女の子だらけの職場で俺がヒロインなのは間違っている   作:通りすがりの魔術師

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こっちも久しぶり!書き直すのがだるかったからもうそのまま続けるぜ!青葉ちゃん可愛いんじゃ〜!!!


まさに飯島ゆんは姉貴質である。

 

もし1つだけ願いが叶うなら俺は何に使うだろうか。超人的スペック? 漫画の主人公に転生? それとも素敵なお嫁さんだろうか。

昔なら最後のを欲しがっていただろう。俺を養ってくれて甘えさせてくれるお嫁さんとか、神龍も聞いたならドン引きだろう。

 

 

 

超人的スペックは悪くは無いが良くもない。力を持った人間というのは、自分が人であることを忘れて、他人を奴隷のように扱ったりする。他にも自分の意のままにしようとしたりとか。そういうのは俺の主義じゃないし、仮に力を持って今のままの性格だとしても、俺を倒そうだとかしてやってくる奴がいるだろう。

 

 

 

マンガの主人公に転生ははっきり言って無理だ。俺が。例えば麦わらの船長になったとして俺はあの世界で渡り合えるのか。原作知識というアドバンテージがあるにしても、俺という異物が混ざった時点で原作とはかけ離れた世界になるかもしれない。ピンク髪の超能力者が言っていたように、些細な行動一つで未来も過去も今も大きく変わってしまうのだ。

よってハードモードになって即死する未来しか見えない転生はしない。

 

 

 

最後に素敵なお嫁さんであるが、もう就職しちゃったしいらない気がしてきた。いや、家に帰れば温かい飯があって風呂が湧いてて出迎えてくれる存在がいるというのは嬉しいことなのだろうが、まだ一人暮らしを満喫したいのだ。一日中寝てても誰にも咎められず、自分のペースで生きられる。これが気持ちいい

ということを知ってしまった身としては、もうしばらくこの生活を楽しみたい。

 

 

 

 

だから、今俺が願うこととすれば隣で俺を睨みつける涼風青葉をどうにかして欲しい。という事だろうか。

 

 

 

「………ふん!」

 

 

 

ちらりと俺が見れば、涼風はそっぽを向いて自分の仕事に戻る。昨日、涼風と飯を食ってからこんな感じである。朝も顔を合わせずに素通りと完全なる無視。これはポツダム宣言無視されたアメリカとかの気持ちがよくわかる。

まぁ俺はこういうこと慣れてるから別にいいんだけど、それを良しとしないのが周りの先輩方である。

 

 

 

「なんかピリピリしてるけど」

 

 

 

「青葉ちゃんと何かあったん?」

 

 

 

 

 

「喧嘩……?」

 

 

 

給湯室にマッ缶を取りに行って戻ろうとしたら、退路をはじめさん、ゆんさん、ひふみ先輩に塞がれて何故か質問責めにあった。ここそんなに広くないし、誰か来たらいけないから早く出ようと足を進めようとするが、そうする度に3人が詰め寄ってきて身動きが取れない。とったらひふみ先輩とはじめさんの巨峰に触れてしまう。ゆんさんは大丈夫ですね。

 

 

 

「話すまで逃がさんで」

 

 

 

「えぇ…」

 

 

 

じゃあ俺が話すまでこの状況なのか。それは後で遠山さんとかが来て怒られたら全部俺のせいになるのでは? なるほど嫌らしい作戦だ。いや、この考えに行き着く俺もひねくれてるなぁ。

 

 

 

「で、どうなの?」

 

 

 

「どうって…特に心当たりがないんですが」

 

 

 

本当にない。作文書いて出して読まれてなんか怒って、という感じだ。俺がなにかした点は特になかったように思う。

 

 

 

「昨日何があったか、聞いていい…?」

 

 

「……いいですけど、とりあえずここから離れません?」

 

 

 

邪魔になりますしと付け足すと3人は頷いて道を開ける。そして、場所を食堂に移して昨日あったことを端的に話した。

 

 

 

「作文?」

 

 

 

「それを見て青葉ちゃん……怒ったのかな?」

 

 

 

「セクハラでもしたんか?」

 

 

 

してないですよ。全く心外だなと悪態つく。ズボンが昨日のと同じだったのでポケットに折りたたまれた作文が入っていたので3人に渡すと読み始める。美少女3人に恋愛観の作文を読まれる社会人2年生(♂)の構図は傍から見ればシュールだろうし、目の前で読まれるのも非常に妙な気分だ。平塚先生に作文を読み上げられた時のように思考をクルックルッしてると読み終えた3人は顔を上げた。

 

 

 

「なるほどこれは…」

 

 

 

「うん…」

 

 

