女の子だらけの職場で俺がヒロインなのは間違っている   作:通りすがりの魔術師

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うみこ!うみこ可愛いようみこ!(挨拶)




阿波根うみこはやはり策士である。

何回言ったら分かるの、と生きていれば1度は耳にしたことがあるだろう。だいたい子供の頃にはよく母親に言われたという人間は多いはずだ。

散らかっている部屋を片付けるように言われたり、試験が近いから勉強しろと繰り返し言われたことがあるだろう。

なぜ、繰り返し言われるのかは自分がしていないからと明白なのに、それでも「うっせぇババァ!」と反抗して関節技をキメられるのはよくあることだろう。え?ない?あ、そう…。

 

 

他にも先生に教えてもらったことが理解出来ず、何度も聞き返してしまうと言われがちだ。

これに関しては、分からない自分が悪いというわけでもなく、相手の教え方が悪いという解釈もある。

実際、学校の先生よりも予備校の先生の方が教えるの上手くて分かりやすかったしな。

 

 

 

「ということで、共に沖縄に行ってくれませんか」

 

 

「ちょっと待ってください…」

 

 

「またですか」

 

 

そう、何度説明されても分からないものは分からないのだ。例えば、地元の友人が結婚したし、実家の母親を安心させたいから婚約者のふりをしてくれと、言葉にすれば簡単でも理解し難いものは、理解できないのだ。

 

 

俺の返答に個室の焼肉店の一室で目頭を抑える阿波根うみこさんは俺の直接の上司ではなく、プログラマー班の人で本来なら直接的な関わりなど皆無。だが、うみこさんの趣味であるサバゲーに駆り出されてからプライベートでの関わりが多くなり、それを機に職場でも話すようになった。

 

 

「これで4度目ですよ」

 

 

確かに仲良くというか親しくなってきた感じはしていたが、なんでその相手を俺に頼むのかが理解できない。

 

 

母親を安心させたい。その気持ちは分からなくもない。10年後くらいまでには俺もそろそろ孫の顔でも見せてやりたいなとか思ってた頃だ。随分、先の話だが。

まぁ、うちの親は小町の方が心配で俺がどこでどうしようが知ったもんじゃないだろう。

でも、母ちゃんの方は女はできたのかとかメールで送ってくるし、親父も孫はお前が作れとか意味不明なことをメールを送ってきたし。

やはり、親というのは孫の顔が見たいものなんだろうか。

 

 

「あの、質問いいですか」

 

 

「構いませんが」

 

 

「うみこさん同級生の知り合いとかにこの話は?」

 

 

沖縄出身といっても、うみこさんのように東京にでできたという人は決して少なくは無いはずだ。その中に1人くらいはうみこさんと同い歳で仲のいい人というのはいるだろう。

 

 

「いないこともありませんが、こっちに来てから会ってもいませんし、連絡先も知りません」

 

 

それっていないって言うのと相違ないんじゃないですかね。

水を飲んでいると、店員さんが入ってきて注文を聞きに来る。それにうみこさんはメニュー表片手に対応していく。何か食べたいお肉はあるかと聞かれたので、カルビと牛タンなどを頼むと、スラスラと店員さんがオーダー表に書いていく。

 

 

「でも、意外ですね。うみこさん結構モテそうなのに」

 

 

「えぇ?……まぁ、高校時代はよく告白されたりしましたが、どれもお断りしました」

 

 

ほらね、やっぱり。

普段は無愛想だが、人によってはそれがクールに映ることもあるし、顔もクールでどこかお淑やかさがある。身体も引き締まっていて確かな魅力があるはずだ。

この話に興味があるのか少し残念そうな顔で店員さんが扉を閉めて出ていくのを見て、さらに続ける。

 

 

「どういう人に告白されたんですか?」

 

 

興味本位で尋ねてみた。普段なら「そーなのかー」と適当に流すが、うみこさんに告白する猛者に関しては何故か興味が出た。

すると、うみこさんはふと窓の外を見つめてこう零した。

 

 

「全員女性でしたが、あまり覚えていません。でも、確か男性の方にも告白されましたが陸上自衛隊の方と比べると貧弱だったのは覚えています」

 

 

比べる対象がハードすぎる。

現役の中、高校生がそんな恐ろしいマッスルボディしてるわけないし、もしそんなのが同じ学校にいたら身震いして逃げ出すわ。

 

 

「てか、陸上自衛隊の人の身体見たことあるんすね」

 

 

「えぇ、サバゲーに誘ってくれた方と着替える場所が同じだったので」

 

 

そんな頃からサバゲーしてたのかと驚くが、昔から薬莢集めてストックするような人だったらしいし必然なのかもしれないな。

にしても、その誘った人というのも気になるな。一緒に着替えたということは女性なんだろうけど、

 

 

「……まさかと思いますけどその人は」

 

 

「女性ですが」

 

 

陸上自衛隊の女性のマッスルボディ恐ろしいな…。多分、野球部とかラグビー部の人が束になっても勝てないんじゃないだろうか。それと比べられた勇気ある少年達に追悼の意を捧げたい。

 

 

「それで話を戻しますが、先程の話引き受けてくれますか?」

 

 

「いや、でも…」

 

 

俺でいいのだろうか。

こんな目が腐っていて、髪もはねまくりで普段は自堕落な生活を送っている俺でうみこさんの母親は安心するのだろうか。

これは簡単に承諾できない話だ。

 

 

「私は全然構わないので、あとは比企谷さん次第です」

 

 

難しそうな顔をする俺にうみこさんは真剣な目で見据えてくる。

 

 

「もし無理なら他を当たります」

 

 

「他?他がいるんですか」

 

 

「いえ、今はいないのでお店を出てから適当に探します」

 

 

適当にって……それ相手によってはめちゃくちゃにされ…ないな。うみこさんだし、返り討ちにしそうだ。

しかし、即席で素性も全く知らない彼氏を連れてこられたうみこさんの母親は余計に不安になるだろう。

そう考えれば俺が少し顔を出して話すだけで済むなら、と話を受けようと心を決めると、焼いた肉を皿に盛りながらうみこさんがこんなことを口にする。

 

 

「あ、あと、比企谷さんがこの話を断った場合今まで食べた肉は自腹で払ってもらいますのでそのつもりで」

 

 

「え」

 

 

言われてメニュー表を見ると食べ放題しか行ったことがない俺には信じられない額が並んでいる。大人の焼肉店って1人前でこんなに取るの…?

なんか1桁多い0に驚愕していると、うみこさんはニコリと微笑む。まるで、この先俺から出る言葉が分かっているように。

 

 

「……快く受けさせて貰います」

 

 

「わかりました。では、食べましょう」

 

 

こうして、この日から俺とうみこさんの「母親を安心させるための仮の」カップルが成立することになった。

 




うみこ可愛いようみこ!(挨拶)
うみこさん大好きマンなので15分くらいで書けました(大嘘)


うみこさんのどこが好きかって言うと、焼け肌に程よく引き締まった身体とか僕の好みどストライクなんですよね。胸も程よくといった感じでたまに見せる笑顔とかめちゃくちゃ可愛くないですか!?
3次元だとガリレオの劇場版「真夏の方程式」の杏みたいなのが理想かもしれません。


そう言えば海未ちゃん誕生日ね。
おめおめ。ラブライブは凛ちゃんが好きです(真顔)

ではでは。



あ、活動報告見といてください。
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