THE LEGEND OF LYRICAL 喪失の翼と明の軌跡   作:蒼空の魔導書

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これで本編十話目……にもかかわらず序章前編すら終えられなかったか……。

まあでも今話で序章前編の戦闘は終わりです。 果たして戦いの行方は如何に!




明の軌跡

最大級の戦意を胸に互いに牙を持って踏み出した二人は管理局のエース達の意識を置き去りにして高次元の戦いへと翔け抜ける。

 

「え──ッッ!?」

 

「あ……れ……?」

 

「なん……やと……!!?」

 

神器形成(セカンドブレイク)》で()()宿()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()氷眼の少年と最高潮の闘争意欲を前面に表したファングが地を蹴った瞬間に彼等を見失った事に六課の隊長三人はその美しく可憐な面を硬直させて言葉を失ってしまう。 彼女達の視界が映している光景は凄絶という言葉ではとての足りない程に圧巻で神妙不可思議な景色であった。

 

氷眼の少年とファングが音速を凌駕する初速で疾駆した瞬間にその音破衝の影響で嵐のように巻き上がった焼け野原の砂煙が戦場を覆い、それが何が原因で発生したか不明な非常に奇天烈で凄まじい轟音と衝撃が戦場中を縦横無尽に乱爆して蹴散らされていくという魔法戦の常識を崩壊させる規格外な戦闘風景を前に彼女達は開いた口が塞がらないでいる。

 

──ユーノ君と出会って魔法のチカラを手にしたあの日から十年間、わたしは多くの戦いに身を投じた事で数えきれない程の戦闘を見て感じてそれなりに経験を得てきたけれど──

 

こんなケタ外れな戦闘は今までに見た事も経験した事も無い……戦う両者があまりにも疾過ぎて苛烈過ぎて目で追うどころか彼女が十年間磨き続けてきた空間意識を張り巡らせても彼等を捉える事ができない。

 

時空管理局が誇る不屈のエース・オブ・エース、高町なのはは誰もが認める天才魔導師で戦闘の慧眼にも非常に優れている。 空の戦いに赴くにおいて最も重要な空間認識能力に至っては()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()他の追随を許さないだろう。 ……だがそんな彼女の洞察力をもってしても認識不能な戦闘を繰り広げる氷眼の少年とファングの戦闘次元は管理世界においてあまりにも常軌を逸し過ぎていた。

 

第五秘剣──《篝火花(かがりびばな)》ッ!!

 

そんな超高次元の戦場の中で遂に拮抗していた二人に大きな動きが起きた。 ファングが放った鎌鼬現象を纏わせる程に鋭く殺人的な回し蹴りを身を限界まで屈めて回避した事で生じた隙の刹那を氷眼は見逃す愚行を犯さない。 突き上げるように繰り出された虚空の氷刃は無数の点撃と成り隙を見せた相手の身体に豪雨の如く殺到し、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。 額、両目、眉間、顎、首、上腕骨関節、手首、上腕三頭筋、心臓、鳩尾、金的、大腿、脛、アキレス腱、etc、etc──寸分の狂いも無く的確に狙い放たれたそれは()()()()()()()()()()()()である。

 

「グググッ!? グォォォオオオオオッ!!」

 

そんな殺伐とした不可視の突きの豪雨をファングは尋常ではない反射速度で空回ったアンバランスな体勢を無理矢理捻り、回りざまに防御に回した裏拳を皮切りに戦場の野獣の勘に任せたジャバウォックを嵌める拳の応酬で全ての点撃を一撃も打ち洩らさずに打ち払い、弾ける衝撃によって無数の火花が二人の間に咲き乱れた。

 

反動で両者は身を剥がされて宙へと舞う──それにより生じた僅かな合間にファングは《篝火花》を打ち払った直後に両拳に違和感を感じた故に眼で直接その状態を確認してみると、嵌めているジャバウォックごと両方の拳が凍傷により固められていた為に眼を見開き屈辱に舌を打つ。

 

──クソが! あのガキの聖遺物、やっぱりちゃんと刀身あるじゃねぇかよ!!

 

眉間を寄せて苛立ちを露わにするファング。 氷眼の少年の右手に“融合”して形成された《虚空なる黎明の刃器(フィンブル・ギア・インビジブル)》は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だと。

 

──くらった感じだと()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ってところだな、氷点下百度でも凍り付く事は無ぇ俺のジャバウォックが凍らされてやがるのがその証拠だ。 おまけに見えねぇから初見だと得物の長さと形状を判別するのに手を煩わさせられて心理的に警戒するようになるから、迂闊に攻められなくなるってわけかよ。 ハッ、くだらねぇ!

