Fate/Grand Order巻き込まれる魔法少女達   作:Dr.クロ

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イリヤ「あれ?微妙にタイトルが原作と違う様な……」

GOクロ「ああ、お茶目兼ツッコミコメントを稼ごうと言う」

美遊「メタイし来ないんじゃあ;」


第六夜~素晴らしき哉、サンタム!~

前回、妨害にあって歩く事になったイリヤ達。

 

彼女達は今、森の中にいた。

 

サンタリリィ「ここをキャンプ地とします!」

 

ジャック「わー!」

 

ナーサリー「楽しいわ、楽しいわ、楽しいわ!」

 

イリヤ「まるでお泊り会みたい…!」

 

ドドン!と言う音声が付く程の勢いで言うサンタリリィにジャックとナーサリーも続き、イリヤも少しワクワクしながら言う。

 

ロマン『クリスマスにお泊り会、実に無邪気な光景だねえ』

 

美遊「お泊り会は楽しいので」

 

その光景を見てしみじみするロマンに美遊はそう返す。

 

ロマン『それはそうと刹那ちゃん。頼まれていた物資を転送したよ。』

 

刹那「ありがとうドクター」

 

思い出して報告するロマンに刹那は届いた物を見て礼を述べる。

 

ロマン『何、これも仕事だからね。此処で一夜を明かして、順当に行けば明日には海に到着出来る筈さ』

 

イリヤ「そ、そうなんですか…!それはよか…」

 

笑って言うロマンにイリヤはホッと安堵しかけて……

 

ロマン『順当に行けば、の話だけどね!』

 

デスヨネーと笑顔で言われた事に目を遠くする。

 

ジャック「あれ?そのご馳走……」

 

ナーサリー「エミヤおじ様が作ってくれたご馳走ね!すっかり忘れて飛び出してきちゃったわ!」

 

サンタリリィ「……なんか、ごめんなさい……」

 

ロマン『安心して食べなさい。冷めても美味しいのがパーティー料理のコツだってさ』

 

送られて来た物資が自分達が先ほどまでいた所でエミヤが作っていた料理だったのに気づいて、サンタリリィが謝る中でロマンが笑ってエミヤからの伝言を伝える。

 

イリヤ「お、美味しそう…」

 

ルビー「流石エミヤさんですね!カルデアのオカン!」

 

サンタリリィ「わ、私は遠慮しておきます。お腹は空いてないので」

 

ジャック「ないの?」

 

ナーサリー「空いてるのよ。やせ我慢なのよ、きっと」

 

ほわーとなるイリヤと褒めるルビー。

 

料理を見てサンタリリィは後ろめたさからか辞退しようとしてるのにナーサリーがそう言う。

 

サンタリリィ「やせ我慢なんか、してません」

 

ジャック&ナーサリー「してるしてるー!」

 

美遊「凄く煽られてる;」

 

サファイア「子供らしくて良いかと」

 

ワイワイとおちょくっているジャックとナーサリーにぷんぷんするサンタリリィを見ながら2人は苦笑する。

 

刹那「ジャンヌ・オルタ・サンタ・リリィちゃん!」

 

サンタリリィ「ふぁい?」

 

呼びかけられてサンタリリィは振り返ると口の中に子供に食べやすい大きさにされたミートボールを放り込まれる。

 

刹那「はい、あーん!」

 

サンタリリィ「もぐ!?……もぐ、もぐ、もぐ……ごくん」

 

いきなりだったがすぐさま食べて、顔を綻ばせる。

 

サンタリリィ「おいしい……じゃなくて!急に口の中に食べ物を入れないでください。まあおいしかったですけど。……もう一口いいですか?」

 

ジャック「ちょろい」

 

イリヤ「(ちょろい…)」

 

美遊「(ちょろすぎるよサンタリリィ…)」

 

文句は言うが頼み込むサンタリリィにジャックはくすりと笑い、イリヤと美遊は冷や汗を流す。

 

サンタリリィ「今、聞き捨てならない誹謗中傷があったような気がします!」

 

イリヤ「(ホント悪く言われると反応速いな;)」

 

むむむと唸るサンタリリィの反応の速さにイリヤは心の中で呟く。

 

そこらへんは元のジャンヌオルタと変わらない様だ。

 

サンタリリィ「私は『しそうけんご』、『しょうようじじゃく』をモットーとしているのです。キリッ」

 

