THE LEGEND OF LYRICAL 喪失の翼と明の軌跡   作:蒼空の魔導書

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フローエヴァイナハテン(メリークリスマス)! お待たせしました!

機動六課、個性派問題児揃いのロストウィングのメンバー達と遂に邂逅!

果たして管理局のエリート魔導師であるなのは達は最低最凶最悪と称されている翼を喪失した烏達と協力して共に絶望の未来に立ち向かう(レギオン)を築く事ができるのか!?




出会って早々に一触即発? 飛び立つ翼をもがれた烏達

隊舎の中に足を踏み入れると其処には人格者な優等局員で部隊が構成されている機動六課一同にとって異様極まる風景が広がっていた。

 

「テンメ、この爆弾サイコパス女がッ! よくもオレが後で食べようと楽しみに取っておいたチョコレートパフェを入れておいた冷凍庫を爆破しやがって、絶対に許さねぇ! ヤッロ、ブッ殺してヤラァァァアアアアッ!!」

 

「アッハハハハ! そりゃあゴメンナサーイ♪ つい先日改良したばかりの時限式爆弾(タイマーボム)の威力の程を試したくなっちまってなぁ、テヘペロッ☆」

 

「おっ? いいアングルで乳揺れゲット! グヘヘヘ、D.Dの奴ま~たおっぱいのサイズが上がったな? どれどれ、ちょっとばかりその成長の程を味見して……」

 

「オイ、リゼルッ! お前さっき訓練場に運べ言うた機材、いったい全体何所に置いて来とんねん!? 何をどう聴き間違えたら水が入ったまんまの風呂の中に機械の類を放り込むって解釈になるんや? お蔭で三十万ミラも溜めて買った機材が台無しやんか! どうしてくれんねん、このドアホウッ!!」

 

「ひぃぃぃッ!? ごめんなさいごめんなさいガンマさん! ボクが一生をかけてでも弁償しますし、なんでもしますから許してくださいィィーーーッ!!」

 

「ちょっとちょっとロッキー、見てみそ~。 この前の休日でミッドに行った時にフンパツして買ったこのおニューのジャンパー、ナウなシティーボーイ風でチョベリグだと思わね?」

 

「どれどれ……プッ? ギャハハハハッ! なんガスかフォックス? それが今のミッドの流行りなんガス? プークスクス、超ダッセェからやめとけガス!!」

 

「ぴょんぴょんぴょんぴょん……ん~、騒がしいなぁ。 研究の合間を取って休憩に来たのに落ち着けない……ぴょんぴょん──」

 

「デクスター、落ち着きたいんだったら屋内ではそのポゴスティックから降りろ。 鬱陶しいし行儀が悪い」

 

「死ねやコラァァァアアアアアーーーーッ!!!」

 

「いいぞいいぞ!」

 

「やれやれーっ!」

 

「「「「「「「今日も最高ッ! ぎゃはははははーーーッ!!」」」」」」」

 

──何やねん、この爆心地みたいな空間はぁぁぁああーーーっ!!?

 

目の前のエントランスに広がった惨状を目の当たりにして唖然と口をあんぐりと開けてしまっている六課一同の心中を部隊長として代弁するかのようにはやてが内心で絶叫する。 それは当然の如く当たり前の反応だ。

 

迷彩柄の見せブラに同色のホットパンツというパンクな恰好をした少女が悪戯な笑みを向けてきながら愉快そうに逃げ回るのを、いかにもTHE・不良なリーゼントの青年が目に映すも痛々しい釘バットを怒髪天に振り回して石造りのボロい壁やエントランス内に置かれた家財道具などを破壊しながら追い駆け回している。

 

その背後でフェイトのそれにも匹敵するかもしれないパンクな少女の豊満なバストが運動の激しさに合わせて弾み揺れているのを、身に着けているワイシャツのボタンを全開にして口から涎を垂らしながらビデオキャメラに収めていた金髪の男性がいかがわしく表情をニヤけさせて両手をワキワキさせながら少女の背後に忍び寄ろうとしている。

 

エントランスの奥ではそんな騒ぎなど気にも留める余裕もなく、目付きの悪い黒髪の少年に拳銃型デバイスの銃口を過激に突き付けられながらガミガミと怒鳴られているメイド服を着た愛らしい小柄な美少女がテンパりながら草臥れた木製の机の上に広いおでこを勢いよくガンガンと打ち付けて謝罪の限りを尽くしている。

 

隊舎がボロい所為で大きく崩れた孔が空いている端の壁付近では我関せずと騒ぎを柳に流しつつ、時代遅れ風味なガングロ肌をした青年と目に見えて汚れたノースリーブシャツを着ているエリオと同年代くらいの幼い風貌の少年が常識人には解読不能な言語を使って談笑に花を咲かせている。

 

二階に上がる階段付近では明らかに身の丈のサイズが合っていないダボダボの白衣を纏った童顔の少年がポワポワとした無感情な表情をしながらひたすらにポゴスティックでホッピングしているのを隣に聳えるように立つ偉丈に筋肉質な大柄な体躯の青年(?)がさり気無く落ち着き払った口調で戒めている。

 

リーゼントの青年とパンクな少女の乱闘騒ぎを周囲のギャラリー達がまるでお祭り騒ぎのように煽り立てている。

 

……何だコレは? ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()が皆、特務遊撃支援部隊ロストウィングの部隊員達──次元世界の法と秩序を司り、そして守護する時空管理局の一員だとでも言うのか?

