女の子だらけの職場で俺がヒロインなのは間違っている   作:通りすがりの魔術師

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青葉ちゃんって恋愛慣れしてないから絶対下手くそだし、変な男に引っかかりそう(主観)

友達<「彼女いない歴=年齢」のお前が言うな
僕<ウーン(絶命)


今も比企谷八幡は捻くれている。

生まれてこの方、彼女なんて出来たことないし当たり前の話だが彼氏もいない。1人、男でも付き合っても全然構わない、むしろウェルカムなやつがいたけど今は置いておこう。

とにかく、俺は恋人というものを知らない。

街を見れば、人目を気にせず手を繋いだり、身を寄せ合ったり、楽しげに会話してたり。

カップルによってそれぞれ雰囲気や過ごし方は違うが、見た感じ幸福そうには見える。

しかし、それが長く続くとは限らない。

付き合ってる時は良かったけど、同棲したり結婚したりとなると思ったのと違う。

そう思うカップルは少なくないんじゃないか。

 

 

そりゃ今まで違う屋根の下で暮らしていたのだ。生活リズムやら習慣に必ず差異は出てくる。

風呂には毎日必ず入るだとか、ご飯の時間が決まってるだとか。

それくらいならまだ許せる。というか、理解を示せるレベルだろう。

だが、トイレの蓋は開けっ放し、しかも出た後に扉は閉めない。

モラルや清潔感の問題になってくると瓦解し始める。

そういう小さな部分で分かり合えず破局するカップルは多いそうだ。お互い、注意して気をつけながら直していけばいいところを、途中でやめてしまうのだ。

今までそうしてきたことを急に変えろと言われても人間難しいものなので仕方ない気もするが。

個人的な意見とすれば、それも許容出来ないのなら初めから付き合うべきでなかった。と言わざる得ない。

 

 

 

つまるところ、彼ら彼女らは一時の自己満足のために付き合う方が幸せを感じやすいのではないかと思う。

レンタル彼氏とかレンタル彼女とかの方が好みの顔や性格の子を選べるあたり安心だし、お金を払うだけで払った額の期間はその人は自分のモノになるのだ。

しかも、相手は商売のため自分の嫌がることはしてこないわけで、そこもポイントは高い。

もし、永続的かつ不幸にならない幸せを掴むのならレンタル彼氏、レンタル彼女を俺は勧めたい。

 

 

ここまで言っといてあれだが、レンタル出来るだけの金を持っていることが必要だし、そんな金払うくらいなら1人で過ごした方が快適なんじゃないかなと俺は思う。

 

 

以上…………

 

 

 

 

 

「何これ」

 

 

同じ職場で俺の隣の席に座るキャラクターデザイナーの涼風青葉は眉間に皺を寄せながら、俺の書いた作文を読み上げた。

会社から最寄りのレストランで良かった。会社で読まれてたら、八神さんあたりにからかわれそうだ。

 

 

「お前が俺に『自分の恋愛観について』書いてきてって言ったからわざわざ書いてきたやつだが」

 

 

仕事を終えてやっと家に帰れると思った矢先に涼風が渡してきたのは1枚のコピー用紙。文字の大きさ、量は問わないから『自分の恋愛観について』書いてくれと頼まれた。

なんでそんなことをと疑問に思ったが、最近はデジタルばかりでアナログで書いたりしてはいなかったので、久しぶりに書いてみようとノリノリで書いたのだが、渡してみればなんだか不機嫌な様子だ。

 

 

「……八幡の恋愛観なんてなんか可哀想だね」

 

 

「まぁ、俺の場合はな」

 

 

なんせ全戦全敗の神装機竜だからな。盤面に出ても何も破壊できないし、なんなら強くもないのにナーフされてさらに弱体化されるレベル。

 

 

「なんか思ってたのと違う」

 

 

「知らねぇよ…」

 

 

そもそも、なんでそんなことを俺に聞いたのかという話だ。個人の恋愛観なんて人それぞれだが、俺みたいにまともな恋愛したことないやつに聞くのは野暮だしご法度だ。二度と聞くな。

 

 

「理由は知らんが、そういうことなら遠山さんとか得意なんじゃねぇの?」

 

