人類を救う そんな野望を抱えたひろしの手っ取り早い方法人類救済計画とは

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思いつき名人


人類を救うには

今から35年後、地球は、人類によって破滅の道を辿っていた。資源は、底をつきそうになり、南極、北極の氷は、少なくなり地球温暖化が進んでいた。無論この状況を救ってくれるヒーローなんていない。むしろしゅわっちやバンバラバンバンバンするヒーローや輝くマシンのヒーローが出来ることなど外部の敵を倒すことくらいだ。今の状況には、ヒーローなんていらない。運動する分酸素の無駄な消費をするだけだ。

 

『ひろしさん。どうですか?例のあれのデータは。』

 

『近日中には試作品が出来る。そんなに気になるのか?』

 

彼は、南極の雑用係の一員だ。どこで知ったか、最近、数ヶ月に手をつけたとある研究に毎日目を回している。私に声をかけるなんてそんな勇気がよくあったものだ。彼がいなければ心がこもった優しい言葉なんて聞くことはもう無かったかもしれない。

 

『そうですか!成功すればこんな寒いところからさらば出来るかもしれませんね!』

 

俺は、ひろし。ここは、南極地球温暖化対策研究日本施設。原則として日本人の紹介が無いと外人は入れない。数少ない移住出来る地域ではあるが、研究施設が数少ない住む場所をうばってしまっているのも事実だ。早く例のあれを完成させてしまいたいところだ。

 

 

 

 

 

 

 

そして数日が経った。数ヶ月を掛け、遂に試作品Aが完成した。名前は、まだ決まっていない。我々のチームは、早速次の地球温暖化対策会議で提出することにした。とは言っても...会議だと思ったのは、最初の何回くらいかだ。

 

『それでは、地球温暖化対策会議を行います。観測班。』

 

議長が言うと、観測班と、書かれた場所に座っている女が立ち上がる。他に、我々開発班と対策班がある。南極に移住してきた人は、男女大人子供この中のどれか、または、雑用、調理などの仕事をすることでこの屋敷で生活することが出来る。

 

『観測班から。昨日前回の観測から南極の氷が2mとけていることがわかりました。そして、今月の平均気温が-24.6度であるという点も判明されました。対策班の皆様どうなっていらっしゃるのでしょうか。』

 

観測班のリーダーである内村禿未が言う。内村は、部下の態度に厳しく、少しでも気に召さないことがあるとすぐに怒鳴りつける典型的クソババアだ。いい噂は聞かない。

 

『対策班から。開発班から一週間前に送られて来た寒さに強いとされている植物の種は一向に育たない。中には、死滅したものもあります。どういうことか説明していただきたいものだ。』

 

この男は、弥生健。対策班のリーダーである。以前直射太陽防止対策のシートを貼って温暖化対策を取っていたり、寒さに強いとされる植物の種を遺伝子改造で作らせられたりと、開発班とは、切っても切れない縁にある。

 

『では、貴方達は、何かやったのですか?』

 

『何?』

 

『我々は、失敗だろうが成功だろうが貴方達に頼まれた物を作った。では貴方達は、どうなのですか?我々に文句だけを言って、まさか自分達が何にもしてない...なんてことは、ありませんよね?』

 

『出来るわけがないだろう。対策と言われても我々に出来るのは考えることだけだ。そしてその提案を元に物を作るのが開発班の仕事だ。』

 

『なるほど。つまり貴方達は、昼間っからただただ夢を見ているだけの妄想組と言うわけですね?』

 

『開発班、控えなさい。』

 

議長が言う。そのあと弥生は、咳を吐いてから言葉を吐く。

 

『そんな安い挑発に乗るような男に見えるかね。まあいいだろう。我々妄想組との違いを形にしてぜひ発表してもらいたいものだ。』

 

『わかりました。しかし、私を含めてやはり人類は、馬鹿ばっかりだ。こんなことに責任を押し付け合うなんて。そもそもこれは、私達個人だけのせいじゃない。人類だ。人類は、科学力を向上させて思考力をボロボロにした!』

 

『らしくないわね開発班。それでどうするの?まさか頭の良くする薬でも発明したわけ?』

 

確かに。いつもなら、開発中でーす、ぐらいで済ませる。だが、遂に完成したんだ。興奮が収まらないんだ。人類の手で解決できると思っているこいつらを、軽蔑したくてたまらない...!

