戦闘シーンを色々考えていたのですが、どうやっても三忍が死んでしまうので、飛ばさせて頂きました。
――視点 綱手――
まさかここまで、手も足も出ないとは……。
毒に侵され、動けなくなった体の重さと共に、降りしきる雨の冷たさを感じていた。共に戦っていた自来也と大蛇丸も、既に動けなくなっていた。周りの戦況も六尾の力によって、次第に劣勢になっている。
雨隠れが好んで使う毒への対策は十分にしてきた。今まで戦場で大いに活躍してきたという自負もあった。それでも、この男には届かなかったか……。
目の前にいるのはダンを殺した雨隠れ、その元凶である死雨の半蔵。おじい様の時代から戦い続けてきた伝説の忍。巨大なトカゲの上に乗り、こちらを見下ろしている。
師である三代目火影、ヒルゼンはこの男とだけは絶対に戦ってはいけないと言っていた。忠告を破り本気で戦った今になって、その意味が嫌という程分かる。
この男にとって戦いは、殺すか殺されるかでは無いのだ。ただ、殺すか殺さないか……。今もまさにその状況であった。
私と同じく毒を喰らい満身創痍の自来也が口を開いた。
「半蔵、頼む!!オレが死ぬから、こいつら二人は見逃してくれ!!」
自来也…、本当に馬鹿な奴だな……。自来也の頼みに半蔵が答える。
「……お前ら、名前は?」
その声は穏やかで、とても先程まで鬼の様な強さで私達を蹂躙した男と同じ人物だとは思えなかった。
「……自来也」
「綱手だ」
「大蛇丸」
私達が答える。すると半蔵が言った。
「綱手か……、柱間と扉間が何度か手紙に書いていたな……、ハア……」
そう言って、半蔵がきびすを返して去っていく。
「殺さねえのか?」
自来也が帰って行く半蔵に問いかけた。
「この戦線は雨隠れの勝利だ。わざわざ若く、才能のある忍がこれ以上無駄に死んで行く事は無い」
……認めたくは無いが、その通りだろう。他三つの戦線に気を回しながら何とか抽出した戦力、それも予想外の尾獣の出現で完全に崩壊してしまった。力ツユ達もやられ、もう帰ってしまった様だ。半蔵は言葉を続ける。
「お前達三人は強い……、俺を前にしてここまで生き残った奴は初めてだ…。
これよりお前達を天才忍者 天才傀儡造形士 超絶イケメンの死雨の半蔵公認 木の葉の三忍と呼び讃えよう」
この日、私達は[木の葉の三忍]になった。前半の呼び方はまったく広まらなかったが……。
「それにな……」
去っていく半蔵は最後に少し立ち止まり、雨雲に覆われた空を見上げてこう言った。
「そっちのお嬢ちゃん殺したら、あっちにいる柱間殿と扉間に怒られちまう」
それは死雨の半蔵と恐れられる男とは思えない、とても頼りなく、悲しい姿に見えた。
第二次忍界大戦、終結。
火の国最後の攻勢、雨火戦争は尾獣をコントロール下に置いた雨の国の勝利となった。各国でコントロール不能と早々に決め付けられていた尾獣。それを実戦に投入し、勝利したという報告は各国を驚愕させ、後に尾獣を何とかコントロール下におこうと苦心する事になる。
雨火戦争の終結と共に、火影より終戦の申し出が送られた。戦争では負けているものの、まだ余力を残す火の国からの提案、他国も戦争を長引かせたい訳では無いため、快く受け取る事となった。
戦争終結時の各国の占領地は、雷の国と水の国が取った火の国北部の一部、土、滝、雨が取った土と火の国境付近の領土、そして最も大きい風、雨、水で取った火の国南海岸の領土。戦争中盤の火の国の大攻勢により、元々占領していた中の三分の二程まで減ったが、それでもかなり大きい。
これらを巡って終戦の条件を細かく策定する第二回五影会談が行われる事となった。開催場所は雨の国、第一回の前例があるものの、火の国にとってはこの戦争の主要な敵国の一つ、渋りに渋ったが、各国がこぞって雨の国を指定したため火の国も同意せざるを得なかった。
各国の代表は、かつて同じ道を通った先代達に思いを馳せながら、再び雨の国に集結する事となる―――
――視点 猿飛 ヒルゼン――
やっと戦争が終わったか……!!
火の国の中には徹底的な抗戦を唱える者もいたが、里の忍達が死んで行くのはこれ以上我慢出来ない。そして後日、各国は第一回もそうだったという名目で、五影会談の開催場所に雨の国を指定五影会談は雨の国で行われる事が決まった。
交渉のため雷の国に行った扉間様が暗殺されてしまった前例があるので、どうかと思ったが、戦争を終わらせたいと最初に言ったのはこちら、各国はまだ戦争を続けても別に構わないのだ。
戦争をここで終わらせるためには、雨の国での開催を受け入れるしかない。それに一見、こちらに有利な交渉材料など何も無い様に見えるが、敵の連合軍は扉間様の暗殺や宣戦布告前の奇襲など、道理に反した行為が多かったため、こちらはそこを突いて行く事が出来る。
オレは微かな希望と共に、かつて柱間様が通った道に思いを馳せながら、五影会談へ赴く。