Fate/stay another world   作:レッサーパンダ

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1=3 選定者の自信

 {選定者}はエミヤに第四次、第五次聖杯戦争について語った。

 聖杯戦争についてまるで当事者のように詳しく知る{選定者}と名乗った男の正体にエミヤは興味を覚えた。

 エミヤは{選定者}に聖杯戦争との関わりがあったのかを問うた。

 

 「どうなんでしょうね、冬木の聖杯に関係があったのか?それとも何も無かったのか?」

 

 {選定者}の答えをはぐらかすような言葉にエミヤは苛立ちを見せた。{選定者}はそんなエミヤの態度を読み取り先ほどの発言に言葉を足した。

 

 「私自身過去を覚えていないのですよ、気付いた時には時代を渡って歴史に名を刻んだ王や王女を殺す存在だったのです。そして何故か冬木の地で行われた聖杯戦争についての記憶を持っていたのです」

 

 エミヤは{選定者}の言葉を素直に信じる気にはなれなかったが確認の取りようがないと、今は{選定者}の言葉を信じておくことにした。

 

 「聖杯戦争のことを知っている私は過去に聖杯に関わりを持っていたのか?

  または誰かが聖杯に願った末に生まれた存在なのか?多少の興味はあるんですがね」

 

 {選定者}は自分と言う存在の出生に多少の興味を持つ発言をした。

 {選定者}の話にエミヤは興味を持って聞いていたが、その場に居る他の二人は興味がなさそうに早くアーサー王を討つための作戦の内容を話すように{選定者}に催促をした。

 義経と宋江の催促に{選定者}はしばらくの間待機するように命じた、時期にアーサー王が納める国に奇襲をかけて貰う予定だとだけ話して。

 義経と宋江は早く事を済ませて自身の復讐を一刻も早く行いたかったが仕方なく{選定者}の言葉に従った。

 

 「聖杯戦争を知っている者としては、命令を従わせる令呪があればどれ程便利かと思ってしまいますよねエミヤ殿」

 

 {選定者}はコソッとエミヤにだけ聞こえるように呟いた。

 どうやら{選定者}は自身が呼び出したサーヴァントたちの行動を縛るような力は無いようであった、あくまで義経たちは自身の願いを叶えるために{選定者}の命令を聞いているだけのようであった。

 

 「セイバー、いや、アーサー王を討つなら第五次聖杯戦争と同じだと思っていたら痛い目をみるぞ。あの時のアーサー王は未熟なマスターのせいで本来の力を出せずにいたからな」

 

 「ご忠告痛み入ります、ですがご心配には及びませんよ。アーサー王がたとめ神の如き力を持っていようとも王である以上、私には絶対に勝てないのですからね。

  むしろ円卓の騎士たちの存在が今回の作戦の邪魔なんですよ」

 

 エミヤの忠告に{選定者}はアーサー王に対して何か秘策があるのか絶対の自信を覗かせた。

 {選定者}はそう言い残して洞窟にエミヤたちを残して何処かへと歩いて行ってしまった。

 エミヤたちは仕方なく洞窟で待機をすることにした。

 

 

 {選定者}は洞窟から少し離れた森に着くと足を止めて落ち合う手筈の人物を待ち、辺りをキョロキョロと見渡した。目的の人物以外がその場に居ないかを確認をするために。

 

「お久しぶり~、誰にも付けられてないから安心してねん」

 

 派手な見た目な女が{選定者}の近くまで来ると明るく挨拶をしてきた。

 

 「計画は順調に進行しているんだろうな、妲己(だっき)」

 

 {選定者}は今までエミヤたちと話していた口調とは変わっていた、そして今までと違う強い口調で目の前に現れた妲己という女と会話を続けた。

 妲己は胸を張って自分が{選定者}の命じられた任務をそつなくこなしていることを自慢げに語って。

 妲己に与えられた任務とは二つあった、一つはアーサー王の王妃であるギネヴィアの侍女となりギネヴィアに近づくこと。もう一つはアーサー王の姉であるモルガンに接触することであった。

 

 「今回の作戦の要である円卓の騎士の崩壊は貴様の手に掛かっていることを忘れるなよ」

 

 「任せといてん☆(キラッ)、{傾国の美女}の異名に恥じない働きをするつもりよん」

 

 妲己は軽い口調で答えた。

 

 「分かっているさ、貴様の恐ろしさは他の誰よりもな」

 

 {選定者}はそう漏らすと妲己に二つの新たなことを命じた。一つはモルガンと自分を引き合わせる手筈を整えるように指示をした。

 そしてもう一つは円卓の騎士の一人であるランスロットと王妃のギネヴィアを引き合わせることであった。

 {選定者}は最低限のことを妲己に伝えるとエミヤたちの待つ洞窟へと踵(きびす)を返した。

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