ナーサリー「呪文か何か?さっぱり分からないわー」

 

サファイア「『志操堅固』は志や考え・主義などを堅く守り、何があっても変えないという意味で。『従容自若』は物事にどうじないという意味です」

 

胸を張って行ったサンタリリィのに首を傾げるナーサリーへサファイアが解説する。

 

ナーサリー「それはそれとして、ローストビーフが美味しいわ、美味しいわ、美味しいわ!」

 

刹那「エミヤおじ様に丁重に礼を…」

 

イリヤ「おじ様扱いだとエミヤさんが複雑な顔しそうな気がするんですけど;」

 

んーと食べていたローストビーフの美味さに嬉しそうに頬を抑えて喜ぶナーサリーに言った刹那にイリヤはツッコミを入れる。

 

ナーサリー「そうね。ちゃんとお手紙を出してあげようと思うの。あしなが……ではなくて、何と呼べばいいのかしら」

 

サンタリリィ「……拝啓、私の借りパクおじ様……」

 

イリヤ「借りパク!?」

 

なんで!?と名前の部分にイリヤや美遊は叫んだ。

 

 

 

 

???「いつ盗むと言った。永久に模倣するだけだぞ?」

 

???2「……急にどうしたのですかな?」

 

虚空にいきなり言い出した人物にもう1人は訝しげに問う。

 

???「いや、何故か急に言っておかなくてはならない、と思っただけだ。……よし、これで準備完了だ」

 

???2「しかし……些か解せませんな。何故、我々は妨害する必要が?」

 

そう返してから準備していた事を終える最初の人物にもう1人は問う。

 

???「……つまるところ、彼女の心が変わらなければ、どうしようもないということだ。願いを叶える者が、願いから逃避するのは矛盾だ。それはつまり…」

 

???3「願いを叶えるということの本質から目を逸らしているって事ね」

 

疑問に対して答えていた最初の人物は3番目に言ってる途中を代わりに出した声を出した人物に頷く。

 

???「ああそうだ。サンタクロースは願いを叶えるという()()()()()()()()()()。純粋悪でもない限り、無償の善行による感謝は心を満たす。サンタクロースとは、ある意味でその究極とも呼べる概念だ。良い子であれば贈り物を。悪い子であれば❘道徳《せっきょう》を」

 

???2「なるほど。しかし❘彼女《ジャンヌ》には――」

 

察した2番目が言おうとしたのを最初の人物は肯定する。

 

???「そう、彼女にはそれがない。()()()()()()。放置しておけば彼女は存在理由を身失い、自我すら喪失する。……それでも、歴史に刻まれた英霊であれば問題ない。誰かに信仰され、その名を畏怖と共に呼ばれるのであれば、願いの有無は関係ない」

 

???4「でもジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィは違う。あの子は誰にも信仰されていないし、それどころか、世界はあの子を知りもしないんだからね」

 

???3「ジャンヌ・ダルクは知っているとしても、その裏にあの子のような存在が居るなんて考えもしないでしょうしね」

 

困った様に言う3番目と新たな4番目のに最初の人物は腕を組んで目を瞑る。

 

???「彼女はあのオルレアンで生まれたサーヴァントだからな。聖杯より仮初めの命を与えられた“贋作”。幾つかの試練を潜り抜け、悪夢のような騒動を引き起こして、彼女はかろうじてサーヴァントとしての現界を果たしている。だが、リリィはその現界も危うい状態だ」

 

???2「なるほど、それでアルトリアオルタ殿はサンタの役割を譲ったのですか」

 

話に聞いてた事を思い出しながら2番目の人物は納得する。

 

???「だが、サンタの役割を背負ってもなお、彼女は病を抱えている。短いながらも、海へと向かう旅路の間にそれを見つけられればいいのだが――」

 

???2「……ところで、それには一体何の意味が?」

 

話してる最中で最初の人物がしていた事が気になっていたので2番目の人物は質問する。

 

???「フッ、一応正体を隠さなくてはな」

 

???3「(正直隠せれてるかどうか微妙なとこなのよね…)」

 

???2「(変装のへの字も知らない弓兵であられたか……)」

 

ニヒルに決めてる感じの最初の人物に他の3人はなんとも言えない視線を向けるのであった。

 

 

 

 

そんなやり取りがあったのを知らず、イリヤ達は眠りについていた。

 

