ツンデレスナイパーの彼氏でポニーテールと乳の幼馴染みで神崎名人のライバルのいる暗殺教室 作:てこの原理こそ最強
「さて、一体何をしてくれるんですかね」
「まずは三村が編集した動画を一緒に見てもらい、その後テストで勝った8人が触手を破壊。そしてみんなで一斉に暗殺を始める。いいですか?殺せんせー」
「ヌルフフフフ、上等です!」
「セッティングご苦労さん三村」
「頑張ったぜ〜・・・みんなが飯食ってるときもずっと編集さ」
(ふむ...このチャペルは周囲を海で囲まれている。壁や天井にはたいせんせー物質が仕込まれている可能性もある。脱出はリスクが高い。チャペルの中で避け切るしかないようですね)
「殺せんせー」
「ニュ?」
「まずはボディチェックを。いくら周囲が水とは言え水着を隠し持ってたら逃げ切れるから」
渚は念には念を入れて殺せんせーの体をくまなく調べる
「入念ですね。そんな野暮はしませんよ」
(これだけ直に触っている状態でもこの先生は僕の攻撃なんて余裕で躱す...けど!みんなで!この作戦なら!)
このために綿密に計画を立て練習を重ねた。シミュレーションも何度も行い全員で意見を出し合い続けた。そしてようやく納得がいくものとなり実行のとき。殺せんせーはいつもの余裕の笑みを浮かべながらテレビに一番近い椅子に腰掛けた
「準備はよろしいですか?遠慮は無用。ドンッと来なさい!」
「始めるぜ?殺せんせー」
岡島が宣言しチャペルの電気が消された。テレビとチャペルの壁の隙間から刺す月明かりの中、作戦は始まった
(後ろの暗がりで数名がチャペルの中と外を出入りしている。一と人数を明確にしないためでしょう。しかし甘い!二人の匂いがここにないのはわかってますよ。そちらの方向からE組きってのスナイパー、速水さんと千葉くんの匂いがしてきますね〜)
「しかしこの動画よくできている。編集とナレーターが三村くんですか。カット割といい選曲といい、いいセンス。ついつい引き込まれ...」
なぜ殺せんせーはそこで言葉が止まったのか。その原因であるテレビの向こう側の三村はこう話す
『買収は、失敗した...』
「失敗したーーーーーーーー!!!!!!!?」
“殺せんせーエロ本に夢中事件“。あの時の殺せんせーのあられもない姿が今、生徒たちの前に映し出されている
「いや、ちがっ!岡島くん達!みんなに言うなとあれほど!」
しかし彼への辱めはこれだけに留まらない。次は女性限定のケーキバイキングの列に並ぶ女装殺せんせーが映し出された
「へぇ〜エロ本に女装?恥ずかしくないの?」
こういうときの狭間の笑顔と言葉はより一層当事者の心に突き刺さる。さらに画面には給料前に分身してティッシュ配りに列を作る殺せんせー。そんなにもらって何をするのかと思いきや、揚げて食べた
『これでは終わらない。我らが教師の恥ずかしい姿をこれから1時間たっぷりとお見せしよう』
「あと1時間もー!!!?」
一方その頃チャペルの外では・・・
「さてどうすっかねー」
「どうしたの?」
「岡島から“外でもイチャイチャめちゃくちゃ気になる!大作戦!”なんて言われたけど、どうしろってんだ・・・」
「言葉通りでいいんじゃないの?」
「凛香がいないのに何をしろと?」
「ん?私がいるじゃん」
「はぁ〜」
「ちょっと〜。さすがにため息はひどくない...?」
「あー悪い・・・」
「せっかく私が勝ったのに・・・」
外では彼方と桃花が肩が当たりそうなほどの距離でチャペルに背もたれながら座っていた。なぜ桃花なのか。聞いては見たものの教えてはくれなかった。最後の言葉、本人は聞こえないように小さな声にしたんだろうけど聞こえてるんだよな〜
「桃花、寒くないか?」
