いいかー。不死身と無敵は違うんだからな!   作:炬燵猫鍋氏

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オリジナル展開で、キャラが多いと会話が増えるということを思いしりました。


オール・フォー・ワン・ザ・リヴァイバー U-Aツアーにいつ行けるのかな?

3回も死んだことで、俺の肉体的なスペックは跳ね上がっている。

 

すげーざっくり言えば、パワー5倍くらいの増強型個性って言っても通るほどだ。

で、それは反応速度とか、動体視力とかにも反映していて……。

 

つまり、俺は悩んでいる。

どうしよう?このフツメン君の冤罪ナックル、と。

 

えーと、さっき聞こえてきた会話から考えると、俺を見て?怯えた女の子がイオリちゃん。

 

で、このフツメン君が、同い年だけど兄貴のような関係のマカリ・トオル君。俺が何かしたと思って、兄貴分ナックルをかまそうとしているわけだ。

 

いや、俺は何もしてないから。

マジで、ガチで。

って、聞く耳もってないよな、妹ポジのイオリちゃんのこと超大切っぽいし。

 

んー、大して速くもない右ストレートか。

でも、このままだと左の頬っぺたにめり込むよなー。

 

① よける。 ……たぶん、次が来る。

② 受け止める……何か個性が発動したらヤダ。

③ カウンター……怒られる。

 

んー、①を選んで、リアルアートかスポンジ・ガールに止めてもらうのが正解か?

 

でもなー。今、椅子に座ってて、目の前にテーブルがあるんだよなぁ。ラテが入っていたカップ乗っかってるし。

高速で思考ブン回してるけど、避けるとなるともう無理かね。

 

ええいっままよっ!

左手を顔の前にかざして、掌で受け止める!

よしっ!痛くなーい。

 

ふっ。フツメン君のパンチは所詮は普通のパンチだったな。

俺のガードを破ろうと思った、ら、お、お、お!?

 

痛い痛い痛い!

地味に痛い!

何か、()()()()()()()()()()()()()()()()地味に痛い!!

 

『お前、庵に何をしたぁっ!!』

 

何もしてねーよっ!

っていうか、お前が俺に何をした!?

 

『罷理ちゃん、落ち着いて。和水(なごみ)ちゃんの話を聞いてあげて。ケロ。』

 

おぉっ!フォローあんがと蛙系女子!

 

『お兄ちゃん、違うの。私が、その人を視て、勝手に怖がっちゃっただけなの。』

 

ナゴミ・イオリちゃんか。そかそか……ん?

え?俺、怖いの?何で?て、いうか、見えてるの?

あれ、顔、そむけてるのは何で?

 

お、マカリくん。わかってくれたかね。

 

『そう……か。すまなかった。早とちりだった。どうにも庵の事となると頭に血が昇っちまって。』

 

いやいや。わかってくれたならいいや。

ただ……俺って、怖いの?地味にショックなんだが。

 

『はっはっは。まぁ、ほら、俺も小さい子どもに泣かれる事がたまに、ときどき、それなりに有るからな。気にするな!えっと、ヒーロー殺し殺されくん!』

 

おいカメレオン系少年。

フォローになってねーよ。

自分のちょっぴり切ないカミングアウトを明るくしてるだけじゃねーかよ。

っていうか、〝ヒーローごろしころされ〟はヤメロ。

 

『ヒーロー殺し殺されって、噂になった、不死身の人ですか?』

 

お、おお。そうだよ和水さん。

 

『だから、だから……()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

なっ……!?それが、わかる、のか!

だから、俺を見て怯えたのか。

 

『君は……見えないモノが視えているのか?』

 

『えっとねー。どうもそうらしいよっ!はっきりと見えるのとは違うっぽいけどね!私も視えるって!』

 

おい、透明系女子。

混ぜっ返してくんな。

あーっ!濃ゆい面々だな、本っ当によーっ!!