 

氷眼の少年の聖遺物の特性を自己的に分析したファングは刹那の間に打ち合った感覚に基づいて導き出したその内容を取るに足らないと内心で一蹴すると全身を翻して空中で反転、飛行魔法を発動し怒号と共に宙を翔け回り出す。

 

「ざけてんじゃねぇぞクソガキがぁっ! この俺がそんなくだらねぇ玩具なんかにビビると思ってんのかァァーーーッ!!」

 

不規則な軌道で飛翔しながら再び《カズィクル・ベイ》を展開して撃ち放った。

 

「……」

 

その先で宙に形成した氷の足場を乗り継いで空中を跳躍移動する氷眼の少年は意外な事に再び自分の命を喰らい尽そうと飛来して来ようとする無数の血染めの杭を前にして立ち止まった。

 

──ッ!? あの小僧、どういうつもりだ? まさか諦めておとなしく串刺しなるってんじゃねぇだろうな?

 

気が抜けるようにだらしなく刃器を引き下げて全てを喰らい尽す杭群を前に立ち往生する敵を目の当たりにしてファングは不可解に思う。 【搾取】の魔法効果を持つカズィクル・ベイの前には防御・耐久など無意味だからだ。

 

「……フッ!

 

「っ!!」

 

しかし直後に表した少年の微笑と、それと共に彼の右手の刃器が淡い蒼光を帯び始めたのを目にした事で察してしまう。 奴は戦いを諦めたのではない、向かって来るカズィクル・ベイを聖遺物のチカラをもって全て蹴散らす腹積もりなのだと。

 

「大空を走れ──《極北の空道(オーロラ・ストラッシュ)》ッ!!!」

 

技名と静かなる闘気を発し、前方に払い上げるようにして刃器が振るわれた瞬間に()()()()()()()()()。まるでなのはとはやての出身世界の最北端の空に発生する極光のカーテン現象の如き色彩に輝く氷結が激流のように直進して血染めの杭群を余さず飲み込み、蒼穹に輝きの氷空道が一直線上に敷かれて行き、この光景に一瞬の度肝を抜かれていたファングにそのまま押し迫って行く。 そこで今まで二人の戦闘速度を捉えられないでいたなのはがようやく戦闘状況を呑み込む事ができた。

 

「っ!!? フェイトちゃん、はやてちゃん、()()()()!!」

 

「なっ!? いつの間にあんなところで!」

 

「それよりもなんやねんアレは!? あの男の子が右手のデバイスを振るうて放った氷がまるで砲撃魔法のように!」

 

空を見上げて飛び込んで来た光景に驚愕を隠せない六課の隊長達……認識できなかったが故に気付かなかったのだ、戦況は既に陸戦から空戦に移行していた事にも、眼前に並ぶシルバーガスト小隊員全員とその先に立つヴォルカーンとカッツェの視線は戦闘中の二人をしっかりと追っていた事にも。

 

「チィッ、クソがっ!!」

 

ファングが舌打ちと悪態を吐きながら凄まじく押し寄せて来る氷結の激流を回避する。 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()この行動を選択したのだ。

 

「《神器形成(セカンドブレイク)》以上の聖遺物に対して()()()()()()()()だ。 たとえSSSランクの攻撃魔法を撃ち込もうが()()()()()()はどうにもならん」

 

「ぐうっ!?」

 

悠々とビーフジャーキーを齧りながらヴォルカーンが何でもないかのようにぼやくとファングが()()()()()()()()()()()()()()()に表情を顰めさせていた。 氷眼の少年が放った《極北の空道》を回避した直後に()()()()()()()()()がファングの左膝を斬り付けたのだ。

 

──な、()()()()()()()? 突然俺の左脚を刃物みてぇな何かが──ッ!!?

 

「──ぐあぁぁっ!!?」

 

今度は背中に痛烈な斬撃痕が刻まれた。 大きく縦に開いた裂傷は確かに()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()という事実が如実に表されている証だ。 しかし──

 

ぢィィッ! またかっ!?」

 

彼に斬痕という害を齎している原因の正体が解らない……否、()()()()()()と言った方が正しいか……ファングは訳も判らず次々と身体中に刻まれていく斬痕とその痛みに違和感を感じた。

 

──妙だ、()()()()()()()()()()()()()()()()()。それに斬られた痛みというのは部分的に集中して焼かれるような感覚の筈だ、なのに()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()がするぜ……。

 

そう、これではまるで()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「間違い無ぇ、これは()()だ……やってくれたなガキィッ!!

 

自分の身体を斬り刻んでいる犯人を察したファングは憤りに満ちた朱い眼光でその犯人を射貫いた。 その視界に納めたのはまるで()()()()()()()()()()()()で氷の刃器を振り上げている氷眼の少年の姿だった。

 

「チィッ、そういう事かっ!!」

 

刃器が振り下ろされるのを視認するとファングはこれまでに培ってきた戦場の勘が働いたのか咄嗟にその場から退避する。 そこで氷眼の少年が刃器にスナップを利かせると経った今ファングの側を通過しようとしていた()()()()()が急に方向を変えてファングの頬に掠らせて行った。 それで付いた切り傷からも流血は見られない。

 

──()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ってか!?