 

現に恋愛真っ最中だしな。相手が鈍感すぎて気付く気配はないが。だけど、同性に恋をしているのだ。きっと素晴らしい恋愛観をお持ちなことは間違いない。

 

 

「じ、じゃあ、八幡の好きなタイプについて教えて!」

 

 

「俺を養ってくれる人」

 

 

「うわぁ…」

 

 

即答で答えたらドン引きされてしまった。

理不尽の極みだ。

 

 

「そういうのじゃなくて、髪が長い。とか、見た目が幼い…とか!」

 

 

「あーね」

 

 

別に特にないんだよな。強いて言うなら好きになった人が好きなタイプ。あ、でも、その理論だと俺を養ってくれる人全員タイプじゃん。やっぱり金持ちってすごいわ。

まぁ、そんな人この世にいないんですけどね。そう考えると真面目に考えないとな。

結婚する気は無いが好きなタイプくらいはそろそろはっきりさせないと。

 

 

「常識があって、気遣いができて、俺のダメなところを補ってくれる」

 

 

「あ、性格の話かぁ…。顔とかの好みはないの?」

 

 

「人間で生物学上は女ならいい」

 

 

「何その条件!?」

 

 

待てよ、生物学上女でも外見的に男だったらどうするんだ俺は。めちゃくちゃ声が可愛い見た目世紀末覇者とか来たらどうすんだ俺。

それで俺を養ってくれるとかなったら…うん、やっぱり働こう。働くって青春だわ。

 

 

「てか、お前はどうなんだ」

 

 

「え?……私!?」

 

 

涼風以外に誰がいるんだよ。

 

 

「うーん、顔はちょっとかっこいいくらいで普段は無愛想なのに時々優しい……みたいな」

 

 

そんなモジモジしながら言わなくても、俺以外に聞いてるやつはいないと思うんだが。

ふむ、やっぱり女は男にかっこよさを求めてしまうらしい。それに無愛想で優しい……というのは俗に言う『クーデレ』というやつだろう。

 

 

「そんな人うちの会社にはいねぇだろ」

 

 

「え、そ、そうかな…」

 

 

だって、うちの会社ほとんど女の人だし。この前上のフロアで男の人は見かけたがオカマっぽい人と一緒にいたし。多分、そっちなんだろう。人は見た目によらないな。

 

 

「まぁ、婚活かアイカツかは知らんが頑張ってくれ」

 

 

「ちょ、ちょっと!」

 

 

ガタッと席を立つとドリンクバーへと向かいココアのボタンを押す。カップを置いて注がれるのをじっと見てると、後ろから涼風もやってくる。

 

 

「あのさ、八幡は彼女とか作らないの?」

 

 

「まぁ、今のところは」

 

 

そもそも好きな人とかいないし。作っても2秒くらいで別れちゃいそう。主に俺のせいで。

 

 

「そ、そうなんだ……ふーん」

 

 

「なんなんださっきからお前。なんなの、俺のこと好きなの?」

 

 

聞くと涼風は顔を一気に赤くして怒鳴る。

 

 

「そ、そんなことないじゃん!ただの興味本位だよ!ほら、八幡ってそんな性格と目だし、モテなさそうだけど好きな人いるのかなーって!? お、思っただけだし!」

 

 

最後にバカじゃないの!?とまくし立てられ涼風は席へと戻っていく。あいつ、ジュース入れに来たんじゃないのか…。

注がれ終わったココアを放置するくらい呆然としていると、涼風が怒鳴ったおかげで店員さんに怒られたのでこれからあいつに飯誘われても断ろう。そうしよう。

 

 




地味に俺ガイル1巻のオマージュだったりする。そこまで寄せてないけど。


青葉ちゃんは涼風青葉よりも月島青葉「クロスゲーム(作、あだち充)」の方が好きです(大嘘)
マンガ版のほうがちゅき。アニメの青葉の声はなんか違う……(クロスゲームの話です)


あだち充作品で面白いのは「H2」「クロスゲーム」ですかね。今やってるやつも面白いですが、やっぱり……みんな顔を同じだな!


あ、この辺に活動報告あるらしいっすよ
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