俺はかってしったる公宮の廊下をリムの後ろについて、歩いている。
俺と一緒に捕虜となった人物とは別の部屋に分けられているため情報を、共有することはできていない。こちらに連れてこられるときにサーシャやリムがブリューヌの捕虜と言っていたので当然ではあるが。
エレンやサーシャに会わせてほしいと頼んでみたが聞き入れてもらえなかった。
『前の俺』のときもエレンは軍を離れて、ジスタート王に戦勝報告をしにいったりしていたハズなので今回もそうなんだろうと予想がつくのだが、この前も感じた事として『エレン』がいるにも関わらずレグニーツァの『サーシャ』が今回の会戦にでできたことがわからない。
俺の知っている『エレン』なら自ら先頭にたって兵を率いてくるはずなのだが。
『何か考え事ですか?』
どうやら俺が思案顔をしているのをリムが感じ取ったらしい。まだ、今のリムとはまともに話せるとは思えないが、リムの性格はある程度以上にわかっているつもりなので『不自然』じゃない程度に疑問をぶつけることにした。
『・・・・ああ答えられないなら答えなくてもかまわないからあなたに聞いてもいいだろうか?』
『・・・・答えられることなら。』
『・・・・なら、アレクサンドラ様とエレオノーラ様はよく一緒におられるのか?』
いいなれない言葉につっかからないようにしながら聞くと、前を向いたままのリムの肩に少し力が入ったように見えた。
『・・・そうですね。戦姫同士の間柄ではありますが、私が注意をしないといけないくらい親しい友人と話すようなところがあるように思います。』
『・・・注意をしなければいけないって言うのは公式の場においてもお2人はそういう話し方をしていると?』
『・・・そうではありません。放っておくと夜が更けて、朝を迎えても睡眠も取らずに話続けているという意味ですね。最近は私が『時間を管理』しているくらいです。』
ーーー『時間を管理』か・・・・俺はその言葉が気になりもう少し突っ込んでみる。
『いくら積もる話がたくさんあるとは言っても、たしかに女性が、録な睡眠もとらずにいるのは感心しないな。あなたが心配するのもわかる気がする。もしかして今からのお2人からの呼び出しについてもあなたが『時間を管理』される予定なのか?』
『半刻程を予定していますが、あとは『エレオノーラ』様の状態次第です。今から向かうのは、訓練場ですので。』
『・・・・そうか、答えてくれてありがとう。』
ーーー意外にリムが答えてくれたことに感謝しつつ俺は再び思考にはいる。
またしても『嫌な予感』が漂ってくる。
リムが『時間を管理』しているだろう相手とは、別の公国の戦姫である『サーシャ』ではなく自国の戦姫である『エレン』だろうことが考えられる。
ーーーここまで得られた情報とこの間の会戦のことを総合的に判断し俺はひとつの『仮説』を立てた。
だが、その『仮説』は俺にとっては最悪でしかないためそれを考えないようにすることにした。
『ここです。』
連れてこられたところは、『前の俺』も連れてこられたことのある屋外の訓練場だった。