 

唐突だがヴォルケンリッターの将、八神シグナムの愛剣レヴァンティンには《シュランゲフォルム》という形態がある。 剣の刀身を複数の刃節に分け、それら全てを撓るワイヤーで通す事で実現する蛇のような伸縮湾曲を変幻自在に操り相手を翻弄し斬り刻む“蛇腹剣”……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()とするならば、それ程までに厄介な武装はなかなか存在しないだろう。

 

まったく《虚空なる黎明の刃器》とはよく名付けたものだ。 ただ刀身が視認不可というだけならば攻撃を受ける事で全長と形状を、融合している右腕の動作を観察する事で攻撃角度と性質を理解する事は歴戦の達人ならば不可能ではないだろうが、その上でその不可視の刀身の形状が持主の意志次第で変化するなど対峙する相手にとって艱難辛苦極まりなく、例えどんな戦闘のプロフェッショナルであろうとも苦戦は免れないであろう……まあ、その圧倒的優位性を有する分その性質故に使い手に相当な技量が要求される武装ではあるが──

 

「ぐっ! ……このガキィ、ネチネチとしゃらくせんだよォォォオオオオオーーッ!!

 

氷眼の少年は不可視の連結刃をまるで見えているかのように巧みに振るい距離が離れているファングを見事に翻弄してじわじわと消耗させている。 彼は恐らくこの《虚空なる黎明の刃器(フィンブル・ギア・インビジブル)》を使い熟せるようになる為に相当な鍛練を積んだのだろう。

 

不規則な上に不可視という予測不能な攪乱攻撃に一方的な守勢を強いられざるを得ず、無様に翻弄されてダメージを蓄積していく戦況に苛立ちを募らせたファングは我慢できず、斬り刻まれ続ける自分の身体の配慮を度外視して氷眼の少年に捨て身の突撃を開始。 視認できないからどうした? 小ダメージなんざ幾らもらおうが構うものか!

 

「こんなセコイ小細工で、俺を()れると思ってんじゃねェェェエエエエエーーーーっ!!!」

 

「っ!!」

 

不可視の連結刃に無防備な全身を斬り刻まれて血潮を飛び散らせながらも減速せずにレールガンの如き雷速で正面突破、まさに神風特攻だ。 血濡れの魔弾となったファングが迎え撃つ体勢に構え直した氷眼の少年を貫いた瞬間に閃光が炸裂し、二人の戦いは再び六課の隊長達の意識を置き去りにして超高速戦闘へと移行した。

 

二条の光となって空を翔け抜け疾風怒濤の打ち合いの衝嵐で雲を引き裂く。

 

両手を組んだハンマー落としでファングが氷眼の少年を焼け野原に叩き落せば地を激震させて地割れが起こり大量の粉塵が戦場全体を覆う。

 

それを切り裂く血染めの杭が豪雨となって降り注ぎ、地に接触する前にその全てが残らず氷柱と化す。

 

流星となって焼け野原へと落下するファングと凍り付いた地割れから砲弾の如く飛び出した氷眼の少年が無数の氷塊が舞い上がる中で衝突し爆発するような衝撃波が空間ごと舞う氷塊を纏めて大空の塵へと還す。

 

縦横無尽に地を駆けまわる二つの暴風が戦場を蹂躙する。

 

ファングが地殻すらも砕き割る拳を神速で繰り出せば氷眼の少年は更に素早い身の熟しで伸びて来た腕に跳び乗りそのまま強烈な膝蹴りを御見舞いする。

 

氷眼の少年が巧なフェイントを用いて隙を突こうとするならばファングは長年培った戦場の勘をもってカウンターを浴びせる。

 

刹那の間に戦場に荒れ狂う轟音、爆風、暴風、閃光、地響き、地割れ、衝撃波、氷結、血染めの杭……まさに二人の戦いは本格的な天変地異を巻き起こしていた。

 

「信じられない……こんなの人間同士の戦いじゃ……」

 

「なんや、生でド◯ゴンボールでも観とる気分やないか……ホンマに漫画やあるまいし……」

 

その圧倒的に現実離れをした光景を前にして六課の隊長達は現実を疑った。 フェイトは怯えるように瞳孔を震えさせ、はやては故郷の世界のバトル漫画を連想して絶句している。 シルバーガスト小隊の五人に目を向けてみると入隊して日が浅いであろう朝百合の少女のみが引き気味に表情を引き攣らせているものの他は日常茶飯事の騒動を見るかのように平然としている。 敵のヴォルカーンとカッツェに至ってはまるで楽しくスポーツ観戦でもしているかのような態度だ。

 

「凄い、魔導師が行える最大戦闘レベルを明らかに超越している……」

 

