魔弾の王 ~再臨~   作:塾長ほむほむ

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ついに復活❗
火事場のクソ力❗


39話

翌朝、リムから放っていた斥候の報告を受けた。

 

幸いなことに、ザイアン率いる『テナルディエ』の軍勢はアルサスより5日ほどの場所にてなんらかの理由により『足止め』を喰らっているということだった。

 

『前回』よりも兵数が多いからなのか別の要因があったのかはわからないが。これは俺にとっても嬉しい誤算だった。やつらより先にアルサスに到着することができたためやや遅れ気味だったアルサスの住民達への避難誘導を俺が指揮できること、ティッタに『前の俺』の時のような怖い思いをさせずにすんだこともそうだし、エレンやレギンに余計な負担を負わせる事なくすむからだ。

 

 

ーー労せずして屋敷に着いた俺を出迎えたのはやっぱりティッタだった。

 

 

「信じてた・・・・信じていました。きっと帰ってきてくださると・・・・ティグル様・・。」

 

 

「心配かけたな・・・だけどもう大丈夫だ。」

 

 

 

俺の姿を見るなり涙を浮かべて抱きついてきたティッタと2人だけの世界に入っていてもよかったのだが、俺の後ろにいる3人の女傑達の視線を感じて名残惜しく離れた。

 

まず最初に俺が手をつけた事は、ティッタとバートランに命じて、セレスタの町の有力者や村の長にマスハス卿が手紙に書いてくれていた指示をあらためて『俺の名前』でもって徹底させるように厳命することだった。

 

 

これによりセレスタの町からは普段の彼らでは考えられない速度でひとがいなくなっていっている。

 

もともとアルサスで暮らしている人々の戦に対する危機感はうすい。

 

恥ずかしい話だが、アルサスは主要な街道が通っておらず山や森がいたるところにあるような場所だ。軍隊が通ることはほとんどなく兵士でもなければ戦に馴染みがない。

 

また彼らが見る貴族といっても父さんかマスハス卿くらいのものであり非道な行いをするテナルディエ家についてもあまり知らない。そのためこれくらい強い厳命をしなくては『テナルディエの軍勢』がアルサスに向かっているという事態を深刻に受け止めてくれないのだ。

 

 

次は、『テナルディエ』軍との戦についての軍議である。『前回』とは違い俺の屋敷は荒らされていないためアルサスの領内の地図を応接室兼食堂となっているあの木のテーブルに拡げて、俺、エレン、リム、レギンでそれぞれ椅子に座って話し合う事にした。また、若干エレン達を見て怯えていたティッタに対してエレン達に簡単な自己紹介をしてもらったあと5人分の『葡萄酒(ヴイノー)』をティッタに準備させて全員に行き渡ったところで最初に口を開いたのはリムだった。

 

 

「こちらの数は1000ですが、100ほど『レグナス皇子』と共に町の守備に残すので、戦えるのは900となります。一方今朝も伝えましたが、斥候の報告によれば敵は4000あまり・・・多少減ったとしてもこちらの4倍近くはいると見ていいでしょう。」

 

「たしか、敵がいるのがアルサスから5日ほどの地点だったな。ティグル奴等を討つとしたらどこがいい?」

 

 

『前の俺』を知っているエレンがどこか嬉しそうにこちらを見る。

 

俺はエレンを見ずに地図の一点を指差して言った。

 

「モルザイム平原しかないだろうな。」

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