西住殿が好き。いつからかそう思ってしまった秋山優花里は、その気持ちに罪悪感を感じてしまっている。思い悩みすぎて、練習でミスを連発してしまった優花里は、試合の前に恋心にケリをつけようとするが……。

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昨年末ガルパンを見て、今更ドハマリしてしまいました。
僕は秋山殿が一番好きなんですが、みぽりんも可愛いなと思っているうちに気づいたら百合百合させてしまっていました。

……というのは半分本当で、半分うそです。
ガルパンファンの狭間顕爾くんが「コミケの待機列で暇つぶしに何か書くからお題くれ」って言ってたので、「みほゆかで何かイチャラブ書いてみて」って冗談半分に投げてみたら、本当にSS(会話劇)を書いてきてくれました。
「ふたりのきもち」(https://syosetu.org/novel/143661/
せっかくなので小説にしていいか?って聞いたら「いーよ」って言ってくれたので、冬休み中に小説に仕立て直したのがこれ、というわけです。

仕立て直しにあたって、狭間くんは「好き勝手していいよ」とのことだったので、ストーリー含めてかなり弄りましたが、概ねイチャイチャしてるのは変わりありません。
後半、微妙なえっちシーンが含まれますので、苦手な方はご注意ください。
では、ゆっくり読んでいただければ幸いです。


私と彼女の至近弾

「優花里ー、お風呂できたけど先入るー?」

階下から響くお母さんの声に、私ははっと我に返りました。

「……後でいいや。」

「わかったわ、ご飯できたら呼ぶからねー。」

生返事をして畳に突っ伏します。そんなつもりは無かったのに、はぁー、とため息が自然にこぼれました。

疲れて閉じた私のまぶたに映るのは、今日の練習の風景でした。

 

「ウサギさん、予定より数秒行動が遅れてます!すみませんがもう一度やり直しです!」

「は、はい隊長、申し訳ありません……。」

 

普段は和気あいあいとしている大洗女子の戦車道クラスですが、西住殿が指揮をとる練習の時は、見違えるように引き締まった雰囲気になるのが常です。ですが、今日の西住殿は一段と厳しい顔つきでした。普段なら目をつぶるようなミスでも見逃しませんでしたし、練習中数回は飛び出す冗談もなし。武部殿も空気を読んでか、いつもより通信の口調が少々硬かったような気がします。

その理由は、私の部屋のカレンダーを見ればすぐ分かることでしょう。なにせ、明後日に当たる日付に、赤字で「プラウダとの親善試合!!」と大きく書かれているのですから。

 

でも、私がため息をついてしまった理由は、今日の疲れだけではないのでした……。

 

基礎練習が終わって、2グループに分かれて練習試合をしていたときのことです。

ドーン!

轟音とともに、私の目の前のヘッツアーに向かって砲弾が飛ぶ……はずでした。

「……おかしいですね。撃破判定が出ない。」

発砲し終えた五十鈴殿が、怪訝そうな声を上げました。

そんなはずはない……。私は慌てて双眼鏡を手に前方を確認します。

……確かに、ウィークポイントに着弾したはずのヘッツアーから白旗が上がりません。

「……優花里さん?それ、空砲じゃない?」

遠慮がちな西住殿の声が上から降ってきました。

「えっ、あっ、す、すみません!間違って空砲を装填してました!」

ガガガッ、固定砲塔のヘッツアーがゆっくりと旋回してきました。

「何だかよくわかんないけどー、こりゃチャンスってやつじゃなーい?かぁーしまー、やったれー!」

「はっ、おまかせあれ!」

のんきな会長殿に続いて、河嶋殿の凛々しい声が聞こえた、と同時に着弾の衝撃が車体を揺さぶります。

「……桃ちゃん、練習の時はちゃんと当てるんだよね……。」

「あんこうチーム行動不能!これにてAグループの勝利、試合終了!」

 

「今日の練習試合は本当に申し訳ありませんでした……。私があんな装填ミスなんてしなければ……。」

「もう、大丈夫だってゆかりん!ミスは誰にでもあるんだからー。」

「その通りですよ優花里さん。ほら、失敗は成功の母、とも言いますしね。」

私はますます身を縮めました。皆さんの優しい心遣いが心にしみます。

「ほら、みぽりんも平気だって言ってるし、ね?……みぽりん?どうしたの?」

西住殿を見ると、硬い表情で横を向いていました。

「あ、なんでもないよ。ごめんね、ちょっと別のこと考えてて……。優花里さんのミスは、うん、全然大丈夫だから……。」

「最近なんか元気ないけど、本当に大丈夫なの、みぽりん?」

「明後日が親善試合ですから、緊張していらっしゃるのでしょうか?……そうだ、皆さんで何か食べて行きましょうか?」

五十鈴殿がそう提案してくれましたが、

「ううん、今日はちょっとやめとくね。ごめん、せっかく誘ってくれたのに……。」

 

