普段絵しか描いてないヤツがうちの子可愛さに小説を書き始めました
今回「第1話」の「前編」とかよくわからないことになっていますが、要するに中編後編と続きます
前編で主人公が出てくるのが遅いですが、他登場人物の描写も頑張ったので是非見てやってください
次【https://syosetu.org/novel/144266/2.html】
優渥のメディカ【第1話・前編】
ダンジョン
この世界には広い森に囲まれたダンジョンが1つある。
一見ただの洞窟にしか見えないのだが、そこから顔を出す
ダンジョンの果てを目指す探索家が集まってチームを組み潜るも、進めば進むほど獣も強くなっていく。中には何度も深層まで潜ったという記録を残した熟練の探索チームもあったが…
未だダンジョンの果てを見た者はいない
【夜の森で】
ダンジョンを囲む夜の広い森、ダンジョンから出てきた2人の探索家が走っていた。
1人は老けた背の低い男、腰にいくつもの袋を吊っており、背に大きな盾と剣を背負って老体にしては妙に若々しく走っていた。老けた男の少し前を光の玉が浮遊しており、夜の森の足下を照らしていた。
もう1人は若手の男、片手に剣を持ち、老けた男の後に続いて走っていた。
2人の後をダンジョンから出てきた数匹の獣が追う。老けた男が振り返り悪態をつく
「しつこい奴らじゃな、まだ追ってきおる」
若手の男が息を切らしながら言った。
「とにかくアイツらを撒こう、森を抜けるまで丸一日はかかるんだ…どこかで休息する場所を確保しないと、親父はどう思う?」
親父と呼ばれた老けた男は
「そう上手くはいかんぞ、ラル」
と返した。ラルと呼ばれた若手の男が振り向くと、すぐ後ろに自分に飛びかかろうとする狼が見えた。
「うわぁ!」
ラルは驚いて尻餅をついた。剣を振ることもせずに目を閉じて手を顔の前に出した。
「おい、ラル、馬鹿者何をしとる」
ラルが目を開けると、光の球は頭が割れてる狼を照らしていた。ラルの父は剣と盾を手にラルを叱る
「その剣は飾りか?獣はワシらより足が速いんじゃ、追いつかれるに決まっておろう」
「ごめん親父」
ラルはすぐに立ち上がり、剣を握り直した。ラルの父もまた構える
「ダンジョンから出てきて追ってくる獣なんて低級ばっかりじゃ、追ってくるのは全部叩け!」
数分の戦闘を経て、ダンジョンから出てきた複数の獣は倒すことができた。2人の周りは獣の死体で囲まれた。ラルが近くの岩に腰を下ろして一息つく
「あぁ…もうへとへとだ、もう少しダンジョンから離れたら今日はもう休もうよ」
「なにを言うとるかな若いのに、日が落ちてまだ間もない、魔力もまだ残っとる…まだまだ進むぞ」
「親父は俺より力が有り余ってる感じがするなぁ全く」
ラルは腰を上げ剣を鞘に収めた。2人は周囲を警戒しながら歩調を合わせ歩いた。
「俺も魔法を使えたら1人でダンジョンに潜れたのに…」
ラルが緊張感のない声で話す。
「魔法が使えないのは仕方ないのう、お前は生まれつき魔力を止めておけない体質じゃ、まぁ人並みに魔法が使えたところで1人で潜るなんてのはお前にはまだ早いがの」
「そんなことないさ!俺だって日々のトレーニングは欠かさないし、さっきの俺の戦い見てくれたか、3匹も倒したんだぜ?」
「そんな戦果で喜ぶようじゃ、1人で行かせたところでダンジョンの入り口にすら辿り着くことはないの」
ラルの父は周りを見回しながら続ける
「お前は探索家なんて危険な仕事をやるよりももっと他にやりたいことはなかったのかのう?」
「じゃ親父はなんで探索家になったのさ」
「そりゃあ、ダンジョンの底が見たいからじゃ…」
「俺もそういうことなんだよ!」
「ふん、ぬかしおる」
ラルの父は少し嬉しそうに微笑んだ、次の瞬間顔は強ばり、歩みを止めた。
「…」
「?親父、どうしたん…」
「逃げるんじゃラル!!」
ラルを突き飛ばし、自分達が進んできた道に体を向けた。盾と剣を取る前に、ラルの父の体に森の奥から飛んできた無数の針が刺さった。
「親父!」
地面に倒れたラルは立ち上がって父の方へ駆け寄ろうとすると、ラルの父はそれを止めようとした
