終わりがもたらしたはじまり   作:ふぁんた

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第9話「新入生歓迎会(3)」

第9章「新入生歓迎会(3)」

 

「皆さんお待たせしました!ラブライブ前回大会優勝者にして、本校と統廃合した浦ノ星が生んだ、スクールアイドルグループの登場です!皆さん準備はいいですか!?」

 

「「「「「「いえーーーーい!!」」」」」」

 

司会の生徒とみてくれているみんなの掛け合いが聞こえる。

さっきの軽音楽同好会の演奏で一気に会場のボルテージが上がった。

 

暗くなるステージ。

私たちはステージに上がると円陣を組む

 

「さあいくよ!」

軽音学同好会がぶち上げてくれたこの場所をさらに私たちが高める。

「私たちは私たちの輝きを!ステージにぶつけよう!」

「「「「「「おー!!!!!!」」」」」」

 

「1!」

「2!」

「3!」

「4!」

「5!」

「6!」

「Aqours!サーンシャイン!!」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

暗くなったステージの下。

前方の端っこに僕がいた。

 

すると、隣の女の子に話しかけられる。たしか千歌ちゃんの友達で浦の星だった子か。

「宮木君!お疲れ!千歌たちの応援するなら、これ持たなきゃね!」

100均で売ってるタイプのペンライトを渡される。青色。

「ありがとう。」

そうしているうちに司会の生徒がAqoursの名前を告げる。

ステージが始まる。

 

すると、隣の女の子が興奮した様子で口を押えながら、驚いた声を上げる

「え、ちょっと待って!!今日のあの衣装まさか・・・!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

PAをお願いした先生とも打ち合わせはばっちりだ。

 

そして今日の衣装は。

 

私達を象徴してくれていた服。

 

浦ノ星女学院の制服を選んだ。

 

私達の想いは、あの場所で育まれたものだから。

誰かに伝えたいなら、私たちの想いを込めたかったから!

 

「「「「「アクアーーーー!!!!!」」」」」

 

たくさんの声援が聞こえる。

これが私たちが作り上げてきた今につながっていってるんだね。

 

「皆さんこんにちは!私たちはスクールアイドル部所属、Aqoursです!!!」

 

割れんばかりの拍手。目の前に広がる青い光の海。今日見てくれている人の中には浦の星の時からの私たちの友達、この学校に入ってからできた友達、たくさんの人がいる。

 

大丈夫!いける!

 

そして、浦の星に迎えることができなかった新入生の子たちへ。

 

そんなすべての人へ私たちの想いを届けたい!!!!

 

「さっそく一曲目![君の心はかがやいてるかい?]!!!」

 

イヤモニから曲が流れだす。

さあ、始まりだよ!!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ステージの上では6人が想像以上に激しい踊りを披露する。

 

全員の声はとても澄んで響いていた。

それがアンサンブルを奏でる。

 

これを踊りながら歌うのは単純にすごい。

 

こんなのちゃんと練習しなきゃできない芸当だ。正直侮っていた。

 

なぜだかわからないけど僕は目の前で起きているライブに目を奪われてしまった。

 

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「一曲目は輝きをテーマに作った曲でした!」

拍手が聞こえる。

メンバー1人1人の名前を呼ぶ声も。

私達を見てくれているすべての人が私たちには愛おしい。

 

梨子ちゃんが胸ポケットから原稿を出し、部活紹介を始める。

その間に給水して次の準備だ。

 

「じゃあみんな?準備はいいわね?」

私達は目で合図を出し合う。大丈夫。いける。

 

「わたしたちを高みに導いてくれた曲です![water blue new world]!!」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

静かなボーカルから始まった曲は、確かな力強さを感じさせる。

 

動かなきゃ、何も変わらない・・・。

 

そうだ、僕はあの時。

はじめてベースを持った時。

リサさんに出会った時。

「変わろう」って思ったんだ・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ありがとうございます!」

 

「「「「「わあああああああ!!!!」」」」」

 

会場から声が響く気が付かなかっただけで、こんなにもたくさんの人が前に来てくれた。

声を出してくれた。

 

これが私たちの輝きなんだ。

コウ君はどう思ったんだろう。

 

私達はこんなもんじゃ終わらないけどね?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

千歌ちゃんが話し始める。

 

「実は今回!ある曲のカバーを私たちはさせていただきました。最後に聞いてください!」

 

梨子ちゃんが壇上からいなくなったと思うと、ステージの下に配置されているピアノの所にあらわれる。

 