 

「マ、マクラウド部隊長、もしかしてこの人達が貴方の部下なんか? 彼等は隊舎のエントランスホールに陣取っていったい何を──」

 

「すぅ~、ふーー……」

 

「──って、あんさん!? 何呑気に目の前の乱闘騒ぎを見物しながら煙草なんか吸っとんねん! ここの部隊長なら止めんかい!!」

 

部隊内で喧騒が起きるなど普通組織的に部隊の汚点となってしまうのは言うまでもなく、部隊員達を統率する部隊長は部隊の体裁を整える責任を背負っているが故にこの様な身内の不届きは普通咎めて叱るべきなのだが、此処の部隊長たるデイビットはそんな責任なぞ知らぬような顔で喫煙しながら部下達のバカ騒ぎをじ~っと眺めて立ち呆けしていた為にエセ関西人やがみんのツッコミがまたしても炸裂してしまう。

 

「チョコレートパフェとボロ冷凍庫の仇ィッ!!」

 

「あーもうっ、男の癖に未練がましい! いい加減に鬱陶しいから、これでもくらえっ!!

 

その直後、パンクな少女が豊満に押し上げた見せブラから取り出して投げつけた手榴弾(パイナップル)が怒り狂うリーゼントの青年が振り回す釘バットによって打ち返され、それがあろう事かデイビットと六課一同の真横に流れて側の壁に直撃。

 

「「「んぎゃぁぁあああっ!!?」」」

 

それによって破裂した爆風が理不尽にもその付近に立っていたヴィータとシャマルとヴァイスの身体を床に転がした。

 

「ヴィータ!? シャマルッ! ヴァイスゥゥーーッ!!」

 

「──って、質量兵器!!?

 

あまりにも不条理な被害に巻き込まれた仲間達を目の当たりにしてフェイトがコミカルな悲鳴をあげている隣でなのはが仲間達に被害を齎した手榴弾に驚愕を露わにしている。 手榴弾が直撃した壁はその爆撃によって外の雪景色が覗ける大孔が見事に開通してしまい、ただでさえ空調設備が雑であるロストウィングの隊舎のエントランスホールに外の猛烈な寒気が入り込んで来て寒いったらありゃあしない。 これには流石のデイビットもムカッとして少し蟀谷に青筋を浮かばせる。

 

「お前らええ加減にうっさいわ!? こっちは今このドマヌケメイドがやってしもうた深刻な機材の損失をどう埋めるべきかを討議しとる大事な話の最中やねん! せやからちったあ静かにせえやあああぁぁっ!!」

 

「んなの知るかっ! 部外者は黙ってやがれヘッポコガンマン野郎!!」

 

「な・ん・や・と、この童貞ヤンキーがッ!!」

 

「テメッ!? オレが気にしているk──って違うっ! 誰が童貞だ? あ”あ”っ、ゴラァァアアアアッ!!」

 

「ハッ! 余所見してていいのかよビスマルク? その隙に爆殺しちまうぞ? 手癖の悪い後ろのセクハラ大王諸共な」

 

「んげぇっ? 何故バレt──んぎゃああーーー!?

 

「かっかっか! 其処には地雷埋めといたんだよヴァーカ! 残念だったなぁ、アタイのダイナマイトおっぱい揉めなくて♪」

 

「ってアホかーーーっ!? お前も隊舎内に地雷なんか仕掛けとるんやないわボケェッ!!」

 

「あわわわ! や、やめてください。 そろそろデイビットさんがお客さんを大勢連れて帰って来るっていう連絡もありましたし! それにこれ以上壊したりしたら折角みんなで一生懸命に働いて稼いできた部隊経費が大赤字に……そのぅ……あのぅ……」

 

「ウッソ~? シンジラレナ~イ! えんがちょ」

 

「ぎゃははは、バーカバーカでガス!」

 

「ぴょんぴょんぴょんぴょん」

 

「「「「「「「ワイワイ、ガヤガヤ!」」」」」」」

 

「オイ、お前らもいい加減に──」

 

周りの迷惑も気にならず増々ヒートアップしていく乱闘騒ぎにもはやエントランスホールは混沌(カオス)と化していた。 そんな風景を前になのは達はおどおどと戸惑い、どうするべきかと頭を片掌で押さえて困り果てているはやてを余所に皆の喧騒を咎めて止めさせようとしていた巨躯の青年の真面目を装った呼びかけを遮って──

 

「お前らモノ壊してんじゃねぇよタコォォオオオーーーーッ!!!」

 

怒号と轟音が鳴り響いて空間を激震させた。 部隊長が帰還した事にも気づかずに自重なんて言葉は次元の彼方へポイ捨てし、バカ騒ぎに興じて暴動行為を収めないロストウィングの部隊員共によって隊舎の内装が爆発物の使用などの破壊行為により様変わりしていく様に彼等の長であるデイビットの表情が怒れる鬼神のような形相に変貌してブチギレ、猛烈な殺意が籠められたようなドス黒い魔力光を纏わせた巨腕をエントランスホールの床に叩き付けたのだ。

