新暦79年、第1管理世界ミッドチルダはJS事件やマリアージュ事件など物騒なことがたびたび起こっていたが、今のところは概ね平和である。
陸のトップであるレジアス中将が亡くなり、2つの事件で戦力が低下しながらも地上本部によりミッドチルダの平和はしっかりと守られていた。
けれどもテレビを目にすれば世界全体ではこっちのほうで交通事故が起きた、あっちのほうで強盗が起きたと報道しているし、地元のニュースに目を向ければなにやら深夜にストリートファイトを仕掛けてくる通り魔がいるなんてニュースもある。
さすがに管理局でも事件を100%防ぐことはできない。
だがそんな事は日常として起こり得ることなのだから確かに今ミッドチルダは平和といえるだろう。
そんなミッドチルダの中央区、住宅街の一戸建ての庭で男性と女性が向かい合っていた。
男の方は白髪のオールバックで同じ色の口髭と顎鬚がきれいに整えられており、顔には皺があってそれだけ見れば普通のお年寄りに見える。
来ている服は濃いグリーンのジャージで靴は動きやすそうな運動靴だ。
ぱっと見これから日課のウォーキングに出かけるような感じである。
だが一つ見た目から普通でない所があった。
右目の部分が黒い眼帯で覆われているのだ。
これのせいで見た目が普通のお年寄りではなくどこかのマフィアの首領にしか見えなくなっている。
しかも眼帯に覆われていない青い左目は鋭く、やさしいというより怖いといった表現が似合っているのでなおさらだ。
そんな顔はマフィアで服はジャージといった、どこかおかしな男は向かい合っている女性に対して腕を組んで話しかけている。
「いつも通り最後にCQCの基本的な動きを確認する。準備はいいか」
話しかけられている女性、というよりこの場合は少女の方が正しいだろう。
長い金髪後ろで束ねており、男と同じ青い目が男の方とは違ってちゃんと二つ揃っている。顔にはまだ幼さが残っており、年は十代前半ぐらいだろうか。
服は男と同じジャージだが白色ものを着ており、男の方と違って見た目におかしな所のない普通のスポーツ少女だ。
「うん!今日こそはしっかりとやって見せるんだから!」
男性の問いかけに対し少女は元気よく返事をした。
「よし、では始め!」
そう言われて少女は軽く腰を落とし、拳を構えるとパンチとキックを連続で繰り出す。
いったん動きを止めて一呼吸入れると今度は先ほどと違う動きでパンチとキックを繰り出していく。
何度かそれを繰り返すと体が温まってきたのか少女の額に汗が浮かんでいた。
「これでラスト!」
掛け声と共にキックを繰り出し少女は動きを止めた。
「ねえねえ、どうだった?」
「だいぶしっかりしてきた。だがまだまだルーキーとも言えないレベルだな」
「うーん、結構いけたと思ったのになあ」
少女は男性の返答にがっくりと肩を落とす。
すると少女の頭にタオルが乗せられた。
「ほらこれで汗を拭きなさい」
いつからいたのか少女の隣には女性が立っていた。
少女ほどの長さはないが同じ金髪でオールバックにしており、部屋着なのかいくらかラフな格好だ。
顔には皺があって若いとは言えず、年齢はそこにいる男性と同じくらいに見える。
だが体はそんな年齢とは思えない女性らしい体型で、そこには美しさとカッコよさがある。
「そんなに落ち込まなくても大丈夫。お爺ちゃんから見れば一人前になってもルーキー扱いだろうから。それより早くシャワーを浴びてきなさい。そろそろお友達と会う時間でしょ」
「あれもうこんな時間?急がないとヴィヴィオ達との約束に送れちゃう!」
少女は時計を見るとバタバタしながら靴を脱いで部屋に入り、お風呂場に向かって行く。庭には二人の男と女が残った。
「私はちゃんとした評価をしていると思うのだが」
男は少し疲れたのかベランダに腰掛け、女もその隣に腰掛けた。