ただ、イリヤだけは色々とあって睡魔がなかなか来なかった。

 

刹那「眠れないのイリヤちゃん?」

 

イリヤ「え、あ、ちょっと色々とあって」

 

声をかけて来た刹那にイリヤはそう返す。

 

刹那「まあ色々あったから仕方ないよね」

 

イリヤ「はい、ホントに」

 

苦笑する中でサンタリリィが来る。

 

イリヤ「あ、サンタリリィ…」

 

サンタリリィ「イリヤさんも寝られないんですか?」

 

まぁ、そんな感じとイリヤは頷くとサンタリリィは美遊と寝てるジャックとナーサリーを見る。

 

サンタリリィ「……あの二人、サーヴァントですよね?現界したまま眠る必要はない筈なのに。余計な魔力を浪費しています。❘トナカイさん《マスター》の迷惑になっていないのですか?」

 

そう聞かれて刹那は首を横に振る。

 

刹那「ならないよ」

 

イリヤ「それに一緒に寝た方が楽しいよ」

 

サンタリリィ「迷惑……じゃないのですか?どうして?私は迷惑にならないよう、霊体化します。良い子ですよね、えへん」

 

そう言って胸を張るサンタリリィに霊体化しなくても良いってと刹那は笑う。

 

サンタリリィ「……でも、その前に一つ質問が。❘トナカイさん《マスター》は海を見たことがあるのですか?」

 

刹那「うん、あるよ」

 

頷いた刹那にサンタリリィはそうですか……と不思議そうに呟く。

 

サンタリリィ「あるのですか。あの二人が興奮して、ワクワクするほど海は面白いものなのでしょうか?」

 

そんな彼女の呟きにイリヤは首を傾げる。

 

イリヤ「どうしてそんなことを?もしかして……海を見たことないの?」

 

ルビー「いやまぁ、生まれたばかりですからね~一応知識はあるんですか?」

 

問うイリヤにルビーも聞く。

 

サンタリリィ「成長した私、ではないもう一人の……本来のジャンヌ・ダルクさんは海を見たことがある筈ですけど……」

 

イリヤ「筈…って」

 

ぎこちない感じの言い方にイリヤも察するとサンタリリィは困った顔をする。

 

サンタリリィ「私には海の記憶も記録もないのです」

 

ルビー「(ふむ、オルタさんは聞いた話でジャンヌさんを元に作られた存在だから復讐関連以外のはないと言う事ですかね…)」

 

出て来た事にルビーはそう推察する。

 

サンタリリィ「それに……私の知識が正しければ本来、海に行くべき季節は夏ですよね?冬の海なんて見るだけで泳げないでしょうから、ますます行く必要性が見当たりません」

 

刹那「きっと、気に入ると思うよ」

 

不思議そうに聞くサンタリリィに刹那はそう言い、イリヤも頷く。

 

サンタリリィ「私が海を気に入る……ですか?ちょっと想像もできません。私はあの二人と違って大人ですから!ふふん!」

 

胸を張るサンタリリィに刹那はほほうと目を輝かせ…

 

むにゅむにゅ~

 

サンタリリィの頬を摘まんだ。

 

刹那「そう言う頬は引っ張っちゃおうね~」

 

サンタリリィ「わ、ほっぺたつままないでください!こらー、やめてー!」

 

うふふと笑いながら引っ張る刹那にサンタリリィは抵抗する。

 

イリヤ「(やっぱり中身は子供だ…)」

 

そんなやり取りを見ながらイリヤは眠くなったので就寝するのであった。

 

 

 

 

ルビー「いやー!凄い雪ですねこれは」

 

イリヤ「ホントだね。ううさむ」

 

翌朝、昨日よりも強くふぶく雪にイリヤは手をこすり合わせる。

 

マシュ『おはようございます、先輩!本日も雪模様ですが寒さは大丈夫ですか?体調、メンタル、こちらのパラメータでは全く問題ありません』

 

刹那「うん、大丈夫だよマシュ」

 

起床したのを確認して通信をかけてくるマシュに刹那はそう返す。

 

美遊「マシュさん、海まであとどれくらいですか?」

 

マシュ『あともう少しですね。これなら今日中に到着できると思います』

 

ジャック「海、だー!」

 

ナーサリー「今日こそ海に到着ね!素敵だわ!」

 