そしてなのははこの認識困難な程の高次元戦闘をその碧い眼にしっかりと焼き付けていた……もし自分が彼等と戦うとしたらどうするかと思いを馳せながら。

 

──スピードは言わずもがな、技と魔法の威力だってわたし達Sランク魔導師を大幅に上回っている。 二人がどういう戦術で立ち回っているのかなんて(はや)すぎて解らないし、冷たい眼をしたあの男の子のチカラに至っては正体不明……ダメだ、現在(いま)のわたしの実力じゃ例えコンディションが万全だったとしてもこの戦いに割って入ればその瞬間にミンチになっちゃうっていうのが分かる……。

 

彼女は他人に護られるままでいる事を良しとしない突撃思考の正義感を持ってはいるが、教導官として一流の魔導師として自身の実力を過信するあまりに戦闘難度を見誤り無謀にも其処に身を投じる愚行を犯すなどという愚か者では断じてない。 魔導師ランクなんて格付けが存在している弊害なのかもしれないが管理世界の魔導師達は信仰的な程身の丈に従順であり、自らが可能な役割を全うしてそれ以上は望まない者が大半だ。 これは向上心が無いという訳ではなく()()のだろう、どんな努力を積もうとも隔絶した才能の差は埋められないのだと……故に彼等の頂点たるエース達は何者が相手だろうと決して負けない無敵の守護者である事に矜持(プライド)を持っているのだ。

 

──なんだか悔しいな、ここまでチカラ不足を痛感するなんて何時以来だろう……でも幾ら悔しいからといって今すぐにどうにかできる訳じゃないっていうのは痛い程に分かっている。

 

だがその矜持を捻じ曲げ耐えなければならない時だってある──

 

「どんなに歯痒くても今は見守るしかないよ二人共。 だから信じよう、冷たくても優しい温かさを持ったあの男の子が勝つ事を」

 

“強い心”というのは困難に立ち向かえる気概だけを指すものではない、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()事もまた強い心を持つ者の条件なのだ。 故に高町なのはは氷眼の少年の勝利を信じる、たとえ彼との絆はまだ八年前の雪が降る世界での邂逅のみだけであろうとも。

 

「ウオラアアアアァァァーーーーッ!!」

 

「ふっ!」

 

そろそろ戦いも佳境だ。 最早神速すらも超え周囲の地面が爆砕する規模の暴風膜を覆わせるファングの亜光速の突きを氷眼の少年は上体を地に頭が着きそうになる程後ろに反らして紙一重に躱し、そのまま相手の拳圧と体重移動を利用して地を滑り身を屈めた体勢でS字の軌跡を大きく描いて素早く変則的に後退。 更にはその勢いを殺さずに跳び上がり、爆砕されて宙に飛び散った地面の土塊を足場に加速してファングの懐に飛び込んだ。

 

「斬るッッ!!」

 

そしてとどめを刺すべく一瞬の迷いもなくファングの首目掛けて氷の刃器を振り抜いた。 約0.5秒の神速機動カウンターだ。 敵は今拳を突き出した体勢のまま一瞬の硬直を露わにしている。 振るう刀身は不可視のエグゼキューショナーズソード(切っ先が丸い斬首用の剣)、それが弧を描いて敵の首元に吸い込まれていく。

 

──終わりだ、ラグナガンドの尖兵!

 

その体勢では躱せないだろうと勝利を確信したその刹那──

 

「……キヒッ!」

 

狂気の牙が煌いた。

 

「だからその低度で──」

 

同時にファングは踏み出していた片脚にチカラを籠めて奥へと跳躍し出し、上体と首を迫る不可視の刃から無理矢理逸らすように捻ってコンマの差で回避し──

 

「──俺を殺れると思ってんじゃねぇぞガキがァァーーーーッ!!」

 

「グウ──ッ!!?」

 

その回転で飛び退き様の水面蹴りを放ち、逆にカウンターを御見舞いされた。 左腕でガードしたもののその威力は無理な体勢ながらも鋼鉄をも砕く程のもので、氷眼の少年はガードごと吹っ飛ばされてしまう。

 

「くっ!」

 

それでも地から足を離さないように踏ん張りを効かせていたので地滑りするように数メートル後方での停止に止まる。 ガードに使った左腕は酷く痙攣しているがインパクトの瞬間に打点をずらし威力を外に逃したので使い物にならなくなった訳ではない……だがこの攻防で生じてしまった距離は敵に大技を放つ隙を与えてしまったのだった。

 

「かは、あははははっ! ここまで有意義な戦いができたのは久しぶりで楽しかったぜぇ! これはその礼だ、ありがたく受け取って死ねや、ヴァロン・シュトライクゥゥウウウウウウーーーーーーーッ!!!

