八幡、捻くれたままNEWゲーム   作:nyasu

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俺はアカギや金と銀で履修済みだ、タッグでやる麻雀はイカサマがあるって詳しいんだ。

「……だ」

「んっ?」

「まだだ!」

 

項垂れていた相模と秦野はその場で上着を脱いだ!

まさか、まさかまさか、回避しようとも世界線は収束するということか。

俺は失敗した?

 

「な、なぜ脱ぐのだ!」

「いやー、秦野くん、負けちゃったね―」

「そだな相模君、油断したなー」

 

そこに敗者の悲哀はない、むしろ楽しそうだ。

 

「「困ったな、負けたら服を脱がなきゃいけないんだから」」

 

ベストがさっと投げられた。

まるで意味が分からんぞ。

 

「なっ、何よそのルール!」

「ゲームで負けたら脱ぐ、常識ですよ」

「麻雀もじゃんけんも脱ぐものですよ」

 

いや、じゃんけんは負けて脱がねぇから、それは野球拳だから。

じゃんけんっていうのはゲームで殺人ばかりおこしてるような過激なプレイヤーを追い詰める時に使うか、追い詰められて勝負を有耶無耶にするためにじゃんけんで決着をつけるためか、はたまた漫画家の先生を三本勝負で追い詰めてスタンドを奪いかけるとかそういう時に使うのだ。

 

「では、第二回戦としましょう。ただし、遊戯王は終わりだ。ここからは麻雀にさせて頂く」

「我、麻雀なんぞ打てないぞ!」

「ちょ、ちょっと待ちなさいよ。話聞けし」

 

秦野はどこからか雀牌と卓のシートを取り出す。

ガチだ。ゲームじゃない、リアルな麻雀だ。

しかも、これ、象牙の高いやつじゃないか。

 

「咲を読んでから麻雀は覚えました。この秦野容赦せんッ!」

「敗北を知らないものに勝利はないのだ。さぁ、先輩方、受けてもらいましょうか!」

「ゆきのん、もう帰ろうよ、付き合うのアホらしいし」

「そうね。服を脱ぐ行為に生産性は皆無だわ、ただの自己満足に付き合う気はないわ」

 

もっともな正論だった。

世界線は収束しても、俺はαでもβでもない、ダイバージェンス1%の壁を越えて成し遂げたのか。

 

「逃げるんですか?じゃあ奉仕部は、僕たちに負けたってことですね」

「ッ!」

「雪ノ下?」

「……負け?」

「雪ノ下!」

 

おま、秦野ォ!何やってんだよ、秦野ォ!

雪ノ下が、退出しようとしていた足を止める。

 

「取り消しなさい……その言葉……」

「ダメだよ、ゆきのん!見え見えの挑発だよ!」

「所詮、奉仕部は敗北者じゃけぇ……」

「乗るな雪ノ下!戻れ!」

 

相模ィ!お前、なぜそれを言った!

雪ノ下は由比ヶ浜や俺の声を無視して、完全に振り返った。

材木座がビビって一歩下がる、おい、お前味方だろビビるな!

 

「構わないわ。勝てばいいのよ。ルールも今覚えるわ」

「お前、ルール知らないのかよ」

「別にサンマでも構いませんよ、その場合先輩達はフリでしょうけどね。おっと、まさか自分達がゲームを指定した癖に、指定された時は文句を言ったりしませんよね」

「大丈夫よ、問題ないわ」

 

おいやめろ、一番負けそうな台詞じゃないか。

しかもルール知らないって、いくら頭がいいお前でも無理だろ。

俺だけじゃなく由比ヶ浜も思ったのか、雪ノ下に抱きつくように止めようとする。

 

「ゆ、ゆきのん。流石に覚えたては無理だよ」

「ポーカーなら嗜みがあるのだけれど、34種類136枚の手配を使って14枚で役を作るのね。役は規則性があるから覚えやすいわ、難しいほど揃えにくくて翻数が大きいのね。場に出たカードを記憶して相手の残り手札を予想する、ポーカーみたいなものね」

「うぅ……あ、あたしも!あたしもやる!だって、ゆきのんだけに任せるっておかしいもん!」

 

おい、ナチュラルに俺はスルーなのか。

そう思ってたら由比ヶ浜が俺を見る。

なんだよ、心の声漏れてたか。

 

「ヒッキー、私にもルール教えて」

「お、おう。それは構わんが、最初は打てないもんだぞ」

「大丈夫、数字を順番に揃えて、同じ色とか揃えて、あと赤いのがアレばいいんでしょ」

「おっと先輩。アドバイスは控えてくださいよ、するなら役があるかどうかまでです」

 

俺が指示して打たせることを釘指す。

コイツら、由比ヶ浜の胸をよく見ている。

なるほど、それが狙いか。

分からなくもない、ばいんばいんだもんな。

 

