東方緑妖想   作:和菓子屋蜜柑

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難産でした・・・


狼と主従関係

それは毎朝の稽古の時

 

 

「ねぇ、妖夢。久々に手合わせしない?」

 

 

「あ、いいですね。形式はどうします?」

 

 

「そんな、決まってるでしょ。真剣勝負だよ。いつも通りの」

 

 

「わかりました。それじゃ、中庭に移動しましょうか。お米は炊いてきたので、気にしないでくださいね?」

 

 

「あ、さっき鶏が卵産んでたから、今日は厚焼き卵と秋刀魚にしよう」

 

 

「いいですねぇ、最後の秋刀魚になりそうですしね」

 

 

「ん、じゃ、いこっか」

 

 

「はい」

 

 

その後僕たちは白玉楼の中庭に来た

僕は愛刀・鈴音を。妖夢は白楼剣と楼観剣を

正直、僕の刀の鈴音は普通の刀よりも長い。でも、それよりも更に長い刀・楼観剣を自在に振り回せる妖夢はすごいと思う。

1回、持たせてもらったけど、長物なだけあって扱いづらい。

 

 

「合図はどうする?」

 

 

「それじゃ、この石が落ちたら開始ということはどうでしょうか?」

 

 

「うん。それじゃそうしよう。妖夢投げて?」

 

 

「わかりました。それじゃ、行きます」

 

 

妖夢が庭の石を拾い、僕と妖夢の中間に落ちるように投げる

綺麗な放物線を描き、石は重力に引かれながら落ちていく。

 

鯉口を緩める。

初撃でまず、自分の調子を確かめるっ

 

 

石が落ちた瞬間に、僕たちは動いた

 

 

僕と妖夢の間合いは、楼観剣を使っている妖夢の方が広い。

しかし、僕は妖夢よりも、取り回しがきく

ならばーーーーーーー

 

 

「初撃をもらうっ」

 

 

最初の一歩を電気で地を弾き、居合い切りの応用で高速の動きで迫る

半人になったおかげで身体が丈夫になり、この能力もかなり使えるようになった

 

 

「甘いですっ!」

 

 

妖夢はそれを体裁きだけで躱す

更に、軸足を中心に身体を回転させ、僕を切り伏せようとするが、僕は勢いに乗ったまま、刀を翻す

金属音が鳴り響く。

鍔迫り合い。きりきりと互いの刀がぶつかり、力の勝負になる・・・・訳がない

僕よりも力のない妖夢は刀の力をわざと抜いた。そのまま、柳のように受け流す

受け流した体勢から、蹴りと刀の柄での連続攻撃が入る

 

 

「っ」

 

さらにコンボで妖夢は斬撃を飛ばす

 

「断命剣『冥想斬』」

 

なにも、刀は近距離だけの攻撃ではない。

霊力の塊を刀に込めて放ってくる。あれは威力も強いが、なにより、貯めが短い。

 

 

「狼符『魂狼烈牙』」

 

僕はそれを打ち砕くために、スペカ()を使う。

霊力を消費させ狼を具現化させる。狼が妖夢の冥想斬を噛み砕く

 

 

それを妖夢は予想していなかったのか、一瞬驚いた顔をしている

それもそうだろう。最近になって、僕の半霊である狼を具現化することが出来たのだから

僕だって、日々精進しているつもりだ

そして、僕は賭に出る

 

 

「電符『雷刃一閃』」

 

 

鈴音に高圧電流を纏わせる

妖夢のいる場所に向かい、そのまま横に振り抜く

高圧電流は刀から離れ、妖夢に一直線に向かっていく

電気は人よりも早い。これは、避けられないだろう

 

 

「っ!?断迷剣『迷津慈航斬』」

 

 

妖夢は瞬時に霊力を楼観剣に乗せた

あの長い刀身から更に考えられないほど、大きい霊力でできた刀身ができあがる

そして、そのまま妖夢は僕の電気を薙ぎ払った

 

 

(か、回避っーーーーーー)

 

