東方緑妖想   作:和菓子屋蜜柑

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期間が空かなかった_| ̄|○
むしろ、あけれなかった


狼と春集め 其ノ陸

轟雷で身体を強化して、僕はそのまま階段を駆け上った

飛ぶ方が速いかと思ったが、現在の僕のこの状態は飛ぶよりも速く走れることがわかった。

白玉楼への階段が終盤となってきたところで、薄紅色の花びらが舞っている事に気がついた

 

「これは・・・桜の花びら・・・?っ!?」

 

この状況で咲く桜なんて、一つしかない

そして、同時に背筋に走る圧倒的な死の恐怖

藍さんと対峙したときよりも恐ろしい

 

(早くっ・・・!早く行かないと!!)

 

駆け上るスピードを更に上げる

同時に身体からビキビキと嫌な音が聞こえた気がした

白玉楼に近づくにつれ、桜の花びらは多く舞っていく

焦る気持ちと共に必死に脚を動かす

白玉楼に着くとそこには、八重咲きになっていた西行妖を見ることが出来た

知った庭を高速で走り抜け、西行妖の麓まで行くと、ボロボロになってもナイフを構える咲夜さんと結界を張っている霊夢、倒れ伏している白黒の女の子がいた

 

「咲夜さんっ!」

 

「爽歩・・?」

 

半ば俯いていた顔を上げ僕を見た

綺麗に整っていた顔は幽々様の弾幕であろうものによって痣や切り傷などの傷が出来てた

 

「遅かったのね・・・。ごめんなさい、霊夢が最後まで踏ん張ってくれているけど、どこまで持つかわからないわ」

 

「遅くなってごめんなさい。後は・・・僕が引き継ぎます。咲夜さんは休んでてください」

 

「そうさせてもらうわ・・・。あぁ、もう。こんなんじゃお嬢様に怒られちゃうわ」

 

「門番さんにも怒られちゃいますね。咲夜さんは人間なんだから無理はしないでください」

 

「・・・まったく。あなたも美鈴と同じ事をいうのね。でも、まぁ、そうね。引き継ぎ、よろしくね、爽歩」

 

「任されました」

 

咲夜さんと別れ、結界を張っている霊夢を見る

彼女も消耗が激しそうだ。

それと、西行妖が、だんだんと力をつけ始めている

まだ完全には封印が解かれていないとうだが、時間の問題かもしれない

 

「霊夢!」

 

「あら・・・。爽歩だったわよね。ちょうどいい。あんた、あの亡霊姫の従者なんですって?従者なら止めてきなさい」

 

「・・・もちろん止めてくるよ。そのために来たんだから」

 

「そろそろ、私の結界も持たないから、ヤバイのよね。あんたが来てくれて助かったわ。魔理沙も落ちちゃうし、火力不足だったよのね」

 

「それで、状況は?」

 

「あの亡霊姫を追い詰めた所までは良かったのだけど、『反魂蝶 -八分咲-』っていうスペカを使ったらあの妖木が咲き始めて、生命力を吸収し始めてきたのよ」

 

「・・・君にはあの桜が何に見える?」

 

「そうね、結界かしら」

 

「流石博麗の巫女。今から僕が幽々様を止めて来るけど、もし完全に西行妖が咲いてしまったら、すぐに封印し直して欲しいんだ」

 

「・・・やっぱりかなり危険なのね」

 

「かなり危険だ。咲いてしまったら、僕ごと封印してくれればいい」

 

「・・・わかったわ。でも、それだとあんたが・・」

 

「幽々様と戻ってくる予定だけど、もし、封印が解けてしまったら、幽々様一人で逝かせられないから、僕が一緒について行くだけのことだよ。・・・そうなったら緑の服を着た女の子を助けて欲しいけどいいかな?」

 

「・・・いいわけないでしょ。さっさと行って戻ってきなさい」

 

「ありがとう」

 

「異変で人が死んだら、紫も動かないといけなくなるから。あと、バランスが崩れるから」

 

「それでも、ありがとう」

 

霊夢に礼をいい、僕は幽々様と対峙した

いつもの朗らかなイメージと違っている。霊夢たちの交戦でかなり疲れているようにも見える。幽々様の服も所々破れていた。アレを縫うのは妖夢も泣きそうだなと、僕はこんな時なのに暢気に考えた

 

「幽々子様っ!」

 

「あら、爽歩。お帰りなさい。あなたが帰ってくるのが遅いから、西行妖を咲かせてみたわ」

 

「・・・今すぐに、咲かせるのをお止めください」

 

「・・・何故?」

 

「あなたの身に危険があるからです」

 

「咲かせると何かがあるの?」

 

「・・・言えません」

 

紫さんが親友である幽々様に話さなかった理由はわからないけど、言うのは辞めた方がいいのかもしれない。でも

 

「言いなさい」

 

言わないと、始まらない」

 

「西行妖には封印がかかっており、生前のあなたの身体が眠っております。西行妖を咲かせると封印が解け、・・・あなたが、幽々様が消滅する可能性があるとの事です」

 

「・・・それは紫から聞いた事?」

 

「はい」

 

「そう、可能性があるというだけで、消滅するとは限った事じゃないのね。それじゃ、私は咲かせるわ」

 

「っ-!・・・ならば、僕はそれを邪魔させていただきます」

 

「・・・爽歩?今何と言ったかしら?」

 

「僕は、あなたの邪魔をさせていただきます。決して西行妖を咲かせない!」

 

「あなたは、私の従者でしょう?なら、私の命に従いなさい」

 

