Fate/stay another world   作:レッサーパンダ

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3-4 円卓の花(自称)、登場

 アーサー王は士郎に今回の敵を誘い出す旅の説明をした。そしてその旅の同行に士郎も一緒に来て欲しいとアーサー王は士郎に頼んだ。

 士郎はモチロン喜んで協力するつもりでいた、セイバー(アーサー王)の力になれることを士郎は嬉しかった。しかし、士郎は気掛かりがあった、士郎はアグラヴェインの方をチラリと見る。

 アグラヴェインの顔は相変わらず仏頂面である、士郎の同行に賛成しているのか、反対しているのか表情から察することは難しかった。

 アグラヴェインは士郎のことを未だに疑ってはいたが、今回の旅は護衛が少ないことと、前回の義経を討った旅で士郎に対して若干ではあるが認めたのかアグラヴェインは士郎の同行を賛成していた。

 

 「いやー、さっき会った君が我らが王様のピンチを救って、モードレッドに手傷を負わせた客人だったなんて思いもしなかったわ。宜しくね」

 

 そう言うと先ほど自分のピンチを救った少女は士郎に握手を求めてきた。

 士郎は握手に応じたが、未だに目の前の少女が一体何者なのか分からずにいた。

 

 「ふざけんな!誰がこんな野郎に手傷を負わされるかよ、たまたま攻撃がカスッただけだ」

 

 モードレッドは少女の言葉を聞いて反論した、モードレッドは士郎にかすり傷程度とはいえ傷を負わされたことを未だに根に持っていた。

 

 「モードレッドに傷を負わせる何て円卓の私たちでも簡単じゃないよ、モードレッドの強さは皆知ってるしね」

 

 少女はそう言うとモードレッドは少し顔を赤くして、

 

 「あたりめーだ」

 

 と言って顔をソッポに向けた。先ほどのモードレッドの怒りは消えて照れ隠しで怒っているように士郎には見えた。

 どうやら少女はモードレッドの扱いに慣れている手際の良さである。

 士郎は先ほどの少女の言葉に疑問を持って少女に質問をした。

 

 「私たち円卓の騎士ってことは、まさか君も?」

 

 「あれ? まだ自己紹介してなかったっけ、私は円卓の騎士の花。ことガレスよ、気軽にガレスちゃんて呼んでいいからね」

 

 士郎は目の前の自分よりも若そうな少女が円卓の騎士の一人であることに驚きを露(あらわ)にした。

 そして今回の{選定者}とやらを誘き出す旅に同行する円卓の騎士がモードレッドだけでないことに士郎は少し安堵した。

 士郎はモードレッドに警戒を怠らないようにしていた、セイバー(アーサー王)に刃を向ける反逆の騎士、しかしその警戒心とは裏腹にモードレッドがセイバーに剣を向ける様子などまるで無かった。

 

 「それにしても早く戻って来たよなガレス。アグラヴェインの野郎の話じゃキャメロットに戻って来るのは十日以上かかるなんて言ってたからな、アグラヴェインの言うことも当てになんねえよなあ」

 

 「えっ」

 

 モードレッドは口うるさく融通の利かないアグラヴェインを嫌っていた、そのアグラヴェインの言うことが間違っていたのが嬉しくてたまらない様子でガレスに話を振った。

 ガレスはモードレッドの言葉にあからさまにギクリとした態度を取った。

 

 「確かに大分早い戻りであったな、任務に赴(おもむ)いた場所からは距離がかなりあったハズだが?」

 

 アーサー王はモードレッドの言葉を聞いて疑問に思いガレスに質問をした。

 ガレスはサッと目を横に逸らした。

 

 「いやー、虫の知らせと言いますか何と言いましょうか、嫌な予感がしたような、しないような気がしたんでガヘリスに言うと任務は自分に任せてキャメロットに帰って良いと言われたのものでー」

 

 ガレスは目を逸らしたまま少し慌てた様子でアーサー王に説明をした。

 

 「ガヘリスの奴は我が弟ながら頼りになる奴だからな、何でもやってくれる奴だ」

 

 ガウェインはガレスに同意すると自身の弟であるガヘリスのことを褒めた。

 しかし、その様子を見て他の騎士たちは状況を理解した。ガレスは任務に飽きたので適当に理由を付けてガヘリスに全て押し付けてキャメロットに勝手に帰ってきたのであると。

 

 「ガレス卿はガウェイン卿の妹なんです。

  そしてガヘリス卿とはガレス卿の兄でガウェイン卿の弟なんです」

 

 事態をあまり飲み込めない士郎にベディヴィエールは優しく耳元で説明をした。

 ガレスは兄であるガウェインと兄妹だけあって性格が少し似ているのだと、逆に同じ兄弟であるガヘリスは寡黙で二人とは性格が真逆であるとのことらしい。

 ガレスは自由奔放、天真爛漫で少し我儘(わがまま)のように見えたりするが、誰もよりも優しく、円卓の騎士たちの中で彼女を嫌う者は皆無であると。

 むしろ円卓の騎士たちの中で諍(いさか)いは珍しくなく、騎士同士の衝突も不思議と彼女が居ると諍いを鎮静してくれる円卓の騎士の中のムードメーカーの様な欠かすこと出来ない一人なのだとベディヴィエールは士郎に説明をした。

 

 

 

 一方、遠い地で任務に就いているガヘリスはうなだれていた。

 任務の打ち合わせをする為にガレスの所に行くとその姿が見当たらないのである、そして机に置手紙が置いてあるだけであった。

 その手紙の内容は短くこう記載されていた。

 

 ~~~何も無い場所で飽きたのでキャメロットに帰ります。後の任務はお願いね。

 

                            可愛い妹より~~~

 

 「だからガレスと組むのは嫌なんだ」

 

 ガヘリスは深いため息を吐いて愚痴を溢した。

 本来は二人で当たる任務を自分一人でやらなくてはならなくなった、そして今回のようなことは珍しくなく度々のことであった。キャメロットに自分が帰れるのは大分先になるであろう。

 しかし押し付けられたとはいえキッチリと完璧に任務をこなすところにガヘリスの性格が伺い知れた。

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