東方半獣録   作:幻想郷のオリオン座

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地霊殿のお茶会

フランとこいしが仲良く遊んだ後

僕達は客室の様な場所に案内される。

周囲にはかなりの動物が動き回ってて

哺乳類は僕に、爬虫類はテュポーンに

鳥類はガルーダに集まってきていた。

 

不思議なことに、僕らは動物に好かれるらしい。

それぞれ元になった種族に。

理由は不明だけどね。

 

そして、フィルは人からも動物からも好かれる。

フィルがこの場に居た場合

全ての動物はフィルに集まることだろう。

 

「あなた達も動物に好かれるのね」

「理由はあなた達も分からないのですよね?」

「そうだね、君は明確だが僕らは不明だ」

 

さとりが好かれるのは簡単に分かる。

動物的には心を読んで貰うことで

自分達が欲してる物を理解して貰える。

だから、さとりに集まるのは当然だ。

 

実際、心を読めるというのはかなり便利だ。

対策はわんさかあるが

僕の対策だと相手を殺しかねないし?

 

「え!?」

「まぁ、殺さない対策もあるけど」

 

当然、僕の取れる対策はいくらかあるが

相手を殺す対策は干渉を喰らう事。

相手が能力で僕に干渉して心を読むのであれば

一応、僕の全てを喰らい尽くす能力の範囲内だ。

 

当然、テュポーンも同じ事が出来る。

僕の場合はテュポーン程の殺傷能力はない。

完全に喰らう事は出来ないからね。

あいつは完全に破壊することが出来る。

 

僕の場合は相手の干渉に対してのカウンター

だが、テュポーンは先手で使う事が出来る。

能力の影響を受ける前に破壊できると言える。

 

「つまり、あなたへ直接干渉する能力は」

「そ、対象範囲」

「んだ? 会話しろよ」

「心の中で会話してるっすよ、あれ。

 心を読ませて、相手にだけ伝えて

 で、相手の疑問に答える感じっす」

「そりゃ会話じゃねぇだろ。

 口あるんだから、口で全部話せば良いだろ?」

「あなたは何も考えてないですね……本当に」

「お? そうか?」

「そうっすそうっす、全く~」

「あなたも何も考えてないと思うのですが」

「おやおや~? それは本当っすかね~?

 本当に、うちは何も考えて無いんっすかね~?」

 

ガルーダがかなり馬鹿にした表情でさとりを煽る。

こいつは随分と煽るのが好きだよね。

実際、こいつにはそれが出来る。

能力の干渉を受けないようにする事は可能だ。

僕とは違い、完全に弾く。いや、弾くんじゃ無い

そもそも、干渉できないのがガルーダ。

オンオフを自在に切替えてるから

心を読む能力を持つさとりには特攻だ。

 

能力が絶対だと思ってただろうからね?

大量の情報をぶち込まれて困惑したり

雑念に覆い隠されて読めない経験はあっても

完全に読めないという経験は無いだろう?

あ、因みにテュポーンはマジで何も考えてないだけ。

 

「え、えぇ」

 

少し困惑しながら、彼女はテュポーンを見た。

うん、マジであいつは何も考えてない。

会話してるときも多分ボケーッとしてる。

でも、攻撃には無意識に反応するだろうし

そう言う意味でも、テュポーンはさとりの天敵だ。

いやまぁ、そりゃ僕達は誰に対しても

特攻というか、天敵になり得るんだけどね?

 

「私は心が読めないんだから

 普通に会話をして欲しいのだけど?