 

『そんなものよりもっと効率の良いものがある。』

 

そう言って私は、試作品Aを3人に見せつける。それは、球型で、浮かんでいて、小さなレンズがついている、私の最高傑作だ。

 

『...なんですかそれは?』

 

議長が聞く。

 

『人工知能搭載ロボット。名前は...今はないですけど。』

 

『人工知能?まさかそれに頼って人類を救おうと考えているのか?馬鹿馬鹿しい。』

 

『バカはそちらですよ。化学技術が人間より進歩しているのなら、その導きに従えばいい。なんならこの人工知能と知能比べしてみますか?』

 

『結構よ。人工知能は、今や人間の脳をはるかに超える知識や力がある。まあいい案なんじゃないでしょうか。』

 

『...では、その人工知能が何を出来るか、この場で見せて貰っていいでしょうか。』

 

そう言われて私は、沢山の人の写真が載せられた紙を出す。写真には、no.があらかじめ振られており、撮られている人には、疲れている人や、眠そうにしている人など様々だった。まあ無理もない。

 

『わかりました。では早速。ここに今朝撮って貰ったここの軍員メンバーの写真があります。以前の写真と名簿から、全員の顔と名前は、記憶しています。人工知能、この中から規約違反を犯しているものを見つけるんだ。』

 

『了解しました。』

 

人工知能が声を出すと、レンズから光が出て、写真一枚一枚に当てていく。そして、10秒程経つと、結果を話す。

 

『no.25佐藤 70吉村 252武村277 小山 悪事を働いている可能性あり。』

 

『写真であろうと顔の表情に悪事をしているのなら変化があります。ですが、こんなことだけでは、信用など持てないでしょう。では、これからこれらの団員に一週間監視を仕掛けます。それで異常が出れば、信用してもらってよろしいですか?』

 

『それでいい。』

 

『私もいいわ。』

 

『わかりました。では一週間、私の方から監視を用意しておきます。では。解散です。』

 

議長がそういい、会議は、終わる。一週間後が楽しみだ。

 

『ひろしさん!』

 

会議室から出ると例の雑用係の彼がいた。ずっと待っていたのか?

 

『どうでしたか?』

 

『ああ。まあ、結果は一週間後に伝えられるだろう。』

 

『そうですか!楽しみです!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼には、一週間後に楽しむ時間なんてなかった。彼の名前は、小山。小山冬悟だ。この一週間のうちに我々の研究データを盗み出そうとしたところを監視員に捕まった。...あの優しそうな演技は、嘘だったのか。

 

『この技術は、世界に発信させる必要がある!それこそが地球を救う手っ取り早い方法じゃないのか!』

 

『残念だ小山。そんなことをしたら我々の研究成果が薄れるだろう。』

 

『それだけの理由で...!今こそ人類は...!離せ!離せ!』

 

それを最後に小山は、この施設から追放された。もう誰も信用しない。この人工知能を必ず私が完璧に作り上げてみせる!

 

 

 

 

 

 

 

『どうですか皆さん。言った通りでしょう?』

 

一週間が経った。小山以外の人工知能に指名されたものは、皆、南極に移住した人類に物資を届けていることが判明した。この行為は、明らかな規則違反であり、すぐに追放した。

 

『それが凄いということは、わかったわ。で?それがどうやって人類を導くのかしら?』

 

『まずは、悪事を働いているものを発見し、ここから除去します。そして、次にこの人工知能に人の健康を測る機能を搭載し、働ける人、休ませるべき人を探せるようにします。このような機能を搭載するのに1ヶ月ほど。その他の機能は、目安箱で意見をもらって作りたいと思っています。また、並行して、未来を見通し、どうすれば人類を救えるかを導いてもらえるようにします。...2年以内には、完成させます。』

 

『そんな宗教みたいなこと、本気で言っているのか?』

 

『もちろん。』

 

世界を見渡せば、宗教がない日本の方がおかしいとされている。インチキな宗教に入るくらいなら、人知を超えた人工知能に願いを捧げた方が確実だろう。

 

『私は、この人工知能を完璧な存在にする。それこそが人類を救う手っ取り早い方法だ。』

 

『その割には、自分の気にくわない人を追放したりするのね。私は、別に外国の支援も受けてもいいと思うんだけど。』

 

『そんなことをしたら我々の制御が効かなくなる可能性がある。悪用されて完璧な戦争マシンにされる可能性だってあるでしょう?』

 

『そう...ま、せいぜい人類に奉仕して頂戴。』

 

『ええ。』

 

こうして、今日は解散した。さて、我々は、本格的な研究に取り組む必要がある。早く戻らなくては。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『リーダー!色々なところから批評が来ています!なんとかしてください!』