元気にはしゃぐ2人に刹那はくすりと笑う。

 

マシュ『このまま西方向に真っ直ぐ――お待ちを、マスター!サーヴァント反応です!数は四人!』

 

イリヤ「四人も!?」

 

刹那「うん、ドクターより優秀かも」

 

ちょっと刹那ちゃん!?と刹那のに文句を言うロマンを押しのけてほんのり頬を染めたマシュはまた出る。

 

マシュ『マスターは褒め上手ですね。でも、後方支援でもお役に立てて嬉しいです!』

 

イリヤ「(マシュさん凄く嬉しいんだね)」

 

???2「そろそろ登場してもよろしいですかな?」

 

サンタリリィ「な、何者!」

 

構えるサンタリリィだがイリヤと美遊はんん?となる。

 

なぜなら聞き覚えのある声なのだ。

 

刹那「何者だ!」

 

???2「おほん、えほん。ククク……我が名は身をよじる呪腕のハサン。オヌシたちを海になど行かせぬ……」

 

刹那の問いに咳払いして現れた呪腕のハサンに何してるの!?とイリヤと美遊は驚く。

 

サンタリリィ「何故ですか!?」

 

呪腕のハサン「何故とな!?…………」

 

問われた事に呪腕のハサンは無言になる。

 

イリヤ「(あれ?無言になった…?)」

 

美遊「(もしかして…理由考えてない…?)」

 

まさか…と2人は顔を見合わせる。

 

刹那「もしかして、他にもサンタが!?」

 

呪腕のハサン「そう、それ!……ククク、何故なら本当のサンタは此処に居るからだ」

 

サンタリリィ「あの、まるで『今思いついたラッキー』という感じだったのですが……」

 

その反応にサンタリリィはなんとも言えない顔をする中でイリヤはん?となる。

 

イリヤ「(なんか今、刹那お姉さんが助けた感じになってない?)」

 

確かに問う感じだったのだが、その内容とタイミングが呪腕のハサンが言葉を詰まらせていた時だったので頭に引っかかった。

 

呪腕のハサン「ククク……よじりよじり。さあ、出番ですぞ!真のサンタ……サンタム殿!」

 

イリヤ「サンタム!?」

 

初めて聞く名にイリヤ達は誰なんだろうかと警戒する。

 

そして…その人物は現れた。

 

???「フッ―――問おう、サンタとは何ぞや?」

 

サンタリリィ「何者ッ!そしてサンタとは願いを叶える者!贈り物を運び、幸福を運ぶ者です!じ、自分が出来ているかどうかは自信がありませんが!」

 

人影の問いに対してサンタリリィは答えてから後半自信なさげになる。

 

それに口元を吊り上げる。

 

???「然らば、答えよう。サンタとは世を忍び影から影に渡り歩く、姿無きウォッチメン!見るがいい、これが正しいサンタの姿だ!」

 

その言葉と共に見えた姿は…どこぞの怪傑な正義の味方の様に目を隠したエミヤであった(爆)

 

サンタム「我が名はサンタム!私が!私たちが!サンタムだ!!」

 

ジャック「……ほえ?」

 

ナーサリー「……あら?」

 

イリヤ&美遊「(開いた口が塞がらない)」

 

ドーン!と名乗り上げるサンタムにジャックとナーサリーはきょとんとし、イリヤと美遊は茫然としてしまう。

 

しかもさり気無く刹那が偽名で使っていた奴に乗っていた人物の名台詞を変えて使っている。

 

サンタリリィ「……エミヤさん、何やっているんですかエミヤさん」

 

サンタム「何ィ!?」

 

呆れた目で見るサンタリリィにサンタムは心底驚く。

 

ジャック「何やってるのー?ごっこあそび?わたしたちも参加する?」

 

ナーサリー「もう、エミヤおじ様。覆面ヒーローごっこなんて恥ずかしいわよ?」

 

サンタム「何故バレる……!?サンタアイランド仮面はバレないのに!?」

 

同じ様に指摘するジャックとナーサリーにサンタムは心底それに自信があったのか驚愕している。

 

やっぱり…と呆れた様子でGOクロとクロが顔を出す。

 

イリヤ「クロ!?二人も何やってるの!?」

 

GOクロ「ふふふ、今の私はサンタムガール一号よ」

 

