なんか、不完全燃焼・・・
うーん。動くのって苦手
朝、僕は日が登りきる前に起きる。
井戸に行き、顔を洗っていると、後ろから気配を読み取った
「おはよう、妖夢」
「おはようございます。爽歩さん」
「珍しいね。僕よりも妖夢の方が遅いなんて」
「うう。ちょっと昨日、読み物をしてたら、ついつい面白くて・・・」
「へぇ。何読んでいたのさ?」
「うどんげさんに貸してもらった銃術に関する本です。なかなか面白いです」
「えっと、うどんげさんっていうと、竹林の医者、永淋先生のお弟子さんだったよね。あの人、強いんですか?」
「強いですよ-!うどんげさんは頭も良くて可愛いんです!」
ふんす、とちょっと鼻息の荒い妖夢を見つつ、僕はもう一回顔を洗った
うどんげさんかぁ。1回、会ってみたいなぁ
「あ、妖夢。今日の朝は米は僕が炊いておいたから、そんなに急がなくても大丈夫だよ」
「爽歩さん、すいません。今日、私の当番なのに」
「いいよ。偶には。その代わり、僕が寝坊したときはよろしくね?」
「はい、もちろん」
「それじゃ妖夢。僕は先に中庭にいるね。」
「わかりました。あとで私も行きますね」
「ん、わかった」
僕は1回自室に戻り、丁寧に手入れした愛刀・鈴音を取りに来るついでに、いつもの仕事着に着替え(寝間着は浴衣)外に出た
それはともかく、洋服の方が動きやすい。
靴も草履とかじゃないぶん、動きやすいし、消耗が激しくなくていい
ちりん、ちりんと鈴音に付いている妖夢からもらった鈴が鳴る
中庭に出て、鈴音を抜く。
中段に構え、心を無にし、集中する
思い出すのは、尊敬する師匠の姿。あの人は剣士じゃなかったけど、とても格好良かった。
1回だけ見せてもらった舞を僕流にアレンジしたもの
鈴の音を止めるべく、完全に動の動きと止め、静の動きに入る
この状態に入ると、すべての音が
葉がこすれる音、風の音、無の音、すべてに僕自身が調和されるように、合わせる
終わった瞬間に・・・・動くっ!
いつもは鈴の音色がちりん、ちりんというのに対し、風を切る音が加わり、しゃん、しゃんと鳴る
最小限の動きで、刀を振るい、また、最大限の力で身体を動かす
次第に暖まってきた身体を確認し、身体にうっすらと雷を纏う
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妖夢視点
うう、うどんげさんに借りた本が異常に面白くて、ついつい夜更かししちゃいました・・
お米炊かないと・・・
そう思い私は台所に行った
お釜には既にお米が仕掛けられており、河童特製の炊飯器と言ったものが、動いていた
あれ?私がやっていないのになぁ・・・。みょん!?もしかして・・・爽歩さん!?
朝起きて、やることが無くなってしまったので、井戸に顔を洗いに行った
ぴちょん、ぴちょんと水の音がしていて、目を向けると見慣れた白銀にうっすらと蒼の髪。
爽歩さんがいた
案の定、爽歩さんがお米を仕掛けてくれたらしく、ちょっと申し訳ない気持ちになった。
爽歩さんは、私の気持ちを知ってか、
「僕が寝坊したときはよろしくね」と言い、笑ってくれた。
爽歩さんは今日は朝から稽古に入ると言っていた。今日は剣舞をやるっていってたな・・・
後で見に行ってみよう。初めて見るかも
中庭に出ると、既に爽歩さんは中段に構えていた
ぴりぴりと張り詰めたような空気ではなく、そこには一種の神々しさがあった
里で1回だけ、遠目から見たことがある
紅白の巫女が大幣を持って、舞を踊っていた。あんな感じに似ている
ちりん、ちりんと鳴っていた鈴の音が止まり、その数瞬、爽歩さんが動き始めた
しゃん、しゃんという音を立て、爽歩さんが振るう刀が響く。
風切り音まで、1つの楽器になったかのような感覚。
次第に激しくなっていく剣舞に合わせ、爽歩さんの能力である電気を纏わせ、さらに音は変わっていく
電気が爆ぜる音が加わる。
終りが見えたときに、爽歩さんの電気が暴発した
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「痛っ・・・」
電気の、雷の制御が甘かったせいか、僕の能力制御が失敗してしまい、最後までいけなかった
もう少し・・・だったのにな
結局、人間だったときよりも完成までもう少しって所まできたかぁ・・・
でも、まだ先は遠いなぁ
「お疲れ様です」
へたり込んで座っていた所に、首に柔らかくていい匂いのする手ぬぐいがかけられた
「あ、妖夢。見てたんだ」
「すごいですね・・・」
「あはは。まだ完成もしてないけどね。人間だったときよりもだいぶ動けるようになったけど、目標よりもまだ遠い・・・・な」
「爽歩さん、さっきの剣舞の最後はどうなってるんですか?」
「・・・実を言うとまだないんだ」
「みょん?」
「思い描いても、すべて何かが違うって思うんだ。外の世界では、パズルのピースがはまらないっていうのかな」
「パズル・・・ですか」
「うん。何かが足りないんだよなぁ」
「・・・もしかしたら、爽歩さんのお師匠様の言っていた『大切なもの』なんじゃないんでしょうか?」
「大切な・・・ものかぁ。と、いうことは僕はまだ大切なものを持っていないってことになるんだね・・・。うーん。わかんないなぁ。妖夢の大切なものってある?」
「大切なものですか・・・・そうですね・・・やっぱり幽々子様でしょうか」
「そっかぁ。うーん。僕は・・・やっぱりわからないな・・・。まだ。いつか、見つかるかな・・・」
「きっと見つかりますよ」
「・・・ありがと、妖夢」
「いいえ、それじゃそろそろ幽々子様もお目覚めになられる時間に近いので、朝ご飯の支度に私は入りますね。爽歩さんは着替えて来てください」
「ん、わかった。ありがとう。水浴びて着替えたら手伝いにいくね」
「はい」
僕は妖夢の後ろ姿を見送り、ゆらゆらと付いていく半霊を見ながら、「ああ、敵わないなぁ」と思った
僕にはわかる。
妖夢には大切なものがあるっていう事が。
僕にも・・・いつかわかるだろうか
動きを表現するのって難しいですよね・・・
それはともかく、なんとなく書いた爽歩君を色つけてみました
【挿絵表示】
白銀という髪の色があれ?なんか銀だけど、光にあてると銀蒼っぽいよー!みたいな
色塗りも適当です
影とかつけてない
むしろ、つけれないぜ
絵の上手い絵師さんとかの勉強をせねば・・・