「えっ、うん。大丈夫だよ」
「そっか。いくら南国っても、いや南国だからなのか?夜だし海辺だからか涼しいな」
「そだね。でも心地いいよ」
「それは言えてる」
南国の風を感じながらふと空を見上げる
「綺麗だな」
「うん。うちの方じゃ絶対見れないね」
「そだな。そう思うと文明が発達しすぎるのもどうかと思うわ」
「考えすぎじゃない?こうやって違う場所に来れば見れるんだから」
「そっか」
「・・・ねぇ、カナくん」
「ん?」
「昔みたいにさ、手繋いでもいい?」
「おいおい。どうしたんだ急に」
「小さい頃のこと思い出しちゃって。旅行先で何回か一緒に星見たことあったじゃん?」
「あぁ覚えてるよ。どこに行ったかの記憶は確かじゃないがな」
「ダメ、かな・・・?」
「この状況でその聞き方は反則だな〜。断ったらお前絶対いじけるじゃん。そしてらこれからの作戦が」
「えへへ。こういう状況作りも暗殺には重要なファクターってビッチ先生が教えてくれたんだ!」
「あの人は余計なことを・・・はぁ、向こうから見えないように頼む」
「どうして?」
「さっきから悪寒がすごいんだよ。凛香殺せんせー狙ってんのかオレのこと狙ってんのかわかんね」
「それは大変だ♪じゃあ凛香ちゃんには悪いけど、失礼して」
「思ってねぇだろ」
繋いだ手は大きさが変わろうと昔握ったことのある手となんら変わらなかった
ー1時間後ー
「あ“〜死んだ・・・先生もう死にました・・・あんなの知られてもう生きていけません・・・」
作戦の第一段階は見事成功だったようで殺せんせーの顔はげっそりとし顔色も青ざめていた
『さて最後まで見ていただいたわけだが、何か気づかないか?殺せんせー?』
「・・・?っ!水が!誰も水を流し込む気配などなかったのに!まさか、満潮!」
「誰かが小屋の支柱でも短くしたんだろ」
「船よって恥ずかしい思いして海水吸って。大分動きが鈍ってきたよね〜?」
これより第二段階と言わんばかりにオレを含めたテストで勝ったメンバーが前に出て銃を構える
「さぁ本番だ。約束だ。避けんなよ?」
(やりますねぇ・・・しかしスナイパーのいる方向はわかっている。そちらの方向さえ注意すれば)
『作戦開始!』
「開始!」
律からの号令と磯貝の復唱でオレ達は先生の触手を8本奪う
『5秒経過!』
「ニュヤ!?」
そして律の合図でチャペルの壁が壊れる
『35秒経過!』
「フライボード!?水圧の檻!」
そしてすかさず水中で待機していたメンバーで水の壁完成
「殺せんせーは急激な環境の変化に弱い!」
「チャペルから水の檻へ!」
「弱った上に反応速度を更に落とす!」
『53秒経過!』
中に残ったメンバーが一斉にばらけ配置につく。水中からも律本体が登場
『一斉射撃を開始します!照準、殺せんせーの周囲1m』
「ッとその前に、もう少しだけ弱らせてもらうよ。殺せんせー」
「っ!?」
射撃が始まるコンマ何秒のうちにオレは縮地で殺せんせーに近づき、顔、腕や足の残った部分に出来る限りの傷をつけて退散。射撃が開始された
「殺せんせーは当たる攻撃には敏感だ!」
「えっ!?ちょっ!」
「だからあえて先生を狙わない!」
「網を張り逃げ道を塞ぐ!」
「かーらーの!」
山の方は二人の匂いが染み付いた囮。チャペルから水の檻にすることで新たに出来る狙撃ポイント
『ゲームオーバーです♪』
(よくぞ、ここまで・・・)
作戦は寸分の狂いもなく進んだ。最後の射撃も確認できた。全員が“勝った”と思っただろう。しかし突如殺せんせーから光が発生し大きな爆発が起こった
『うわっ!』
『きゃっ!』
「有希子!」
ってー!!!隣にいた有希子を庇いながらだったため背中を水面に強打!でも手応えあり!