クロ「同じく2号。まぁ、事情があるのよ。ほらサンタムお兄ちゃんも」

 

驚くイリヤに2人はそう返してからクロが促す。

 

サンタム「わ、分かっているさ。ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィよ!お前の間違ったサンタ観を正すためにこのサンタムは召喚されたのだ」

 

サンタリリィ「間違った……サンタ観……」

 

ジャック「おじさんもまちがっているよね?(ひそひそ)」

 

ナーサリー「よね?(ひそひそ)」

 

告げられた事に悲しむサンタリリィの後ろでジャックとナーサリーがひそひそ話をする。

 

それにイリヤ達も同意であった。

 

呪腕のハサン「はいそこ、静かにしてくださいね。飴玉あげますから」

 

ジャック「むぐむぐ」

 

ナーサリー「もむもむ」

 

イリヤ&美遊「(子ども扱い上手い)」

 

そんな2人に呪腕のハサンが何時の間にか近づいていて飴をそれぞれ口の中にあげる。

 

その様子にイリヤと美遊はつくづくアサシンと程遠いよな…と彼のONOFFの差を感じるのであった。

 

サンタム「ここで怯み、逃げ帰るようであればサンタの資格などない。あくまで己がサンタだ、という自負があるならばかかってくるがいい」

 

サンタリリィ「わ、私は……」

 

そう言って構えるサンタムにサンタリリィは戸惑いを見せてなかなか槍を構えていられない。

 

そんな彼女を…刹那は肩に手を置く。

 

刹那「大丈夫。君はサンタだよ」

 

サンタリリィ「……はい!私は間違いなく、サンタクロースです!トナカイさん(マスター)が私を見捨てない限り、私は自信を持ってサンタクロースだと言えますから!」

 

言葉を受けてサンタリリィはさっきと打って変わって迷い無き目でサンタムをみつえて槍を構える。

 

それにサンタムはフッと笑った後に呪腕のハサンとWクロ達も彼の両隣に立って構える。

 

サンタム「いいだろう、かかってきたまえお嬢さん!ちなみに私はアーチャーでランサーとは滅法、相性が悪いのだが気にするな……!!」

 

最後ので台無しな気がするな…とイリヤは少し脱力しつつも向かって来るサンタム達を迎え撃つ。

 

刹那「ナーサリーは呪腕のハサンを、イリヤちゃんはサンタムガール一号の方を、美優ちゃんとジャックは二号を、サンタリリィはサンタムをそれぞれ相手して!」

 

ナーサリー「分かったわ!」

 

イリヤ「はい!」

 

指示にそれぞれの相手を取る。

 

クロ「フフフ、言っておくけどイリヤ。負けたらたっぷり魔力吸うからね」

 

イリヤ「それを聞いてなおさら負けられないよ!」

 

そう返しながら2人はぶつかり合う。

 

GOクロ「こっちは二人が相手ね。骨が折れそうだわ」

 

ジャック「負けないよ」

 

美遊「こんな事をするか聞かせて貰うよ」

 

やれやれと頭を振りながらGOクロはジャックのを避けつつ美遊の魔力弾を対処する。

 

呪腕のハサン「さて、お嬢さん、お相手して貰いますよ」

 

ナーサリー「ふふふ、負けないわよ。長い腕のドクロさん」

 

腕を振るう呪腕のハサンのを避けながらナーサリーは魔力弾を放って牽制する。

 

マシュ『先輩!一号のクロさんが宝具を発動しようとしてます!』

 

刹那「!イリヤちゃん!」

 

その中でマシュの警告に刹那は叫ぶ。

 

クロ「行くわよイリヤ!山を貫き、水を割り、なお墜ちる事無きその両翼……!」

 

イリヤ「ルビー、お願い!」

 

ルビー「了解です!」

 

放たれた干将・莫耶がギリギリの所まで引き付けてから防御する事で弾き飛ばし、続け様のクロの一閃も踏ん張って耐える。

 

クロ「っ、防がれちゃったか…」

 

イリヤ「そう簡単に当たらないんだからね!!」

 

その言葉の後に魔力弾で吹き飛ばす。

 

GOクロ「このっ!」

 

一方のGOクロは対峙してる美遊とジャックへと向けて剣を出射する。

 

美遊「ジャック、私の後ろに」

 

ジャック「分かった」

 

それに美遊はバリアを張り、ジャックは上からGOクロへと襲い掛かる。

 