 

あの後結局、私も気分が上がらず、早めに皆さんと別れて帰ってきてしまいました。

やっぱり西住殿は私のことを怒ってるんでしょうか。そもそも私が西住殿の前に出ると緊張してしまって変なことを口走ってしまったり、あんな初歩的なミスをしてしまうのがいけないんです。

いや、元はといえば私が西住殿に”そういう”気持ちを抱いてしまったのが悪いに決まってます。でも、私は、私のこの感情は、紛れもなく……。

 

小さな頃から戦車一筋で、友達すら居なかった私にとって、当然、恋愛なんて全く縁のないものでした。クラスメートがおしゃれに着飾っているのを横目に戦車模型を磨き、みんなが彼氏とデートに出かけているのをよそに戦車イベントに向かう。そんな生活でしたが、私は全然惜しいとは思いませんでした。むしろ戦車にこれだけ愛を注げるのに、なんで現実に恋愛をしなくちゃならないのでしょう、そんな風に考えるのが当たり前になっていたのです。

 

でも、あの時テレビで西住殿を見たときから、私の気持ちは変わり始めました。西住殿が大洗女子に転校してきて、同じ戦車に乗るようになってからは、私ははっきりと西住殿への恋心を持つようになっていました。

西住殿を恋しく思う気持ち、好きだと思う心は、私の生活を色鮮やかにしてくれました。戦車道をとって、たとえ辛いことがあったとしても、西住殿が近くにいるから頑張れる。同じ戦車に乗って、そんな気持ちを感じるのが、いつしか楽しみになっていました。

だけど、私の心の違う部分―もしかしたら「理性」と呼ばれる部分なのかもしれません―は、こんなのはおかしいと語りかけてもいるのです。女性同士なんておかしい。そもそもあの西住殿と友達でいられるだけで凄いことなのに、ただの戦車オタクの秋山優花里が恋人なんておこがましい……。私が西住殿を思うたび、どこかで否定する声が聞こえてきます。

 

私は頭を強く振り、悶々とした感情を無理やり押しやりました。とりあえず、全ては明後日の親善試合にかかっています。なんとしてでも最近の不調をもとに戻さなければ……。

 

 

ジリリリ……ジリリリ……

「優花里ー、遅れるわよー!」

はっ。私は時計を見て飛び起きました。このままだと完全に遅刻してしまいます。

昨日考えすぎてあまり寝られなかったせいでしょう。私は準備もそこそこに家を飛び出しました。

 

「明日はいよいよ、プラウダ高校との親善試合となります。緊張せず、練習通りしっかりやりましょう!」

「それでは今日の練習終わり!解散!」

みんなはガヤガヤと騒ぎながら散っていきます。私も帰ろうと準備していたら、ポンと肩を叩かれました。

「秋山ちゃん、試合で空砲なんて撃ったらカチューシャに笑われちゃうぞ?今日はちゃんと寝とけよー。」

「か、会長殿……。」

返す言葉もありません。今日はなんとか遅刻せず済んだものの、寝不足もあいまってうまく練習に集中できず、凡ミスを連発してしまうという散々な結果でした。西住殿ともきちんと話そうとも思ったものの、結局話しかけられず、おまけに西住殿の態度もさらに硬くなったような気がします。

こんな調子なら、明日の試合も絶対にミスをしてしまうでしょう。でも、これ以上の失敗は許されません。ならいっそ、西住殿に気持ちを伝えて、それで、潔く離れるしか……。

 

「あ、あの西住殿っ!」

声をかけた西住殿の肩がビクッと震えるのが分かります。

「ど、どうしたの優花里さん……?」

「あの、ちょっとお伝えしたいことがありまして……。」

すごく小さな声になってしまいました。戦車道クラスの皆さんと会えて、少しは私のコミュ障もマシになったかと思っていたのですが、まだまだ治っていなかったようです。

「実はね……私もちょっと優花里さんとお話したいことがあるんだ。よかったら、うちに寄ってくれないかな?」

 

えっ。状況を飲み込むのに数秒かかりました。どうして私は西住殿のご自宅に誘われているのでしょう……?

