ツンデレスナイパーの彼氏でポニーテールと乳の幼馴染みで神崎名人のライバルのいる暗殺教室 作:てこの原理こそ最強
夏と言えば何を連想するか。海。山。花火。お祭り。どれも夏らしくていいと思う
オレも今学校の裏山で絶賛夏にピッタリのことをしている。それはなにかと言うと・・・
「おい、見ろよ。うじゃうじゃいるぜ」
杉野が予め蜜を塗ってトラップを仕掛けておいた木に沢山の昆虫がついてることに興奮している。そう。オレ達は子供の夏の定番行事、“昆虫採集”に来ていた
夏休みも始まり、学校から解き放たれてFreedom!と思っていたのも束の間、杉野からの呼び出しで授業でもないのに学校に舞い戻っていた
「なんで僕ら学校に来てるのかな・・・?」
「同感だ、渚。せっかくの休みだってのに」
「いやぁ〜、いい歳してみんなの前で昆虫採集とか恥ずかしいだろ?オレ町育ちだからさ、こういうの憧れてたんだ。偶然カルマが虫がいっぱいいる木見つけたっていっててさ。しかし、前原まで来るとは意外だわ。こんな遊び興味ないと思ってた」
「次の暗殺は南国リゾート島でやるわけじゃん?そしたら、何か足らねぇと思わねぇか?」
「なにが?」
「金さーーー!!!!水着で泳ぐ綺麗なチャンねえ落とすためには財力が不可欠!」
一学期が終わっても前原は前原のままみたいだな。顔は悪くないんだからもう少し言動に気をつければ絶対モテるのに、こいつは・・・
「まぁこいつみたいな雑魚じゃダメだろうけど、オオクワガタ?あれとかうん万円するらしいじゃん!レートをくり出して大儲け、最低でも高級ディナー代とご休憩場所の予算までは確保するんだー!」
「旅の目的忘れてねぇか?前原のやつ」
「うん・・・15歳の旅行プランとは思えないよね・・・」
「それに海で中学生相手にする人がいるかってんだ」
オレだけではなく、渚も杉野も本来の目的から大きく脱線している前原に呆れ返っている
「ダメダメ」
「んぁ?」
「オオクワはもう古いよ〜」
「倉橋」
「おっはー♪彼方く〜ん♪」
「おいっ!」
オオクワガタを見つけようと駆け出した前原の頭上にある太い木の枝に倉橋が座っていた。オレ達が倉橋に気づくと倉橋は両手を広げてオレに向かって飛び降りてきた。オレは咄嗟のことに驚いたがなんとか受け止めることができた
「みんなもお小遣い稼ぎに来たんだね?」
「来たんだね?じゃねぇ!危ねぇだろ!」
「え〜。でも彼方くん、しっかり受け止めてくれたじゃん。だから大丈夫」
「それはそうだが・・・はぁ、もういい・・・」
オレが受け止めきれなかったらどうするんだ!とか。オレじゃなかったらどうするんだ!とか。いろいろ頭の中にツッコミポイントを見出したが、倉橋の一切曇りのない笑顔を見たらいう気が失せてしまった
「倉橋、オオクワガタが古いってどういうことだ?」
「うんっとね、私達が生まれた頃はすごい値段だったらしいけどね、今は人工繁殖法が確立されちゃって大量に出回りすぎて値崩れしたんだってさ〜」
「ま、まさかのクワ大暴落か・・・1クワ1チャンねえぐらいの相場だと思ってたのに・・・」
「ないない。今はチャンねえの方が高いと思うよ〜?」
「詳しいな、倉橋。そういうの好きなのか?」
「うん!生き物は全部好き!ねぇねぇ、折角だしみんなで捕まえよ!多人数で数揃えるのが確実だよー!」
いつも天真爛漫な倉橋は生物の話にはめっぽう強いみたいだな。ゲスい考えをしてた前原にはいい修整剤になるだろ
オレ達4人の隊員を引き連れて倉橋探検隊長は一つの木の前に止まった
「おっ、そこそこ引っかかったね」
「へぇ〜、これお前が仕掛けておいたのか?」
「お手製のトラップだよ。昨日漬けておいたんだ。20個ぐらい仕掛けておいたから、うまくいけば1人1000円程度は稼げるよ」
「バイトとしてはまずまずか」
「探してたあれ、
「ふふっ、効率の悪いトラップだ」
1箇所目のトラップを確認してから次の場所まで行こうとすると、木の上からゲス・オブ・ゲスの声が聞こえてきた
「それでもお前らE組みか?」
「岡島!」
「せこせこ1000円稼いでる場合かよ。オレのトラップで狙うのは当然100億だ」
同時に岡島は枝から飛び降りた
「100億って・・・」
「その通り。南の島で暗殺するって予定だからあのタコもそれまでは油断するはず・・・そこがオレの狙い目だ!」
狙いは悪くない。不覚にも岡島やるなと思ってしまった。そしてどれだけ精巧なトラップなのか期待で胸を高らせながら岡島についていき、茂みの奥を見てみると・・・!
