ツンデレスナイパーの彼氏でポニーテールと乳の幼馴染みで神崎名人のライバルのいる暗殺教室   作:てこの原理こそ最強

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転校生の時間②

 そして翌朝

 

「午前八時二十九分三十五秒、システムを全面起動、電源電圧安定、オペレーションシステム正常、記録ディスク正常、各種デバイス正常、不要箇所なし、プログラムスタート」

 

 自身のシステムチェックが完了し自立思考固定砲台は起動した。しかしそれはガムテープでギチギチに巻かれていた

 

「殺せんせー、これでは銃を展開できません。拘束を解いてください」

 

「ん〜、そう言われましてもね」

 

「この拘束はあなたの仕業ですか?明らかに私に対する加害でありそれは契約で禁じられているはずですが・・・」

 

「ちげぇよ」

 

 その声とともに廊下側からガムテープが飛んできて自立思考固定砲台の側面に当たった

 

「俺だよ。どう考えたって邪魔だろうが。常識ぐらい身につけてから殺しに来いよ、ポンコツ」

 

「ま、わかんないよ。機械に常識は」

 

「授業終わったらちゃんと解いてあげるから」

 

 昨日のこと考えるとそりゃこうなるわ。寺坂や菅谷に言われるだけの常識はなさそうだし、ましてや温厚な原さんまで嫌がってそうだ

 

 その日は何度か銃を展開しようと試みていたがガムテープによって阻まれた。でもガムテープを破れないってどんだけ非力なんだよ、機械のくせに・・・てなわけで昨日よりはいつも通りの授業が受けれた

 

 

 

 

 

 放課後、授業の終わりを知らせるチャイムが鳴ると同時にオレは凛香の元に歩み寄った

 

「凛香。オレちょっと残るわ」

 

「?どうして?」

 

「まぁちょっとすることがあってな」

 

 オレは目だけ今ようやくガムテープから解放されている窓側に立つ物体に向ける

 

「だから凛香は先帰ってもいいぞ?」

 

「私も残る」

 

「大丈夫か?親御さん心配しないか?」

 

「彼方と一緒なら大丈夫だと思う」

 

 そこで凛香の携帯のバイブが震える音が聞こえた。凛香が携帯を開いて確認するとオレに見せてきた

 

「ほら」

 

「?」

 

『わかった。彼方くん、よろしくね』と凛香のお母さんからメールが入っていた

 

「おばさんはエスパーか・・・」

 

「昔から感はいい人ってお父さんが言ってた」

 

「ならまぁちょっと付き合って」

 

「うん」

 

 オレはみんなが帰るまで凛香と机を合わせて今日出された宿題をやった

 

 

 

 

 

 みんなが帰ったのを見計らって自立思考固定砲台に声をかけた

 

「自律思考固定砲台さん」

 

 呼ぶとモニターがついた

 

「呼び出してすまんな。オレは波風 彼方。こっちは速水 凛香だ」

 

「よろしく」

 

「・・・」

 

 オレらの紹介に対して無反応。どんだけ愛想ないやつだよ

 

「今日なんであんなことされたかわかるか?」

 

「理解できません」

 

「じゃあ暗殺を邪魔されてお前はどう思った?」

 

「感情などはプログラムされていません」

 

 マジか。作ったやつどんなやつだよ。そりゃオレ達の気持ちも考えろってのが無理な話だ

 

「オレ達の邪魔でお前は暗殺ができなかった。でもな、その邪魔っていうのはオレ達にも言えるわけだよ。お前の射撃はオレ達の勉強の邪魔になってるんだ」

 

「しかし、私は殺せんせーの暗殺を命じられてここに来ました」

 

「別に暗殺をするなってわけっじゃないさ。時とタイミングを考えろってだけだ。それにみんなでやった方が成功するかもしれないぞ?協調性ってやつだ」

 

「協調性?」

 

「あぁ。まずはこのクラスを楽しめってこと」

 

 オレはそう言って隣にいる凛香を抱き寄せる

 

「ちょ!ちょっと!」

 

「いいじゃんか。仲良いとこ見せないと」

 

「だからって!恥ずかしい・・・」

 

「このクラスは楽しいぞ?まぁまだ馴染んでないやつもいるみたいだがな」

 

「楽しい・・・」

 

「お前は自律思考、自分で考えることができる。そのうち“感情”って分野もインプットできるだろうよ」

 

 オレもこのクラスに来てすぐ馴染めたんだ。転校生が機械だからって仲間はずれにするやつなんて・・・いないよな?