「さあ!はよう!はようはじめようではないか!ええい、ルールなど見るでないわ!」

「露骨すぎるだろ」

「やっぱこの人おかしいよ」

 

こいつ、女子の裸がみたいだけでは……。

材木座がニヤリと俺を見て、親指を立てながらグッジョブとでも言いたげにポージングしてきた。

グッジョブじゃねぇよ、やっぱりじゃねぇーか。

なんなんだ、男子高校生はエロいことしか考えてないのか。

 

「由比ヶ浜さん、別に付き合わなくてもいいのよ」

「ダメだよ!ゆきのんだけ脱ぐのを黙って見てられないもん」

「それだと負けてる前提になるんだけど。それに、別に私が倒してしまっても問題ないのでしょ?」

「雪ノ下、分かっててそれ言ってるんだよな」

「私、何かおかしいこと言ったかしら?」

 

なんだおめぇ、私なにかやらかしましたかって、なろう系主人公かよ。

いや、雪ノ下のハイスペックなら転生してると言われても信じられるまではあるがな。

さて、俺の予想ではコイツらはイカサマをする。

俺はアカギや金と銀で履修済みだ、タッグでやる麻雀はイカサマがあるって詳しいんだ。

 

「ローカルルールはなしで、赤ドラは四枚、喰いタンありで一荘戦で。もっとも、誰かが飛ぶかもしれないですけどね」

「どら?くいたん?とぶってレッドブル?」

「あー、由比ヶ浜。専門用語はやりながら教えてやるから」

 

首を傾げる由比ヶ浜に?が付いてるのがよく見て取れた。

さて、雪ノ下の方は……。

 

「…………」

「は、八幡。なんか寒気がしてこないか」

「気のせいだ材木座、たぶんトイレ行きたいとかだろ」

「いや、右目とか光ってないか?もしくは両目が赤くなってないか?」

「どこのクルタ族だよ、誰でもいい気分になってんじゃねぇーか」

 

たぶん、頭の中で役とか思い出してるんだ。

由比ヶ浜なんか、百人一首を覚える選手みたいにブツブツ役の名前言ってるしな。

 

「一局、飛ぶ度に一枚」

「一、二、六回負けたら見えちゃうじゃん、頭おかしいよ!」

「フフフ、狂気の沙汰ほど面白いんですよ」

「だからいい、ギャンブルは狂ってるほど面白い。だからこそ、さぁ賭け狂いましょう」

 

ノリノリである。

視線は常に胸に、欲望に忠実なコイツらはノリにノッていた。

ちょっと男子、気づいて女子の視線!

殺意の波動に目覚めてるよ!

 

「……潰すわ」

 

ほら、由比ヶ浜ばっかりみるから、魔王目覚めてんじゃん!冷たい麻雀しそうだよ!

さて、そういう訳で麻雀が始まった。

学校という場所でギャンブルはいかがとおもうのだが、男子高校生の内なる俺はいいぞもっとやれと盛り上がっていた。

しかし、大人として見過ごせないのではないかという内なる俺も居る。

結論は見守ること一択だ、決して女子高生の下着が見たいわけではない。

 

さて、東一局、親番は由比ヶ浜だ。

遊戯部がサイコロを回して、山を数えながらここからですと指導しながら手配を揃える。

由比ヶ浜には簡単な役を教えたが果たしてどうなるか。

 

「わーい、私の親番だ!それ、ポン!」

「あっ、それもポン!」

「よし、ポン!」

 

 

{②③白西}{[5]} {①横①①中横中中發横發發} 

 

「ねぇ、どう!どう!」

「お、おう……」

 

あれぇ、コイツ本当に麻雀初心者か!?

役満狙ってないか、小三元、大三元、どっちも行けるんじゃね!?

 

「フフン、同じ色と絵柄揃えるといいんでしょ。これとか役になるって習ったし」

「は、牌が……煤けて見えるぜ」

「馬鹿な、こんなオカルトありえない」

 

泣いてるだけかと思いきや、まさかの役満手前まで来ていた。

ふむ、次は必要ない役無しの西を捨てるか。

 

「あっ、それロンです」

「えっ!そんな、もうちょっとで揃いそうだったのに!」

 

しかし、由比ヶ浜、ここで何故か{[5]}を切る。

ドラはちょっと当たったら危ないからできれば捨ててほしくなかった。

特に真ん中だから当たりやすい数字だし。

 

{五六七八八⑤⑥⑦23344} {[5]}

 

「タンヤオ、ピンフ、ドライチ、三翻三十符で3900です」

「な、なんて?」

「まだ大丈夫よ、由比ヶ浜さん」

「大丈夫大丈夫まだ慌てる時間じゃない。よし、次行ってみよう!」

「大丈夫だけど、切り替え早くない?ねぇ、早くない?」

「雪ノ下、気にしたら負けだぞ」

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