 

空中に跳んだまま投げ放たれたのははやての家族である盾の守護獣を瀕死の重傷に追い遣った赤黒い暴力の塊であった。 高速ジャイロ回転する巨大な魔力の球形が荒れ狂う砂嵐を周囲に巻き取り、雷光纏いて氷眼の少年へと一直線に落ちて来る。

 

「なあぁっ!? アレはザフィーラをこないな酷い姿にしおった魔法ッッ!!」

 

「あいつ、いつの間にあんなところに!!?」

 

まるで大気圏外まで身丈を貫く巨人が振り下ろした鉄拳のようだ。 あるいは全てを滅ぼし破壊し尽くす暴星……そんな規格外の魔力を経った今感じ取ったフェイト達もその存在をようやく認知する事ができた。

 

「どんだけだよアイツ、魔力にモノを言わせた暴力じゃないか」

 

「ああ、脳筋過ぎてなんの面白味もねーしな。 シンプル・イズ・ベストなんて言うけどよ、“基礎に忠実”なのと“単調バカ”とじゃまるっきり違ぇだろ? ……まあ結局のところ、どっちも自分(テメー)で工夫してねーわけだし、オレにとっちゃあどっちもどっちだけどな」

 

「いやどうでもいいですよ。 それよりもコレ今すぐあたし達も加勢した方がよくないですか? 視た感じあの魔法SSランクオーバーの魔力は余裕で籠められていますよ。 地面に直撃したらたぶんこの辺り一帯の地区は吹っ飛んじゃうでしょうし──」

 

「うん、気持ちは分かるよ。 すごく斬り甲斐がありそうな魔法だしね」

 

「──そうそう、こう落ちる前にドカッ! と殴ってドッカーン! と破壊したら超ッエキサイティング!! ──って違うわよ! そうじゃなくて!!」

 

最低でも機動六課の戦力中最硬の防御力を誇るザフィーラを一撃で沈める程の威力がある事が実証されているファングの《ヴァロン・シュトライク》が空中から地上に放たれて来る光景を、恐慌と忌々しい感情が入り混じった眼で見上げるフェイト達の前ではこんな時でも動じる気配を見せていない氷眼の仲間達がどこかズレている会話をしていて緊張感を感じさせず──

 

「アハハッ、ファングの奴久々に歯応えのある相手と戦り合えて最高にハイになっているねぇ! 《カズィクル・ベイ》を破った上に全力全開の《ヴァロン・シュトライク》まで撃たせるなんて、あの女の子みたいにキレイな顔をしたお兄ちゃん相当だよ! アハッ、いいなぁ、ボクも()り合いたいなぁ」

 

「フッ、確かに氷眼の実力は報告書で見た以上に上等だった。 だが幾ら総帥閣下と同種の聖遺物持ちが相手とはいえ()()()()()()()()()()()とは、破壊の柴竜の爪牙としてイスカンブルグもまだまだ未熟極まりないな。 《セフィロトシステム》によって引き上げられた“位階”を真に理解してさえいれば奴も巧く立ち回れるものを、()()()()()()()()()()()()()()ではないか。 あの莫迦者が……」

 

離れた対面に立つカッツェとヴォルカーンは目の前でファングと互角以上に亙り合っている氷眼の少年を称賛しつつもそれに対してそれぞれ別の考え事を呟いている。

 

そしてなのはは──

 

──な、なんて凄まじい魔法なの!? 感じ取れる魔力量から少なく見積もってもわたしの全力全開を遥かに上回っている! 例え今構想段階の()()()()()()()()()()を最大まで使用したとしても今ファングって人が撃ち放ったあの魔法には到底及ばないだろうし、あんなのが地上に直撃したら──

 

「──心配する必要はいらないさ」

 

「ふぇ?」

 

グッと拳を握り締めながら落ちて来ている暴星を睨みつける彼女の心中を察したらしく、緊張感の無い仲間達の会話から一人外れていた白雷の騎士がその心中を慮るように唐突と囁いてきたが為になのはは思わずと呆気に取られた声を出してしまう。 その可愛らしくも(おど)けた声を聴いて白雷の騎士は愉快そうにクスリと微笑してから言った。

 

彼はその視界に納める万象を氷結地獄(ニブルヘイム)へと堕とし裁く執行人《氷眼(アレストグレイシア)》。 彼ならば必ずあの暴星の落下を阻止すると確信できます。 ですからどうか安心してください」

 

女性としてこの世に生を受けた誰もが見惚れるような貴公子の微笑みを浮かべ、揺るがぬ信頼の眼差しは矢面に立って勇ましく刃器を振り下げる氷眼の小隊長へと向けられている。

 

「なるほど大した魔法だ、お前は魔導師として相当な天賦の才に恵まれているんだな。 魔法の才に嫌われてこの世に生を受けた俺では恐らくは一生を費やしたとしてもその域には届かないだろう……」

 