回避しようにも、範囲が広すぎる

威力も強すぎた

そして僕はまた地に伏せることになった

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

完全に負けてしまった僕は妖夢の手を借りて立ち上がった

 

「大丈夫ですか?」

 

 

「なんとかね。最近、受け身が上手くなったきた気がする・・・・」

 

 

なんとも嫌な上達だ。

まぁ、怪我をしにくくなったという時点でかなり良いのかな

 

 

「それにしても驚いたよ。あんな大きい刀身。あれは避けれないと思ったんだけどなぁ」

 

 

「私も、あれには焦りましたよ・・・あ、はい爽歩さん」

 

 

妖夢から手ぬぐいを受け取り、汗をぬぐう

ついでに持って来ていた竹の水筒から水を飲む

隣をみると、妖夢も水を飲んでいた

 

 

「・・・ねぇ、妖夢。聞いてもいい?」

 

 

「なんでしょうか?」

 

 

「もし、妖夢は(幽々様)が間違ってても、意見できる?」

 

 

「え?いきなりなんですか?」

 

 

「このまえの里に買い物を行った時のことなんだけどね、天人がいたんだ」

 

 

「あれ?珍しい。里に天人がいるなんて・・・」

 

 

「従者を連れていたんだけど、その天人は自分勝手に振る舞って里の人に迷惑をかけてて、その従者の人は主である天人を折檻していたんだ」

 

 

「まぁ、悪いことをしてるならしょうがないですね」

 

 

「そのときに見て、思ったんだ。僕はもし幽々様が間違った事をしていたら、どうするんだろうって」

 

 

「・・・。幽々子様が間違っていても、最後まで私はあの方に付いていきます」

 

 

妖夢はまっすぐ僕を見て言った

 

 

「例え、誰が相手でも、幽々子様が何かを実行なさるなら、お望みになられるなら、私は・・・私は、幽々子様の剣で、盾になります。爽歩さんは・・・・?」

 

 

「僕は・・・わからないんだ。まだ、わからない。幽々様は命を救ってもらった恩もあるし、僕は主人としても、幽々様を慕っている。でも、もし、悪行を働くとなると、僕は今、どうするのかはわからない。家族を守りたいのは絶対だけど」

 

 

「爽歩さん。まだ、その答えは出さなくても良いんじゃないんでしょうか?」

 

 

「そう・・・なのかな」

 

 

「私は私の考え。爽歩さんは爽歩さんの考えがあるんです。人間、迷って仕方ないんです。あ、私たちは半人半霊ですけどね」

 

 

妖夢はどこか遠い所を見ながら言った

 

 

「私も・・・いろんな事に迷ってます。お師匠様みたいに強くなれるのかとか、幽々子様の従者にふさわしくないんじゃないかとか、爽歩さんの事とか・・・」

 

 

僕のこと?

 

 

「でも・・・私は・・・きっと、幽々子様を取ります」

 

 

「そっか・・・」

 

 

まっすぐと前を向いた妖夢には、どこか陰りが見えた気がした

 

 

「さ、爽歩さん。そろそろ、お米が炊ける1時間前ですよ。朝ご飯、作りましょ?」

 

 

「あ、うん。そうだね。ありがとう、妖夢。話にのってくれて。僕、もう少し考えててみるよ」

 

 

「はい。それじゃ、また着替えて、台所で」

 

 

「うん。それじゃ」

 

 

そして、僕たちは雪がまだ積もるけど、春が近い時期に入った。

 




章をまた少しいじってみました
意見があり、コラボの章を上にしてみたのですが、うーん。どうでしょう
なんかしっくり来ない感がしたりするのですが、こんなもんなんでしょうかね
でも、新しい小説を投稿するときにわざわざ章管理を行う必要は無くなったんですけど、まだ違和感がぬぐえない
どっちがいいんだろう・・orz
なんか、もしかしたら、また章をいじるかもしれないです
読んでくださっている方、ちまちま変動するかもしれないですが、申し訳ないです
次回から春雪異変に入ります
ようやく大きく物語は動き始めます
これからも、東方緑妖想をよろしくお願いします
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