東方緑妖想   作:和菓子屋蜜柑

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どうも、和菓子屋蜜柑です
いつもよりも、早く投稿できました(文章量は少ないけど)
それでは、ゆっくりしていってください!


狼と知識と日陰の少女

あれから、2週間がたった

僕の身体はだいぶ動けるようになっていた

 

「ぐぅう・・」

 

動けるようになってすぐ、リハビリが開始された

一歩、一歩、歩く度、激痛に襲われ悲鳴をあげそうになる

そして、転ぶ

 

「爽歩っ!」

 

焦った声で駆けてくる声。最近では、だいぶ耳に残るようになった

僕と同じ、銀色の従者

 

「リハビリは早いってパチュリー様も言っていたのにっ」

 

助け起こそうとする咲夜の手を僕はあえて取らない

 

「だ、大丈夫。早く・・・動けるようにならない・・・と」

 

「だからって言って、無理する必要はないの」

 

「まったく・・・」

 

薄紫色の服が見えた。

 

「リハビリするのは結構だけど、あなたの筋肉はまだ繋がってない所のほうが多いのに、どうしてそんなに動き回れるのかしら」

 

「パチュリーさん」

 

紅魔館の魔女。そして意外と面倒見がいい

本人になんで僕を助けるのかを訪ねると、「愛玩動物は助ける物でしょ?」と本で顔を隠しながら言った。何となく、顔が赤かったのは気のせいだろう

 

「まぁ、無理矢理動き回るリハビリもどきのおかげで、あなたの筋肉は前よりもかなり強くなってるけどね。それにしても、今日は動き過ぎよ」

 

「でも、早く動けるようにならないとっ・・・」

 

「無理は禁物。こあ。」

 

「はーい」

 

パチュリーさんの側にいた小悪魔さんが僕に近づいてくる

 

「吸い取って」

 

「了解しましたぁ」

 

小悪魔さんが倒れている僕の背中に手を当てる。

 

「それじゃ、爽歩さん。いきますよ-。」

 

体力を吸い取られ、僕はそのまま意識を手放した

 

ーーーーーーーーーーーーー

パチュリーside

 

「咲夜」

 

「ありがとうございます。パチュリー様」

 

「この子、予想以上に筋肉の修復が早いわ」

 

「・・・・」

 

「半人半霊という種族になっているけど、修復力で言ったら、もうほとんど妖怪並よ。まぁ、レミィほどじゃないけど」

 

「・・・そう、ですか」

 

「残念?彼が人間じゃなくて」

 

「そう、ですね。もし彼が人間でも、優秀な部類の人間でしょう。だったら紅魔館の人材に欲しかったです」

 

「それだけじゃないでしょう?」

 

「・・・そう、ですね。人間の時に友人になって欲しかった・・・ですね」

 

咲夜は寂しそうに言った

霊夢、魔理沙という人間の友人しかいない咲夜にとっては、欲しかった友人。

霊夢は博麗の巫女。魔理沙は人間の魔法使いで、従者ではない

しかし、爽歩は後天的な半人半霊という。そして、咲夜と同じ従者

 

「・・・半人半霊でも、友人になればいいじゃない」

 

「・・・できるものなんでしょうか」

 

咲夜の迷いはもっともだ

咲夜を拾ってきた美鈴はともかく、初めての人外の友人候補

 

「・・・きっと、もう彼は咲夜のことを友人と思ってると思うわよ?」

 

「・・・彼が、もし、あの子の隣に帰ることができたら、そのときに、言ってみます」

 

「・・・そうね、コレばっかりは、レミィに賛成ね。この前の異変は図書館が荒らされて、さんざんだったけど、今回のは人助けならぬ、妖怪助けだから」

 

「パチュリー様は、どうして彼を助けるのを手伝ってくれるのですか?」

 

「・・・最初、見たときは助けようなんて考えては無かったわ。正直、自分で生きる気力を無くした獣なんて結末は見えているもの。でも、治療している内に見えたのよ」

 

「見えた?」

 

「ええ。誇り高い獣の姿。とても寂しそうな顔をしていたわ。そして、咲夜の話を聞く納得したわ。もし、爽歩がその、恋をしている半人半霊の隣に戻ったときの活力にあふれる姿を見てみたいと思った。それに、これほどの狼が自由に地を駆け回るっていうのも、すごく気になるし・・・」

 

「・・・」

 

「それと、恋物語は、バッドエンドやトゥルーエンドがあるけれど、恋物語はハッピーエンドが見てみたいものじゃない?こあ、爽歩を部屋に運んどいて。」

 

「わかりましたー」

 

「それじゃ、咲夜。私は図書館に戻るわ。何かあったら、また、呼んで頂戴」

 

「ありがとうございます」

 

さて、図書館に戻ったら、恋愛小説でも読み直してみるのもいいわね・・・

 

私も、魔女である以前に、女で、そういったものには興味あるのだ

それが、他人であろうと

ーーーーーーーーーーーーーーー

爽歩side

 

「うっ・・・」

 

気がつくと、またベッドの上だった

気を失う前は、確か、小悪魔さんに体力を根こそぎ吸い取られたんだっけか・・・

眠った分だけ、体力が戻るのを感じる

眠った分だけ、身体が動くようになるのを感じる

・・・。さっきよりも動ける気がする・・・

 

そう、思うと再び僕はベッドから降りた

・・・多分、ばれたら咲夜さんにまた怒られるんだろうなぁ・・・

でも、動いてみたい。

その欲求には逆らえず、無理に動く

気を失う前よりもだいぶ動けるようになっている

 

「ヒトだったときじゃ、考えられないなぁ」

 

思わず、苦笑。

ゆっくりと脚を進めていると、一際大きい扉に辿り着く

 

「なんだ・・・ここ」

 

扉を開けると、書物の匂い

白玉楼の書庫も凄かったが、それ以上ある

 

「あら、爽歩」

 

「パチュリーさん」

 

大きい机に座って本を何冊も重ねて読んでいる人物。そして、僕を助けてくれた一人、パチュリーさんがいた

 

「・・・またベッドから抜け出したのね」

 

「う・・・」

 

怒られる

そして、また、ベッドに直行

そのイメージが脳裏に浮んだ

ベッドで寝ているのは案外つまらないのだ

 

「まぁ、いいわ。咲夜には連絡しといてあげる。あの子、居なくなったってわかったら、また、あなたを探し回るでしょうから」

 

「・・・すいません」

 

「こあ。あと、よろしく」

 

パチュリーさんが、小悪魔さんと連絡を取り合ってる最中、1つの本棚に近づいた

それは、桜色の表紙の本。中身を見ると洋食のレシピ本だった。

 

「読むなら座りなさい」

 

「パチュリーさん、いいんですか?」

 

「図書館は知識を得る場所、何者にも知識を得るのに、邪魔はできないわ」

 

「ありがとうございます」

 

本から目を離さずにいうパチュリーさんに礼を言い、その本を読む

それから僕の日常に、本を読むという日常が追加された瞬間だった

 

この料理を作ったら、美味しいって言って喜んでくれる姿を思い浮べるのは、やはり、白玉楼にいる幽々子と妖夢の姿

そう、思うとズキリと胸が痛んだ

 

・・・その後、僕を探しに来た咲夜さんに怒られたのは、また、別の話

 




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