔王とのギフトゲーム、どんなふうにしよっかなぁ。
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