俺は、タクマ・ハレルヤ・・・
第一指令本部を守りきれなかった俺は、議会軍を除隊した。
まぁ辞めるには、いい口実だった・・・それよりも俺はユキナ・フランケンシュタインに興味を持った、モビルスーツとは全然異なった兵器を開発し、しかもあの格闘術の腕前には驚いた・・・あれだけの数をたった1人で仕留めるとは・・・
俺も格闘術は議会軍では一番だったが、いくら俺でも歩いて家には帰れないだろう・・・たとえ勝てたにしても・・・
しかし、あの兵器はどうしても気になる、何故あんな兵器を創ったのか?
もしかして、議会軍に恨みでも・・・?
そして、あの顔のキズは・・・?
考えながら歩いてると、気づけば俺は小さなBARの前に立っていた・・・
『あぁここなら何か彼女の事がわかるだろう?』
俺は中に入り、適当な場所に座った。
カウンターだけの店だった。
『いらっしゃい、見なれない顔ねっ』
『あぁ、あまり飲みに歩かないからなっ・・・とりあえずビールをくれっ』
『私も、いただいていいかしら?』
『あぁ、好きなのどうぞっ』
彼女は、ロザリオと名乗った・・・
『ロザリオさん、ちょっと聞きたいんだが?』
『あらっどんな事?』
『ユキナ・フランケンシュタインって女性を知ってるか?』
ロザリオはビールを口にしながら、酔いつぶれて寝ている女性を指差した。
そして、その女性は寝言を言った・・・
『お父ちゃん・・・』
俺は、ビールを飲みながら彼女の隣に席を移した。
そして、ロザリオは彼女を見ながら静かに語りだした・・・
『ユキナの父親はビクター・フランケンシュタイン・・・』
『あのビクター博士の娘?』
ビクター博士は、ユキナがまだ8才の時、議会軍の極秘計画ガンダム・プロジェクトに要請がかけられていた・・・しかし何度も断り続けたという・・・
それは、あるモノを守るためだったらしい・・・
その、あるモノが議会軍の手にわたれば今よりも悲惨な状態になると察していた。
議会軍は、ビクター博士の天才的な技量と、そのあるモノを手に入れたかった・・・
ある日断り続けたビクター博士を拘束し、拷問にかけた・・・それでも断り続けたビクター博士を、残忍な方法で処刑したという、その方法とは・・・
バラバラにし、袋に詰め自宅の玄関の前に置かれていたらしい・・・
ユキナは、朝玄関の扉を開けると、血で染められた大きい袋に近づき、ゆっくりその紐をほどき中を覗くと変わり果てたビクター博士を見ながら、ユキナは半狂乱になり泣き叫んだという・・・そして、近くにあったナイフで自分の顔を切り刻んだ・・・あのキズの跡は、その時のものだった・・・
ユキナは今、父親の敵討ちをしようとしている・・・
あの時ユキナは、ワザと捕まったんだ・・・
『ロザリオさん・・・バーボンをロックでくれ・・・』
『・・・はいよ・・・』
俺は、その夜・・・飲みまくった・・・ユキナの隣で・・・
ユキナの過去を知ったタクマは、議会軍に対する怒りが強くなっていた・・・