ツンデレスナイパーの彼氏でポニーテールと乳の幼馴染みで神崎名人のライバルのいる暗殺教室 作:てこの原理こそ最強
四班side
「渚、暗殺の場所ここなら行けそうだな」
「スナイパーの人から見えるかな?」
「変な修学旅行になったね」
「そうだね。でも楽しいよ」
「うわ〜ん!折角京都に来たんだから抹茶わらび餅食べたい!」
「ははは・・・」
修学旅行二日目、今日は班で自由に京都の街を見学する日である。しかしその中でも暗殺は続行であるため四班は街並みを見つつ絶好のスナイプポイントを探していた
「ではそれに毒を入れるというのはどうでしょう!?」
「なんで!?」
「殺せんせー、甘いものに目がないですから」
「いいね。名物で毒殺」
「もったいないよ!抹茶わらびが!」
「殺せんせーに効く毒があればいいんだろうけど」
「でもさ、修学旅行のときくらい暗殺のこと忘れたかったよな。いい景色じゃん。暗殺なんて縁のない場所でさ」
「そうでもないよ」
単純に修学旅行を楽しみたかったとぼやく杉野。京都は暗殺とは無縁かどうか。渚の言うようにそんこともないのだ
「坂本龍馬ってあの?」
「あぁ、1867年龍馬暗殺。近江屋跡地ね」
「さらに歩いてすぐの距離に本能寺もあるよ。当時と場所は少しズレてるけど」
「そっか。織田信長も暗殺の一種かぁ」
先生からのしおりを開きながら自分の持つ知識を語る渚
「このわずか1kmという狭い範囲でもものおすごいビッグネームが暗殺されてる。ずっと日本の中心だったこの街は暗殺の聖地でもあるんだ」
「なるほどな。言われてみりゃこりゃ立派な暗殺旅行だ」
こんな神聖な土地でも昔から世界に重大な影響を与える人物ばかりが暗殺されて来た。彼らの暗殺のターゲットである殺せんせーもまた世界に影響を及ぼす点で通ずるものがあるだろう
「次は八阪神社ですね」
「えぇ」
「え〜。もういいから休もうよ。京都の甘ったるいコーヒー飲みたいよ」
「飲もう飲もう!」
それから四班のメンバーは観光スポットを回って行き、祇園の方に辿り着いた。そして人の賑わっていた大通りとは大違いの人気のない小道に入って行った
「祇園って奥に入るとこんなに人気ないんだ」
「一見さんはお断りの店ばかりだから目的もなくフラッと来る人ともいないし見通しが良い必要もない。だから私の希望コースにしてみたの。暗殺にぴったりなんじゃないかって」
「さすが神崎さん!下調べ完璧!じゃあここで結構に決めようか」
「マジ完璧」
人気もなく暗殺には最適。しかしそれと同時に事件も起こりやすい。それを象徴するが如く彼らの前から数人の学ランを来たガラの悪い男が彼らに近づいてきた
「なんでこんな拉致りやすい場所歩くかねぇ」
気づくと背後にも数人同じ学ランを来た同じようにガラの悪い連中が数人いた
「なに、お兄さんら。観光が目的っぽくないんだけど」
男達に怯えるメンバーの中でもカルマだけはまだ余裕の表情をしている
「男に用はねぇ。女置いておうちに帰ん・・・」
前にいる男の一人が話し終える前にカルマに顔を掴まれ地面に押し倒された
「ほらね渚くん。目撃者のいないとこなら喧嘩しても問題ないっしょ?」
「わっ!」
渚は何かに驚いてその方向を指差す
「刺すぞおらぁ!」
違う男がカッターを取り出しカルマに襲いかかった。しかしカルマは近くにあった自転車のカゴを覆っていた布を男の顔に投げつけ張り手でまた倒してしまった
「刺す?そのつもりもないのに?」
「いやっ!何!」
しかしカルマが前の男達の相手をしていた最中に神崎と茅野が背後の連中に捕まってしまった。それを見てカルマは苦い顔をする
「わかってんじゃんか」
「くっ!」
人質を取られたことでカルマは手を出せなくなり、地面蹴り倒され加えて複数人から同時に踏みつけられたり蹴られたりされる
「カルマくん!」
「おい!がはっ!」
助けに出ようとした杉野も腹を蹴られ渚と衝突してしまう
「おい、車出せ。中坊が、舐めてんじゃねぇぞ」
そのまま一方的に蹴られ、3人は意識を失った
(助けて!彼方くん!)