 

「「「「「「「どぁぁぁああああああっ!!?」」」」」」」

 

「「「「「「「きゃあああぁぁーーーっ!!!」」」」」」」

 

()()()()()()()()()()()()デイビットの剛腕に身体強化魔法(バフ)が付加された破壊の剛拳が地盤ごと床を割り砕き、一瞬にして中央を横切って行った断裂と同時に其処からエントランスホールの足場はあっと言う間に丸ごと崩壊する。 無論、今この空間に居る全ての人間は唐突の人為的大災害に巻き込まれて阿鼻叫喚の地獄絵図を創っていた。 エントランスホールを占拠して騒いでいたロストウィングの部隊員達は中央から陥没するように崩壊した床に一部を除いて(白衣の少年だけが改造ポゴスティックの跳躍を使って被害の無い吹き抜けの二階通路に緊急避難をしたから)仰天の声を上げながら転げ落ちて行き、比較的に被害の少ない場であった隊舎出入り口前に集まって立っていたなのは達六課一同もいきなり起きた猛烈な激震に堪らず忽ち体勢を崩して悲鳴をあげてしまっている。

 

──そう言うアンタが一番ブッ壊しとるやんけええぇぇぇーーーーッ!!

 

言葉と行動の矛盾の度合いが天元突破しているロストウィング部隊長の傍若無人っぷりを前に、口に出すのを抑えてもはやては内心のツッコミを止められない。

 

「ウチの経費は自腹で賄ってんだから、部隊の物は大切にしろとあれ程言っただろーが? 壊した物の修理代や破損させた隊舎(アジト)の修繕費はタダじゃねぇんだ。 ちっとは丁重に扱いやがれ、この馬鹿共がっ!」

 

そんな彼女の内心のツッコミなど全く聞こえていないこの空前絶後の傍若無人ときたら、理不尽にも崩壊させた床に転げ落とした自分の部下達に向かって自分がやった行動を棚に上げた説教を無自覚に偉そうに吐き捨てている始末なのだから、なのは達は呆れ果てて「あははは……」と苦笑いをするしかない。 彼女達は改めてとんでもない人に着いて来てしまったなと後悔した。

 

「ぴょーん! ……おかえり部隊長(ボス)

 

数秒の静寂が過ぎ去った後、二階の通路に退避していた白衣の少年が改造ポゴスティックに乗ってデイビットの側に跳び降りて来て彼を出迎える言葉を紡いだ。 それを合図に崩壊した床に転げ落ちたロストウィングの部隊員達が其処らに散乱した瓦礫の下から何事も無かったかのような元気な姿で一斉に飛び出て来る。

 

「ボス!? なんや、帰っていたんかいな!」

 

「デイビットさん! ミッドでの用事、お疲れしやしたッ!!」

 

自分達の部隊長を次々と出迎えていくその顔触れは全員が活き活きとした良い笑顔であり、あれ程の理不尽な傍若無人でありながらもデイビットは随分と部下達に慕われているようだ。 あの人付き合いする人間を厳しく選んでいそうなクソ真面目な性格のクロノですらも信頼を寄せている人物なのだから、悪い人間ではない事ぐらい解ってはいたが。

 

「ボス! 地上の奴等がナメたマネしてこなかったか? もし居たら教えてくれ、今度この前アタイが改良したC-4爆弾でソイツを所属している部隊ごと爆殺して来るからさ♪」

 

「ボス、地上の女局員に巨乳美女はどんだけ居ました? 写真とか隠し撮りしてたりしない?」

 

「そんな事よりも美味い食い物の方が大事でガス! だからボス、今度の休みに激安で食えるレストランに連れて行って欲しいでガスよ!」

 

「おかえリンゴ!」

 

「すいません部隊長。 俺がもっとしっかりしてさえいれば貴方が戻って来る前にこの大馬鹿共の騒動を鎮圧してやったのですが、結果はこのザマで……面目ありません!」

 

「あ、そういえば皆が使うサーチャーに追加する“遠隔サルベージ機能”のインストールがそろそろ完了する……てなわけで後はよろしく。 ぴょんっ!」

 

「ああっ!? デデ、デクスターさん何所へ!? ……あうぅ」

 

「ボス!」

 

「お勤めご苦労様でした、ボスッ!」

 

それにしてもこの慕われっぷりは呆気にとられるだろう。 まるでエサに群がる鳩のようにこの場のロストウィングの面々が続々と彼の周りに集合して意気揚々と出迎えて来る。

 

そんな見た目に寄らず上司想いなカワイイ部下達に温かい出迎えを受けた当のデイビットは──

 

「がははっ、そうかそうか! お前らそんなに俺の帰りが待ち遠しくて寂しかったのか! がはははは! ──でもうるせぇ、黙れ

 

と嬉しみの笑顔をフェイントに入れた直後に表情を一変させてヤ◯ザのようにドスの効いた一喝を叩きつけてきた為に全員即座に土下座の姿勢をとった。

 

