Fate/stay another world   作:レッサーパンダ

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3-2 士郎と謎の美少女

 士郎はアーサー王たちがキャメロット城に帰る際に、アーサー王から今回の旅での功績を労(ねぎら)うために金貨の入った袋を渡されて城下町で骨休めをしてくればどうだ、と言われて現在士郎はアーサー王が納める国の城下町のようなところで観光をしていた。

 

 「出来ればセイバーと色々と見て回りたかったんだけどな」

 

 士郎は活気がある露店を見て回りながら残念そうに愚痴を溢した。

 アーサー王たちが城に帰るとペリノア王の訃報を聞き、てんやわんやしていることなど知らずに士郎は一人観光を楽しんでいた。

 最初は案内役として兵士を一人付けられていた士郎だったが、この活気溢れる人混みの中で案内役の兵士と逸(はぐ)れてしまった。しかし士郎はたいして慌てることも無かった、この時代に飛ばされた時から言葉は通じるのでキャメロット城までの道のりは誰かに聞けば良いだろうと観光をのん気に続けていた。

 

 「見たこと無い食材だな、買って帰って調理したらセイバー喜んでくれるかな~」

 

 士郎はこの時代に来てから調理をしていなかったので久しぶりに腕を振るいたかった、そしてセイバーが自分の料理を食べる姿を想像すると士郎は嬉しくなった。食材に付いて店主に色々と聞いて買い物を終えると士郎はついでにキャメロット城までの経路を聞くとセイバーの居る城に帰ろうとした。

 しかし帰り道で士郎は人通りの少ない道を通っていると悲鳴が聞こえてきた。

 士郎は急いで女性の悲鳴が聞こえた方へと走り出す。

 

 「こいつは上玉じゃねえか、高く売り捌(さば)けそうだ」

 

 士郎が駆け付けるとフードを被った小柄な人物が柄の悪そうな三人の男たちに囲まれていた。

 先ほどの悲鳴が男たちに絡まれているフードの人物ならば女性であろう、そして男たちの会話を聞くと人攫(さら)いに連れ去られそうな現場に自分は鉢合わせたのだろうと士郎は考えた。

 

 「その子を離せ、さもなければ俺が相手になるぞ」

 

 士郎は人攫いと思わしき男たちにそう言い放った。

 男たちは自分たちの邪魔をしにきた士郎の方に振り返る、士郎の姿を見た男たちは笑って士郎を馬鹿にした発言を口にする。

 男たちの中の一人がナイフの様な短剣を抜くと、士郎を侮ったのか一人で士郎に切りかかってきた。

 

 「トレース・オン」

 

 士郎は両手に剣を生製すると片方の剣で相手の剣を受け止め、もう片方の剣を握る部分で相手の顎を思い切り殴りつけた。

男は顎に強い衝撃を受けたためかその場に倒れ込む。それを見ていた残りの二人も剣を抜くと士郎に襲いかかって来た。

 士郎は襲いかかって来た男二人も難なく打ち倒すと、倒れている男たちに剣の切っ先を近付けた。

 

 「これ以上やるなら手加減するつもりはないぞ」

 

 士郎が男たちにそう言うと、男たちは捨てゼリフを吐いて慌てて士郎に背を向けて逃げて行った。

 攫われそうになっていたフードを被った女性はそれをワナワナと体を震わせて見ていた。士郎は恐怖で体を震わせているのであろうとその女性に優しく声を掛けた。

 

 「もう心配ないよ、まだ怖ければ安全な場所まで送ろうか?」

 

 士郎の言葉を聞いたフードを被った女は口をパクパクさせている、恐怖でまで上手く喋れないのであろうか? 士郎はそう思い相手が落ち着くのを待った。

 すると次の瞬間にフードを被った女は士郎の胸ぐらを掴むと自分の方へとグイと引っ張った。

 

 「何してくれてんのよアンタ、せっかく奴らのアジトまで行って一網打尽にするチャンスが台無しじゃない」

 

 士郎はてっきりお礼でも言われると思っていたので予想外の言葉に士郎は暫し固まった。

 そして相手が怒っているようなのでゴメン、と素直に謝った。

 フードを被った女は士郎が善意で助けにきたであろうことや、素直に謝罪したことでそれ以上は士郎に怒るのは理不尽と思ったのか、士郎の胸ぐらを離すと男たちが逃げて行った方向に男たちを追い掛けに行った。

 しかし途中で止まると振り返って士郎に忠告をする。

 

 「少し腕が立つからって厄介事に首を突っ込んでたら、命をそのうち落とすわよー。

  今度からは巡回してる兵士を呼びなさい、この国の兵士は皆ちゃんと鍛えてやってるんだからー」

 

 フードを被った女は大きな声で士郎にそう言うと、再び逃げた男たちの方へと走って行った。

 士郎はその姿を見送ると床に置いていた食材の袋を抱え直し、自身もセイバーの居る城へと再び帰ろうとした。しかし、十五分程歩いた帰り道で先ほど逃げたハズの男が士郎の前に立ちはだかった。

 

 「俺たちを舐めたこと後悔させてやるよ」

 

 その男はそう言うと男の仲間と思わしき柄の悪そうな男たちがぞろぞろと出てきた。

 数は十二~三人程であろうか、士郎を取り囲むと得物を取り出して今にも襲いかかってくるような雰囲気である。

 

 「痛い目に遭わないと分かんないようだな」

 

 士郎はそう言うと再び自身の魔術回路から両手に剣を作り出した。

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