「お椀・・・にゅるふふふ・・・」
「掛かってる掛かってる、オレの仕掛けたエロ本トラップに!」
カブトムシ姿でエロ本を読んでるタコがいた。さっきまでの期待を返せ!!!
「すげぇ・・・スピード自慢の殺せんせーが微動だにせず見入っている・・・」
「うわぁ・・・またなんだあのカブトムシのコスプレは・・・あれで擬態してるつもりか!嘆かわしい!」
岡島以外みんな、さすがの前原もあの殺せんせーには引いている
「どの山にも存在するんだ・・・エロ本廃棄スポットが・・・そこで夢を拾った子供が大人になって本を買える齢になり、今度はそこに夢を置いていく。終わらない夢を見る場所なんだ」
んなわけねぇだろ。全国の山に謝れこのゲス野郎
「丁度いい、手伝えよ!俺達のエロの力で覚めない夢を見せたやろうぜ!」
さっきよりもゲス度が上がったな、明らかに
「随分研究したんだぜ?あいつの好みを。俺だって買えないから拾い集めてな」
「・・・ん?殺せんせー、巨乳ならなんでもいいんじゃ・・・」
「現実ではそうだけどな。エロ本は夢だ。人は誰もがそこに自分の理想を求める!写真も漫画も僅かな差で全然違うんだ!」
岡島に渡された携帯の中には日によって違うあのエロダコの表情が違うのがはっきりと写っていた
「すごいよ岡島くん。一ヶ月間本を入れ替えてつぶさにそれを観察してる!」
「渚。半分は自分も読みたいからだと思うぞ?
「っていうか大の大人が一ヶ月も連続でエロ本拾うなよ。嘆かわしい・・・」
「お前のトラップと同じだよ、倉橋。獲物が長時間食いつくよう研究するだろ?」
「う、うん・・・」
「蔑む奴らはそれでも結構!誰よりエロい俺だから知っている。エロは、世界を救えるって」
((((な、なんかカッコいい!!!!))))
「やるぜ!エロ本の下に対先生弾を繋ぎ合わせたネットを仕込んだ。熱中している今なら必ずかかる!誰かこのロープを切って発動させろ。俺が飛び出してトドメを刺す!」
どんなものでも研ぎ澄ませば刃になる。岡島の“エロ”の刃が殺せんせーを貫くかもしれない
しかしその刹那だった。殺せんせーの目線がエロ本から移動し、しかもその目が伸びた・・・伸びた!!!?
「なんだ!?」
「急に目がビヨーンって」
「データにないぞあの顔は!どんなエロを見たときだ!」
「にゅるふふふ、見つけましたよ!」
殺せんせーは何かを見つけたらしく素早く触手を伸ばして何かを掴み取った
「ミヤマクワガタ。しかもこの目の色!」
「はっ!白なの!?殺せんせー!」
そして今度は隣にいた倉橋が飛び出して行った。これで岡島の作戦は失敗だな
「おや倉橋さん。ビンゴですよ」
「すっごーい!探してたやつだ!!!」
「えぇ、この山にもいたんですね」
「もう少しだったのに…」
「何が何だかさっぱりだが、巨大カブトと女子中学生がエロ本の上で飛び跳ねてるのってスゴい光景だ…」
作戦が失敗して涙を流す岡島と目の前の光景に唖然としてる他。まぁ岡島の作戦に関しては殺せんせー気づいてるかもな
「ハッ!にゅやーーーー!!!超恥ずかしい…超超超恥ずかしい…」
さっきまで飛び跳ねて喜んでいた巨大カブトが一変、足元に広がる現実に戻ってうずくまり顔を隠す
とりあえず一旦場が落ち着いたようだったのでオレ達も茂みから出た
「教育者としてあるまじき姿を…本の下にワナがあるのは知ってましたが…」
「えっ!?」
「…どんどん先生好みになっていく本の誘惑に耐えきれず!」
ほーらバレてた。でもワナがあるにも関わらず殺せんせーが熱中するものがあるってのは結構な収穫なんではないだろうか。ものがあれだけど…
「で、どういうことよ倉橋。それってミヤマクワガタだろ?ゲームとかじゃオオクワガタより全然安いぜ?」
「最近はミヤマの方が高いときが多いんだよ。まだ繁殖が難しいから。このサイズじゃ、2万は行くかも」
「に、2万!?」
「おまけによーく目を見てください。本来黒いはずの目が白いでしょう」
