問題児達は異世界から来るそうですよ?~ショタは問題児に入りますか?~    作:+無音+

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第二十七話

ハーメルンが拠点として使っている展示展では、二人のロリが睨み合いお互いを牽制し合っている。

何故、こんな状況なのかは二人に挟まれている真っ白なショタ、七が原因だ。

簡単に説明すると、七と一緒に居られるのは一週間だけ。その間に何れだけ多く七と一緒に過ごせるのか。

それについて話し合い、時にはギフトゲームまで行われるほどだった。

そうしている内に、貴重な1日が過ぎ去り七に至っては飽きて寝てしまう。

もう一度話し合った結果、早い者勝ちとなった。

 

よって、相手の隙さえあれば七の横を奪い合う事態に発展していた。

二人の頭の中は独り占めの言葉で埋まり、二人仲良く隣に座れば良いことに気付かず牽制しあっている。

そして、肝心の七は二人の様子が可笑しいな、ぐらいの認識でラッテンが持ってきてくれた本を読んでいた。

因みに本は、ハーメルンの笛吹男である。

良くダブルロリが殴り合いをしている間にラッテンの元でハーメルンの笛吹男の話を聞かせて貰っている。

その時に、メンバーの正体やらを話してしまい後々でペストにお仕置きを受けている。

 

「お腹、空いたなぁ」

 

ふと空腹を覚えてそう呟く。備え付けられてある時計を見ると針は正午を示し、昼時を指し示していた。

ノーネームを離れ既に3日が経っている。

ペストによると一週間ここに居なければならないそうだ。正直、七は飽きてきた。

殆どこの洞窟の展示展で過ごし暫く外へ出ていない。

チラリと外へと続く出口を見る。

走って抜ければ出れるだろう。だが、今目の前の二人のせいでここから出ることができない。

何気無く外へ行こうとすると、引き留められ無理やり突破しようとするといつの間にか気絶させられ、何故かベットで二人に挟まれて眠っていた。

どうしたものか、と考えていると二人が此方を見ていることに気が付く。

 

「ど、どうしたの?」

 

ガン見の二人に驚きながら聞く。

 

「そういえば、もうお昼だね。待ってて今私が美味しいご飯作ってあげるね!」

 

「いえ、私が作るわ。貴女はなにもしなくていいわ」

 

「はっ、間違ってペスト菌入れられでもしたら七が大変だわ。寧ろ貴女がなにもしなくていいわ」

 

今度は七の昼御飯を作ることでまたもや言い合いが始まる。

またか、と七は呆れるがそこでふと思い付く。

 

「とってもお腹すいたから早く食べたいなぁ、なんて」

 

そう言うと、言い合っていた二人は一目散に料理を作るために台所へと走っていってしまった。

そもそも、ここに台所あったっけ?

 

「今の内に……」

 

いそいそと身支度を整え、二人にバレないように急いで外へと続く道へ掛けていく。

 

「あら、何してるのかしらあの子?」

 

それを見ている人物に気が付かずに……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うまく抜け出せた七は、久しぶりの外に思わず深呼吸してしまう。

さて、外に出なのは良いが行く宛がない。

ノーネームには、接触禁止と契約書類に書かれているので会いに行けない。なら屋台でも寄ろうにも全て閉まっていた。

折角、出たのに此れじゃあんまりだ……

軽く落ち込みながら、どうするかと考えていると後ろから誰かに抱えられてしまう。

 

「ウサギちゃん、何をしてるの?」

 

てっきりペスト達かと思ったがどうやらラッテンのようで七は安心する。因みにウサギちゃんとは七のことである。

だが、直ぐに考え直す。何故ここにラッテンが?まさか、自分を連れ戻しに?

 

「別にウサギちゃんを連れ戻してこいなんてマスターに言われてないわよ。ただ本拠地から出ていくのが見えたから着いてきただけよ?」

 

それなら良かったと安堵する。

なら、今すぐ下ろしてくれと頼み込む。

 

「いやよ。逃げようって事はないと思うけど怪我でもされたらマスターとあの腹黒が怒り狂うに違いないから。何処か行くなら私もついていくわ」

 

「んー」

 

ラッテンが付いてくるのは特に問題ない。

下手に断ったらまた戻されそうだ。

七はラッテンの同伴を許可を出し、誰も居ない北の街へ出掛ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、ハーメルン本拠地では……

 

「ちょっと、それ私が使おうとした材料よ。勝手に取らないでよね」

 

「チンチラしてるあんたが悪いのよ、後こっちくんなペスト菌入って料理にならない」

 

「何を!?」

 

「ああん!?やるかごらぁ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「外に出ると言っても、皆店仕舞いしてしまって行くとこなんて決まってる訳だけど」