「「「「「「「すいませんでしたっ!!」」」」」」」

 

「……」

 

そのあまりにも統率されたロストウィングの練度になのははドン引きだった。

 

騒ぎを収めるとデイビットはこの場に居る部下達を整列させ、彼等に今日からなのは達機動六課の主要メンバーに隊舎を間借りさせる事と、その対価として部隊の仕事を暫く彼女達にも手伝わせる旨をぶっきらぼうに伝えていく。

 

「──てな訳で、今日からこの嬢ちゃん達が俺達の仲間に加わる事になった。 本局や地上のエリートだからって特別扱いせずに()()()()()()()()()平等に接してやれ。 なんなら此処の先輩として死なねー程度にシゴいてやっても構わねぇから、お前ら仲良くやれよ」

 

「「「「「「「了解です、部隊長(イエス・ボス)!!」」」」」」」

 

紹介が終わると荒々しく破壊され尽くした殺風景のエントランスホールにロストウィング部隊員達の毅然とした返事が響き渡る。 此処に足を踏み入れて一番に目にした彼等の粗暴さ加減から組織として“規則正しい規律なんて知らない野蛮そうな人達”という第一印象を抱いていたなのは達だったが、デイビットの頼みに確かな信頼が籠った声を皆活気良く揃えて返してきた様子を見て若干驚きだった。

 

『ちょっと意外だったかな。 てっきりこんな急に私達みたいなのが押し掛けて来て、これから一緒に仕事と生活を共にするだなんて唐突に聞かされたりなんかしたら嫌な顔一つぐらいはされるかもと思ってたんだけど……』

 

『せやな。 自分で言うのも難やと思うけど、私らは曲りなりにも管理局のエリート()()()魔導師の集まりなんやし、こないな辺境のド田舎無人世界なんかにみずぼらしい拠点を置いて、超異常で最悪な環境の山の頂上なんかで劣悪なビンボー生活を送っとるような人達からは嫉妬や奇異の眼で見られるやろなと、最初はなかなか受け入れて貰えへんかもなと思うとったんやが、なんや、予想に反して歓迎ムードやないか? 要らん心配やったかなぁ』

 

()()()魔導師って、はやてちゃん……でも確かにそうかもね。 さっきみたいな騒ぎを普段からやっているみたいなのが心配だけど、そこは彼等と知り合っていく上で追々O★HA★NA★SHIするとして、この感じならみんなと仲良くやっていけそうな気がするからよかったよ』

 

ロストウィングの面々が意外にもスムーズに歓迎してくれそうな感じだったので六課の隊長三人が念話を使用してお互いの心境を確認し合う。 三人共、やはり管理局内でエリート扱いを受けている順風満帆な自分達と、此処の劣悪過ぎる環境に身を置いて部隊経費も出ないような厳しい貧困生活を送りつつひっそりと部隊活動を行っているロストウィングとでは、とても馬が合わないかもしれないと内心で不安を募らせていたようだ。

 

才能社会である魔導師の仕事上、実際に先天的に魔力量を多く生まれ持った者はより多くの実績を残しやすく、局内で早々に高い地位に就ける可能性が高いのが管理局の現状で、なのは達も局に勤めて十年のキャリアを持つベテランではあるが、魔導師として初心者の頃からエース級の魔力を持っていた彼女達は九歳という幼い頃にかの有名な“PT事件”や“闇の書事件”といった、当時の本局のエースを集める事ができたとしても解決困難な難事件を解決する立役者となる事ができて、士官学校のカリキュラムも経った三ヶ月でパスできる特例の短期育成プログラムが用意されるなど、新人だった当時から将来のエースとしての期待を周りから受けていて他よりも随分と優遇されていたのは否定できないだろう。 それ故に彼女達エリート局員は周りから羨望と憧れを集め慕われる事も多いが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、遵って部隊の存在すらも都市伝説とされている程に管理局の部隊として最底辺の部類に属するであろうロストウィングの面々にとって本局のトップエースが集う精鋭部隊である彼女達(機動六課)の事は受け入れ難いだろうと思われたが……。

 

『でもラグナガンドの部隊が六課を襲撃して来た時にわたし達を救ってくれたあの氷の様に冷たい眼をした男の子達の姿は此処には見当たらないね。 デイビットさんは彼等を自分の部下だって話してくれたけれど、隊舎の他の場所に居るのかな?』

 

『さあそれは分からねぇよ。 あとでこのオッサンかロストウィングの連中の誰かにでも訊いてみればいいんじゃねーの?』

 

「それじゃあ一旦解散だ。 メンドクセーが色々と今後の説明やるから、六課の嬢ちゃん達も含めて全員二時間後に作戦会議室(ブリーフィングルーム)集合な? 此処に居ない奴等にもそう伝えておけ。 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「ハイッ、分かりやしたァァーーーッ!」

 

なのはが念話でヴィータと相談しながら目当ての少年を探して爆心地のようなエントランスホールを見回している中でデイビットが此処にいる一同全員にこの後の予定を伝え、やけに声がデカいリーゼントの青年の返事を鬱陶しく思いながらも気怠るそうに奥の通路へと歩いて立ち去って行く。

 

