東方緑妖想   作:和菓子屋蜜柑

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最後の10代だ!派手にいこうぜ!


狼と料理 後編

「それじゃ、行ってきます。爽歩さん、幽々子様のご飯よろしくお願いします」

 

 

「うん。任せておいて。・・・美味しく作れるかは正直わかんないけど」

 

 

「最悪、お味噌汁とご飯(一升)があれが問題ないです。あ、お漬け物も出しておくといいかもしれないです」

 

 

「そっか。そう思うと気楽につくれるね。妖夢、行ってらっしゃい」

 

 

「行ってきます」

 

 

「よーむー!来たわよ-!」

 

 

「わわ、鈴仙さんだ!それじゃ幽々子様、行ってきます!」

 

 

「いってらっしゃい妖夢。兎さんによろしくねぇ。」

 

 

「はい。鈴仙さーん!今、行きます!」

 

 

わたわたと玄関から出ていった

玄関の扉が開いた瞬間、長い兎の耳と幻想郷には珍しい形の服が見えた

 

 

「さてと、それじゃ、爽歩。今日はよろしくね?」

 

 

「はい。よろしくお願いします」

 

 

 

こうして、妖夢がいない一日が始まった

掃除、洗濯は朝の内に妖夢がやっておいてくれたようだ。流石に、女物の下着を干すのはどきどきするお年頃である。

僕の仕事である白玉楼の掃除を開始。巨大なこの館を一気に掃き掃除をし、そのあとで雑巾で床を磨き上げる

 

 

「ふふふ、爽歩。精がでるわねぇ」

 

 

「ゆっ幽々様!?」

 

 

たすきを使い、現在主人の目の前に出られるような状態じゃない。

一応、普段は洋服を着ているが、お仕事中の時は着物?を着ている

 

 

「いいのよー。そのままで。爽歩を見に来たんだから。そのままお仕事続けてちょうだい-?」

 

 

「は・・・はい」

 

 

じー。と見られている。

じーっと見られている

・・・。うう。やりにくい

主人にどっかいってくださいなんて言えない為にその状態で雑巾をかけ終わった

 

 

「終わった?それじゃ、ご飯にしましょ」

 

 

「わかりました・・・」

 

 

なんかいつもよりも疲れた。

ご飯時はみんなで食べるという幽々様の方針から、急いで服を着替えてきて食事の準備に取りかかる

今日、妖夢が作ってくれといたものは、肉じゃが、味噌汁、白米、ほうれん草のおひたしだった

とりあえず、きちんと温めて幽々子様とのご飯を食べた

 

 

「うーん。流石妖夢ねぇ。その子は和食がすごい美味しいのよね。これ、妖夢には内緒よ?」

 

 

口元をハンカチで押さえながら言う

 

 

「あの子、和食しか作れないのを少し気にしてるみたいなのよね・・・。どこかにー他の料理を作れる子いないかしらー」

 

 

最後の方棒読みだ

あ、うん。わかった。これは僕に料理を習って作れってことだよね?

 

 

「わ、わかりました」

 

 

「そうそう、爽歩。今日の晩ご飯はシチューが食べてみたいわ」

 

 

「・・・了解です」

 

 

僕はご飯を食べ終えた後、すぐに狼化し人里に行った

材料の1つである牛乳が足りないという事がわかったからだ

寸胴鍋一杯に作ってようやく足りるくらいだから、かなりの量を買ってこないといけない

 

 

「あ、アリスさん」

 

 

「あ、爽歩。久しぶり。最近、姿見ないからどうしたのか心配してたのよ?」

 

 

「す、すいません。あの、アリスさんって洋食とか作れますか?魔女だから食べなかったりします?」

 

 

「私は魔女だけど、基本は食べるわよ。まぁ、たまに研究に没頭してると1週間くらい忘れちゃうことがあるけど。それで、洋食?どうしたの?」

 

 

「あ、はい。シチューを作ろうと思ってるんですけど、材料はわかるんですけども、作り方がわからなくて・・・・」

 

 

「ふぅん。・・・今日それじゃ、シチューにしましょうか。作り方教えるから、私の家まで来る?」

 

 

「はいっ。」

 

 

アリスさんは金色の髪と手がとても綺麗な女性だ。この人が魔女と言うのは本当は嘘じゃないかと思うくらいいい人だ

その後、僕はアリスさんの家で、紅茶の入れ方とシチューの作り方。その他のレシピを教えて貰い、白玉楼()に戻った

一応、下ごしらえをしてきておいたため、後はアリスさんに習った通りに煮込む。

ぐつぐつと鍋を見ている最中に、幽々様がやってきた

 

 

「あら、本当に作ってるとは・・・」

 

 

「え?シチューが食べたいって言ってましたよね!?」

 

 

「そうよ?爽歩が作れると思ってなかったから」

 

 

「それと、食後にお楽しみを作ってあるので、もうちょっと待っててくださいね」

 

 

「お楽しみ?」

 

 

「はい。お楽しみです。」

 

 

「そう、それは楽しみね。ね、爽歩。作りながらでいいから聞いて頂戴?」

 

 

「はい」

 

 

「私は最初、爽歩をここに置きたいと思ったの。家族になりたいって思ったの。妖夢と歳も近いしきっと妖夢にいい影響を与えてくれるって」

 

 

「妖夢・・・いい子ですもんね。努力家で、優しいし、まじめだし」

 

 

「そうね。思い込みが激しいのが玉に傷だけど」

 

 

「従者とか、主人とか関係を超えて、家族になりたいって出来るかしら」

 

 

「幽々様なら、必ず。」

 

 