ジャック「解体するよ…ッ!」

 

GOクロ「ちょ、それは勘弁!?」

 

迫るジャックにGOクロは慌てて避ける。

 

ジャック「いまだよ。美遊!」

 

GOクロ「!」

 

その言葉にしくった!と美遊の方を見る。

 

サファイア「ロックオン完了です美遊様」

 

美遊「うん、決めるよ!」

 

そこにはチャージした魔力弾を放そうとする美遊の姿があり…

 

美遊「一斉放射(マルチシュート)

 

宣言と共に複数の魔力弾が色んな方向からGOクロへと降り注ぐ。

 

GOクロ「くっ…!やるじゃない…!」

 

防ごうとするが何発かが炸裂する。

 

ジャック「これで…」

 

美遊「トドメ!」

 

続け様にジャックの蹴りと美遊の先ほどよりも大きさは小さいが収束した事で強固な魔力弾が決まる。

 

それによりGOクロはキュ~と目を回す。

 

美遊「勝てた…!」

 

ジャック「こっちは倒したよお母さん!」

 

ナイスと刹那は褒めた後にサンタリリィとサンタムの戦いを見る。

 

サンタムはああいっときながらサンタリリィの攻撃を巧みに防いでいく。

 

サンタリリィ「(っ!相性では勝てているのになんで押しきれない…!)」

 

サンタム「押しきれないと思ってるだろう?相性は確かにこちらが不利だが…経験の差で負ける気がない!」

 

そう言ってサンタリリィを吹き飛ばす。

 

サンタリリィ「くぅっ!!」

 

刹那「サンタリリィ!」

 

倒れるサンタリリィにサンタムは追撃しようとしてナーサリーや美遊の魔力弾に後ろに下がる。

 

ナーサリー「大丈夫?サンタさん」

 

美遊「ここからは私達も援護します」

 

手を差し出すナーサリーの後に美遊がサンタムをみつえながら言う。

 

サンタリリィ「ナーサリー…美遊さん…!」

 

イリヤ「これでトドメ…!」

 

続け様にイリヤがクロを吹き飛ばし、サンタリリィの隣に立つ。

 

イリヤ「サンタリリィ、大丈夫!?」

 

ジャック「加勢するよ」

 

サンタリリィ「イリヤさん、ジャック…はい!勝ちましょう!」

 

グッと握り締めて気力を取り戻すサンタリリィにサンタムはフッと笑った後に飛んで来た魔力弾を避け、ジャックとサンタリリィの突きを防ぐ。

 

ルビー「イリヤさん!此処はサマーの玉藻さんで一気に決めちゃいましょうか!」

 

イリヤ「無理でしょ!?雪原の中水着って!」

 

進言にイリヤは激しく手を振って拒否する。

 

実際問題、真冬で吹雪いてる中で水着になったら寒中水泳レベルを超えて普通に凍死しかねない。

 

ルビー「それじゃあ相性は微妙ですがエウリュアレさんはどうでしょうか」

 

イリヤ「そうだね。エウリュアレさんの方が寒くないし…夢幻召喚(インストール)

 

そう言いながらカードを取り出して叫んで光りに包まれた後にエウリュアレの服を身に纏った姿を現す。

 

イリヤ「エミヤさんのハート…撃ち抜きます!」

 

サンタリリィ「ハートを撃ち抜くんですか!?」

 

美遊「綺麗…」

 

ウィンクしながら言ったイリヤのにサンタリリィが言う中でイリヤは弓美を構える。

 

サンタム「っ!あれは流石にマズイ…!」

 

ナーサリー「逃がさないのだわ!」

 

逃げようとするサンタムだが、ナーサリーやジャックが逃げ場を失くさせる。

 

ジャック「イリヤ!今の内に!」

 

イリヤ「うん!❘女神の視線《アイ・オブ・ザ・エウリュアレ》!」

 

見逃さずイリヤは矢を取り出してサンタムへと向けて放つ。

 

逃げ場がないサンタムに直撃を受ける。

 

サンタム「ぐっ……!」

 

イリヤ「サンタリリィ!」

 

サンタリリィ「これで…トドメです!」

 

トドメを促され、サンタリリィは槍の一閃をサンタムに炸裂させて、サンタムは雪の上に倒れる。

 

刹那「やったね!イリヤちゃん!サンタリリィ!」

 

