終わりがもたらしたはじまり   作:ふぁんた

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夜の更新が少し怪しいので今のうちに更新しちゃいます。


第13話「重なる動揺」

GW最終日にコウと梨子が出かけていた日…

 

「うへぇ…宿題終わらん…」

 

ゴールデンウィーク最終日。私の前にはたまりにたまった宿題の山ができていた。

 

だって仕方ないじゃん!旅館の手伝いとか練習とか色々あったんだよ色々!!

 

梨子ちゃんを頼ろうと思ったらLINEで

 

「私今日用事あるし、帰るのいつかわからないから、難しいよ。あと自分でやりなさい(`・ω・´)」

 

と連絡が入っただけだった。

 

しかし、今回の私は違うのだ!!

 

まだ、コウくんというカードがのこっている!

 

てな訳でコウくんの部屋に向かう。

 

そしたらコウくんは今にも出かけるって感じ。なんか今日はオシャレだ。

 

「あれ?どっかいくの?」

 

後ろから声をかけたらちょっとだけびっくりした感じでコウくんが振り向く。

 

「うん。ちょっと出かけてくるよ。夜には帰るからさ。」

 

「えー。宿題教えてもらおうと思ったのに!」

 

「…まだ終わってなかったの?」

 

呆れた顔をされた。こうまで予想通りの反応だと逆にイラっとする。

 

「そんな呆れた顔しないでよ!!!」

 

「いや、GWだし、受験生だしでだいぶ前からアナウンスされてたじゃん…」

 

正論すぎて言い返せない。そうです、やってない私がわるいんですうーー!!

 

「くう…。私もどっか出かけたかったなあ…みとしー…梨子ちゃんに連絡したけど用があって無理って言われたし…」

 

一瞬。

 

本当に一瞬だけどコウくんの表情が固まった気がする。梨子ちゃんのことになるといつも微妙な反応をするのはなんでなんだろう。

 

「…ごめんごめん。今度時間作るよ。」

 

「うーーー!今度奢りだからね!」

 

そう言い残してそのまま去る。

 

約束してからずっと行ってないんだからそれ

くらいはしてよね!

 

・・・・・

 

「わかんないよーー!」

 

英語はコウくんが帰ってきてからにしよう…英詞を書いてたから、英語は得意なんだそうだ。

 

教えてくれるまでコウくんの部屋からかえらない!

 

そんな感じでできるところから宿題を進めてたらスマホに着信が入る。

 

花丸ちゃん?どうしたんだろう?

 

「もしもし!千歌ちゃん!今大丈夫ずらか!!!」

 

「千歌!大丈夫!?」

 

電話の向こうから善子ちゃんの声もする。ものすごく慌ててるけどどうしたんだろう。

 

「大丈夫じゃないけど大丈夫だよー。どうしたの慌てて。」

 

「たいへんずら!!!マルたち、夏季ラブライブ の選考に出れないことになったずら!!!」

 

「は?」

 

とんでもない話が舞い込んできた。

 

・・・・

 

「で、どういうことなの?!」

 

電話じゃらちがあかないし、ちょうど花丸ちゃんと喜子ちゃんが花丸ちゃんの家のお寺にいるということもあり、宿題の終わらない私の家に来てもらった。

 

「さっきAqoursのアカウントにラブライブ 運営からメールが来てね。」

 

喜子ちゃんがスマホでAqoursのアカウントのGメールを開いてみせる。

 

主にAqours関係のネット管理は喜子ちゃんの仕事だ。

 

「ラブライブ のルールが改正されて、前回大会優勝者は大会参加ができないことになったっていう通達があったの…」

 

私はびっくりして何も言えない。

 

じゃあ私達は何を目標に頑張ればいいの?

 

「喜子ちゃん、それじゃ誤解を生むずら。」

 

「え?」

 

話が見えない。一体どういうことだろう。

 

「順位を決める大会に出場することはできないんだけど、マルたちにはエキシビジョンで出て欲しいってことらしいずら。」

 

「っていうと…?」

 

「機会の平等化ってことなんだって。普通のスポーツと違って人気が左右されるよね?ラブライブ は。」

 

「うん。」

 

私はうなずく。私もそれは嫌ってくらい分かる。

 

去年のスクールアイドルワールドを思い出す。

 

「ラブライブ 優勝経験のある場合、同じグループだとすでに人気が高まりすぎて票が固まってしまう可能性があるってこと。」

 

淡々と喜子ちゃんは告げる。

 