……ロストウィングの部隊長の大きな背が通路を支配する闇へと消えて行ったところで荒廃した殺風景が広がったエントランスホールに一時の静寂が流れた。 足場が殆ど見当たらないくらいに無数の瓦礫が散乱しているのはデイビットが床を破壊した所為なのだが、周囲に設置してあった椅子やテーブルなどの物も瓦礫の上に横転していて、壁はこの場に隣接する部屋や外の猛烈な吹雪景色が見渡せる程に孔だらけで、この場はまるで大震災級の大地震に遭った直後のように悲惨な空間となっていた。

 

「いやいや~。 マクラウド特務遊撃支援部隊長ってとんでもあらへん人やなぁ~♪ 拳一つで此処を“世はまさに世紀末”って感じの殺風景にしてしもうとるし~、あはは~。 新暦7X年! 世界は核の炎に包まれたッ!! な~んちゃって☆」

 

「「「「「「「……」」」」」」」

 

「はやてちゃんはやてちゃん! そのギャグはものすっごくスベっているのですぅ~。 ほらぁ、ロストウィングの皆さんだってこっちから目を背けて固まっていますですよ~?」

 

「ホンマかリイン!? あちゃ~、最初の掴みを損ねてしもうたわ~。 初対面の人が相手やと最初の印象が肝心やのに~。 テヘペロッ☆」

 

「「「「「「「……」」」」」」」

 

何はともあれ、お互いがこれから共に生活と任務を共にする仲間になるのなら挨拶と自己紹介はしっかりとするのが人付き合いの基本だろう。 故に機動六課の代表として部隊長のはやてがこの場に集まっているロストウィングの部隊員達に好感を持ってもらうべく、一発ギャグを交えた挨拶を敢行しようと瓦礫を踏み越えて前に出てみるが、彼女の頭上を飛び回るリインにダメ出しされた通りに皆無言を貫いて明後日の方向を眺めてしまっている。

 

「ははは……まあ、しつこいのは嫌われるやろし、お茶目はこの辺にしておいてっと……コホンッ! え~、特務遊撃支援部隊ロストウィングの皆さん、初めまして! 私は《古代遺物管理部機動六課》の部隊長の八g──「特別捜査官の《八神はやて》だろう? 十年前に管理外世界で起きた()()()()()()()()()()()()()()さぁ」──っ!!?」

 

気を取り直して此処の先人達に真面目な自己紹介をしようとするが、そこで話に割り込んで来る形になるが初めて向こう側の方からはやて達に声を投げ掛けてきた。 だが何だか様子がおかしい、声には()()()()()が孕まれているような嫌な感じがする。

 

「いや、確か“闇の書”って呼ばれていたのはバグっていた所為で、今はすっかり直っているらしいから“夜天の魔導書”の主だっけ? なんでも本局の統括官や提督、聖王教会騎士などのお偉いさんへのコネが相当広く、保護観察処分を受けた身でありながらも入局経った数年という異例の速さで佐官階級への昇格を成し遂げた総合SSの超高ランク魔導師で、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()アッハハッ!

 

獰猛な肉食獣が極上の獲物を発見したかのように吊り上げた口の隙間から鋭い犬歯を覗かせて隠そうともしないパンクな少女の発した哄笑には明らかに相手を侮辱する色が孕まれている。 獅子の鬣のように逆立たせた焔色の長髪は燃え盛る爆炎のようで、はやて達を快く歓迎する感じは微塵もなく、寧ろその笑みは今すぐにでも牙を剥いて跳び掛かって来そうな獰猛さを感じさせている。

 

「てめぇッ!」

 

「下がってください、主はやて!」

 

「貴方、いったい何を!?」

 

「ワオォォーーンッ!」

 

彼女が醸し出す獰猛さは自分達の主に危害を齎して来る危険性があると瞬時に悟り、はやての守護騎士達が咄嗟に動いて主の周囲を守護するように固めてみせる。 相手の雰囲気が経った先程デイビットが自分達を紹介した時に見せていた良さそうな感じとは一変してこちらを嬲ってくるような嘲り様を前面に表していたからだ。 ()()()()()()()()()()()()と言わんばかりに自分達の主を身を盾にして危険から護りに出て来た忠義の守護騎士達の事を感心で表面を取り繕った挑発的な視線で見遣ったパンクな少女が鼻で笑う。

 

「はっ、主様への侮辱は許さないってか? 別に取って食おうという訳じゃないんだからそんなに殺気立つなよ夜天の守護騎士さん達よぉ。 単騎戦常勝不敗のベルカの騎士様達の殺気なんて向けられたらアタイ、怖ろしさのあまりにチビッて思わず自爆しちゃいそうだ。 周囲3kmを巻き込んでな、アッハハハハハッ!」

 

ヴィータ達歴戦の騎士に睨みを利かされているというのにちっとも精神が堪える様子も見せず自分の顔面を片掌で覆い天井を見上げる恰好で不快な爆笑を響かせる様は相手を嘲笑しているのが明らかで、ヴィータ達の険相を益々厳しくする。

 

彼女達の主たるはやては侮辱を受けた憤りに掴み掛かりに出そうな守護騎士達を制して前に出る。 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()を消し、相手の腹を探る時に使う仮面(ペルソナ)を表情に貼りつけて相手の真意を量ろうというのだ。