哀れなものを見るような目ではじめさんはそっと作文を折りたたみ、ひふみ先輩が窓の外を見細める。どうやらかなり呆れられてるらしい。ゆんさんはぽんと肩に手を置いて「頑張れ」と主語のない励ましをしてきた。辛い、先輩方3人の同情が辛い。

 

 

 

「でも、これ読んで青葉ちゃんが怒る要素ある?」

 

 

 

「読ませた後に何か言ったんじゃない?八幡だし」

 

 

 

俺ってそんなに余計なこと言って人怒らせてるかな。全く身に覚えがないが、あったのだろうか。

 

 

 

「八幡、青葉ちゃんに、昨日何か言った?」

 

 

 

 

「あぁ、なんか好きな人いるのかってしつこく聞かれたから、なんなの俺の事好きなの? っていいました」

 

 

 

今思い返せば思い上がりも良いところだ。好きな人いるって聞かれたら、聞いたやつが自分のこと好きだなんて。そんな話のソースは俺でーす。はい、俺が聞いた人全員好きでした。まぁそれも中学の時だしもう関係ないよね。

 

 

 

「なるほどな…」

 

 

 

「ん?何?どしたのゆん」

 

 

 

「はわわわ…」

 

 

 

先程の同情の目から、我が子を見守るような目になったゆんさんにはじめさんが首を傾げる。ひふみ先輩はよくわかんないけど可愛い声出して顔赤くしてる。なんだあのかわいい生き物。

 

 

 

「なんやしょうがないなぁ」

 

 

「え、何が?」

 

 

 

「うん? いや、これは二人の問題やからうちらは関係ないってことや」

 

 

「はわわわわ……」

 

 

 

ゆんさんに手を引かれて困惑したはじめさんと機能が停止したひふみ先輩が連れていかれる。そして、3人の姿が見えなくなる前にゆんさんは顔だけ覗かせた。

 

 

 

「八幡、明日までに青葉ちゃんと仲直りしときや」

 

 

 

そう言い残して、ギャーギャー言ってるはじめさんを宥めながらゆんさんは出ていく。

仲直りか、喧嘩した覚えはないが上司の命令なら仕方ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「てことで、涼風、飯行こうぜ」

 

 

 

「…は?」

 

 

 

一日のノルマを終えて社外へ出る前に俺は涼風にそう声をかけた。至って自然にかつ、シンプルに。まるで放課後に同級生に声をかけるようにだ。まぁこんな風に誰かに声をかけたことは無いんだが。大抵、1人になるのを待ってからとか姑息な感じなのだが、今回は普通にである。

 

 

 

なのに涼風から返ってきた反応は「何言ってんだこいつ」という怒りを通り越した呆れの顔であった。

 

 

 

「なんで?」

 

 

 

そういえば理由を考えていなかった。こういう時リア充とかはなんて言うのだろうか。とりあえず、俺が知ってる中でも1番爽やかイケメンなやつが言いそうなことをトレースしておこう。

 

 

 

「なんとなく、だな」

 

 

 

「……ふーん」

 

 

 

ここでにこやかにスマイルゴーゴーしても良かったがそうした場合、返ってくる言葉が恐ろしく辛辣なものになるからやめておいた。

 

 

 

 

 

 

 

「分かった。じゃ行こう」

 

 

 

涼風はそう心なしか少し綻んだ笑顔で言うと、片付けの手を早めてカバンにものを仕舞うと立ち上がって背を向けてお辞儀する。

 

 

 

「皆さんおつかれさまでしたー!」

 

 

 

「おつかれ青葉ちゃん」

 

 

 

声もありで反応したのははじめさんだけで、ひふみ先輩とゆんさんは手を振ると俺に向けてぐっと拳を握る。まるでファイトだよっと言ってるようだが、特に頑張るようなことではないと思うが、なんかやれそうな気がする!これがひふみパワーか…。

ゆんさんは癒しというより、お姉ちゃんって感じだな、ほんと。

 

 

 

 

 

###

 

 

 

 

 

「で、どこに行くの?」

 

 

 

会社から出て開口一番に聞かれてそういえばまた考えてなかったなと顎に手を置く。ここは先程と同じように葉山の霊を憑依しよう。

 

 

 

「あーうん、そうだな…」

 

 

 

「もしかして、またなんとなくぶらつく、なんて言わないよね」

 

 

 

ちっ、なんだよあのイケメン使えねぇな。多分こんなこと言ったらあいつに「なんでだよ」って真顔で言われるんだろう。俺も言う。

さてと、どうしたもんかなと頭を捻る。考えろ比企谷八幡。ここでパーフェクトで完璧な策を講じるんだ…。そう俺が神経を集中している時、ため息を吐かれた。

 