 あなた達だけの秘密の会話って感じで

 折角同席してるのに少し嫉妬するわ」

「ごめんなさいね、レミリア。

 これは私の癖なのよ。相手の心を読み会話をする。

 それが悟り妖怪として生まれた、私の性よ」

「私が色々壊したくなるのと同じ理由かしら」

「私は能力に振り回されてるつもりは無いけど

 フランの場合は振り回されてる感じもするわ」

「いいえ、あの子は物が壊れる瞬間を楽しんでるわ。

 破壊の能力を得たのは本人の思想故でしょう」

「フラン、何故壊れる瞬間が好きなの?」

「ふふ、良い事を聞いてくれたね、お姉様。

 私が何故破壊が好きなのか、それはシンプル。

 形があった物が、私の手でその形を崩す。

 

 そこにあったはずの存在を無かった事にする。

 そして、作るのにはとても時間が掛かるのに

 破壊であれば一瞬、瞬間に出来る。

 

 私の前では全てが無意味で、どれだけ形を作ろうと

 私が手を握るだけで破壊できるという全能感。

 

 いやまぁ、昔は能力はあまり好きじゃ無かったけどね?

 だって、手を握ったら壊れるとか嫌すぎるし?

 誰かが私に送ってくれた物も簡単に壊れて

 私はあまり能力に良い印象は無かったけど~

 

 フィルが来てからさ、何か楽しくなってね。

 そう、何かを破壊する一瞬の儚さとか

 そう言う、美しさみたいなのが楽しくなってね。

 最近は誰も破壊できない物を破壊したいって言うか

 こう、私は凄いんだぞって証明したいって言うか。

 

 てか、元々生まれ持ったときに持ってた能力を

 嫌って感じても、簡単には無くならないって言うか?

 それなら、いっその事楽しんだ方が良いって思ってね。

 うん、フィルを見てるとよりそう思ったんだよねー」

「……」

 

こいしが少しだけ、自分の第3の目を見た。

彼女はそう、能力が嫌になって能力を封じて

同時に心の一部を封じてしまったそうだね。

 

フランとは少し違った形だが似てるようだ。

フランは能力を嫌っては居たが

フィルに出会って、色々と吹っ切れた。

 

だが、こいしは能力を毛嫌いしてしまい

その能力を封印することを選んだんだ。

だから、似て否なる者と言える。

 

とは言え、こいしも今を多少は楽しんでるだろう。

そりゃ、ちょっと心を取り戻してるから分かる。

少なくともフランと仲良くやってるんだし

完全に心を失ったわけではない。一部でしか無い。

 

ま、やってしまった以上は仕方ない。

今更能力を取り戻しても悩むだけだろう。

君の様に吹っ切れていれば良かったんだろうが

嫌われるのを避ける為に嫌われてる部分を壊そうとする。

それは、僕達の妹だってやった事だ。

 

「……」

 

フィルと違って、彼女の傷は治らないだろうが

今更悔んでもしょうがないだろう?

なら、今の幸せを与え続けるのが姉の仕事だ。

 

ま、君は自分の能力を至高の能力と思ってるかも知れないが

妹はそうは思わなかったって事だ。

でも、否定しないで受入れてあげれば良い。

数少ない味方に否定されるのは残酷な事だからね。

 

「すでにやってますよ」

「知ってる、だからそのまま頑張りな」

「ったく、また心で会話してるのか?

 口に出して話してくれよ、マジで理解できねぇ」

「大丈夫、口に出しても君は理解できないから」

「うぐ、そ、それはそうかもしれねぇな」

 

ま、さほど難しい話でも無いんだけどね。

 

「さとり様、紅茶を用意しました」

「ありがとう、お燐。さ、飲んで頂戴。

 あなた達好みの血は入ってないけどね」

「あら、フィルの血は流石にないのね」

「フィルの血があるとかなり美味しいんだけどね」

「フィルは調味料じゃ無いんだ。

 出来れば飲まないで欲しいね」

 

だって、フィルの血は本来は劇薬だからね。

吸血鬼には少し危険な代物だろう。

とは言え、今までで悪い兆候は無い。

 

ただ、本人達は気付いて無いだろうが

今の彼女達はフィルが来る前と比べれば

何倍も強くなってるだろうね。

まだ鬼と戦って勝てるほどでは無い様だが。

 

とは言え、あまり言いふらしたい事じゃ無い。

だから、この心は読ませないようにした。

 

色々な情報を押付けての観賞遮断だ。

フィルの心を読ませない時にやったのと同じだね。

 

まぁ、2人の事は気になるが

しばらくは経過観察を続けるとしようかな。

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