Fate/stay another world 作:レッサーパンダ
士郎は双剣を構えるとチンピラのような男の一人が士郎に襲いかかった、士郎はその男を難なく叩きのめすとそれを見て頭に血が上った仲間の男が更に二~三人士郎に襲いかかって来た。
士郎は後続の襲いかかって来た男たちも殺さないように手加減をして叩きのめす、士郎を取り囲むチンピラたちが堰(せき)を切ったように一斉に襲いかかってこようとしたが、ボスらしき男がそれを止める。
「待て、テメーら」
チンピラたちのボスが倒れてる男の近くに行くと倒れてる仲間に手を差し伸べて抱き起す、そしてボスは先ほどまで倒れていた男に何か耳打ちすると他の仲間たちと同じように士郎を取り囲む輪の中に戻るように指示した。
「なかなかやるじゃねえか小僧、俺様が特別に一対一(タイマン)で相手をしてやるよ」
チンピラたちのボスの提案に士郎も応じた、全員を相手にするよりはずっといいと士郎は考えた。
士郎とチンピラたちのボスが対峙をする、手下たちがそれを取り囲んで士郎に向かって野次を飛ばしながらボスの戦いを観戦していた。
流石にボスを張るだけあってそこそこ腕は立つようである、士郎は先ほどまで相手にしていた奴らよりは若干手こずった。しかし士郎の方が力は上であるようでボスの男は士郎に押されて仲間が取り囲む輪の場所まで押し込まれた。
ボスの男は手下から何かを受け取るのを士郎は見逃さなかった。
ボスは部下から受け取った武器を士郎に投げつけた、それは目では確認しづらい程小さな鋭利な武器、暗器であった。
事前に攻撃を察知してなければ避けるのは難しい攻撃だが、敵の小さな行動を見逃さなかった士郎はその攻撃を避けてボスとの距離を詰めた。
「今だ」
ボスがそう言うと先ほど耳打ちをした男が士郎の足に飛びつき士郎の動きを止めようとした、士郎は引き剥がそうとしたがボスが士郎に剣を振り上げる、士郎は足に張り付いた敵を引き剥がすよりもボスの攻撃を先に凌(しの)ぐことを選択した。
しかしボスの攻撃は士郎の予想外の場所を突き刺した。それは士郎の足に張り付いている部下の腕ごと士郎の足を突き刺したのだ。
「ぎゃぁぁぁー」
部下はボスに自分の腕を貫かれて痛みで士郎から離れて転げ回っている。
士郎の足からも剣を突き刺された場所からドクドクと血が流れ出る、士郎はたまらず膝を地面に着けた。
「小僧、テメエの足に張り付いたあのバカをすぐさま殺してれば避けれた攻撃だ。
どれだけ腕が立とうがテメーみたいなアマちゃんは怖くねえんだよ」
チンピラたちのボスは士郎が相手を殺さなかった甘さを見抜き、そこに付け込んだ戦いをしたのだ。
ボスの男は士郎の強さを目の当たりにして全員で士郎に襲いかかっても勝てる確証を持てなかったので、より確実に士郎に攻撃を与えるために部下ごと士郎に攻撃を加える冷酷な行動を選んだ。
「血生臭い戦場を経験してればそこそこ名の知れた男になってたかもな? 小僧。
もう手遅れだけどな」
ボスの男はそう言ってニヤリと笑うと見物させていた部下たちに士郎を殺すように命じた、士郎が足に大きな手傷を負った状態でもボスの男は士郎の力を脅威に感じて自身は安全なところに身を置いた。
チンピラたちが士郎に一斉に攻撃を仕掛けてこようとしていた、足に大怪我を負った士郎は機動力を失ったためにその囲みから逃げることは難しかった。
士郎は未だに血が流れ続けている足で無理やり立ち上がると構えを取る。しかし四方からの攻撃に手負いの士郎は追い込まれた、そして追い詰められた時にその状況を一変する人物が現れた。
「いやーツイてるわね。取り逃がしたと思った誘拐グループの奴らにバッタリ会うなんてね」
そこに現れたのは先ほど士郎が助けた? フードを被った少女であった。
フードを被った少女は剣を抜くとその剣をチンピラたちに突き付けて降伏するように語り掛けた。
しかしチンピラは小柄な少女の言うことなど聞くハズもなく、その内の一人が少女に襲いかかって来た。
襲いかかって来たチンピラ相手に少女は剣を振るうと、チンピラの男の体は縦に一刀両断されて左右に分かれた。
「誘拐された人たちの居場所を知る必要があるから、一人は生かしといてあげるけどそれ以外は抵抗するなら容赦しないわよ」
少女はそう言うと一刀両断したチンピラの返り血が顔にまでかかったので、返り血を手で拭った。その際に少女のフードが外れて少女の顔が見えた。
少女の顔はまだ幼く士郎と同じくらいか、士郎よりも若いくらいであった。
その少女の顔を見たチンピラたちのボスは顔色を変える、そして背を向けると部下たちを置いて走って逃げようとした。
それを見た少女は剣を振るう、少女が振った剣はその風圧で地面を割りその斬撃はボスの横を通り過ぎて遠く離れた壁にヒビを入れた。
剣を振るっただけで遠く離れた壁にまでヒビを入れたその威力にボスの男は腰を抜かして命乞いをした。
「た、頼む、命だけは助けてくれ」
士郎相手にイキっていたボスの男は少女の顔を見るや怯(おび)える子犬のように震えている。
部下たちはボスの様子に困惑していた、年端もいかぬ少女に従うのは癪であったがその実力とボスの様子から部下たちもおとなしく降伏した。
少女は士郎の方に近づくと布を取り出して士郎の足を強く縛(しば)った。
「今度は私が助けてあげたからこれで貸し借りは無しよね」
少女はそう言うと人懐っこい笑顔でニッコリと笑った。
少女は笛の様なモノを鳴らすと暫(しばら)くして兵士がやってきた、少女は兵士に誘拐グループのチンピラたちと士郎のことを頼むとその場を後にして何処かに行ってしまった。
駆け付けた兵士は仲間の兵士を呼ぶとその中の一人に士郎とはぐれた案内役の兵士も居た、その兵士に士郎は肩を借りてキャメロット城へと帰路した。
士郎は治療を受けそれが終わるとセイバー(アーサー王)に呼ばれたのでセイバーが居る部屋へと案内された。
士郎は扉の前に立つと扉をノックする。
「構わぬ、入れ」
セイバーの許可する声が聞こえると士郎を部屋まで案内した兵士が扉を開けて部屋の中へと通される。
すると部屋の中にはセイバーと円卓の騎士の面々、そして先ほど自分のピンチを救ってくれた少女も何故かその場に居た。