「できません。咲かせたら、妖夢にだって危険が迫るからっ!」

 

「そう、それなら力尽くで止めて見せなさい」

 

そういうと、幽々様は弾幕を打ってきた

背後に桜や扇が見える

・・・霊力的な物が感じられる。あれは、当たると危ないだろう

幽々様も本気で弾幕を打ってきているようで、かなりの数が空を飛んできている

妖夢の弾幕とはまた違った美しさのある弾幕。

桜の花を模した追尾の弾幕や、幽々様の蝶の弾幕が迫ってくる

妖夢の弾幕よりもかなりの霊力が込められており、当たるとかなりきつそうだ

だが、今の僕には関係ない

弾幕よりももっと速く動けばいい

そのための力は今はある

 

「いきますっ」

 

幽々様の弾幕を刀で弾き飛ばし、身体を捻り、回避をしていく

この一撃で、幽々様の意識を刈り取る!

 

「・・・甘いわね。爽歩」

 

「なっ!?」

 

幽々様のいつも持っている扇で、僕の刀を受け止められていた

そして、0距離で弾幕をぶち当てられる

 

「うぐっ・・・・!」

 

「私が何も対策を取っていないとでも思った?流石に、私自身の従者相手にこれを使うなんて思っていなかったけど」

 

落ちる身体で、よく見れば、いつもの扇と違っていた

紙ではあり得ない輝き・・・。輝き?

それは、紙の扇ではなく、鉄扇だった

 

「さぁ、爽歩?邪魔しないで?」

 

身体が動かない。でも、指先は動くか

落ち、地面に叩きつけられる前に、最後のスペカを唱える

 

「電術・電脳操波」

 

昔、師匠に教わった技。禁符というだけある

筋肉を操るのは電気

それならば、僕の能力で動かせる

自分自身なら、思考が動いていれば、指先が動けば、僕はこれを発動出来る

指先に貯めておいた電気を無理矢理、脳へ送り込む。

その電気は、筋肉を操るための電気。

その電気を電気信号へと換え、普段は自動運転(オートマチック)で動いているのを、無理矢理、手動運転(マニュアル)に変えたという感じだろうか

その代償は、激しい頭痛

頭がガンガンと鳴り響き、耳鳴りが聞こえるが、身体が動くようになったのを確認し、空中で姿勢を直し、一気に幽々様へ駆けた

流石に動けると思っていなかった幽々様は急いで鉄扇で、応戦に入ろうとするが、接近戦は僕の舞台

 

「幽々子様っ!今日でお暇を頂きますっ!」

 

ここで妖夢なら負けていたかもしれない。

僕の最後の攻撃は、幽々様に綺麗に決まり、幽々様は地面に落ちていった

 

「でも、最後にやらないと・・・いけない」

 

西行妖へ向きなり、その春を集めているだろう、核を見つけた

それは、薄紅色の結晶となっていた

あれが・・・核

あれを破壊できれば、僕はこれでお役目が御免になる

妖夢とも、幽々様とも、さよならだ

あれを壊さなきゃ、僕の生活は終わらない。

そう、考えると、正直破壊するのを躊躇われる

 

「でも、やらなきゃいけないんだ」

 

頭痛と耳鳴りのする身体を引きずるように動くと、ビキビキと悲鳴を上げていた身体が決壊を始めた

ブチ、ブチと、限界を超えた筋肉が引き潰れていく。

想像を絶するとような痛みが身体を伝う

痛い、痛い、痛い、イタイ、イタイ、イタイ

それでも、一歩一歩、足を西行妖へ進める

身体のさまざまな筋肉が切れたところで、何とか僕はたどり着いた

 

「・・・これで・・・最後だ・・・」

 

片手で持てなくなった鈴音と、両手で持ち直す

肩も、腕の筋肉も、足の筋肉も切れてしまっているが、あとは、この核に突き刺すだけ

最後の気力を振り絞り、僕は核に刀を突き刺した

 

キィンと硝子が割れるような音をし、核は割れた

割れ、砕け散った核は、一つ一つが桜の花びらのようになって、散る

西行妖の桜も同時に枯れ始める

それはまるで、桜吹雪

 

「あ・・・やった・・・?」

 

やり遂げたのを確認し、僕の身体はゆっくりと倒れていく

 

「ちょっと、しっかりしなさい」

 

声が聞こえる

でも、もう見えない

もう、疲れたんだ

身体も動かないんだ

頭も痛い

主人を裏切って、大好きな人を斬って、だったら僕はこの世から、居なくなったっていいじゃないか。

そんな、僕に何が残るって言うんだ

生きている価値なんて‥ないじゃないか

 

 

だんだんと冷たくなっていく身体を抱きしめられ、揺さぶられる

 

「しっかりなさい!」

 

その声の主が妖夢だったらいいな、と思いながら僕は目を閉じた

霞む目が段々と暗くなっていく

あぁ、でも、最後に妖夢を一目見たかった




もう、書きたくてしょうがなかったんだ!!
これから、2通りの道を考えているけど、どうしようかな
八雲さん家行くか、紅魔館にお世話になるか
悩みどころっすな
まぁ、どっちも大まかな構想は出来てるんですけどね
それと、そろそろ、想シリーズ第3段を始動させたいです
もうちょいと、かかるかもしれないですが、近いうちに多分新作挙げます
霊夢、妖夢、さぁ、次はっ!?
とりあえず、妖夢。もうちょっと待ってて。君も絶対に幸せにして見せるっ!
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