Fate/stay another world   作:レッサーパンダ

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アーサー王(アルトリア)の姉に当たるモーガンですが、Fateではモルガンが正しい表記でした。

モーガン=モルガン

今後はモルガンと表記します。今までモーガンと書いてたのは今後はモルガンと書きますが同一人物です、既に投稿している箇所も暇な時に訂正しておきます。

ちなみにアーサー王の妻である王妃のグィネヴィアですが、Fateではギネヴィアが正しい表記のようです。

グィネヴィア=ギネヴィア

今後も気付かないで打ち間違えて投稿してしまうこともあるかも知れませんが同一人物ですので、その認識でお読みください。

混乱された方が居たら申し訳ありませんでした。


第裏三章 3=1 平凡な少女

 アーサー王たちが旅立ってから数日の時間が過ぎた、皆が忙しく動き回る中でキャメロットで唯一暇を持て余している人物がいた。

 

 「はあっ、私にも何か手伝えることがあればいいのに」

 

 自分の無力を嚙み締めるように呟いたのは王妃であるギネヴィアであった。

 同じ女であるアルトリア(アーサー王)は性別を偽り、全てを捧げて民や国の為に戦うアルトリアをギネヴィアは尊敬をしていた。

 ギネヴィアはアルトリアの力になりたいと常々思っていたが、ギネヴィアには敵を打ち倒す力も、画期的な作戦を考えるような頭も持ち合わせていなかった。

 ギネヴィアは自分の無力さをアルトリアに愚痴ることもあったが、アルトリアは決まって同じ言葉を口にした。

 

 「私は十分感謝している。理想の実現の為に私の秘密を抱えて妻を演じてくれているだけで十分過ぎるくらいだ。

  本当ならば子を産み女としての幸せを与えられぬ私を許して欲しい」

 

 アルトリアはそう言ってギネヴィアに謝罪をした。

 アルトリアの理想にギネヴィアは賛同していた、その理想の実現の為に協力できることを誇らしく思う反面、何もせずにいる自分は置物と何の違いがあるのだろうと悩んでいた。

 ギネヴィアはアルトリアが理想の為に戦い生きる意味のある人生に引き替え、自分の人生はただそれを城の中から見るだけの無意味な人生と最近は思う様になり仕方なかった。

 アルトリアの秘密を守る為に誰にも相談など出来ない、アルトリア自身に話しても気を遣わせるだけだとギネヴィアは一人、自身の胸に抱え込んだ。

 

 「どうしたんでぇすー、暗い顔をして。せっかくの綺麗な顔が台無しですわぁん」

 

 ギネヴィアにそう話し掛けてきたのは最近女中として雇われた妲己という女であった。

 ギネヴィアは妲己を気に入り自分の身の周りの世話を任せる一人に任命した、働き始めてすぐに王妃の世話役になるなど女中たちの中では噂の人物となっていた(女中の噂などアーサー王や、円卓の騎士たちの耳になど届くことはなかったが)。

 

 「心配してくれてありがとう。何でも無いのよ」

 

 ギネヴィアは慌てて元気があるフリをして取り繕った。するとギネヴィアは妲己の抱えている数冊の本に目が行った。

 

 「まあ、また持ってきてくれたのね、嬉しいわ」

 

 ギネヴィアは妲己の持ってきた本に飛びついた、その本とはありがちな騎士とお姫様、もしくは騎士と普通の村娘が恋に落ちる恋愛小説のようなものであった。

 最近のギネヴィアに取っては本の中で繰り広げられる恋の物語が唯一の楽しみとなっていた。

 

 「王妃様といっても普通の女の子ですのねぇん、ギネヴィア様も」

 

 「ええ、この手の本を読むと胸がドキドキするの、まるで自分がおとぎ話の中の女性になったようで」

 

 妲己の言葉にギネヴィアは少し照れながら正直な感想を話した。

 

 「やぁっぱり女と生まれたからには全てを捨ててでも構わないと思えるような恋をしてみたいものですわぁねん」

 

 「やっぱり恋って良いモノなのかしら?」

 

 ギネヴィアは妲己に尋ねる。

 

 「当然ですわぁん、身を焦がす様な恋こそ女の最大の幸せですわぁ。って、王妃様にはアーサー王がいらっしゃるから釈迦に説法でしたわねぇ」

 

 「……ええっ、モチロンよ、愛しのアーサー様が私にはいるからねっ」

 

 妲己の言葉にギネヴィアは慌てて答えた。

 その様子を見た妲己はギネヴィアに見えないように顔を少し逸らすとニヤリと笑って自身の唇をペロリと舐めた。

 ギネヴィアの分かり易い態度に妲己は欲情する気持ちを抑えきれずにいた。

 

 (可愛い小娘ですわねぇ。その汚れの知らない自身の行動が、国を亡ぼすきっかけになると知った時のこの子の顔を想像するだけで堪(たま)りませんわぁ)

 

 妲己は心の中でこれから起こる事を想像すると身震いがした。

 妲己はこれから起こる事の顛末を{選定者}から聞かされていた。そしてその作戦の為の自身の役割を、その結果ギネヴィアが自分の行(おこな)いに絶望するのか? それともたった一度の恋を神に感謝するのであろうか? 想像するだけでは我慢出来ずに妲己は早くその光景を見たくて仕方なかった。

 

 「そうですわぁギネヴィア様、少し外に出ましょうよぉ。民衆も不安がっていますしぃ王妃が城下街で民に顔を見せるだけで民は不安が減りますわぁん」

 

 妲己は色々と理由を付けてギネヴィアを外に連れ出そうとした、ギネヴィアも妲己の口車に乗せられ、自分が民の為に何か出来るならと外出することを決めた。

 そして妲己の目論見通り円卓の騎士から一人護衛を付けられることになった。その護衛の人物にランスロットが選ばれた。

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