東方緑妖想   作:和菓子屋蜜柑

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どうもです
9月に入る前にもう少し頑張りますよ


狼と半霊

僕は足場のない空間にいた。

立とうと思えば、立てた。でも、地というものがない空間。まるで空にでもいるみたいだ

 

 

「ここは・・・どこだ?」

 

 

真っ白な空間。

僕はそこに彷徨っていた

しばらくすると、銀色が見えた

なんとなくそっちに行けると思った僕はそっちに向かった。そして、そこにアイツがいた

 

 

「グルルルル」

 

 

唸り声をあげ、僕を威嚇していた。

今にも襲いかかってきそうだ

 

今の僕には身体一つしかない。

いつも一緒にいた鈴音さえ、いれば・・・

 

そう思うと、いつの間にか手に僕の愛刀の鈴音が握られていた。

能力は・・・よし、使える。

 

 

身体を流れる電気を確認し、僕が戦えることを確認でき、自信が出てきた

今ならあの技ができる気がする。

鈴音を鞘から解き放つ。抜き身の刀にし、中段に構える。

 

 

銀色の毛並を持つ狼が飛びかかる。その飛びかかる残像は刀の残像にも似ていた

呼吸を合わせ、僕は技を放った

 

 

「雷刀『紫電一閃』」

 

 

僕が放った一撃は鈴音に紫色の電気を纏わせ、放った。

鋭くとがった紫電が銀色の狼に直撃した

直撃した狼はそのまま紫電にぶっ飛ばされ、そのままバウンドし転がっていった。

紫電は高圧な電気をそのままぶつけるため、焼き焦げるかと思いきや、銀色の毛並は焼き焦げた跡一つもなかった。

狼を倒し、銀色の扉が現れた。何故だか、そこを通れば僕は現実に戻れるとわかった。

バウンドし、転がっていった狼に歩み寄った。

このまま一人で行くと、この狼は死んでしまうような気がしたから

 

 

「なぁ、僕と一緒に来る?」

 

 

銀色の毛並をなでる。柔らかくモフモフとした毛並だった

ゆっくりと顔を持ち上げ、狼は僕の手をなめた

 

 

「・・・一緒に来てくれるの?」

 

 

「グゥ」

 

 

「そっか。立てる?」

 

 

銀色の狼は立ち上がり、僕の隣に座った。

 

 

「それじゃ、行こう」

 

 

尻尾をふり、狼は鳴いた。そして僕と銀色の狼は一緒に現実に戻っていった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「うっ・・・・」

 

目を開けると月明かりが照らしていた

 

 

「あ、気がついた?」

 

 

そこには白玉楼の主である西行寺幽々子がいた

 

 

「うふふ、さっそくだけど、約束覚えてるかしら」

 

 

「約束・・・あ」

 

 

思い出した。僕を助けてくれる代わりに、対価を要求するというアレだ

 

 

「あなた、料理とかできるかしら?」

 

 

「料理ですか・・・一応作れます」

 

 

師匠のご飯を作っていたのは僕だったから一応、作ることには作れる。

 

 

「そうねぇ、あとは・・・妖夢は庭師なの知ってる?」

 

 

「はい。」

 

 

「庭師は基本外仕事よね。この屋敷も維持するのが大変でねぇ、屋敷の世話を頼みたいのよ。外の世界でいうと執事っていうやつかしら。あとは私の剣術指南役。あ、これは妖夢と同じね」

 

 

「・・・そんなことをいきなり僕に任せてもいいのですか?」

 

 

「ふふふ、あなたが真面目だってことは今までを見てればわかるわ。それで、引き受けてくれる?」

 

 

「・・・不詳、夢魂爽歩、未熟な身ですが、その役目を受けさせていただきます」

 

 

「よろしくね、爽歩。・・・妖夢」

 

 

「はい」

 

 

襖一枚を挟んで返事があった

そこに待機していたんだろう

 

 

「今日から同僚の子が入ったわ。仕事を教えてあげてね?

 

 

「わかりました。・・・今日からよろしくお願いします。夢魂さん。同じ使用人という立場なので、私の事は妖夢と呼び捨てでお願いします」

 

 

「僕の事も爽歩でいいよ。これからよろしく妖夢」

 

 

「うふふ、若いっていいわねぇ。それで、爽歩。あなたの中にいた狼はどうなったの?」

 

 

「それ、私も気になってました。あの狼の魂の半分を私が切っているのですし」

 

 

「ええと、今は僕と一緒に共存してます。」

 

 

「あ、私と同じ半霊が出てる。でも、私の半霊にはないなんか獣耳が1つ付いてる・・・。夢魂さn・・・じゃなくて、爽歩さん。それは狼の魂でいいの?」

 

 

「うーん。たぶんそういう解釈でいいと思う。」

 

 

なんとなく、新しい自分の使い方がわかる。

僕は片手を宙に置くとその手の上に半霊が乗ってきた

そしてその半霊はそのまま僕の手からするりと僕の体内に入っていった。

少しガタガタしてるけど、穴の空いた場所にしっかり入った感じがした

そのあとすぐに僕は視界がおかしいことに気がついた。目線が低い。花のような甘い香りがする。などといった身体の異変を感じた

 

 

「あら、可愛い。銀色の狼ね」

 

 

僕の主人となった幽々子・・・様が言った。銀色の狼?誰が?

 

 

「えと、爽歩。これを」

 

スッと渡された鏡を見るとそこには人間としての自分が映っていなく、銀色の狼が映し出されていた。

 

 

「・・・もしかしてと思ったけど、やっぱりこの姿か」

 

 

「自分の意志で変化出来るようになったってとてもいいことよ」

 

 

「・・・確かにそういわれると、今までは勝手に変化して、勝手に戻って・・・という感じだったからちょうどいいかもしれないなぁ」

 

 

「ねぇ、妖夢。まだ食材に余裕あるかしら?」

 

 

「とりあえず、まだ余裕はありますよ?どうかしたんですか?」

 

 

「ええ、新しい家族も増えた事ですし、3人で宴会でも開きましょ?」

 

 

「・・・・うう。わかりました。爽歩さん、今から急いで食事の準備をするので手伝ってください」

 

 

「わ、わかった!」

 

 

「それでは幽々子様、失礼します!」

 

 

「失礼します」

 

 

部屋に幽々子一人残して、僕と妖夢は台所で修羅場が始まった

それが僕の白玉楼での仕最初の仕事だった。





それでは次回まで
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