「い、嫌だったら別にいいんだけど……。」

「そ、そんな滅相もない!私で良ければ、行かせていただきます!」

考える前に、勢い込んだ言葉を口走っていました。

 

シュー、シューと、キッチンからお湯が沸く音だけが静かに聞こえてきます。

私は西住殿と向かい合って座りながら、ただうつむいて机を見つめていました。西住殿は、きっと私の最近の不調について叱るおつもりなのでしょう。

西住殿とお家で二人っきり。本来なら嬉しくて仕方がないような状況なのに、今の私は重い鎖で縛り付けられているようで、身動きすらままならないのでした。

「……お湯、沸いたみたい。お茶淹れてくるね。」

西住殿が湯呑みを手渡してくれました。普段優しい西住殿ですから、人を叱ることに慣れていらっしゃらないのかもしれません。

「あ、あの、優花里さん……。」

西住殿の小さな声が飛んできました。思わず目を上げると、西住殿の戸惑っているような視線とぶつかりました。

「やっぱり、私の家に来るの、嫌……だった?」

あれ。私、何か勘違いしてしまったのでしょうか。

「と、とんでもないです!私は……その、西住殿が私を叱るおつもりかと……。」

「叱るなんて……。そんなことするわけないよ。優花里さんは、大切な仲間で、その、友達、なんだし……。」

西住殿の言葉が、どこかよそよそしく響きました。

ともだち。以前の私なら夢にも見なかったような言葉です。なのに、どうして嬉しいという気持ちになれないのでしょうか。数ヶ月前まで独りぼっちだった私には、その四文字すら、縁遠くて、でもずっとどこかで憧れてきた言葉のはずなのに。

「……ありがとう、ございます。」

そうですよね、やっぱり私達、友達、なんですよね……。私は小声でつぶやきました。

「えっ、今なんて……?」

「な、なんでもありません。ごめんなさい遮ってしまって。」

「そっか……。あのね、優花里さん、最近、調子悪そうだから、もしかしたら何か悩んでることでもあるのかなって。それで、私でよければ、なにか力になれたらいいかなって、そう思ったの。」

私は何も言えませんでした。言えるはずありません。こんなに優しくて、素敵な西住殿に、私なんかの恋心があるなんて、それのせいで、こんなことになってしまっているなんて、そんなこと、言えるはずが……。

「あ……私なんかより、ご両親に言ったほうが、いいかな……。ごめんね、私、親とあんまり上手くいってないから、そういうところまで気が回らなくて……。そもそも優花里さんが調子悪いのって、私が……。」

西住殿の声がどんどん尻すぼみになっていきます。

「ち、違うんです!」

「えっ……?」

「け、決して西住殿のせいなんかじゃありません!これは、私が、私が勝手に……。」

その先は……。ついに言葉にできませんでした。私は腰を浮かせてしまっていることに気づき、そっと座り直します。気まずい沈黙が居間を支配しました。

やがて、西住殿がおずおずと、

「あの……遅くなっちゃったし、よかったらご飯食べていかない?作り置きのものしかないんだけど、さ……。」

「……じゃあ、お言葉に甘えて、いただきますね。」

私はそう返すのが精一杯でした。

 

どこかこわばった空気の中での夕食を終えると、私の気持ちは再び沈んだものになりました。

西住殿が好き、その思いに嘘偽りはひとかけらもありません。でも、西住殿はこんなこと望んでいないはず。その大きな壁を壊すことは、到底できそうにありません。

「あの、さっきの話なんだけど……」

「に、西住殿!」

私は思わず、声を上げていました。

「優花里さん……?」

「あの、本当に、私なら大丈夫ですから!その、気を使っていただいてありがとうございました!この度は、ご迷惑おかけして、すみませんでした!」

私は顔を伏せたまま、立ち上がりました。

きらりと光る水滴が、ぽたりと落ちるのが見えました。ああ、フローリングを濡らしてしまいました。私はどうやら、最後まで西住殿に迷惑をかけて終わってしまうようです。

 

私が扉に向かいかけたその時、右腕が強い力で引っ張られました。

「優花里さん!」

「に、西住殿……?」

「迷惑なんかじゃ、ない、よ……。」

西住殿の声は、その力に反してか細くて、今にも消えてしまいそうで。

「こんなこと言ったら、嫌だよね……。でも、私……。」

心臓が大きく跳ねました。握られた西住殿の手から、かすかな震えが伝わってきます。

「私ね、優花里さんのことが……好きなの。」

その声は、いつもの西住殿でした。そう、砲手席の上から聞こえるだけで、私の心を幾度となく浮き立たせて、躍らせて、そして安心させてくれた、その声でした。

パンツァー・フォー!と明るくいつもみんなに呼びかけていたその声。いつか、私にだけ、言葉を届けてくれる、そんな瞬間が来たらいいのに。密かな私の思いは、でも欲張りで、わがままで、自分勝手で、そんなことはわかりきっていたはずなのに、止められなくて……。