「ん?」
「彼方?どうしたの?」
「いや、・・・」
誰かに呼ばれた気がしたが、気のせいか・・・?なんでこんなモヤモヤする・・・
「凛香悪りぃ。ちょっと待っててくれ」
「うん」
オレは根拠のない衝動に駆られ携帯を取り出し電話をかける
『もしもし、カナくん?どうしたの?』
桃花は大丈夫か
「いや、そっちの班の様子はどうかなって思ってな」
『カナくんいないのが残念だけど楽しく観光してるよ〜』
「そっか。ならいいんだ。じゃな」
『ちょっ!カナくん!?』
桃花が何か言いたそうだったが申し訳ないが切らせてもらった。あとで甘いものでもあげよう
PLLLLL・・・
クソッ!なんで出ない、有希子!あいつと同じ班って、渚とかだよな
『・・・もしもし、彼方くん?』
「渚!よかった。お前は出てくれた。有希子が電話に出ねぇんだ。なんか知らねぇか?」
『実は・・・』
オレは渚から事情を聞き次第にスマホの握る力が強くなっていく
「・・・わかった。渚は急いで殺せんせーと烏間先生に報告してくれ」
『わかった。彼方くんは?』
「ちょっとお灸を添えに行ってくる・・・」
オレはそこで耳から携帯を離し切るボタンを押す
「神崎になにかあったの?」
「高校生に連れ去られたらしい。凛香、悪いが行ってくる。この埋め合わせは絶対するから」
折角の凛香との京都デート。凛香が楽しみにしてたのは知っている。だが凛香ほどではないにしろ大切なやつがそんな目にあってるのは我慢ならん
「うん。早く助けてあげて」
「もち」
すぐにでも向かおうとすると凛香がオレの肩に掴まり背伸びをしてオレの頰にキスしてきた
「気をつけて」
「あぁ。行ってくる」
オレは殺せんせーの作ったしおりを頼りに有希子が捉えられているだろう場所に全速力で向かった
「さっきの写真、真面目な神崎さんもああいう時期があったんだね。ちょっと意外」
「うちは父が厳しくてね。良い学歴、良い肩書きばかり求めてくるの。そんな肩書き生活から離れたくて、名門の制服も脱ぎたくて、知っている人がいない場所で格好も変えて遊んでたの」
今いる場所に連れて来られてすぐにリーダーと思われる男から携帯の画面を見せられた。そこには今の清楚で可憐な雰囲気とは正反対の服装で化粧もしている神崎が写っていた
「バカだよね。遊んだ結果得た肩書きがエンドのE組。自分の居場所がわからなかったよ・・・」
「俺らの仲間になりゃいいんだよ。俺らも肩書きなんて死ねって思ってるし」
「勘違いしないで。今の私はあなた達みたいなのとは違う。こんな私にも手を差し伸べてくれた人がいたから」
自分の過去を話したときとは明らかに顔つきが変わる神崎。大勢の男を前にしてもその目はまるで何かを信じて疑わない、そんな目をしている
「強がんなよ。なんつーか、自然体に戻してやる?みたいな。俺らそういう遊びたくさんしてきたからよ」
「さいってー」
聞く価値もない話を聞かされたからなのか茅野はそう口に出してしまう。それが気に障ったのかリーダーの男が茅野の胸ぐらを掴んで持ち上げた
「何エリート気取りして見下してんだぁ?」
茅野は苦しいのか足をバタつかせる
「その汚い手を離せ、クズが・・・」
「んあ?ガハッ!」
しかし苦しかったのも束の間。全く気づかないうちにある声と共に男は蹴り飛ばされ、空中で離されたため茅野は地面に落ちていく。がそれを誰かにお姫様抱っこの形で受け止められた
「茅野、大丈夫か?」
「ゴホッゴホッ!彼方、くん・・・?」
「あぁ。来るのが遅くなってすまん。有希子も大丈夫か?」
「うん。信じてたよ。彼方くんなら必ず来てくれるって」
そこへ駆けつけたのは二人のクラスメートである波風 彼方だった。彼方は茅野を神崎の隣に降ろす