 

「怖がっているようには全然見えへんよその笑い方じゃあ。 別に誤魔化さんでもええで、どうやら()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ようやな、アンタらは私達の事を全然歓迎しておらへん事ぐらいその豹変っぷりを見れば一目で解るわ。 あまり舐めんなや」

 

「あ”あ”っ!? ヤんのかクソアマ! 調子くれてんじゃねぇぞゴラッ!!」

 

機動六課の部隊長の堂々とした啖呵を受けて当然ながら他のロストウィングの面々も六課側に敵意を向けてくる。 やはり辺境の無人世界に拠点を置くような最低部隊に配属された劣等局員である彼等はなのは達のようなエリート局員等が仲間になる事を良しとするには相当な抵抗があったみたいだ。 一触即発の雰囲気でロストウィングの面々とその矢面に立つ八神一家は互いに睨み合う。

 

「み、みんな落ち着いて。 確かにお互い初対面だし、すぐに信用し合うのは難しいかもしれないけれど、これから協力し合って戦いと生活を共にしていけばそのうち──」

 

なんとかこの場を収めようと八神一家の後ろで事の成り行きをハラハラと見守っていたフェイトが勇気を出して両陣営の間に割り込んで行こうとする……だがこの砦は魔境だ。 彼女は自分の背後に魔の手が迫って来ている事にも気づかずに、まんまとその上半身をぴっちりと纏う訓練用のトレーニングシャツの胸元をこれでもかと扇情的に突き上げて豊かに実らせた二つの大きな果実をその魔の手が……ムッニュゥゥウ

 

「──ひゃあんっ ……えっ?」

 

唐突に齎された乳房を鷲掴みにされる感覚とそれによって自身の胸に迸った性的快楽に思わず扇情的な喘ぎ声を漏らしたフェイトは息を呑んで恐る恐る自分の胸元に視線を落としてみる。

 

「ッッッ!!?」

 

()()()()()()()()()()()()()()を視界全体に映すと石化するかのように全身を硬直させて眼を見開き絶句してしまうフェイト。 この十年で収束魔法(ブレイカー)級と局の男性達から称される程に膨らんだ彼女の(オオ)イナル双丘が男性的にゴツゴツした白い手によって掬い上げられるように儂掴みにされている……痴漢(セクハラ)だ。

 

「きゃぁぁぁぁああああああああっ!!!」

 

次の瞬間エントランスホール中に甲高い悲鳴が轟き渡った。 一触即発だった場の重い空気はその悲鳴によって吹き飛ばされ、突然何事かと一同の視線が一斉に今悲鳴をあげたフェイトに向けられる。

 

「あっ、あんっ♥ 止めっ、んんっ! あぁん

 

「グッフフ~♪ 十分以上のボリューム、シャツの上からでもモチモチな触感ぅ~。 これは噂以上に極上なおっぱいだ♥」

 

「嫌っ、嫌ぁぁっ!」

 

気が付くとフェイトの豊満な身体は欲情塗れのふしだらな笑みを浮かべる金髪の男によって背後から抱き寄せられていて、その両手が性的な魅力に満ち溢れているフェイトの豊満な両乳房をシャツ越しにネットリといやらしく揉み回しているではないか。 普段は凛々しくて美しいライトニング分隊長の淫らな格好を目の当たりにした六課一同の眼が点になり、ロストウィングの面々が「さっそくやりやがったのか……」とフェイトに堂々とセクハラを行っている男に軽蔑を通り越した諦めの眼をして天井を仰いだ。 特にフェイトの一番の親友であるなのはと養子であるエリオとキャロ、そしておっぱいソムリエとして局内に名を馳せているはやてはこの状況を目の当たりにして黙ってはいられない。

 

「フェッ、フェイトちゃんっ!!」

 

「「フェイトさんっ!!?」」

 

「なななっ、何をしとるんやあの男はぁっ!? ふざけるんやない、フェイトちゃんのおっぱいは私の物や!

 

「いや、主はやて。 テスタロッサの胸はテスタロッサの物でしょう……」

 

「あ、貴方!? いったい何をsんぁあん

 

「ん~、クンカクンカ、ホント甘くて良い匂いだなぁ♪ オレが今までに抱いた女の中でも一二を争う事が確定するくらいに柔らかなこの抱き心地……グフフフ、イイじゃんイイじゃん。 さすがは“管理局内のエッチな身体をした美女トップ10”で毎回必ず五位以内にランクインするって評判のフェイト・T・ハラオウン執務官だぜ。 まさかこんなところで噂のエロ執務官の極上のナイスバディーをこうして堪能できるとはなぁ♥ グフフ~」

 

そう言ってセクハラ男はもがいて抵抗するフェイトの左乳を揉み続けながら彼女が穿いているトレーニングズボンのベルトに右手を引っ掛ける。

 

「や、やめろぉっ! フェイトさんから手を離せぇぇぇぇええええーーーっ!!」

 

もうこれ以上は辛抱できないと、エリオは槍型のアームドデバイス《ストラーダ》を起動させてフェイトを辱めている金髪の男へと、柄に取り付けられたブースターを吹かして猛烈な勢いで突撃する。 だが……。