 

 

「まぁいいんじゃない。適当で」

 

 

 

「…いいのか」

 

 

 

「うん、どうせ八幡だし。諦めた」

 

 

 

俺だから仕方なく納得するみたいな風潮なんなの。そんなにいい加減というか優柔不断だろうか…。小町にまた今度聞いてみよう。

 

 

 

「よし、じゃ適当に行くか」

 

 

 

「うん!」

 

 

 

とりあえず商店街とか飲食店が立ち並ぶであろう駅近くまで行こうと歩き出した。

その間、涼風が話しかけてきて、たわいもない話をすることとなった。

 

 

 

「八幡ってさ、昔からそんな感じなの 」

 

 

 

「そんなってどんなだよ」

 

 

 

「…自分で分からないの?」

 

 

 

 

ジト目を向けられて思わずそっぽを向いてしまう。自覚はないが深層意識では自分のいい加減さとかに気付いてるらしい。

 

 

 

「……それより何食べる!?何する!?今日は楽しもうぜ!な!」

 

 

 

「う、うん…」

 

 

 

無理やりテンションを引き上げたのに、逆に涼風の目は大変冷ややかだ。涼風を戸塚だと思って頑張ったのに。

 

 

 

「てか、お前明日休み?」

 

 

 

「え?あ、うん、多分?」

 

 

 

自分の休みくらい把握しとけよと思ったが、たまに曜日感覚狂って「今日は休みだったか、仕事だったか…」ってなってしまう。そこで確認するために起き上がってカレンダー見なきないけないんだよなぁ。

 

 

 

「休みだったら……なん、なの?」

 

 

 

「え? いや、明日休みなら今日疲れてもゆっくり出来るだろって」

 

 

 

「…まあ、確かにね」

 

 

 

 

少し腑に落ちないといった顔だが、また仕方ないとうんうんと頷く。

 

 

「で、どうする?」

 

 

目的の美味しいお店が立ち並ぶという辺りに着いた涼風は足を止めて首を傾げる。

こういう時に相手の好物に合わせて選ぶ男の甲斐性とか良さを出すべきなのだろうか。でも、残念ながら涼風の好きな食べ物は知らない。だから、万人に受けしてて女の子にも食べやすいやつになるか。

 

 

 

「あそこでいいんじゃないか」

 

 

 

適当に見渡して目に入ったハンバーグ専門店を指差すと、涼風はパアァっと笑顔を咲かせた。

 

 

 

「いいね!行こ!」

 

 

 

無邪気に笑う涼風は浮き足でお店に入る。それに続いて俺も入店し、ドアを静かに閉める。店員さんに案内されて窓際の席に着くとメニューを開いて「どれにしようかな…」と目を輝かせる涼風に思わず顔が綻ぶ。メニューが一つしかないから2人で共に見る形になり、顔が少し近い。そのせいで肌が綺麗だうちの母ちゃんとは大違いだなんて当たり前のことをおもってしまう。

 

 

 

「よし決めた!そっちは?」

 

 

 

「決めてる。店員さん呼ぶか」

 

 

 

「うん! あ、私が押すね!」

 

 

 

涼風がボタンを押せばピンポーンと音がなり、すぐさま店員がやってきて注文を聞きに来る。涼風は100%国産ハンバーグセット、俺はハンバーグ&ステーキセットを頼み、注文聞いて厨房へ行く店員さんを見送る。それで涼風がさっき頼んだハンバーグのソースについて尋ねた。

 

 

 

「というか、大丈夫なのか赤ワインのソースって」

 

 

 

「なんで?」

 

 

 

だってウイスキーボンボンで酔っ払ってたのに赤ワインのソースって大丈夫か? まぁ未成年でも食えるって書いてるからアルコールは気にならない程度だと思うが。

 

 

 

「いや、ならいいけど」

 

 

 

大事には至らないだろうと言葉を切って、水を飲んで外を眺めた。といっても、見えるのは街並みとかじゃなくて建物を囲ってる柵にへばりついてる蔦の葉とかしかないけど。

それでもウキウキと楽しそうな涼風を見るのはなんとなくはばかられた。

 

 

 










祝え!新たなる物語の誕生を!
もう察しのいい諸君はお分かりだろう。そう!次!青葉は!


酔っ払う!!!











実はこれ青葉とのエッチ前の導入が納得いかなくて「これ単なるイチャイチャだな…」ってなってこっちの話に落とし込みました。R18ムズいわ!特に純愛は。書ける素直に尊敬しました…。
まぁでもこのあとの話ならR18に出来ると思う。酔っ払った青葉は強いんや…。
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