女の子だらけの職場で俺がヒロインなのは間違っている   作:通りすがりの魔術師

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眠い
だから前書きは簡潔にします。
昨日はお腹の調子悪くて更新できませんでした。
1日1話更新記録は他作品を更新していたので続いています。4/8くらいまで続けばなと思います。


望月紅葉は苦労している。

 

 

 

休日の過ごし方は人それぞれであり、どんな風に過ごそうがそれに他人が文句を言うのはどうかと思う。休みなのだから一日中寝ててもいいと思うし、普段はいけないところに行くのもよし。友達と遊びに行くのも全然普通だろう。

 

 

しかし、それは本当に正しい休みの過ごし方なのかと問われれば答えに戸惑ってしまう。休みだから休めばいいのに、どうして外に行くのか。どうして遊びに行ってわざわざ疲れてくるのか。そんな評論文を読んだ俺は確かにそうだと頷いた。

 

 

休みとは社会の与えてくれた限りある悠久の休暇であり、それを邪魔することは誰にも許されないし許してはいけない。だからといって誰かを出かけに誘うのは間違ってないと思うし、それで心が安らぐなら尚更だ。

 

 

でも、俺が言いたいのは本当に休めるのかという話だ。どういうことかと言うと、1人で家でダラダラしていれば肉体的には休めるだろう。が、精神的にはどうか分からない。アニメを見たり、ゲームをしたりして過ごす休日は悪くない。それで明日から頑張ろうかと思えるかは別なのではないかと思う。

 

 

同じ生活のサイクルでは人は飽き飽きしてしまい、刺激を求めるため外に飛び出すのではないかと俺は考える。現に家でゲームをしてるより、本屋を巡って面白そうな文庫本を試し読みしてみるのはかなり面白い。

 

 

 

「やりました、比企谷さんフルコンボです」

 

 

恐ろしいスピードで画面の中で動く映像に合わせながら、手をスライドさせたり叩いたり弾いたりしてコンボを重ねていた望月紅葉は表示されたスコアに笑顔を浮かべる。

 

 

さて、三日ぶりの休日だがこうして後輩とゲームセンターにいるのはどうなのか。初体験なのでよく分からないが現状不安はあっても不満はないので良しとしよう。

 

 

「おめでとさん。音ゲーとか好きなのか」

 

 

「はい。音ゲーというかゲーム全般が好きで…」

 

 

普段クールに真面目な顔をして仕事をしている望月とは思えない顔に少し驚く。プライベートではこういう顔もするのだろう。別にこいつが音ゲーが得意なのは会社で難易度が高そうな鳴海の自作ゲームを平然とプレイするのを見て知っていたから驚かないが。望月のプライベートに俺がいるというのは些か不思議なものだ。

 

 

 

望月と俺が遭遇した成り行きを説明すると。

やっとの休日。家にいてもすることがなく久しぶりに本屋に来た。

見て回るとこれといって気になるものはなく、このまま帰るのも気が引けたので同じフロアのゲームセンターに寄り道してプライズフィギュアを眺めることにした。すると、回ってる途中で音ゲーコーナーに人だかりが出来ていた。おかげでUFOキャッチャーの周りには人がいなかったのでスムーズに見れたが1周ぐるりと回っても人だかりは消えていなかった。

流石に少し気になって見てみると、足を使うタイプの音ゲーをしている女性のたわわに揺れる胸に下賎な男達は目を奪われているらしい。

男の方も見てしまう気持ちは分からなくはないが、これは見られる方はたまったもんじゃないだろうな。と、他人事のように思い踵を返して帰ろうとした時だった。

 

 

『あ!レラ……比企谷さん!』

 

 

 

 

と、あの人混みの中から俺をピンポイントで見つけ出して今に至るというわけである。どういうことだよ。説明になってないぞ俺。

あと、地味に俺のことレラジェって言おうとしたことは気付いてるけど触れないでいよう。

 

 

「比企谷さんがいて助かりました…その、ああいうのは慣れても嫌なものは嫌なので」

 

 

持つものは持つ故の苦労があるのだろう。俺もこの目のせいで相当苦労を……してないな。特にしてないわ。強いて言うなら、罵詈雑言のネタに使われたくらい。あんな下衆のような視線に晒されたことは無いしな。

 

 

望月の場合は黒いタンクトップの上にパーカーというかなり目立つ格好をしてるせいというのもあるのだろう。自分では動きやすい格好をしているつもりでも、他人から見ればそうとは映らない時もある。だから、注意しろよと言ってやろう。

 

 

「大変だな…でも」

 

 

「……男の人ってやっぱりこういうのが好きなんでしょうか」

 

 

お前にも原因があるんだぞと言おうと思ったら、自分の胸元に視線を落とす望月。当然そこには男の視線を釘付けにするものがあるわけで。自分のをしばらく見た後、チラッとこちらを窺うように見てきた望月に俺は思わず目を逸らす。