「すぐ終わらす」
「おいお前!よくもやってくれたな!」
「御託はいい。お前らはオレの大切なやつらを苦しめた・・・殺すぞ・・・?」
まずは茅野を助けられてよかった。見た感じまだ酷い仕打ちとかはされてなさそうだった。それを見ただけで今は十分。あとはこいつらを殺るだけだ
「クソッ!どうやってここをつきとめたかは知らんがな、舐めるなよ、ガキが!」
「お前らの意見なんてどうでもいいんだよ・・・」
オレからはいつもより大分低い声が出てるだろう。それだけ今のオレの機嫌は悪い。そしてその怒りを保ったまま、最初の一歩を踏み出す
「な、なんだ!?」
リーダーの男は目を見開いて驚いている。それもそのはず。まだ何もしていない。何もしていないのにだ、仲間がどんどん倒れていく。こんな状況は普通ではないだろう
「オレがここに来た時点でお前らは終わってんだよ・・・」
最後の仲間を倒すとその瞬間リーダーの男は学ランのポケットからナイフを取り出した
「クソが!殺してやる!」
「やれるもんならやってみろ・・・」
しかしその声を聞いたのが最後。男の顔面を殴り男はものすごい勢いで仰向けに倒れた。だがここで終わらせない。オレは男に乗りかかりこれでもかといくらい顔や腹を殴り続ける
「彼方くん!それ以上はいけない!」
「・・・殺せんせー」
その行為は突然ヌルヌルしたものの止められた。顔を上げるとそこには黒子みたいな顔隠しをつけた殺せんせーがいた
「彼方くん!」
「もういいよ!」
そして後から二人の人物に抱き着かれて尻餅をついた
「有希子・・・茅野・・・」
「私達はもう大丈夫だから」
「もう終わったから!いつもの彼方くんに戻って!」
オレに抱きついて二人とも泣いている。よっぽど不良連中が怖かったのか。それとも怖かったのはオレか
二人に抱き着かれながら二人がやって来た方を見ると渚やカルマ達、四班のメンバーが揃っていた。杉野はなぜか真っ白になって固まっている
「あーあ、彼方のせいで俺ボコれなかったじゃん」
「あぁ、悪い」
「彼方くん。危険なのでこれからはこういう単独行動は控えてください。それにあれはやり過ぎです」
「すいません。頭に血が上っちゃってて」
殺せんせーに少々説教され、泣いている二人が泣き止んでから外に出た
外はすっかり夕暮れ時になって赤い太陽が街を照らしていた。帰り道オレの隣には有希子が歩いている
「彼方くん、今日は本当にありがとう」
「ケガとかなくてよかった」
「・・・さっきね、昔の私の写真見せられたの」
「昔って、遊んでたときのか?」
「うん。でもあの時も今日も彼方くんが助けてくれた」
「今日はともかくあん時はオレは何もしてない」
「ううん。ちゃんとしてくれたよ」
「なんのことやら、全く覚えがありませんね」
「ふふっ。でも彼方くんは私の中でずっとヒーローだからね」
「よせよ」
昔の有希子は相当荒れていたのを覚えてる。あそこから立ち直ったのは有希子自身。オレはただきっかけを作ったにすぎない。なんと言われようと頑張ったのはあいつだ
などと考えていると有希子がオレの腕に彼女の腕を絡ませてきた
「おい」
「いいでしょ?今日くらい甘えても」
夕焼けのせいなのか有希子の顔は少し赤く見えた
「まったく。ユキリンは甘えん坊だな」
「っ!その名前で呼ぶのはやめてよぅ・・・」
「ははは」
この名前で呼んだのも久しぶりだな。前を歩いてるみんなには聞こえてないだろう。そう思ってみんなの背中を見ようとすると茅野がこっちを向いていたので目があった。しかし茅野は慌てて前を向いてしまった。茅野も顔が赤く見えたな。これも夕焼けのせいかな