天の主より授かりし魔力というチカラ、魔導師の世界は世に生まれた時に持ち得たその量によって征く道が決まると言っても過言ではない。 より多くの魔力を有して生まれた者は未来の空へと羽ばたく翼を持ち輝ける星となる、逆に乏しい魔力しか持ち得なかった者は空に飛び行く鳥達を雨でぬかるむ泥土の上で見上げ届かぬ手を伸ばして惨めに泣く事しかできぬ憐れな家畜でしかない。 無論この運命が絶対というわけではないが、少なくともこれまでの管理世界の歴史において“魔力が乏しき者が武をもって英雄になった”などという事例が載っている記述など()()()()()()一切確認していない。

 

「持って生まれた魔力がほぼ無いに等しいにも拘らず俺は物心ついた時から時空管理局という組織の裏で戦い続けてきた。 魔導師が存在の頂点に立つこの世界で戦い抜く為には魔法の才が必要にも限らず、俺は優れた魔法の才なんて持っていなくてな」

 

氷眼は最低の家畜であった……正しくは()()()()()()()()()()()()のだが……。

 

「当然最初の頃は人の足を引き周りから侮蔑と嫌悪の眼で見られ、相応の苛みや粛清も受けた。 戦場では己のチカラ不足故に死に掛けるなんて日常茶飯事で、いつ何時果てたとしても別段に変ではなかったな」

 

魔力という翼を持たずにぬかるむ泥土の上を這いずり回る中で苦しみに喘ぎ続けて今まで生きてきた。 何で自分がこんな目にと思った事は一度や二度ではない。 それ程にはこの少年は長い事理不尽で劣悪な環境に身を置き続けてきた闇の過去がある。 だが──

 

「それでも俺は曽て“手に入れた大切な存在を護りたい”と願い、戦い続けた。 己の才の無さに嘆いている暇などない。 至らない分はあらゆる武術を磨きそれに合った体技を身に付ける事で補い、実戦と失敗を通して戦術を学び、理不尽という壁を越えるチカラを形振り構わず我武者羅に身に付けた」

 

それでも彼は必死に生き抜き今、此処に居る。

 

間近に迫った暴星を静かなる決意と闘志を秘めたアイスブルーの瞳に映し、膨大な“神気”と“闘気”……そして“身に僅かに宿る極少の魔力”が刃器の上に収束していき虚空に光りの刀身を形造っていく。

 

「だがそれで事足りる程魔導師の世界は甘くない。 ()()()()()()、この身に宿る極小の魔力(チカラ)をどう使えば空に届く? 俺は考えに考え抜いて──()()に至った

 

虚空なる黎明の刃器(フィンブル・ギア・インビジブル)》の()()()()()()()()()()()()()()()は夜明けの日の出を連想させる白き輝きを放つ光のツヴァイハンダーであった。 主の身の丈を凌ぐ長刃、その圧倒的存在感を目の当たりにして彼を深くは知らない破壊の柴竜の爪牙三人と六課の隊長三人は驚愕のあまりに目を見開いた。

 

「なっ!?」

 

「ほう」

 

「おおーっ!」

 

「綺麗……それに()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「魔力刃? でも()()()()()は……?」

 

「なんや、けったいな剣やなぁ。 ついつい見とれてしまうやないか……」

 

途方もない修羅の道を駆け抜けてきた美しき雪夜叉の全身全霊の輝きを放つ霊剣に全ての視線が釘付けにされている。 生存本能(リミッター)を外し形振り構わず限界まで絞り出した少年自身が持つ闘気・膂力・魔力──全てのチカラを刃の形に集約する故に日に一度しか放てぬ正真正銘全力全開の必殺剣……その銘も──

 

第七秘剣──《香雪蘭(こうせつらん)

 

寒く厳しい冬を乗り越え、暖かな春の訪れに咲く鮮やかな香雪蘭(フリージア)の名を冠する輝きの霊剣……右手の氷刃器に顕現せしそれを後方に引き絞り、氷の柄に左手を添えると目前に迫った暴星をアイスブルーの瞳に捉えて地を蹴った。

 

地上に近づくに連れて発せられて来る風圧だけでも地上の表面を抉り取る圧倒的暴力の塊を相手に堂々と正面から挑み掛かりに行くのは無謀極まりない愚行と言える……だがそれは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だ。

 

「ハアアァーーーーッ!!」

 

光り輝く太陽を背景に暴星と夜明けの光を纏う剣を振るう雪夜叉が激突する……結果は拮抗すらする事は無かった。 白き黎明の軌跡が渦巻く砂嵐を切り裂き、禍々しく膨大な赤黒い魔力の塊を一刀両断──

 

「チィィッ!? このガキがああァァァーーーッ!!!」

 

そして先で滞空するファングを夜明けの輝きの下に斬り抜き、全てを喰い荒らす野獣の恫喝を断末魔の叫びに変えたのだった。

 

「ぁ……」

 

広大な蒼穹に大きく描かれた夜明けの軌跡を見上げ、その絢爛さに圧倒されたなのはは思わずそう声を漏らしていた。

 