 

 

本来なら、さっさと俺らがリアルアートの引率で見学に行くはずだったのだが、何かトラブったからキチンと挨拶をしようって事になっちゃったんだけど。

まぁ、ナゴミさんとかマカリくんに聞きたいことはあっから、いいっちゃいいんだけど。アドレス交換してもらおうかねー。

 

『蛙吹梅雨よ。ヒーロー科なの。個性は蛙。ケロ。』

 

蛙系女子は個性が蛙だった。異形型に入るのだろうが、大きな目も口も何だか可愛らしいな。

ケロって口癖なのかな。

竜爪会の森野久さんは牛だったけど、別にモウとかは言ってなかったよな。

何か時代劇で聞くようなしゃべり方だったけどよ。

 

 

『俺は染隠麗音(そめがくれ・れおん)。ヒーロー科だぜ。個性はカメレオン。趣味は絵画観賞。リアルアートのアトリエカフェで蛙吹ちゃんと出会えた今日は、運命的なラッキーデイだな。マジだぜ。』

 

趣味とか蛙吹ちゃんと出会えた感想とか聞いてねぇよ、カメレオン系少年。そもそも知り合いでもなんでもねぇのか。ずいぶんと馴れ馴れしいが。

 

 

『葉隠透だよーっ!ヒーロー科!個性はね、見ての通り透明!って、見えないかーっ。好きな物はドッキリ番組観賞!』

 

元気だね。透明系女子。

っていうか、これって俺らも個性とか趣味とか言う流れになってないか?

 

和水庵(なごみ・いおり)です。ヒーロー科、です。えっと、趣味は甘い物を食べる事です。目が不自由なんですが、個性のおかげで何とか暮らせています。あ、個性はオーラ感知です。近くに有る物を感知したり、生き物の発してるオーラを知覚したりできます。あと、ちょっとだけ自分のオーラと人のオーラの波長を合わせて、痛みを和らげたりする応急処置みたいなことができます。』

 

白い髪の女の子。

俺が()()()()()()()()()存在だと視たというが、何かそーゆーオーラが出てるのか、俺。

今も俺の方に顔を向けてくれないし。

っていうか、ヒーロー科なのか。

人助けポイントを評価されたんだろーなー。

 

『俺は罷理通(まかり・とおる)。普通科だ。庵とは遠い親戚なんだが、隣同士で幼馴染。まぁどっちかと言えば兄妹みたいな関係だと思ってる。個性は……オーラによる普遍干渉、だな。』

 

罷理くんが、和水ちゃんの事が大好きお兄ちゃんなのはわかった。

普遍干渉ってなんぞな。

聞いてみよ。

 

『あー、水でも掴める。空気を蹴って走れる。鋼鉄の体でも、殴れば相手は痛がる。柔らかい・硬いは俺の個性には関係ないって……わかりにくいか。』

 

ふむ?

当人の地力に依存するにしても、なかなか汎用性がありそうな個性だな。

だが、俺の手……内側が痛んだのはどういう理屈だ?

後で話を聞きたいな、やはり。

 

しかし、なー。

 

カエル系の蛙吹ちゃん。

カメレオン系の染隠くん。

目が見えない和水ちゃん。

目に見えない葉隠透ちゃん。

超フツメンの罷理通くん。

 

なんだこの諸々のネタ合わせ具合。

 

カエルとカメレオン。

ソメガクレとハガクレ。

見えない子と見られない子。

トオル(女)とトオル(男)。

 

狙ったんすか、このメンバー構成。

リアルアート?

だからさ、アート・アートって頷くの、マジで意味わかんないすからっ。

 

 

『僕は、緑谷出久。ヒーロー科です。個性は……』

 

っておい、緑谷。罷理くんに聞きたい事が有ったのに自己紹介はじめちゃうの?

 

『超パワーって感じの増強系なんですけど、個性が発現したのがつい最近で全然制御ができなくって。反動がメチャクチャ有るんです。好きな食べ物はカツ丼。趣味はオールマイトグッズ収集です。』

 

ん?俺?

 

『えーっと、藤宮続行です。ヒーロー科です。個性は……復活、です。俺、死ぬとその場で新しい体が造り出されるんですよ。俺も個性の発現、中3になってからなんですけど、えーと、今日までに3回死んでて、うち2回はネットにアップされてるせいで、何か顔が売れちゃってるみたいっすね。』

 

『危険と隣り合わせのヒーロー稼業にはぴったりじゃね?冗談抜きで。』

 

『いやー、そうでもないんだな染隠君よ。えっと、和水さんが視えてたみたいだけど、俺、死の運命を引き寄せて、死ぬ機会が増えるところまで込みの個性なんだなーこれが。』

 

『わたし思ったことを何でも言っちゃうの、藤宮ちゃん。』

 