 

「何だ、思春期のガキが興味津々か? 気持ちは分かるがまだ十年早い。 だからあっちに行ってような──とっ!!」

 

「がはっ!?」

 

「エリオッ!!」

 

ストラーダの穂先がセクハラ男の背中に突き刺さる直前で健闘虚しくエリオは男の足によってまるで埃カスを払うかのように軽く蹴り払われてしまった。 砕けて凹凸だらけの床をバウンドしてひっくり返ったままのボロボロなソファーに幼い赤髪の少年の身体が追突し、物が崩れる音が響くと同時に粉塵が舞う様を目の当たりにしてフェイトは悲鳴に似た声で叫ぶ。

 

その隙に男の右手がフェイトの腰からベルトを引き抜き、スルッとトレーニングズボンが床に落ちて大人の色気溢れる黒色の下着(ショーツ)に包まれたムッチリと柔らかな丸みを帯びた肉付きの良い桃尻が外気に露呈する。 直後に男の右手でその尻をペロ~ン♥ と撫で上げられた瞬間に身の毛がよだつ程の性的嫌触感が電流のように身体を駆け上がった為にフェイトは豊満な胸を反らしてしまう程に竦み上がってしまい、扇情的な怯え声を漏らしてしまう。

 

「ひっ!!?」

 

「グフフ、イイ反応するじゃねぇか♥ こんなにイイ身体をした女を男が放っておく訳もねぇだろう? いったい今までにこのおっぱいで魅了した男を何人ベッドの上で相手にしてきたんだ、ん?」

 

んああっ してない! 男の人とセッ◯スなんて、一度もした事なんかないよぉぉっ!!」

 

「何? 一度も男とヤった事が無ぇ!? おいおい冗談だろ? こんなイイ身体してんのに未経験なんざ勿体ねぇぜネエチャンよぉ。 だからさぁ、今夜オレの部屋に来ねぇか? うんとキモチイイ体験させてやるからよぉ♪」

 

「嫌っ! 嫌ぁぁああああーーっ!! 放しっ、放してぇぇええっ!!」

 

「グヘヘヘヘ~♥」

 

猛烈に抵抗して嫌がるフェイトだがその悲鳴はセクハラ男にとって甘美なBGMにしかならず、益々彼の官能的快感を刺激するだけであった。 淫らに緩み切った笑みを浮かべさせながら濃厚に柔らかなフェイトの豊満な乳房や桃尻を触り放題に揉んでは堪能する事を継続して止めようとはせず、ここまできたら最早セクハラを逸脱した猥褻行為と視ていいだろう。

 

「いい加減にしなさい……」

 

故に十年も昔から共に切磋琢磨して絆を深めてきた一番の親友を……否、例えそうでなかろうとも嫁に行く年頃の女性を人前で辱めるような最低極まりない行為に堂々と及ぶような女の敵を、数多の次元の司法を統括する時空管理局のエースとして、一人の恋する乙女(?)として、正義感の塊のように生きるこの女──高町なのはが許す筈もない。

 

彼女は絶対零度の怒りを纏い、常人なら一目視界に入れただけで全身を固まらせてしまいそうな威圧感を放つ陰を眼元に落として首に下げている自身の愛機の待機形態を手に取った……瞬間──

 

「──なっ!!?」

 

その一瞬の内に突如として横から銃器類の発砲音が鳴ると()()()()()()()()()()()()()()()()鈍色の魔力弾が彼女の左手に握られた不屈の心を象徴するデバイスの待機形態である朱い珠に着弾して、なんと彼女の長年の愛機をその手より弾き飛ばしてしまったのだ。

 

「少し冷静になれや高町なのは。 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()さかい。 空戦魔導師ならそないな事ぐらい予測できてナンボなモンやろが」

 

自分に呼び掛けてきた横からの声に驚愕を禁じ得ないエース・オブ・エース……いや、この場合は本局武装隊戦技教導隊所属の名教導官の高町一等空尉と呼ぶべきだろう。 呼び掛けてきた声の方に視線を転じてみればその視線の奥で拳銃型のストレージデバイスを一丁腰のホルスターから抜き、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()黒髪吊り眼の少年がその右手に垂らしてグリップを握った拳銃型デバイスの銃口に煙を上げさせつつ、物理的に切断できそうな程にキツく尖らせた切れ目をこちらに向けながらコツコツと歩いて来る姿が目に映る。

 

──何で……何で“彼”がロストウィングにッ!!?

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「お前もセクハラはええ加減にして、とっとと放さんかいっ!!」

 

「グヘヘ~、キモチイy──ぶっっ!?