まさか。

 

「Seekerで[花束]!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

優しいピアノが聞こえてくる。

 

ここから先はコウ君の心を揺らすためのライブだ。

この曲には激しい踊りは入れていない。

合唱をベースに曲に合わせたゆったりとした雰囲気の踊り。

 

この曲がコウ君にとって、いや、Seekerにとって大切な想いを乗せたことは曲を聞けばわかった。

だからこそ、私たちはこの曲を歌うことを選んだ。

 

大切な想いを誰かに伝えたいから。

 

「優しい風が 僕を包んでさ」

 

ただ祈るように。やさしさにあふれた声を。

私はそう思いながら歌う。

 

「眠りにつけた日があって」

 

――――自分の気持ちがわからなくなってたとき。

救ってくれたのは、友情を思い出させてくれた千歌ちゃんが、鞠莉ちゃんが、Aqoursのみんながいたから。

私は強くなってるよ!

 

「そんな日は安らかな雨」

 

――――ピアノを弾きながら歌うのは初めて。

うまく歌えるかはわからない。だけど。

私は手を伸ばしたからここにいる。

この思いは傲慢かもしれない。だけど。

助けてあげたい。

届くように。コウ君に私の想いが。

乗せるように。コウ君が大切な人へこめた想いを。

 

「許されたような気がして」

 

――――ほかの人からは変に聞こえるかもしれないマルの方言。

でもAqoursのみんなが認めてくれたから。

こんなオラがアイドルなんて今でも疑問に思うよ。

でも今は楽しい!

コウさんにもわかってほしいズラ!

 

「僕は今ここにいる」

 

――――いつもお姉ちゃんの後ろに隠れてた。

でも、なりたいって思ったスクールアイドルに今はなれてる。

今、お姉ちゃんはいない。

だから、もっと強くなりたい!

 

「戻りたくない あの頃には」

 

――――自分がうけいれてもらえるか、わからなくて怖かった。

だから、堕天使でいようって思った。

だから、学校に行けなかった時もあった。

誰かに認めてほしい。でもなかなか認めてもらえなかった。

Aqoursに入って私は居場所を見つけることができたの!

あなたはAqoursに入る前の私なの?コウさん・・・?

 

「僕は一人だった」

二年生のみんなのアンサンブル。

おびえてるわけじゃない。だけど、みんなの声が少し震えて聞こえた。

 

「作り笑い浮かべ」

「何しているか分からず」

「意味がないことくりかえして」

ワンフレーズごとに二人ずつでアンサンブル。

ここから、この曲のサビ前のフレーズだ。

 

「僕は 僕は 僕は」

全員で歌う。

私達も自分がわからなくなる時がある。

 

コウ君もそうだったんでしょ・・・?

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この曲は僕の感謝の曲だ。

あの時、何もわからなかった自分を助けてくれたSeekerに、そしてリサさんにあてた感謝の曲だ。

 

何故だろう。昔の自分をいつもよりも鮮明に思い出す。

 

何故だ。涙があふれてくる

 

頭の中で今まで浮かばなかったメロディができていく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

サビ。ここまで来たら後は勢いだ。

全ての人に届け!

ここまで応援してくれた私たちの感謝の気持ち。

コウ君に届け!

私達の輝き!

 

澄んだピアノの音色が力強さを帯びて体育館に響く。

 

「どれだけの言葉で君に言えばいいだろう

書きなぐった一ページはゴミ箱に捨てたんだ

色んなことがあったね?

そのすべてが宝物だから」

 

私達は思いを一つにして歌う。

みんながみんな誰かに感謝してるから。

 

私はコウ君と再会できたことも実はとっても嬉しいんだからね!

 

「言葉より 花束を君へ送ろう」

――――最後は私のソロ。

ピアノと一緒に歌い上げる私たちの想い。

これが、私たちの届けたい、感動だよ。

私達の届けたい、想いだよ。

 

ピアノでアウトロを占める。

 

会場内は入って来た時よりも大きな拍手と歓声に包まれた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「今日はありがとな!おかげですげえいいライブできた!」

「ああ、問題ないよ。僕も楽しかったし。」

僕は今、軽音同好会が使ってる多目的室にいる。

Aqoursのライブが終わった後、後片付けを手伝うことになった僕たちは自分たちの持ち場を早めに終わらせ、今は休憩中だ。

 