(あけぼの)や・暁闇(ぎょうあん)(そら)(ひかり)()

 

白き黎明の軌跡の先で氷眼の少年が五七五の仕舞い文句を言い終えると同時に二つに分かたれた暴星が芸術的と言える滑らかな切断面を晒して氷結し、眼を閉ざしたファングと共に黎明の光粉が降り注ぐ静謐の中を落下して行く……そして地上に追突し、爆発するような轟音を響かせて盛大に粉塵が舞い上がった。

 

数秒沈黙が流れるとファングと二つに切り分けられた氷塊が落下した地点を覆う砂煙が消失し、焼け野原に埋まる氷塊の側で小規模のクレーターの中心に横倒れになっているファングの姿が一同の目に曝された。 その狂気の朱い眼はしっかりと閉ざされており、起き上がる気配を感じない……勝った──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()……()()()

 

「これ……()()()()()()()

 

だがフェイトとはやて、()()()()()はこの場面で言ってはならない禁句(フラグ)だ。

 

「う”、うぅ……痛ぇ……」

 

「「「っ!!!?」」」

 

これは何の冗談だ? 致命的な一撃を受けておきながらもファングは呻き声を鳴らしてのそりと起き上がったのだ。 六課の隊長達の眼がそんな絶望的光景を目の当たりにして千切れてしまいそうな程に見開かれる。 この悪夢はまだ続くというのか?

 

()()()()()()()か。 意外にしぶとい」

 

「ああ、あの局面でお前が仕留め損ねるなんてな……」

 

「さすがはあの次元王軍ラグナガンドの尖兵といったところでしょうか。 分隊長たった一人でも一筋縄ではいかないようですね」

 

一方でシルバーガスト小隊が並び立つ中央に空から降り立った氷眼の少年もまた自身の必殺剣で倒しきれなかったファングに対して冷静な驚きを漏らしており、両隣に立っている裂槍の少女と白雷の騎士がそれに同感している。 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()もさすがにこれは予想外だったようだ。

 

「痛ぇ、痛ぇな……くくく──

 

極限の緊張が高まる中、獲物を狩りに行く直前の肉食獣のように怖ろしく冷静な雰囲気を纏ってその場に立ち上がったファングが褐色の肌を曝した自身の胸元に刻まれた横一閃の断裂痕から流れ出ている赤い液体を手で拭い取り、その意味を実感して不気味に笑い出した。 ああ、俺は今斬られて死に掛けたのか。 この鉄が焼けるような激痛を感じるのは何時の戦場以来か──その感覚がファング・イスカンブルグという餓えた野獣を歓喜に震わせる。

 

「──かは、あはははははは、ははははははははーーーーっ! 最ッ高だ、最高だぞ氷眼の小僧っ!! ここまで俺を追い詰めたのは()()()()()()()()()()()ヒャーハハハハッ! マジ地獄(ヴァルハラ)が見えちまったぜ! アッハハハハハーーーッ!!」

 

「「「ひっ!?」」」

 

片掌で顔面を覆って天を見上げ、ファングは哄笑を高々と焼け野原に響き渡らせて狂喜に陶酔する。 死にかけたというのにいったい何がそんなに嬉しい? 非凡な身でも常人の価値観を持つなのは達はその哄笑が理解できないあまりに畏れに苛まれて身を震えさせる。 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。 無理もない、奴の仲間であるヴォルカーンとカッツェもその感性に呆れてしまっているくらいなのだから。

 

「うわぁ、()()()()()()()()()()()ファング。 ひょっとしてこれ……ミッド滅びたんじゃない?」

 

「かもしれん。 おそらくこの調子だとイスカンブルグは我々()()()()()()()()()()()()()()()()を使うだろう。 確かにアレならば《神器形成(セカンドブレイク)》程度の“格”差など逆転できるだろうが……」

 

敵達が何やら意味深な会話をしている中で気が済むまで笑い続けたファングは哄笑を止めるとギロリと氷眼の少年等に横目を向き、これまでに無い程に禍々しくドス黒い狂気と魔力を放出しだした……そして──

 

「≪恋人よ、血肉を捧げろ。 死骸を曝せ≫」

 

その魔法の言葉を口にした途端……唐突として昼の空に()()()()が降り出した──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──《魔人蛇縛(まじんじゃばく)》──急急如律令(きゅうきゅうにょりつりょう)っ!」

 

刹那、唐突なる不可解な事象は連続して起こる……天から響くような男性の声が聴こえて来ると同時にファングの足下に“太極図のような陣”が出現。 その外枠から這い出るように飛び出した禍々しい闇を纏いし複数の蛇が彼の四肢胴体に絡み付き、管理局が知り得ていない謎のチカラ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()を封じ込め、動きを止めた。 昼の空に降りかけていた()()()()もまたそれに伴って急速に退いて消える。

 

「……えっ!?」

 

「なっ!!?」

 