「なるほど。アルビノってやつか」
「授業でやったことをちゃんと覚えてますね。関心ですよ、彼方くん」
アルビノとはごく稀に生物が真っ白になって産ませてくるもののことを言う
「クワガタのアルビノは目だけに出ます。ホワイトアイと呼ばれ天然物ミヤマのホワイトアイはとんでもなく希少です。学術的価値すらある。売ればおそらく数十万円はくだらない」
『す…!!!?』
「落ち着け、この金の亡者ども」
「一度は見て見たいって殺せんせーに話したらさ、ズーム目で探してくれるって言ってくれたんだ〜」
倉橋はこんなゲスな男どもみたいに金儲けで探してたわけじゃなく、単純に興味本心でなんだろう
「ゲスのみんな〜、これ欲しい人手挙げて」
『欲しい!!!』
「お前ら…」
倉橋の提案にオレ以外の男ども全員が手を挙げた。まぁ小遣いの少ない中学生にとって数十万は目の前の100億ぐらい魅力的か。これは大人にも言えることか…
「あはは、どうしよっかな〜」
「あ、捕まえたのは先生なんですから!!!」
倉橋がその金元であるミヤマを持って逃げて行くのをゲスどもが追っかける。オレも心配なので追っかける。べ、別にミヤマ欲しいってわけじゃないし…
ある程度追っかけっこが続くと倉橋がどんどんと追い詰められていった。そして目が本気になって「ちゃんネェ…ちゃんネェ…」とボソボソとつぶやいている前原の手が倉橋を捉えようとしていた
オレは咄嗟に前に出て倉橋を抱き上げる
「きゃっ!」
「まったく…お前が男どもに足の速さで勝てるわけないだろ」
「か、彼方くん!」
\マテー!カナター!/
「いくらお前がファルトレク(*)得意だからってあいつらの方が足は速いんだからな?」
「う、うん…」
*ファルトレク・・・丘や森・草原・砂地など起伏のある場所で走ること(コトバンクより)
「まぁオレもミヤマ取られんのやだしな。あ、金目当てじゃないぞ?」
「ふふっ、わかってるよ。彼方くんがそう言う人じゃないって」
\ソレヲヨコセー!/
「そいつは光栄で。倉橋自身も最後は逃してやるんだろ?」
「うん。からかうつもりでああ言っちゃったけど、まさかこんなに食いつくなんて思ってもみなかったから」
「金の力は怖いな…」
\オレノニマンー!!!/
「…ねぇ、彼方くん……」
「ん?走りながらだから手短に…って!舌噛んりゃ…」
「ふふっ、彼方くんにもそういうところあるんだね」
「っとけ…」
「彼方くん、私のことも名前で呼んでくれない…?」
「どうした、改まって」
「ちょっとね…みんなが羨ましくなっちゃって…」
「別にそれぐらいいいがな、陽菜乃」
「っ!ありがと…」
よそ見をするわけにもいかないので倉は…陽菜乃の顔を見ることはなかったが、確実にオレの服を掴む力は強くなったのは感じた
「ただいま〜」
「おかえり」
「あれ?なんで凛香が?」
「夏休みの宿題をしようと思って来たら彼方いなかったから。律に聞いたら学校の裏山って聞いたから待ってた」
「そっか。ん…?どうやって入った?」
「彼方のお母さんにもらってる、合鍵」
凛香はポケットからウチのであろう合鍵を取り出した…なんだこのデジャヴは……というかあの人は何人に合鍵渡してんだ!
「おばさんには?」
「連絡してある」
「そっか。まぁ別に凛香ならいいけど。メシは食ったか?」
「まだよ。言ったでしょ?待ってたって」
「ありゃま、それは悪かったな」
「別に。おかげで宿題が結構進んだわ」
『速水さん、そうは言っても途中何度も時計を確認しては「まだかな…」と呟いていました』
「ーッ!律!」
ポケットから律の声が聞こえたと思いきやいいことを聞いてしまった
「そっか〜。そんなに寂しかったのか〜凛香は」
「ッ〜〜〜〜〜〜!」
「ごめんな〜、遅くなっちまって〜」
「…もういいから!早く食べるわよ!」
「照れてる凛香は可愛いな〜」
それから照れてる凛香とのんびりした夜を過ごしましたとさ