「だから色んな学校が勝つ可能性を高めるために、前回優勝校はその直後のラブライブ …つまり私達だったらこの夏のラブライブ にはエキシビジョンに出て運営と一緒に大会を盛り上げる役目について欲しいってことらしいわ。」

 

私は急なことすぎて頭が追いつかない。

 

「ってことは冬は出られるってことだね?」

 

「そう言うことね。この夏は大会を盛り上げてってさ。」

 

「マルたちからしたらなんか微妙な感じだよね…またみんなで頑張って優勝狙おうって思ってたし…」

 

「みんなはなんて?」

 

「まだ伝えてないずら。とりあえず梨子ちゃんと千歌ちゃんには早めに伝えなきゃって思ったんだけど、梨子ちゃん、繋がらなくて。このメール来たのさっきで偶然善子ちゃんがマルの家で宿題してるときだったし。伝えるならとりあえずリーダーの千歌ちゃんからとも思ったんだ。」

 

「そっか…。でもまぁ目標は失わなそうだし、とりあえずグループに流して詳しい話し合いは明日でいいんじゃないかな?」

 

「…そうだね。マルたちだけであがいても仕方ないし。…それに。」

 

「それに??」

 

花丸ちゃんの眼光が鋭くなる。

 

これは、刺激しないほうがいい奴かもしんない。

 

「千歌ちゃん、宿題やったずらか?三年生、結構宿題出てるーってコウさんにきいたずら。」

 

げ!コウくん、余計なことを…

 

「げ、現在進行形…的な???」

 

笑ってごまかせる。私の知ってる花丸ちゃんなら笑ってごまかせる!そしてジト目で見られるって感じなはず…

 

「…千歌ちゃん。今の私たちの学校、割と自由にいろんなこと認めてくれるよね?」

 

「うん。」

 

たしかに部室棟といい、学校の雰囲気といい緩いかもしれない。

 

「それは生徒に課されてるものも多いからできるずら。」

 

「って言いますと…?」

 

ゴクリと言う唾を飲み込む音が自分の中で聞こえる。

 

「テストや宿題で不備があった場合、部活も休みになるずら!それはぶっぶーずら!リーダーなんだし、責任持ってやるずら!!!」

 

「ひえええ!!!」

 

「わ、私、そろそろ帰るわね?用も済んだし、今日はGW最終日の堕天使集会の生放送が…」

 

「喜子ちゃんも終わってないよね?」

 

「ギクッ」

 

花丸ちゃんのジト目は可愛いんだけど割と精神にくるものがあったりする。

 

「二人ともそこになおるずら!そして宿題やるずら!!!」

 

花丸ちゃんがダイヤさんの役目を継いでしまった…私達はそう思った。

 

・・・・

 

結局夜の七時過ぎまで、私と喜子ちゃんは花丸ちゃんと一緒に勉強することになった。

 

常に花丸ちゃんが私達を監視してくれたおかげで(せいで?)私達は無理矢理に宿題を埋めていくことができた。

「う、うーん…こんなにがっつり勉強したの久しぶりかもしれない….」

 

「わたしも…帰らないと…」

 

時計を見て言う。この春になってバスの時間は増えた。

 

内浦にあった浦の星が統廃合され、沼津に通うことになった学生への配慮ということらしい。

 

「じゃーねー千歌ちゃん!明日また部室で!」

 

「うん!気をつけてねえ!」

 

わたしは二人を見送るとそのまま自室のベッドに寝転んだ。

 

ラブライブに 選考ではなくエキシビジョンとして関わる。

 

ステージに立って輝けるならなんの問題もない…よね?

 

もともと勝ちたかったのは浦の星の名前を残したかったってことや、もっと輝きたいって思ったことがすべての始まりだ。

 

私たちに協力してほしいって言うラブライブ 運営や、私たちを見たいと言ってくれるファンのみんなの気持ちは本当にありがたい。

 

ありがたいんだけど…

 

今の姿は…私たちの望んだ姿なのかな?このまま流れに身を任せていいのかな?

 

「私には難しすぎるよ…」

 

宿題をやりきった疲れなのか、抱えることが大きすぎるからなのか私はそのまま寝てしまった。

 

・・・・

 

目を覚ましたら十時前だった。なんだかびっくりするくらいお腹が空いてしまった。

 

リビングに行くと机の上に二人分の食事が用意されていた。その横ではみとねえがテレビを見ていた。

 

「おはよー。ぐっすりだったねえ。」

 

「みとねえ…誰か帰って来てないの?」

 

「あー。コウがまだ帰って来てないよ。なんか外で食べてくるってさー。あいつも早く言えっての。」

 

「ふーん」

 

お昼前くらいには出て行ったはずだ。本当にどこ行ってるんだろう…?