「つ、次から次へといったい何なんや!?」

 

「……」

 

「おいおい! アイツいったい今()()()()()()()()()? 一瞬気味の悪い夜になりかけて……」

 

「そ、それもそうですけど、それよりもいきなり発動してあの男を拘束したあの蛇の術式はいったい何なのよ!?」

 

「なんか胡散臭そうな野郎の声がした途端に白髪野郎に蛇が絡み付いて野郎の動きが封じられたな。 野郎が直前に()()()()()()()()()みたいだったが、それも蛇に絡み付かれた瞬間にまるで()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()し、何がなんだか訳わかんねぇなオイ」

 

「うん、なんだかくねくねしてて気持ち悪いね、あのヘビさん」

 

「いや蛇は通常でもくねくねしていると思うのですが……あの“太極の陣”……もしや──『ああっ、やっとセットアップできましたぁ! まったくいきなりシャットダウンするだなんて酷いじゃないですかモルド! マイスターの起動無しにAIが自力でセットアップするのがどれ程大変か解りますか? 見てください、しなくていい無理をした所為で私のピチピチボディがこんなに──って、うわっ!? 何なんですかあの気味の悪い蛇は!!』──ベアトリスゥゥーーーーッ!!!」

 

不可解にして未知の事象の連続を前にこの場に居る管理局勢は理解が追い付かず、大いに動揺してしまいざわめきだす。

 

「ぐおぉっ、クソが! いいところを、邪魔してんじゃねぇよっ!!」

 

「アハハハハッ、ファングの奴、蛇なんかに切り札の発動を止められてあんなにイライラと。 ぷぷっ! ダサー☆」

 

「今の声、それにこの《太極術(たいきょくじゅつ)》は……まさか!」

 

突然発動された術に身を拘束されたファングは元より、カッツェとヴォルカーンもまたそれぞれその異常を前にリアクションを見せていた。

 

「──ふむ、上手く鎮静化できたようだな。 部下の監視と状況判断はしっかりするべきだ、幾ら主に命じられておらぬからといって、あまり管理局の前で()()()を見せるべきではないぞ──グラナート少佐」

 

「「「「「「「っ!!?」」」」」」」

 

再び同じ男性の声が聴こえてきたかと思うと近場にファングの動きを封じたのと同じ“太極の陣”が出現し、そこへ何者かが数人転移されて来た。

 

「こんなところに《特務小隊(ゾンデルアインハイト)》のお出ましとはな……」

 

そこに姿を現したのはまるで陰陽師の様な束帯衣装姿で静謐ながら奇妙な雰囲気を纏っている男性を筆頭にした異様な四人組であった。

 

ヴォルカーンが《特務小隊(ゾンデルアインハイト)》と称する彼等はいったい? ……ただ一つ解るのは、リリカルな戦乙女達に最悪の悪夢を見せた破壊の柴竜の爪牙達との初戦は()()()()()()()()()()()()()()という事。

 

果たしてその幕はどう下ろされるのだろうか? そして翼を折られてしまった戦乙女達の悪夢の先に待ち受けている運命とは?

 

 

 

 

 

 

 




はい、てなわけでして次元王軍ラグナガンド第二二六強襲中隊との初戦は別隊の介入による中断で幕が下りましtぐほぁっ!? い、石を投げないでください、イタイイタイ!!

文句が言いたいのは解りますけれど、これから先ヴォルカーン達第二二六強襲中隊はなのは達機動六課組の宿敵として何度も行く手に立ちはだかる役割があるからこの展開になったのは仕方がないんですよ~。 戦場に転移して来た《特務小隊(ゾンデルアインハイト)》が戦いを仲裁した理由だってちゃんとあるんですから……まあその理由は当然次話で明かしますよ。

そして『THE LEGEND OF LYRICAL 喪失の翼と明の軌跡』の一部タイトル回収ですね。 【明の軌跡】にはこの物語の象徴ワードである【黎明】を意味する言葉でもありますが、同時にオリ主である氷眼の少年が放つ必殺剣が描く剣閃を表してもいたんですよねー。

己の生存本能(リミッター)を意図的に外して形振り構わず絞り出した持てる全てのチカラを刀身の形に集約して放つ正真正銘全力全開の一刀! ……まあ元ネタは某落第騎士の一刀修羅ですけどね(笑)。 絞り出したチカラを全身強化に使うのではなく一本の刀身に集約するところがオリジナル……まあアレンジと言った方が正しいかな?

香雪蘭(こうせつらん)》という銘はフリージアの花の和名です。 聖遺物のチカラを使った技は別ですが氷眼の少年の剣技は全て冬から春に咲く花の和名を付けていたりします。

では今回はこの辺で。 いよいよ序章前編も最終局面! 突然戦いを仲裁してきたラグナガンドの特務小隊が悪夢の初戦にどう幕を引くのか?

次回もお楽しみに!!


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