「息子たちと違って孫相手だから甘くしているでしょうけど、普通に見たら少し厳しいものだと思うわよ。CQCの考案者の一人で『ビッグボス』と呼ばれたあなたが基準ではね」
むぅ、と男性はうなり手をポケットに入れて何か取ろうとしたが、何も取らずに手を出してしまった。
「いかんな、どうも考え事をしようとすると葉巻が欲しくなる」
「まったくあの子の為にやめようと言って何年たっていると思うの」
やれやれと女性は首を横に振る。
「お前さんよりも長い付き合いだからな『エヴァ』、そうそうやめられるものではないよ」
「今はあの子がいないのだからその名前で呼ばなくてもいいでしょう。ビッグボスと呼んだ仕返しのつもり?」
まったく子供なんだから、そう言って女性は立ち上がると庭に置いてあるバイクの方へ向い整備を始めた。
男性は座ったままバイクの整備をしている女性をしばらく黙って見ていると、パタパタと部屋の方から足音がして先ほどの少女が庭に顔を出した。
「それじゃあ行ってくるね、お爺ちゃん、お婆ちゃん。晩御飯までには帰るから」
「うむしっかりやってこい。さっきの動きを忘れるな、まだまだ未熟だがお前にはセンスがある。しっかりやっていけば一人前になれるさ」
男は先ほど女に言われたことを少し気にしているのか少女を褒めた。
「気を付けてね、ナカジマさんにもよろしくいっておいてちょうだい」
女の方も整備の手をいったん止めて少女の方に顔を向け、声をかけた。
「ありがとうお爺ちゃん、お婆ちゃん。いってきまーす」
そういって少女は玄関に向かい外へ出て行った。
戦場ではない、血や硝煙の臭いのしない平和な世界ミッドチルダ。
これはそんな世界で始まる、かつてビッグボスと呼ばれた祖父を持つ魔法少女のVividな物語。
とりあえず考えてみたキャラ設定
主人公の少女
名前は未定。ビッグボスとエヴァを祖父母に持つ少女。
父親はソリッドの方で別に誰かのクローンというわけではないちゃんとした出生の子供。
母親も特に設定していないのだが、メタルギアの女性キャラを考えるとメイ・リンぐらいしか相手が残っていないので彼女が有力候補ではある。
ヴィヴィオ達と同年代でビッグボスからCQCを教わっており、インターンミドル・チャンピオンシップに出場しようと練習中。
バリアジャケットのイメージとしてはザ・ボスの戦闘服。
サニーに作ってもらったナイフ型のデバイスを持っており、サニーとは仲が良く結構通信でおしゃべりをしている。
父母が仕事で忙しく祖父母の家に預けられているため、そこからヴィヴィオ達と同じSt.ヒルデ魔法学院に通っている。
ビッグボス
みんなよく知る伝説の傭兵。
本名はジョン。
メタルギア側のキャラは設定が変わっており、細かな設定としてはスネークイーター作戦とカズと共に国境なき軍隊を率いていた所あたりまでは概ね史実通り。
異なっているのはゼロとの関係が完全に壊れる前に修復し今でも付き合いがある所。
そのため初代メタルギア以降の事件はほとんど起こっておらず、死ぬはずのキャラも生きていたりする。
傭兵を引退後、エヴァと結婚しミッドチルダに移住して平和に暮らしている。
姿は4の時の物。
エヴァ
本名不明。
そのため設定として、スパイ活動で本名のままでは身の危険があったため、名前を偽りエヴァとしてミッドチルダに移住したことになっている。
ビッグボスから普段はエヴァと呼ばれているが二人きりの時は本名で呼ばれている。
もうバイクには乗っていないが愛着があるのかたまに整備をいる模様。
ビッグボスと同様姿は4の時の物。
息子達
ソリッドとリキッドのこと。
原作と違い二人ともちゃんとしたビッグボスの実の息子である。
これってどっちが兄貴なのだろうか?
ソリッドは結婚しているがリキッドは独身。
二人とも同じ傭兵関係の仕事についており、ソリッドの方は子供のためにそろそろ現役引退しようかなと考えている。
なんだかんだで最後のストーリーまで考えてあるけど、書き切る自信がまったくないのでプロローグのみ。