問題児達は異世界から来るそうですよ?~ショタは問題児に入りますか?~ 作:+無音+
問題児達(二名)は黒ウサギにが箱庭と呼ばれる天幕巨大都市の入口前まで連れてこられた。
「ジン坊っちゃーん!新しい方を連れてきましたよー!」
ジンと言われる少年に話しかける黒ウサギ。
見た目からして10才くらいだろう。
「お帰り、黒ウサギ。そちらの女性二人が?」
「はいな、こちらの御四人様が―――」
くるり、と振り返る黒ウサギ。
かちり、と固まる黒ウサギ。
「・・・え、あれ?もう二人いませんでしたっけ? ちょっと目つきが悪くて、かなり口が悪くて、全身から“俺問題児”ってオーラを放っている殿方と、白くて小さくて無邪気で黒ウサギのウサ耳に興味津々だった子が」
「ああ、十六夜君のこと? 彼なら“ちょっと世界の果てを見てくるぜ!”と言って駆け出していったわ。あっちの方に」
あっちの方に。と飛鳥があっさりと指差すのは上空4000メートルから見えた断崖絶壁。
「な、なんで止めてくれなかったんですか!」
「“止めてくれるなよ”と言われたもの」
「ならどうして黒ウサギに教えてくれなかったのですか!?」
「“黒ウサギには言うなよ”と言われたから」
「嘘です、絶対嘘です! 実は面倒くさかっただけでしょう皆さん!」
「「うん」」
ガクリ、と黒ウサギが前のめりに倒れる。ハッと七のこと思い出し途中ではぐれて迷子になっていないか二人に問いただす。
「じゃ、じゃああの白い子は何処に?」
「白い子?.....ああ、七のことね。あの子なら十六夜君と一緒に世界の果てを見てくるってついて行ったわ」
「そうですか、それなら安心.....するわけないでしょうが!」
と、ノリツッコミをする黒ウサギ。
「なんで止めなかったんですか!あんな小さな子を」
「十六夜君が“こいつ、持っていくから”と拉致したから」
「ついて行ったんじゃなくて拉致して連れて行ったんですか?!」
「「うん」」
本日二回目、ガクリ、と黒ウサギが前のめりに倒れる
「た、大変です! “世界の果て”にはギフトゲームのため野放しにされている幻獣が」
「幻獣?」
「は、はい。ギフトを持った獣を指す言葉で、特に“世界の果て”付近には強力なギフトを持ったものがいます」
「あら、それは残念。もう彼らはゲームオーバー?」
「ゲーム参加前にゲームオーバー?・・・・・・斬新?」
「冗談を言っている場合じゃありません!」
ジンは必死に事の重大さを訴えるが、二人は叱られても肩を竦めるだけである。
重大さをわかってないようだ。
「はあ・・・・・・ジン坊ちゃん。申し訳ありませんが、皆様の御案内をお願いしてもよろしいでしょうか?」
「わかった。黒ウサギはどうする?」
「問題児を捕まえに参ります。事のついでに―――“箱庭の貴族”と謳われるこのウサギを馬鹿にしたこと、骨の髄まで後悔させてやります」
悲しみから立ち直った黒ウサギは怒りのオーラを全身から噴出させ、つやのある黒い髪を淡い緋色に染めていく。
外門めがけて空中高く跳び上がった黒ウサギは外門の脇にあった彫像を次々と駆け上がり、外門の柱に水平に張り付くと、
「一刻程で戻ります!皆さんはゆっくりと箱庭ライフをご堪能ございませ!」
黒ウサギは、淡い緋色の髪を戦慄かせ踏みしめた門柱に亀裂を入れる。全力で跳躍した黒ウサギは弾丸のように飛び去り、あっという間に三人の視界から消え去っていった。
巻き上がる風から髪の毛を庇う様に押さえていた飛鳥が呟く。
「・・・。箱庭の兎は随分早く跳べるのね。素直に感心するわ」
「ウサギたちは箱庭の創始者の眷属。力もそうですが、様々なギフトの他に特殊な権限も持ち合わせた貴種です。彼女なら余程の幻獣と出くわさない限り大丈夫だと思うのですが・・・」
飛鳥はそうと少し心配そうに呟く。彼女も七をついて行かせたこと(拉致)を少し悪いと思っている。
心配そうにしているジンに向き直った。
「黒ウサギも堪能くださいと言っていたし、御言葉に甘えて先に箱庭に入るとしましょう。エスコートは貴方がしてくださるのかしら?」
「え、あ、はい。コミュニティのリーダーをしているジン=ラッセルです。齢十一になったばかりの若輩ですがよろしくお願いします。皆さんの名前は?」
「久遠飛鳥よ。そこで猫を抱き抱えているのが」
「春日部耀」
ジンが礼儀正しく自己紹介する。飛鳥、耀もそれに倣って一礼する。
「さ、それじゃあ箱庭に入りましょう。まずはそうね。軽い食事でもしながら話を聞かせてくれると嬉しいわ」
飛鳥はジンの手を取ると、外門に入っていった。
次回、ついて行った(拉致られた)七はどうなるのか....!
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