「この後、暇か?打ち上げでカラオケ行こうぜ!今日のお礼におごるぞ!!」

アキラが元気に言う。

しかし、この後はどうしても外せない用事がある。

 

「すまん、今日はきついわ。」

「まじかよー!来週は?」

「空いてるよー。」

「おっけー!!!来週な!お前らも空けとけよ!」

なんか明日の予定が入った。まあいいや。

 

時計を見たら、終了予定時刻から15分くらい過ぎてる。

「ほんじゃ、行くわ。じゃな。」

「おー!また明日ー!」

スクールアイドル部に行かなくちゃな。

この思いは今伝えないと。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「「「「「「かんぱーい!!!」」」」」」

私達はライブ成功の祝杯をジュースで上げた。

「楽しかったね!」

曜ちゃんが言う。満面の笑み。

わたしもすごく楽しかった!

 

「ルビィも先輩かあ・・・新入生の子、いっぱい入ってくれるといいなあ!」

「そうだね!マルはちょっと心配だけど・・・。そういえば、コウさんは来るずらか?」

 

「わかんない。さっき、あとで行くとは言ってたけど・・・」

梨子ちゃんが心配そうに言う。

「ここまで来たら、信じるしかないよ!」

「そうだね。」

私が言うと、梨子ちゃんは微笑む。

信じよう。来てくれるって。

 

善子ちゃんは何か考え事をしているようだった。

 

来なかったら、ベースの練習中にいろんな邪魔してやるんだ!!!

私がそう決意した時、部室の引き戸があいた。

 

「おじゃまします。」

真剣な顔でコウ君が言う。

 

「どうだった?私たちのライブ!」

梨子ちゃんが言う。みんなの緊張感が伝わる。

 

「その前に聞かせてほしいんだ。」

うへえ!!

わたしは心の中でずっこけそうになる。

 

「何であの曲を選んだんだ?Aqoursは持ち曲結構あるだろ?僕らの曲だってもっとたくさんある。なのになんで?」

 

梨子ちゃんが答える。その質問を待っていたかのように。

 

「なんでかわからないよ?だけど、一番素直にコウ君の気持ちがわかる曲っておもったから、かな。」

 

「・・・・・・・・・」

コウ君は黙ってしまう。しばしの沈黙。そして口を開く。

「あの曲は、僕が自分の大切な人に向けて書いた、初めて作った曲なんだ。」

ぽつりぽつりと独り言のように言う。

 

「みんなのライブを見て、昔のことを思い出したんだ。なんで曲を書いたのか。なんで僕がバンドを始めたのか。また思い出せた。」

「あの時の自分の想いを少しだけ思い出せた。ありがとう。」

 

大きく息を吸う。

 

「・・・僕の負け。みんなのライブで感動しちゃいました。」

 

・・・・・

 

「「「「「「やったああああ!!!!」」」」」」

 

私達は勝利のガッツポーズ。

 

「じゃあ、これでコウ君の入部決定だね!」

「ふふ!そうだね!」

そう言って梨子ちゃんがコウ君の前に行く。

 

「私たちは何度だって手を伸ばすよ。コウ君が折れそうになったら、手を伸ばして。私たちが必ずつかむから!」

 

「ようこそ!スクールアイドル部へ!」

 

こうしてコウ君はスクールアイドル部の一員となり、私たちの曲を作ることになった。

 

 




次回の更新は1月16日(水)の夜を予定しております。
展開に一息ついたところで次回は番外編っぽい話を投稿しようと思っております。
感想、アドバイス等ありましたら、書いていただけますとありがたいです

[以下作者あとがき]
本日センター試験でしたね。受験生の方が少しでも実力を発揮できたことを祈ってます。
作者はなんの陰謀か大学で単位に関係ない試験受けてきました。なぜだ。

そして、みもりん熱愛おめでとう!個人的に祝福したいニュースです!

やっとこさ、この小説の展開にひと段落つけられました。
完成してはいないもののある程度の構想はしておりまして、こつこつ続けたいと思っております。

今回、作中に初めて自分で書いた歌詞を載せました。
今回書いた歌詞はある意味自分の経験をベースにしています。

自分で過去に作ったことのある曲の歌詞でどこにも上げたりはしていないやつです。
そのうち、ボカロとかで打ち込んだりしたいんですが(笑)

特にこれといったひねりのない歌詞だと思いますし、曲も上げてはいないので、単純に詩を読むことと同じような状態になってしまうと思いますが、そういう面でも読んでくださっている皆さんにアドバイスを頂けたらうれしく思います。

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