 

驚くほどに全ての店が閉まっていた。

どうやらペストが町中にペスト菌をばら蒔いてしまってその治療に当たってるそうな。

そんな中で飲食店など開いているわけもなく閉まっている店の前で虚しく膝をつく七。

 

「まあまあ、お腹空いているのなら今マスター達が料理してますから、それを食べましょう?」

 

折角出てきたのにただ散歩しただけとは、此のままでは終われない。そう思った七は一目だけノーネームの様子を見てみたいとラッテンに言う。

ラッテンは、それに難色を示すが根気よく頼み込む七に根負けし遠くから様子を見るだけならと許可を貰った。

 

 

 

「という訳で、来てみたけど……あらぁ、かなりの患者がいるみたいね」

 

現在、ノーネームが居るであろうサラマンドラの本拠地が良く見える建物の上に立って様子を見るがここからでも沢山の人が溢れ返っているのがわかる。

 

「んー、あの赤い子は居ないようね。いったいどこ行ったのかしら」

 

赤い子……きっと飛鳥を探しているのだろう。赤い子って飛鳥しか思い当たらないし。

 

「ノーネームは……んー、ここからだと見付からないわね。案外、倒れたりしたりして」

 

それはないと思う。十六夜はアレだし耀に至ってはきっと自分を取り戻そうと考えているだろう。

黒ウサギや、レティシアが心配だが十六夜が何とかしてくれる筈。

そう考えると、なんか心配しなくても良くなってきた。

 

「あら、もういいのかしら?お友達は見つかったの?」

 

「ううん、でもなんか心配しなくても皆なら大丈夫だって思ったからもういい」

 

七はそう言って建物から降りてハーメルン本拠地への道を歩いていく。

ラッテンは、慌ててそれに着いていく。

 

「皆なら、大丈夫。きっと……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「七ぁ?一体何処に行ってたのかしら?」

 

「折角人が作っているのに居なくなるなんて酷いわ」

 

本拠地へと帰って来た七を待っていたのは仁王立ちしたダブルロリ。どうやら、料理を作った後に七が居なくなったことに気付いたのか怒り心頭である。

 

「え、と。ごめんなさい」

 

「……いいわ。どうせラッテンが付いていってくれたんでしょ。なら安心よ」

 

「まあ?そのラッテンが七に何か変なことをしてなければ、の話だけど」

 

二人の視線が隣のラッテンへと向けられる。

ラッテンは慌てて弁護を図るが、黒は疑いの目を向け続ける。

 

「黒はほっておいて。七、お腹空いたでしょ?さあ、私が手塩をかけて作った料理よ。食べなさい」

 

「ちょっと!一緒に出すって決めたじゃん」

 

「早い者勝ち」

 

「ぬぐぐ。七、私も作ったから食べてね!」

 

そう言ってラッテンから七へと標的が変わる。思わずラッテンは安堵する。

そうして、七の前に出された二つの料理。

一つは、オムライス。もう一つはハンバーグ。

子供が好きそうなメニューが目の前に並び七のお腹が思い出したかのように可愛らしく鳴く。

 

「美味しそう!」

 

その感想にうんうんと二人は頷く。そして、早く食べるよう急かす。

七は側においてあった先割れスプーンを手に取り、一つの料理に手を付ける。

先に手を付けたのはハンバーグからだった。

それを見た黒はガッツポーズを取るが、ペストはそれを静かに見てるだけ。

どうやら、ハンバーグは黒が作ったようだ。

ハンバーグを切り分けると中から肉汁が溢れ、香ばしい香りが広がる。

一切れをパクりと口に入れ、味を確かめる。

 

「うん。美味しい、すごく美味しい!!」

 

評価絶賛に黒のテンションただ上がり。今にも舞を踊りそうなほどだ。

隣のペストは、少し手が震えているが静かに待つ。

そして、今度はオムライスのほうへと手を付ける。

オムライスの上にはケチャップで『LOVE』と書かれており少し食べづらそうだが、一口サイズに分け口に入れる。

モグモグと食べる七に、ペストはドキドキである。

そして一言。

 

「オムライスも、おいし―――」

 

味の感想を言おうとするが、そこで固まる七。

二人は固まった七に不思議そうに見ていると突如、血を吐き出し倒れる。

 

「な、七あああぁぁぁ!??」

 

「あー、やっぱペスト菌入ってたかぁ」

 

血を吐いて倒れる七を見て慌て騒ぐペストに、あちゃーと頭に手を当ている黒。

その後、ダブルロリの介護のお陰で回復した七にペストはひたすら頭を下げるのに戸惑う七の姿あったとか。

 

 

 

 

 

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