「私も……私も、西住殿が好きなんです!」

ようやく喉から出た声は、笑っちゃうくらいかすれていて、みっともなくて、西住殿の声とは似ても似つかないものでした。

ようやく、形になった私の心。それは不格好で、見苦しくて、でも、どこまでもまっすぐなのでした。

 

気がつくと、私は西住殿の腕の中にいました。ふわふわした感触、さわやかな石鹸にかすかに鉄が混じったようなそんな香りが、私の五感を刺激します。

「……あのね優花里さん。改めてこんなこと言うのも可笑しいけど……。私と、付き合って、くれる、かな?」

私は西住殿の顔を見上げ、そこにいつもの優しい笑顔が戻っているのに気づきました。

ああ、これです。私を捉えて離さない、全てを包み込むような笑顔。私は、この表情に恋をしたのでした。

「……ふつつか者ですが、不肖秋山優花里、精一杯頑張ります。これからも、よろしくお願いします!」

どこかで似たようなことを言った気がします。私の語彙力ではこれが限界なのでしょう。でもいいんです。込めた気持ちは、全然違うのですから。

 

「優花里さん、付き合ってる二人がするコト、知ってる?」

西住殿は少しいたずらっぽくこう言いました。

「え……二人?か、カップルってことですか?」

言った途端、頬がカッと熱くなるのを感じました。

いくら戦車オタクとはいえ、私だってそれ以前に所謂「年頃の女の子」ではあります。

「じ、自分に縁があるとは思いませんでしたが、人並みに”それ”の知識はあるつもりでは……。」

うふふ、と西住殿が笑いました。こういうときの西住殿は、どこかお姉さんのまほさんに似ているような気がします。血は争えない、といったところでしょうか。

「じゃあ、ちょっとやってみていい、よね。」

言うなり、私のセーラー服に手をかけ、持ち上げ始めました。

「ああっ、ちょ、ちょっと待ってください、西住殿っ」

仲間を大切にし、慎重な作戦を練りながらも、いざという時は自分が先陣を切って飛び出す、まるで西住殿の戦いぶりのようです……。

そうだ、こう言ったら西住殿はどう返してくれるのでしょう。つい、好奇心がうずいて、こんなことを聞いてしまいました。

「西住殿……この作戦、何ていう名前なんです?」

「作戦……んー、そうですね、」

もっとラブラブ大作戦!なんてどうでしょう、そう少し恥ずかしそうに笑った西住殿に、私の中に渦巻いた欲情が溢れ出しました。

 

つつ、つーっと、西住殿の細い指が私の秘部をなぞります。

「んっ……んんんっ」

「声……我慢しなくていいんだよ?」

西住殿の顔は上気して赤く、荒い息が私の髪をくすぐります。

「すごい……こんなにびちょびちょになってる……」

実際、私は自分でするときよりも何倍もの快感を感じていました。

「に、西住殿……好きですっ」

私は発作的に、西住殿の唇を奪っていました。僅かに目を見開きましたが、やがてそっと伏し目になります。

ぐちゅり、ぐちゅりと淫靡な水音が脳に響きます。私は舌を差し入れ、必死で西住殿の口を貪りました。

「優花里さん……いいかな?」

西住殿は遠慮がちに腕を回してきました。

「はいっ……」

西住殿の秘部と、私の秘部が触れ合うたび、たまらない快感が突き抜けます。まるで私と西住殿の熱い気持ちがそのまま迸っているかのようです。

気がつくと私は、夢中になって腰を動かしていました。

 

どれくらい時間がたったのでしょう。朝日の温かい光が、カーテン越しに私達を照らしていました。

西住殿は私を抱えたまま、すーすーと寝息を立てています。

もうすぐ起きなくては、と思いつつも、なかなか起き上がる気にはなりません。

「もう少し……こうしてても、バチは当たらない、ですよね。」

腕の中の西住殿が、それに応えるかのように、そっと寝返りを打ちました。

 

 