「ふふふ、ありがとう。爽歩、もし悩み事があったりしたらきちんと相談しなさい。」

 

 

「・・・ありがとうございます」

 

 

「あなたは、妖夢と妖忌に似ているわ。性格は違うけど、根本が同じ。剣を使う人ってこういうものかしら。それは置いておいて、あと、私からのお願い」

 

 

「お願いですか。」

 

 

命令ではなく、お願い

 

 

「もし、何かあっても家族を守って」

 

 

 

「・・・わかりました。お願い・・・ですもんね。」

 

 

「ふふふ、ありがとう。爽歩、それじゃ、お夕飯、楽しみにしてるわよ」

 

 

「はい」

 

 

幽々様は去っていった。

お母さんが僕にもいたらああいう感じだったのかもしれない

優しさで包んでくれて、時には厳しさを持っている。

そう、考えながら僕はシチューを完成させるべく手を動かした

 

 

 

「ただいま帰りました」

 

 

妖夢が戻ってきた。手にはお土産を携えて

 

 

「あ、お帰り妖夢」

 

 

「え?爽歩さん。お夕飯作ってくれたんですか?」

 

 

未だにエプロンをつけている僕を見て驚いている

 

 

「うん。今日はシチューだよ。お米で作ったパンもあるよ」

 

 

米粉でパンの作り方もアリスさんから教えて貰っておいて良かった

 

 

「もうすぐ、ごはんだから、手を洗って広間に来てね」

 

 

「は、はい」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「「「いただきます」」」

 

 

「爽歩!美味しいわ!」

 

 

「よ、洋食。ゴクリ・・・美味しい・・・」

 

 

「このパンももちもちして美味しいわ!」

 

 

「じゃがいもが形が残っているけどしっかり蕩けてて美味しい・・・・」

 

 

「爽歩!おかわり!」「爽歩さん、おかわりお願いしてもいいですか?」

 

 

「まだまだたくさんあるから、そんなに急がずに食べてね」

 

 

シチューの寸胴鍋がすっかり底をついたのを確認して、僕は食後のお楽しみを持ちに行く

 

 

「はい。プリンも作って見ました」

 

 

「あ、私のお土産もあります」

 

 

その後、幽々様はバケツプリン、妖夢と僕は普通サイズのプリンと妖夢の買ってきた和菓子を堪能した

妖夢の買ってきてくれた和菓子は、今の時期にぴったりな椛の練り切りと栗の乗った饅頭。

食器を洗うと申し出てくれた妖夢を断り、

「今日は妖夢の非番の日だから僕がやる」というと、ちょっと嬉しそうに「みょん」と妖夢が鳴いた

・・・みょんってなんなんだろう。ちょっと気になるけど、まぁ、いいや

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「爽歩さん。」

 

 

「ん?妖夢?」

 

 

お風呂上がりに妖夢が部屋の前で待っていた

妖夢は既にお風呂に入った後だから、もしかして、部屋の前でずっと待ってた?」

 

 

「妖夢、僕の部屋、入る?」

 

 

「あ、はい」

 

 

妖夢の手を握ると、やっぱり少し冷えていた

備え付けの湯沸かし器で湯を沸かし、お茶を入れて妖夢に渡す

 

「はい、ごめんね。冷えちゃってる。」

 

 

「ありがとうございます。大丈夫ですよ。水仕事の方が冷えちゃいますから」

 

 

「・・・僕が今度から代るから。女の子が身体を冷やしたら駄目だよ」

 

 

「でも」「いいから。僕がやるね」

 

 

「・・・ありがとうございます」

 

 

「それで、どうして僕の部屋の前にいたの?」

 

 

「あ、はい。今日のお土産・・・になるのかな。鈴仙さん・・・あ、私の友達なんですけど、一緒に里を回ってたら、爽歩さんに似合いそうなものを見つけて・・・・」

 

 

妖夢がその手に持っていたのは2つの鈴

 

 

「爽歩さんの刀って鈴がついてたから、綺麗な鈴をみたからどうかなって思ったんですけど・・・どうですか?」

 

 

「ありがとう・・・・。」

 

 

僕は鈴音を取り出し、今付いている鈴を取り外し、妖夢のくれた鈴をつけた

 

 

「この取った鈴、どうしよう。まぁ置いておこう。妖夢、ありがとう。」

 

 

「いえ、この前のお詫びも込めてです。ふわぁ・・・・。そろそろ、自室に戻りますね」

 

 

「もう、こんな時間かぁ。ふわぁ・・・。僕も眠くなってきたから、今日はもう寝ようかな。」

 

 

「明日も早いですから。おやすみなさい。爽歩さん」

 

 

「おやすみ、妖夢」

 

 

妖夢から空になったカップを受け取り、襖から妖夢が出て行くのを見送ってから僕は布団を引いて、妖夢からもらった鈴を見ながら眠った

明日も、良い一日になりますように・・・

明日、稽古の時間に久しぶりに舞いを踊ってみよう。




まぁ、派手じゃないんですけどねw
とりあえず、今日で10代が終わります。明日からは20代です
はぁ、10代終わっちゃうよ

それはさておき、アリス登場です。このときはまだ、霊夢たちとエンカウントしていない状態って事で。ツッコミは無しの方向で・・・
春雪異変をおこす上での必要な処置だと思ってください。
春雪異変はもう少し先の予定ですが、・・・うん。まぁ、待っててください。
もう少し、爽歩の剣術の腕が上がらないと、異変を起こせないんですよねぇ・・・。(裏事情)
次は20代になった和菓子屋蜜柑を是非ともよろしくお願いします!
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