 

「どこいってるの?コウくん。」

 

「そんなん私は知らないよー。あんたも知らないの?高校生なんだし、人に言わないこともあるんじゃない?」

 

「うん、そうだね。」

 

私は無理に納得しようとする。

仕方ないか。

私とは違う付き合いもあると思うし。

 

ご飯を食べてから部屋に戻ってyou tubeを見る。

 

好きなゲーム実況者の動画が更新されていた。

 

でもなんでだろう。

 

色々重なりすぎて動画のことがあんまり頭に入らない。

 

「あーーーもう!なんかイライラする!」

 

こんなにイライラするのは生理前とかだろうか?はあ…

 

イライラしてても仕方ないので散歩に行くことにする。

 

春の夜風は冷たい。

 

「きゃうん!!」

 

目がぱっちりした方のしいたけの子(名前が決まってないので私は勝手にぱっちりのまつたけと眠そうなたけのこって呼んでる)が私の元にかけてくる。

 

まつたけもたけのこも私やコウくんに懐いているんだけど、たけのこはコウくんの方が好きらしい。今日は犬小屋で寝ていた。

 

まつたけは元気にはっはっ言いながら私に寄ってくる。かわいい。

 

子犬はいいなぁ。和む。

 

相変わらずしいたけは寝てる。時間が時間だし仕方ないけどね。

 

私はまつたけをなでなでする。

 

するとまつたけは満足したのか自分の犬小屋に戻っていった。

 

お母さんに似てマイペースなわんちゃんだ。

 

・・・・・

 

堤防沿いを何も考えずにぼーっと歩くのは楽しい。

 

なんだか、悩みが消えていってくれそうで。

 

このまますべていいように溶けていけばいいのに。

 

少し歩いてそろそろ帰ろうと思った時、ふと周りを見たら、梨子ちゃんがいた。

 

誰かを抱きしめている…。

 

うん。

 

えっ!?

 

ちょ、どう言うこと!?

 

善子ちゃんは家に帰っているはずだし!

 

いや、善子ちゃんだとしても驚きだけど。

 

離れているから何を話しているのかは聞こえない。

 

相手が誰かは見えない。

 

これは、すごいところを見てしまった…

 

私は近くの壁に隠れてそーっと覗く。

 

流石に罪悪感があるものの、それでも見てしまう私は罪深いのだろうか?

 

 

そして、相手の顔が見える。

 

 

相手はコウくんだった。

 

 

え?

 

その瞬間色んなことが頭を駆け巡る。

 

朝の梨子ちゃんとのLINE。

 

梨子ちゃんに電話が繋がらなかった花丸ちゃん。

 

どこかに出かけるコウくん。

 

そして梨子ちゃんの名前を出した時、コウくんが見せた一瞬の表情の固まり。

 

このままここにいたら、ダメだ。

 

頭よりも先に体が動いた。

 

ここから離れなきゃ。

なんでだろう、胸が痛い。

ドキドキする。

ここにいたらダメだ。

 

明日も私達は一緒に学校に行くと思う。

 

明日、私は笑えるのかな。

 

この感情の名前を見つけられるほど私は長く生きていない。

 

目にうっすら涙が浮かんだことに気づいた。

 

この気持ちはなんなんだろう…




次回は2月2日(金)の夜に更新する予定です。
感想、アドバイス等お待ちしております。
次回の更新は本筋を進めるか、梨子ちゃん回にするか少々なやんでおります。

[以下作者あとがき]
今回のまとめ。「千歌ちゃんは見た」

テストおわったー!!!!今日から春休みですわ!!!
でも他に勉強あるんですけどね!ちくしょう!

今回の話はコウくんと梨子ちゃんがデートしてる時の千歌ちゃんのお話でした。いよいよ本格的に関係が動きそうな感じです。
作者としてはこの後の千歌ちゃんと梨子ちゃんがかなり気がかりだったりしてます。どうしよう(白目)

なんて言いつつちゃんと話はできてるのでご安心ください。

今回の話でラブライブの話についても出てきましたが、これについても次回以降きっちり回収するつもりでおります。

ラブライブ優勝と言う大きな目標がなし崩し的になくなってしまったAqours、そして、千歌ちゃんと梨子ちゃんが今後どうなって行くのか、楽しみに読んでいただけると作者は嬉しいです。

次回本筋更新ならば本筋に三年生メンバーのあの人が登場します。

UA5000超えました!読んでくださってる皆さんのおかげですありがとうございます!

これからも頑張ろうと思います。これからもよろしくお願いいたします!
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