「プラウダ高校フラッグ車、行動不能!よって、大洗女子学園の勝ち!」

思わず、はぁーと安堵のため息がこぼれました。親善試合とはいえ、強豪の一角であるプラウダに勝てれば嬉しいものです。

その思いはみんな同じだったようで、我先にと戦車を飛び出し、抱き合ったり、歓声を上げています。

「……ありがと、優花里さん。」

えっ、西住殿、何か言いましたか。とぼけてはみましたが、聞こえてしまったことは私の表情でバレバレでしょう。

「ううん、なんでもないよ。さっ、みんなが待ってる、行こう?」

西住殿はにっこり笑って、私の手を握って外に出ました。

私は、みんなのところに向かって歩きながら、

「あの、西住殿……。もう少し、手を握ってて、いいですか?」

西住殿は少しはにかんで、そして、いいよ、と微笑んでくれました。

 

「あーみぽりんにゆかりんやっと来たー!……って、なんで手繋いでるの?」

五十鈴殿が、あらあら、とすべてを察したような表情でうなずきました。

「うふふ、こういうことは沙織さんにはもうちょっと早いかもしれませんわね。」

「えーひどーい!教えてくれたっていいじゃない!」

まあまあ、時間が経ったら分かりますよ、と五十鈴殿がとりなしています。

「やっと来たわねミホーシャ!……って、なんで手を繋いでるのよ?」

ノンナ殿の肩で悔しそうな表情のカチューシャ殿が現れました。

「あら……Поздравляю со свадьбой!(結婚おめでとうございます)……カチューシャ様には、まだ早いでしょう。」

「ちょっとぉー!日本語で話しなさいよぉ!……まあいいわ。そういや今日のミホーシャはやけに調子良かったわね。今回はおめでとうと言っておくけど、次は容赦しないわよ!じゃまたね!」

「カチューシャ殿は元気がいいですねぇ……。」

呟くと、

「あら、私もよ?」

西住殿は楽しそうです。

「これも全部……優花里さんのおかげなんだから。」

私は微笑んで、西住殿の手を、ぎゅっ、と握り直しました。

 




うーん……狭間くんごめん!
改めて読み返したら元のSSは影も形もありませんね……。

SSだと、みぽりんと秋山殿はお互いかなり攻め攻めでしたが、そもそもえっちシーンをだいぶ削ったので若干物足りない感じに……。えっちシーンは基本的に(書くのが)苦手なので仕方ないね。

小説にするにあたって、秋山殿の心情描写をできるだけきめ細かく、ストーリーの軸になるように書き込んでみましたがどうでしょうか。とはいえ、一人称である以上書きすぎるとくどくなってしまうので、バランスを取りつつ……頑張ったつもりではあります。
個人的には、アニメシリーズを通して秋山殿の成長がすごいな~と思いながら見ていました。でも、数ヶ月前まで所謂「ぼっち」だった子が、あんなに急に社交的に(スパイとかしてますし)なれるのかな?というのは常に思ってたことで、外から見たら明るくても、内面では何かしら大きな葛藤とか悩みとかがあるんじゃないかなぁ、というような想像(妄想)を働かせてはいました。
今回のみほゆかでも、普通の子ならすんなり受け入れられる恋心も、経験の少ない秋山殿なら人並み以上に悶々とするんじゃないか?と思ったので、そういう内面を意識して書いてみました。結果として前半の秋山殿がめちゃくちゃ消極的で自己評価の低い子になってしまった感はあります。ただまあ、ガルパンって、みんなひとりひとり違う成長、が主題だと思いますし、既に豊富な戦車知識のある秋山殿が伸びるところは、そういう精神的な部分であるのかな、と折り合いをつけているつもりではあります。
みぽりんに関しても、黒森峰時代のこともあり、人との関わりにつまづいているところもあるだろうな、と勝手に考えていまして、そういうわけでお互い積極的すぎる描写は控えさせていただきました。
秋山殿の悩んでいる描写は、小中学校時代ほとんど友達がいなかった僕が書いているので、ちょっとでもリアリティが出せたら良いなと思っています。
あ、途中で微妙にヘッツアーと撃ちあったりしますが、作者に戦車知識はほとんどないので、間違っていたらごめんなさい……ちなみになんでヘッツアーかというと、World of Tanksでの僕の愛車だからです。
あと、最後の方にロシア語が入ったりしますが、こちらもGoogle先生からそのまま引き写しただけですので、間違いはご容赦ください……。

最近忙しいので、明らかに書く量は減っているんですが……またぼちぼち投稿できたらいいなと思います。それでは。


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