おぉっ。蛙吹ちゃんがズイッと。

 

『あなたの側にいると、危険に巻き込まれるかもしれないってことかしら?』

 

来たな。いつか誰かに言われると思ってたぜ。

 

『いや。おそらくだが、俺の個性は危険を引き起こす訳じゃなく、近くで起きた危険に俺を狙わせるんだと思う。一回目と二回目で考えると、間接的に周囲の人を守っていると言えないこともない。』

 

『どちらにしても大変なのね。ケロ。』

 

あぁ。大変なんだ。だって……。

 

『そうだなぁ。動画を見た人は知ってると思うが、復活した俺は裸だしなー。』

 

『私も本気だすときは裸だよっ!!』

 

『そっちは誰にも見られないだろうがっ!!』

 

『実は俺も本気を出すと見えなくなる!』

 

『聞いてねぇよ、カメレオン系!!』

 

ほんっとにノリがいいな、こいつら。

 

『私は綾吊伊吹。ヒーロー科です。個性は息使い。水中でも30分ぐらい活動できます。』

 

あ、綾吊さんが話始めちゃったよ。

 

『私も水の中は得意。ケロ。』

 

『陸上なら、吐き出す空気を圧縮して、ぶつけることで攻撃できます。父の職場のコネで、実技試験では個性を利用した装備を持ち込んで戦いました。空気圧を使った弾体発射と移動補助ツールですね。えっと、趣味は……アロマ集め、かな?』

 

おお、見た目はほんわか系だけど、口調はクールで個性はガチの戦闘型か。ギャップの魅力?

 

『はぁい。伊吹ちゃんのママの綾吊塗息でぇす。』

 

ちょっ!?なんで保護者さんが流れるように自己紹介してんですか!

 

『今日は保護者向けの見学をお願いしていまぁす♪個性はフレグランス。いろんな良い香りの息を出せるのよぉ。パパ……夫は都万土マテリアルにお勤めしていて、伊吹ちゃんの受験の為のツールもそのおかげで造れたのよぉ~。』

 

いや、娘さんがプルプルしてるから、そこらへんでやめた方が……。

 

『ぼ、僕は、重石沈男です。ヒーロー科は落ちちゃって、普通科です。個性は重力操作。』

 

ん?緑谷?ウララカさんって誰ぞ?似たような個性持ちなのか?

 

『趣味は……アニメやマンガが好きです。特に、ジョージのヒーローアカデミアの大ファンです!』

 

うん、そうだよな。

 

『あー、俺は心操人使。普通科だけど、入学後のヒーロー科への転科狙ってます。個性は……洗脳。あ、あんまり詳しくは話したくないんで。沈男も話すなよ。ネタがバレない方がいい。』

 

洗脳、か。スゴそうだが確かにロボット相手には使えないわな。

うーむ、怖いイメージは確かにあるな。

綾吊母娘がビックリしてるし。

 

『じゃあ~、せっかくだからぁ、アドレスの交換とかぁしておかない?特にお先の人達はもうお帰りでしょう?雄英でこれからも会えるにしてもぉ、記念とゆーことでぇ~。』

 

だから、なぜお母さんの貴女が。

 

 

さくさくアドレスを交換して、ようやく俺達は見学に出ることとなった。

うん、罷理くんと和水ちゃんには改めていろいろ聞こう。そうしよう。

綾吊さん(母)は別ルートなので、スポンジ・ガールが付き添い。

俺たちはリアルアートと一緒に校内へと足を踏み入れた。

 

 

 

受験の時も思ったが、厳ついよな。このゲート。

IDを所有してないと、特殊合金の扉が速攻でしまるらしい。

 

『これが雄英バリアーかぁっ!』

 

おぉ。重石君から称賛の説明ゼリフが。

緑谷以外にそれ系の人がいると便利かも。

 

『では、まずは教室から行きましょうか。』

 

さって、ようやく見学スタートか。

自主トレしてる先輩ってのが楽しみだ。

 

 

見学者を巻き込む致死性の高い個性とか、無いよな?

 

 

 

 

 

 

 




でも、染隠君に罷理君、和水ちゃん。
今後、いろいろ重要な立ち位置になる予定。
書いてても楽しいし。(特に染隠君。)


次回!雄英ビッグ5(?)が現れる予定!

藤宮君は生き残ることができるか!?

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