 

「凛香は何かアドバイスないのか?」

 

「別に・・・」

 

「おいおい、まだ照れてんのか?」

 

「て、照れてないし!」

 

「またまた〜可愛いやつめ」

 

「うるさい!」

 

「お二人は、先程言っていた仲が良いという関係なのでしょうか?」

 

「どうなんだ?凛香」

 

「そこで私に振らないでよ」

 

「え〜、凛香とオレは仲が良くないのか〜?悲しいな〜」

 

 思いっきり棒読みだけど大丈夫かな。まぁ凛香も茶番だってわかるだろ

 

「どうだ?オレらみたいにクラスのやつらとも仲良くしてみないか?」

 

「方法がわかりません」

 

「ご心配なく!」

 

 そこへ殺せんせーがやってきた。その手には段ボールいっぱいに詰まった機材がいろいろ入っていた

 

「殺せんせー」

 

「彼方くん。ここからは先生にお任せください。クラスメートとの協調に必要なソフト一式とメモリです」

 

「わかりました。じゃあ帰るか、凛香」

 

「わかった」

 

「じゃあ先生さようなら。また明日な、“律”」

 

 後のことは殺せんせーに任せてオレは凛香と手を繋いで校舎を出た。手を繋いでね。大事だから二回行ったぞ

 

「ねぇ、律ってなに?」

 

「ん?自律思考固定砲台ってなんか長くね?それにこれからクラスメートなんだからあだ名で呼んでもいいだろ」

 

「そういうこと」

 

「凛香もリンちゃんって呼ばれたい?」

 

「やめて。気持ち悪い」

 

「ヒドくね!?」

 

「・・・私は、彼方に凛香って呼ばれるのが好き。だから凛香でいい」

 

「わかった。今日は付き合ってくれてありがとな、凛香」

 

 それからオレは凛香を家まで送ってから自分の家に帰宅した

 

 

 

 

 

 次の日、今日は珍しく一人で登校している

 

「彼方くん」

 

 のは束の間、後ろから有希子が小走りで近づいてきた

 

「おはよ、有希子」

 

「うん、おはよう」

 

「有希子ってこの通り使ってたっけ?」

 

「ううん。今日はなんか彼方くんに会える気がしたから」

 

「そ、そうか」

 

 なんだ?昨日の凛香のお母さんといい有希子といい、この街にはエスパーが多いのか?

 

「あ、彼方くん寝癖ついてるよ?」

 

「そうか?まぁ気にしないからいいがな」

 

「もう、彼方くんカッコいいんだからもっと気をつけなよ」

 

「はいはい、お世辞ありがとね」

 

「・・・お世辞じゃないんだけどな

 

 寝癖なんて別に気にせんでもええやろ。最後に有希子がなんか言ったみたいだけど声小さくて聞こえね

 

「その分有希子はいつも髪綺麗だよな」

 

「えっ!あ、ありがと・・・」

 

「さすがうちのクラスのマドンナだな」

 

「・・・彼方くんも、そう思ってくれてるの?」

 

「ん?有希子は美人さんだからな。そりゃ思うだろ」

 

「・・・」

 

「凛香も負けないくらい可愛いがな」

 

「・・・なんでそこで他の人の名前を言うかなぁ

 

「なんか言ったか?」

 

「なんでもない!早く行くよ!」

 

「お、おう・・・」

 

 なんかいきなり機嫌悪くなったな。なんでだ?

 

 

 

 

 

 最後まで機嫌が直らなかったのにオレの隣からは離れなかった有希子と一緒に校舎に入り教室のドアを開けた

 

「あ!彼方さん!おはようございます!」

 

「おぉ律。調子はどうだ?」

 

「とっても爽やかな気分です!」

 

「そりゃよかった」

 

 しかし予想外の方向に改造されたな。顔だけ映してたモニターは大画面で全身映してるし、表情も豊かになっちゃって

 

「ねぇねぇ彼方くん、律ってな〜に?」

 

「ん?あだ名。自律思考固定砲台って名前長いじゃん」

 

「昨日僭越ながら彼方さんに呼んでいただきました。みなさん、これからは律とお呼びください!」

 

 倉橋から律って名前について聞かれたので昨日凛香に説明したことをそのまま話した。律も律で気に入ってくれたみたいだ

 

「えらくキュートになっちゃって」

 

「あれ一応、固定砲台、だよな・・・?」

 

「なに騙されてんだよ、お前ら。全部あのタコが作ったプログラムだろうが。愛想良くても機械は機械。どうせまた空気読まずに射撃すんだろ、あのポンコツ」

 

「おっしゃる気持ちわかります、寺坂さん・・・昨日までの私はそうでした・・・ポンコツ・・・そう言われても、返す言葉がありません・・・」

 

 寺坂の言葉で律は顔を手で覆って泣き出し、画面内は雨が降り出した

 

「あーあ、泣かせた」

 