「油断するな!ヤツには再生能力がある。磯貝くん片岡さんが中心になって水面を見張れ!」
「「はい!」」
逃げ場はなかったはず。すると一ヶ所水中から空気が上ってくる場所があった。全員銃をその場所に向ける
「ふぅ〜」
『・・・』
ナニアレ・・・
「ヌルフフフ。これぞ先生の奥の手中の奥の手、完全防御形態!」
『完全防御形態!?』
「外側は濃密のエネルギーで構築された結晶体です。体を極限まで縮め、余ったエネルギーで肉体の周囲をガッチリ固める。この携帯になった先生はまさに無敵!」
「そんな・・・じゃあずっとその形態になってたら殺せないじゃん!」
「ところがそう上手くはいきません。このエネルギー結晶は約一日で自然崩壊します。その瞬間に先生は肉体を膨らませエネルギーを吸収して元の体に戻るわけです。裏を返せば元に戻るまでの一日先生は全く身動きが取れません。これは様々なリスクを伴います。最も恐れるのはこの状態で高速ロケットに積み込まれ遥か彼方の宇宙空間に捨てられることですが、その点は抜かりなく調べ済みです。24時間以内にそれが可能なロケットはこの世界のどこにもない」
ふぅ〜ここにきてまだ新しい奥の手か。こりゃどう取り繕ってもクルものがあるな・・・
「なーにが完全防御形態だ。なんとかすりゃ壊せるんだろこんなもん!」
試しに寺坂がレンチで叩いてみるもびくともせず
「ヌルフフフフ、無駄ですね。核爆弾でも傷一つつきませんよ」
「そっか。弱点ないんじゃ打つ手ないね」
先にボートから上がっていたカルマが先生を渡すよう要求。何をするのかと思いきや携帯でさっきの恥ずかしい映像を見せ始めた
「ニュヤーー!!!やめて!手がないから顔を隠すこともできないんです!」
「ごめんごめん、んじゃとりあえずそこで拾ったウミウシ貼り付けとくね」
「うわー!!!」
「あと誰か不潔なおっさん見つけてきて。これパンツの中にねじ込むから」
「やめて助けてー!!!」
「とりあえず解散だみんな。上層部とコイツの処分法を検討する」
さすがカルマといったところだったが残念、烏丸先生に取り上げられてしまった
「ヌルフフフフフ。対先生用液で敷き詰めたプールにでも入れますか?無駄ですよ。その場合はエネルギーの一部を爆発させてさっきのように爆風で周囲を吹き飛ばしてしまいますから」
「クッ・・・」
「ですが君達は誇って良い。世界中の軍隊でも先生をここまでにできなかった。一重に計画の素晴らしさです」
殺せんせーはいつものように今回の暗殺を褒めるが今までとは違う大掛かりで会心の一撃とも言える作戦の失敗に敗北感と疲労感だけがのしかかる
「・・・」
「彼方くん」
「ん、あぁすまん有希子。そういえば抱きかかえたままだったな」
「ううん。また助けられちゃったね」
「オレがいなくても受け身ぐらい取れただろうよ。離すが大丈夫か?」
「私としてはもう少しこのままの方がいいんだけど」
「すまんな。多分今一番凹んでるであろうやつのとこに行かないと」
「そっか。そうだね」
有希子をゆっくりと離し特に問題がないことを確認してその場を離れた
「凛香」
「彼方」
凛香は想像してた通り、いやそれ以上に暗い表情だった
「とりあえず上がってホテルに戻ろう」
「・・・」
凛香から返事はなく上がってからも黙って俯いたままオレの後を追ってくるだけだった
ホテルに戻ってからも凛香のみならず全員が意気消沈と言ったところだった
「律」
『はい』
「記録は取れてる?」
「はい。可能な限りのハイスピードカメラで暗殺の一部始終を」
「俺さ、打った瞬間わかっちゃったよ。ミスった。この弾じゃ殺せないって」
『・・・断定はできません。あの形態に移行するまでの正確な時間は不明瞭なので。ですが千葉さんの射撃があと0.5秒速いか速水さんの射撃があと30cm近ければ気付く前に殺せた可能性が50%ほど存在します』
「・・・」
「自信はあったんだ。リハーサルはもちろんここより不安定な場所で練習して、外さなかった。だけどいざあの瞬間指先が硬直して視界が狭くなった」
「同じく」
「絶対に外せないというプレッシャー。ここしかないって瞬間」
「こんなにも練習と違うとはね」
「何もう終わったみたいな雰囲気出してんの」
「彼方」
「・・・」
「暗殺期限は明日までなのか?」
「それは・・・」
「まだ半年はある。それに半年でせんせーの最終兵器まで出したんだ。1ヶ月後はもっといい暗殺ができるかもしれない」
「でも私達が今日外さなければ・・・」
「んなこと言ったら全員そうだ。あの時のナイフが当たってれば。あの時の銃弾が当たってれば。まぁ今日みたいなプレッシャーの大小はあるがな。でも二人のおかげでまた新しいことがわかった。律、今回でわかった殺せんせーの完全防御形態を踏まえたこれからの暗殺の成功率の再計算どうなった?」
『はい。先程も言いましたがあの形態になるまでの時間がまだ不明です。ですがこれ以上の奥の手がないと推測しますとこれまでのように未確定要素を取り除くことができるため必然的に確率は上がると思われます!』
「な?二人にとってはこういう結果になったけどE組の暗殺計画的には絶大な収穫だ。二人がそんなの関係なしに自分達の手で殺したかった!ってんなら話は別だけど」
「そんなこと・・・」
「今さっきのことで気負うななんて言えないけど、二人がいなかったらこの作戦さえ成り立ってねぇんだ。だから・・・」
みんな疲れてて疲労感もすごいだろうがオレだけは笑顔で言いたい
「ありがとう二人とも。お疲れさん」
「彼方・・・」
「おうなんだ?ハグでもするか?」
龍之介は吹っ切れたように笑い、凛香はオレの腕の中で涙を流した