 

「きゅう~……」

 

「フェイトちゃん!」

 

金髪のセクハラ男から唐突に解放されたフェイトの身体を咄嗟になのはが駆け寄って床に倒れないよう抱き留めた。 ()()()()()()()()()で吊り眼の少年が銃型デバイスより放った魔力弾がしつこく乳房や尻を愛撫される性的刺激から必死に逃れようと乱暴に喘ぎながら激しく左右に揺らしていたフェイトの頭部の真横を絶妙に通してセクハラ男の顔面へと見事に命中させたのだ。

 

「ななな、なあぁぁっ!? あっ、あのエセ関西弁キャラで私と被っとる男。 いい、今いったい何したんや!!?」

 

「構えて撃つまでの動作が早過ぎて全然見えなかったですぅ~!」

 

「ああ! 一瞬あの吊り眼ヤローの銃を持ってる腕が()()()と思ったら、まるでDVDの場面を数秒程度飛ばしたみてぇに、次の瞬間にはその銃口があの痴漢ヤローに向けられていただけじゃなく、もう既に発射された魔力弾がフェイトの顔の横スレスレを抜けて痴漢ヤローのスケベ面にブチ当てていやがった!

 

「アイツ、なんっつう人外染みた早撃ち(クイックドロウ)……するんだよ!? とっくに前線から退いた俺の眼じゃあ動きがまるで捉えられねぇ……姉さんは判りました?」

 

「い、いや……み、見得なかった、この烈火の将の眼にも……ッ!」

 

その銃を構える動作速度と射撃の精密精度ははやてのような高ランク魔導師やリインのような超高性能AI、ヴァイスのような元航空隊のスナイパーやヴィータとシグナムのような歴戦の騎士に至るまで、その眼に捉える事が叶わず総じて驚愕を隠せず皆唖然と表情を硬直させてしまっている。 今吊り眼の少年がやってみせた銃撃スキルはそれ程までに並外れている戦技だったのだ。

 

「【不屈のエース・オブ・エース】【若手最優の空戦魔導師】【戦術の切り札】と随分な異名の数々を持っておきながら()()()()()()()()()()()()()……まったく情けなさ過ぎて見てられへんわ、高町教導官サマよぉ。 そんなんやから異世界の中隊規模程度の尖兵共なんかに後れを取ったりするんやで。 ちと弛んどるんとちゃう?」

 

身体を火照らせて激しく吐息を連続させながら意識を朦朧とさせるフェイトを床で介抱するなのはの眼前に近寄って立ち、()()()()()()()()()()()()()()()()()という悪感情を隠そうともしない威圧的に厳しい視線で彼女を突き刺しながら淡々と吐き捨てるように皮肉をぶつけてくるこの吊り眼の少年の存在を前にしてなのはは戦慄を隠せない。 あの不屈のエース・オブ・エースが、管理局の白い悪魔が、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()とはどうした事か?

 

彼はいったい何者なんだ? 機動六課一同の注目が奇異な存在を見るような感情を帯びて怯えるスターズ分隊長を不快そうな眼で見下している吊り眼の少年へと自然に集められ、その素性は過去に彼と知り合いになった素振りをみせている戦技教導官殿が直接その震えた口で一同に明かすのだった。

 

「元1424航空隊所属の異端児《ガンマ・ウェスト》空曹……通称“教官潰し”の《早撃ちガンマ》……ッ!!」

 

「今は“アンタと同じ一尉”やで。 その悪魔的なまでに正義感が籠った眼でごっつう睨んで来るんも相変わらずやなぁ、()()()()()……せやけどもそれだけでアンタらをロストウィングの仲間と認める訳にはアカンで。 社交辞令として“挨拶”ぐらいしっかりとするべきとちゃうか?」

 

「……」

 

極限の空気の中でなのはとガンマは互いに鞘から抜き放たれようとする寸前の刃の如き戦意を鋭い視線に乗せて衝突させている、対立は避けらない雰囲気がビンッビンだ。 いったい過去に二人に何があったというのだろうか?

 

「機動六課全員、ちょっと表に出て面ァ貸せや。“飛び立つ翼をもがれた烏”共が集まるこの部隊の厳しさ、その弛みきったエロい身体にたっぷりと叩き込んだる。 覚悟しぃやッ!!」

 

互いの意地と誇りを懸けて機動六課とロストウィングは今、激突する! 果たしてその行方はッ!?

 

 

 

 

 




怒濤のオリキャララッシュ! 問題児集団ロストウィングのメンバー達のキャラはどうでしたかな? 彼等のキャラ付けは結構時間をかけて考えました。

彼等の中にオリ主である氷眼とシルバーガスト小隊の姿が無かった理由は次回に説明しますね。

話の後半にちょっと六課のエロ担当であるフェイトさんが性欲界紳士道の住人の餌食になっていましたが、R-17以上のエロ・グロ描写は無いよう極力抑えるようにします。(※一応あらすじの【入りきらなかったタグ】のところに【R15~17程度のエロorグロ描写があるので注意】を追加しておきました。)

今話初登場のオリキャラの内、今回唯一名前を出した《ガンマ・ウェスト》のキャラモデルは自分が幼い頃にコ◯コ◯コミックで連載していた人気ホビーバトル作品に登場していた味方キャラだったりします。 あの作品主人公が破壊力一点特化だったのに対してその人、イカレたレベルの精密射撃に超連射、高威力射撃に開発や作戦参謀まで熟せるチートキャラだった記憶が……。(汗)

他のメンバーの名前公開はまた次回。 いよいよリリなのStSの二次創作の序盤恒例のイベントである摸擬戦展開に突入していきます! お楽しみに!!

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