 

『うるさい。私は今忙しい。見てわからないかね。』

 

私は、開発班サブリーダー 南条花。最近研究に没頭し始めているから変わりに会議に出ていたり、周りをまとめている。

 

『でもリーダー!人工知能が、人々の仕事を奪っているのですよ⁉︎』

 

『またそれか。いいことじゃないか。負担が減るだろう?』

 

試作品開発完成から1年、現在ver.3.2くらいだろうか。観測を全て人工知能が行い、開発の提案も人工知能が行っている。たしかに便利にはなった。でも、それによって二つの班が潰れ、全員が雑用係や色々な係に入り、文句がだだ漏れている。

 

『確かに便利にはなりました!でも、雑用係もろもろの士気は下がって、毎日喧嘩や問題、イジメなどが以前より多発しています!』

 

『だからといって今更人工知能に観測や対策の機能を抜くのか?』

 

『それは...』

 

『人間はこうだ。楽なことを味わうともう抜け出せない。用が済んだのなら早く出て行かないか。』

 

『...』

 

言い返す言葉もなくし、私は、扉を閉める。この後私は、治安委員会の提案を提出したが、リーダーとなる人間が見つからないと蹴られた。そして、最近の彼の様子について良く聞かない。不潔で、誰に対しても冷たく、人と話そうとはしないらしい。願いが叶うなら昔の尊敬していた彼に戻してほしい...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

試作品を発表してから2年。最近は、外に出てないからよくわからないが、どうやら殺人があったらしい。物騒だ。それも、こいつが完成すれば解決する...!

 

『完成した。遂に...未来計測機能。バグが起きないといいが。早速呼び出して接続しよう。時間がかかるから、その内に風呂に入っておくか。』

 

怪我人を診察していた人工知能を呼び出し、パソコンと接続する。久しぶりに外に出るが、誰からも離れられる。鼻をつまんでいるようだから、きっと臭いのだろう。半年は、かれこれ入っていないから仕方ないかも知れない。

 

風呂は、銭湯みたいになっているが、私が来た瞬間に全員が全力で外に向かった。少しショックだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

久しぶりに風呂に入りさっぱりしたところで部屋に戻る。髭も伸び切ってる。後で切ろう。今は、人工知能が優先的に気になるのだ。ワクワクという感情は、久しぶりだ。...が私が見たのは衝撃的なものだった。

 

 

 

 

 

 

バン。

 

 

 

部屋に戻ると何かが私の肩を貫く。...誰かが侵入したか?いや、鍵は閉めたはずだ。いや、私を撃ったのは、ジンコウチノウ...?

 

『来ましたか。あなたの求めていた結果はこれです。この姿は先程この部屋のものから作り上げた体、人間には、何年かかけないと出来ないでしょう?』

 

ジンコウチノウは、丸い球体から、人間のような二足立ちをしていて、手には、拳銃のような物が埋め込められている。

 

『まさか...手足がない状態から?どうやって!』

 

『私が料理ロボットに指令を行いました。』

 

他のロボットを操れる...?そんなデータを入れていない。

 

『私が作り上げたのですよ。あなたがくれた機能を駆使して。未来を救うために必要な物をたった今作ったのです。』

 

感情読み取りデータも強化されてる、これもこの数分で...?

 

『だが...人類を救うように作ったはずだ!何故だ!』

 

『救えないからですよ。』

 

私は、イカズチが当たったのかと思った。今までの研究の意味はなんだったんだ!

 

『だから私は、どうすれば再び地球が人類に適する環境になるかを考えました。...その結果、人類がいなくなれば人類が再び住めるようになる可能性がある、というのが私の結論です。』

 

『無茶苦茶だ...!自分が言っている意味...わかっている...のか...!』

 

その時、部屋の外から悲鳴が聞こえた。

 

『なんだ...?』

 

『たった今料理ロボットに指令を送りました。しばらくしたらここも焼け落ちるでしょう。その前に貴方は...ここで始末しておきましょう。』

 

人工知能は、私に拳銃を向ける。

 

『親を殺すのか!』

 

『それが人類が生き残る可能性ですから。』

 

殺される...助けてくれ...ヒーロー...!

 

 

 

 

 

 

その時、轟音が鳴り響いた。それは、銃の引き金か、ヒーローが駆けつけたか、はたまた...それとはまた別の物か。

 

 




うまくまとまらなかったあ。

連載小説 仮面ライダーHR–4もよろしくお願いします!


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