「馬鹿者!さっさと逃げるんじゃ!」
そう言ったとき、ラルにも針が飛んできた。
「ク、クソッ!」
ラルは身をかわそうとするも数本針が刺さってしまった。ラルがそのまま剣を抜き、構えたのを見てラルの父は諭そうとした。
「待つのじゃラル!獣は恐らく中級クラス、ワシら2人では勝てん!走れるならそのまま月の方角に逃げるんじゃ!」
「親父はどうするんだよ!」
「ワシはダンジョンの方に戻る、どのみち2人で逃げようと持たん、こんなヤツが森にいることなんて聞いたこともないが…とにかく森から出す訳にもいかんしの。とにかく走れ!屋敷に向かうのじゃ!!」
「え、屋敷ってなん…」
また森の奥から針が飛んできた。
「クソ…」
針が地面に刺さる。ラルは月の方角へ走り始めた。
「上手くやれよ親父!後でな!」
残されたラルの父は腰の袋から2つの玉を取り出した。1つは羽の生えた玉、もう1つは小さな紫色の玉、羽のある方を手に持ち魔力を込めラルの走って行った方へ投げた。仄かな光を放ち静かに飛んで行く。そしてもう1つは口に放り入れ
「ワシもまだ、死ぬわけにはいかんのう」
と呟き、ダンジョンの方へ走っていった。
森の魔女
ラルが必死に走れば走るほど周りの木々の量も増えて、遂には月が隠れてしまった。
針が刺さったところは大きく腫れ、なんとも醜い色をしている。酷い目眩に襲われながらも感覚を頼りに走り続けていると木々の向こう側に家影のようなものが見えた。
「き、きっと屋敷だ…」
あと少しというところで木の根に足を引っ掛け、転んでしまった。
足を強く捻ってしまい立てなくなる。必死に地面を這って進んでいると後の方で獣のうなり声と重い足音が聞こえた。
足音がゆっくり段々と近付いてきてラルのすぐ後で止まった。ラルが死を覚悟したそのとき、轟音と強い光に襲われ、体が浮いた気がした。
ラルが次に目を覚ましたとき、最初に満月が目に入った。上半身を起こすと自分がとても高い位置にいることがわかった。
「屋根の上だ…」
ラルは屋敷の屋根の上にいた。しばらく呆けていると下から複数の人の声がした。小さな声でラルの耳にはほとんど聞こえていなかったが、とにかく下にいる人に気付いて貰おうと声を上げた。
「おーい!上だー助けてくれー!」
数秒後、黒い人影が勢いよく下から現れた。その人影は空高く飛び、月を一度隠してからこちらへ飛んできた。ラルの目の前に着地したその人影はラルに手を差し伸べてきた。
ラルがその手を取ろうとしたとき、ラルの手が止まった。
「へっ…?」
その人影には獣の耳と、長い尻尾が生えていた。ラルの体が震える
「ん~、大丈夫か…?」
人影から子どもの声が聞こえた。
「え…」
「ホラ手を取れよ、はーやく」
人影の手がラルの手を取った。ラルの手に小さく柔らかい人肌の感触が伝わる。と同時に手元が優しく光り、先ほどとはまた違った浮遊感を感じた。
2人は空を飛んでいた。手元の光は2人の全身を包み、子どもの声の主を鮮明に見せた
「ボクは屋敷の今の主、カラン・コエ・アイビー、カランって呼んでね」
「あ、うわ…」
慣れない空中浮遊にラルが足をばたつかせていると、捻った部分が痛んだ。ラルが痛みに顔を歪ませるとカランが気遣った。
「おっと、足を痛めてるのな、ちょっと上げてみ」
ラルが警戒しながらも言われたとおりにすると、カランは空いてる方の手を患部にかざした。すると足の痛みは消えた。
「お前は一体…何なんだ」
いかがでしたでしょうか、優渥のメディカ第1話前編
主人公の登場に大分時間がかかってしまいましたが、中編からたくさん可愛いカランが出てきますのでお楽しみに
普段はお絵かきしてます
ラルのお父さんですが、名前ちゃんとつけます。許してください
ラルの名前もただの愛称でホントはもっとカッコイイ名前持ってます
とりあえず楽しく書けました。もうこれ終わりでいいんじゃね?(よくない)
続きも書いていきたいと思います。イラストも描いていきます
今後ともよろしくお願い致します
感想等頂ければ全力で喜びます