 

 

「あ、いや、まぁ…」

 

 

「好きなんですか…」

 

 

少し幻滅したかのように言う望月に俺は苦笑いを返した。だって、男の子だからね仕方ない。だが、望月も無自覚でもそういうのはやめた方がいいと思う。人によってはそれで犯罪に走ったりしちゃうから。

 

 

「ほら、赤ちゃんの頃の名残りとか、それに大人になるにつれて男は甘える相手がいなくなるからそういうのに惹かれちゃうんだよ多分」

 

 

心做しか早口になって言い訳のようになってるが、大体事実だから。それに大きければいいってもんじゃない。小さい方が好きって人もいれば、中くらいがいいって人もいるんだ。そこまで気にすることじゃない。

 

 

「そういうものですか…」

 

 

「そういうもんだ」

 

 

 

望月に持つもの故の苦労があるように、男には男の苦労があるのだ。ホント、人間生まれ持った性には逆らえない。

 

 

「でも、比企谷さんからはそんな目線感じませんよ?」

 

 

「え?あぁ、別に興味ないからな」

 

 

当たったりしない限りは。ほら、見る分には別に気にならないっていうか。服の上からだとそんなに大したことないように思うし、高校時代にデカいのと1年くらい過ごしたら慣れてたし、女子を、ましてや後輩にそんな目を向けるわけない。向けた瞬間牢屋行きになる可能性があるからな…。

 

 

 

「え……比企谷さんもしかして…ホ」

 

 

「決して違うから安心しろ」

 

 

養ってくれるなら靡くかもしれない。が、男で養ってくれる人なんて絶対ホモだから嫌だ。

 

 

「そうなんですか…」

 

 

「え、何?望月ってそういう趣味なの?」

 

 

「ち、違いますよ!…その比企谷さんがそういうのだとちょっと困るっていうか…」

 

 

あぁ確かに会社の先輩が同性愛者って複雑な気持ちだよな。……遠山さんは可愛いからまだ大丈夫かもしれんが、俺はビジュアルがあれだからな。もし仮に俺が同性愛者でもうちの会社男いないし問題ないと思うんだが。

 

 

「あ、ほら、比企谷さんレラジェに似てるから…そのレラジェが同性愛者だと…」

 

 

なるほど納得。普通、好きな相手が同性愛者って嫌なものか。最近、ゆるゆりな空間にいたせいかそのへんの感覚が麻痺してたわ…。

 

 

「安心しろ。レラジェも俺も同性愛者ではない。それにレラジェは友愛を大事にするんじゃないか?」

 

 

自分の作ったキャラだから妙に愛着がわいて、まるでレラジェが自分のことであるかのような口振りで言ってしまった。望月は猛烈なレラジェファンだったと思い出し、わかったような口きいて悪いと謝ろうとしたが。

 

 

「……!!……そ、そうですよね」

 

 

一瞬驚いた顔を見せたが顔をプルプルすると顔を俯ける。急にどうしたかと思ったが、特に怒ってるとかそういうことではなさそうなのでそっとしておくことにした。

 

 

「比企谷さんって、好きな人とかいるんですか?」

 

 

「……いや、"今"はいないな」

 

 

 

これから現れてくれることを込めてある部分だけ強調しておいた。というか、そういう質問も基本NGだぞ。昔の俺なら『も、もしかして…俺のことが……!』って勘違いしちゃうからな。

 

 

「…そうですか」

 

 

望月がそう呟くと、ショッピングモールに19時を知らせるアナウンスが鳴り響き、望月は『あ』と何か思い出したかのように声を上げる。

 

 

「すみません、なると約束してるのでこれで失礼します…今日は付き合ってもらってありがとうございました!」

 

 

そう早口で言うと駆け足でエスカレーターを駆け下りていく望月。転んで色々と大惨事にならないことを祈りつつ、俺も自転車を置いた場所まで歩き出した。

 

 

休日の過ごし方は人それぞれ。

家でダラダラするのもよし、誰かと遊ぶのもよし。ショッピングを楽しむも、ゲームセンターで音ゲーをするのも。

そして、たまたま出会った後輩と話してみるのも悪くないのかもしれない。相手の持つもの故に目線には気をつけなくてはならないが、それでも楽しいことは楽しいし、有意義な時間というのは返ってこないからこそ全力で楽しむべきなのだろう。

つまり、休日とは寝て過ごすなら全力で寝て、遊ぶなら全力で遊ぶべし。俺はそう結論づけて自転車のペダルを漕ぎ出した。





紅葉ちゃんの胸とFGOのパッションリップの胸は同じなんじゃないかと思うこの頃
紅葉ちゃんはレラジェ大好きから八幡愛してるまで持っていきたいけど…なんで本編で下の名前で呼ばせなかったんだろ…(困惑)
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