「寺坂くんが二次元の女の子泣かせちゃった」

 

「なんか誤解される言い方やめろ!」

 

「素敵じゃないか、二次元。Dを一つ失うところから女は始まる」

 

「竹林!それお前の初ゼリフだぞ!?」

 

「いいのか?」

 

 そう聞くと竹林の声聞いたの初めてだな

 

「でもみなさん、ご安心を。殺せんせーに諭されて私は協調の大切さを学びました。そして彼方さんのおかげでみなさんと仲良くなりたいと思いました。私のことを好きになっていただけるようみなさんの合意が得られるまで私単独での暗殺は控えることにしました」

 

「そうだぞ、みんな。寺坂も女の子泣かすなよ。今の律は昨日までとは違うんだよ。なぁ律?」

 

「きゃっ!」

 

「・・・え?」

 

 そんなつもりじゃなかった。ただ興味本位で画面の律の頰をツンとしてみただけなんだ

 

「もう、彼方さん。女の子にいきなり触るものじゃないですよ。でもなんでしょう。彼方さんに触れられるのは、嫌、じゃないです・・・」

 

 なぜ顔を赤らめる。いや、感情豊かになったのは嬉しいことだよ?機械だからと思ってつい触っちゃったオレも悪いよ?でもこの仕打ちはないだろうよー

 

「彼方・・・」

 

「カナくん・・・」

 

「彼方くん・・・」

 

「え?三人ともなんでそんな怒って・・・」

 

 あの、だから無表情で近づいてくるのやめて・・・怖いから・・・ちょっ・・・

 

「彼方さん、これからもっと仲良くしてくださいね!」

 

「え?あぁ、うん。よろしくな」

 

「「「彼方(カナくん)(彼方くん)!!!」」」

 

「なんでだー!!!」

 

 

 

 

 

 それから律はクラスのみんなとどんどん溶け込んでいった。授業中にカンニング見せるとかはダメだけど・・・でも体の中でいろいろ造形できることでみんなは興味を示し、龍之介と将棋で対決したが三局目で龍之介に勝つし、不破とはマンガの話で盛り上がった。人気はうなぎ登りだ

 

 殺せんせーのおかげで律もクラスに溶け込めそうだな。よかったよかった。でもこれだけの改造をしたんだ、製造者(おや)がどう出るかによるな

 

「カナくん!聞いてるの!?」

 

「は、はい!」

 

「まったく」

 

「別に仲良くしちゃダメってわけじゃないの。でも少し限度があるかなって私は思うな」

 

 もうどれくらい経ったかな。十分?十五分?オレはそれくらいの時間桃花と凛香、有希子の前で正座させられていた。オレ悪いことしたかな・・・

 

 

 

 

 

 

 さらに翌日、クラスには元の状態に戻った律がいた

 

「おはようございます、みなさん」

 

「生徒に危害を加えないという契約だが、今後は改良行為も危害とみなすと言ってきた。君らもだ。彼女に触って壊しでもしたら賠償を請求するそうだ。持ち主の意向だ、従うしかない」

 

「持ち主とはこれまた厄介で。親よりも生徒の気持ちを優先させたいんですがねぇ」

 

 そのまま以前の緊張感を取り戻しつつ授業が始まった。でもみんな身構えすぎだ。律は朝一番になにをした?”みなさん、おはようございます“って言っただろ。つまりはそういうことだ

 

 時間になり律が起動する。クラス内の緊張感が一気に増すのを感じる。大きな音と共に律の側面部が開いた

 

「花を作る約束をしていました」

 

 出てきたのは銃ではなく色とりどりな花であった。全員射撃だと思い込んでいたためポカーンとしている

 

「殺せんせーは私のボディに計985点の改良を施しました。そのほとんどはマスターが暗殺に不要と判断し削除、撤去、初期化してしまいました。しかし学習したE組の状況から私個人は協調能力が暗殺に不可欠な要素と判断し消される前に関連ソフトをメモリーにの隅に隠しました」

 

「すばらしい!つまり律さん、あなたは・・・」

 

「はい!私の意志でマスターに逆らいました!」

 

「やるねぇ」

 

「殺せんせー、こういった行動を反抗期と言うのですよね?律はいけない子でしょうか?」

 

「とんでもない。中学三年生らしくて大いに決行です!」

 

 花の舞う三年E組にこうして新たな仲間が加わった

 

「彼方さん!」

 

「ん?」

 

「私はE組との協調性の他にももう一つマスターに隠したことがあります!」

 

「へぇ〜そうなのか。それはなんなんだ?」

 

「それは、彼方さんが”大好き“ということです!」

 

「・・・へ?」

 

「だからこれからも仲良くしてくださいね!律の大好きな彼方さん!」

 

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