Fate/stay another world   作:レッサーパンダ

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6-5 足止め

 アーサー王は一部の兵を残してモードレッドとモルガンが手ぐすねを引いて待つキャメロット城へと行軍を開始した。

 一部の兵を残した理由はフランスの中で未だにアーサー王を討つべきだと声を上げる者たちが居るからだ。

 アーサー王がキャメロット城に向かう背後を襲う兵たちへの抑止力として一部の兵を残さざるを得なかった。

 

 「では、アーサー王のことを頼みます。ケイ卿」

 

 「俺は他の奴らと違って自分の腕に自信を持つ程強くないからな、心配ならお前が早くアーサー王の下に来い。

  まあ、それまでの露(つゆ)払いくらいは俺がやっておいてやるよ」

 

 ベディヴィエールの言葉に怠そうにケイは答えた。

 アーサー王に攻撃を仕掛けようとする者たちの抑止力として名だけで相手を思い止ませる為に、円卓の騎士であるベディヴィエールとその部下がアーサー王の背後を守る為にこの場に残ることになった。

 本来であれば今の何十倍もの兵を残してキャメロット城に向かわなければならなかったアーサー王にとって、ガウェインが残したフランスとの停戦はどれ程の恩賞を与えても足りない位の功績と言えた。

 

 「逆賊モードレッドを討ち我らが祖国ブリテンを取り戻す。我に続け」

 

 アーサー王がそう言って先頭で馬を走らせると他の騎乗した兵士たちもその後に続いた。

 アーサー王の行軍のスピードは騎乗している兵士たちは問題無くとも、歩兵である兵士たちにとっては速すぎるスピードであった。

 しかし、一人もその速すぎる行軍に遅れる者はでなかった。その事からもアーサー王に仕える兵士たちの兵の質の高さが伺い知れた。

 

 「そろそろペースを落とすべきだぞ」

 

 速すぎる行軍に歩兵は何とか付いて行ってはいたが明らかに無理をしているのを察してケイがアーサー王に進言した。

 この場でアーサー王に意見出来る者など今やケイを除いて他にいなかった。

 アーサー王は早く民たちをモードレッドの恐怖から救いたかったが、このままでは戦いにすらならないことは分かっていたので仕方なくペースを落として歩兵の足に合わせることにした。

 そして行軍のスピードを落とした理由としてはもう一つ理由があった、キャメロット城に近づいていたので伏兵にも注意する必要性が高まった為、斥候の数を増やして敵兵の襲撃に備えたからだ。

 

 「アーサー王様、此処より西南に敵二千近くを確認しました」

 

 キャメロット城までもう少しで着くというところで斥候から敵発見の報告を受けた。

 そしてその二千の敵の中にはモルガンの姿が見つかった。

 キャメロット城のモードレッドと戦うのにモルガンが率いる二千の数は無視できない存在であった、このままキャメロット城を責めれば背後からモルガンが攻撃をするのは明らかだった。

 しかし、先にモルガンの方を叩こうと兵を動かせば今度はキャメロット城に居るモードレッドがアーサー王の背後から襲って来るのは目に見えていた。

 兵力の分散を避けたかったが仕方なくアーサー王は軍を二つに分けようとしたところにケイが口を出してきた。

 

 「兵を五十人程借りるぞ、モルガンの方は俺が足止めしとく」

 

 ケイは僅か五十ばかりで二千近い敵を足止めすると申し出た、如何に円卓の騎士に名を連ねるケイとはいえ無謀に思える提案であった。

 

 「無理はするなよケイ」

 

 「俺が無理をしてまで頑張るキャラかよ。適当に足止めするだけだからモードレッドの馬鹿を懲らしめたらさっさと助けに来てくれ」

 

 そう言って軽口を叩くと自分の部下である兵士五十人を連れてモルガンが待ち構える場所まで馬で掛けて行った。

 アーサー王は去りゆくケイの背中を見て何故か胸騒ぎがした。

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