それを見て刹那は喜んでサンタリリィを抱き締める。

 

サンタリリィ「やりましたトナカイさん!何か極めて手抜きをされた気がしますが……ともかく、勝ったのでよし!とします」

 

美遊「そう言えば…」

 

サンタリリィの言葉に美遊は先ほどの戦闘でGOクロとクロは使っていたが、呪腕のハサンとサンタムが宝具を全然使ってこなかったのを思い出す。

 

美遊「(でもなんで手加減を…?)」

 

ジャック「でも勝利は変わらないもんね。通っても良いんだよね?」

 

ああとサンタムは起き上がりながらジャックのを肯定する。

 

サンタム「勝ったのならば先に進むがいい。如何なる時もサンタであることを忘れるな。そして、誰が敵であろうとも……サンタの本分を忘れるな」

 

ナーサリー「大丈夫よ、だってジャンヌは立派なサンタだもの!」

 

イリヤ「うん、今も頑張ってるもんね」

 

アドバイスに近い忠告を聞いて返した後にね?と話を振るナーサリーにイリヤはそう返す。

 

それにサンタムはフッと笑う。

 

サンタム「では我々は負け犬らしく消え去るとしよう」

 

クロ「じゃーねーイリヤ。まああとで会いましょ」

 

その言葉を残して4人はその場を去る。

 

ホントなんだったんだろう…と美遊は首を傾げる。

 

サンタリリィ「…………」

 

イリヤ「サンタリリィ…?」

 

刹那「どうしたの?顔色が悪いよ…?」

 

4人が去った後、サンタムの言葉を聞いてから考える様に伏せているサンタリリィにイリヤと刹那は声をかける。

 

サンタリリィ「あ、いえ!いよいよ海まで、あと少しですね!」

 

声をかけられた事でハッと我に返って取り繕ってそう言うサンタリリィにジャックとナーサリーはおお!と返して続き、刹那も続く。

 

その後ろでイリヤは美遊に小声で話しかける。

 

イリヤ「(ねえ美遊、なんか色々とおかしくない?)」

 

美遊「(うん。エミヤさんがあんなマスク付けて邪魔するのも、その理由もおかしいしそれに…刹那お姉さんがそれを助けているのがおかしすぎる)」

 

やっぱりそうだよね…と前を歩く刹那の背中を見る。

 

サンタムもといエミヤ以前に性格的に考えて自分達の邪魔をするなどありえないレオニダス。

 

言葉が詰まった呪腕のハサンを誘導する様に質問した刹那

 

美遊「(…もしかしてだけど今回の騒動の黒幕って…)」

 

イリヤ「(……刹那お姉さん…?)」

 

いつも通りな感じの彼女に2人は疑問の目を向ける。

 

イリヤ「(いやいやいや、流石に刹那お姉さんがそんなことするわけ…)」

 

美遊「(だ、だよね…何のメリットがあるのか分からないもんね)」

 

うーーーんと唸りながら2人は追いかける。

 

 

 

 

一方、到着地点ではサンタアイランド仮面が不敵に笑っていた。

 

サンタアイランド仮面「それでは最後の壁となりに行きましょう!」

 

ロマン『実に楽しそうだね。天……もとい、サンタアイランド仮面くん』

 

そこにロマンが通信を繋げて来て呆れた感じにそう言う。

 

サンタアイランド仮面「それはもう、久方ぶりの悪役。おまけに裏切りも増し増しとなるとやる気を出さずにはいられません」

 

ロマン『ははははは。キミ、本当にルーラー?』

 

ふふふと悪役笑いをするサンタアイランド仮面に思わずロマンは聞いてしまう。

 

サンタアイランド仮面「何を仰る。今の私は謎のサンタアイランド仮面。仮面の男など、裏切るか悪役か、さもなくば名乗れぬ正義の味方の三択でしょう?」

 

ロマン『あ、正義の味方じゃないんだ』

 

応えたサンタアイランド仮面はロマンのにそういう事ですと肯定した後にサンタリリィの到着を待つ。

 

サンタアイランド仮面「少女の夢に立ちはだかる男を、正義の味方とは呼びたくありませんね……と言う訳でサンタアイランド仮面。推して参ります」

 

謎が深まる襲撃

 

一体彼らは何のために…

 

そしてサンタアイランド仮面の目的は一体…


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