『先生』を愛した赤龍帝   作:女騎士

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気づいたら赤バーになっていて、お気に入りも沢山来ていたので驚いた女騎士です。


十話

木場に促され部室内にあった豪奢なソファに座って、リアス先輩がシャワー室から出てくるのを待つ事数分。

制服に着替えたリアス先輩と少し湿り気があるバスタオルを抱えた黒髪ロングを後頭部で束ねた所謂、ポニーテールと呼ばれる髪型にした女性が現れた。

俺の視線に気づき、微笑んだポニーテールの女性は姫島朱乃先輩。

この駒王学園の有名人の一人でよくリアス先輩の隣に並んで歩いているので大概の学園の生徒はリアス先輩派と姫島先輩派でよく言い争っている。

・・まぁ、俺はグレイフィアさんに惚れた瞬間からグレイフィアさん一筋なので派閥に属してないが、二人とも絶世の美女ということには変わりない。

俺の前方にあったソファに座ったリアス先輩にリアス先輩の背後で従者のように直立する姫島先輩。

 

「お待たせしてごめんなさい」

「いえ、大丈夫ですよ」

「ありがとう。・・じゃあ、イッセー君。今日、貴方を呼び出した理由を話すわね。私の眷属に入った貴方には『仕事』をして貰います。」

「・・仕事ですか...?」

 

高校生に仕事という事から何かしらのアルバイトでもする事になるのかなと想像していると、リアス先輩は懐から一枚の紙を取り出した。

それは何の変哲もない柄と文様が描かれた一枚の紙。

しかし、自分はそれが視界に入ってとても驚いた。

何故なら、先日、堕天使に攻撃される前に俺がティッシュ配りならぬ紙配りをしていた美女から頂いた紙にそっくりだったからだ。

 

「! そ、それ!」

「ええ。これは、イッセー君。貴方が、仕事をしていた私の使い魔から偶然、貰った紙と一緒の物よ」

「使い魔?」

 

聞き慣れない単語に思わず聞き返すと、リアス先輩は静かに床に手を向けた。

すると、綺麗なサークル状の紋様が写し出されて、そこから一匹の蝙蝠の様な生き物が現れた。

 

「この子が私の使い魔よ」

 

今まで生きてきて見た事がない生き物だった為、驚いているとリアス先輩の背後にいる姫島先輩が「冥界の生き物なのよ」と教えてくれた。

使い魔を見せてくれたリアス先輩は使い魔を消して、話の続きをしてくれた。

 

「それで、話を戻すんだけど、イッセー君にはこの紙を配る仕事をして貰うわ」

 

「はい」っと紙の束を俺の方へ手渡しながら、簡単に仕事の説明をしてくれるリアス先輩。

この紙は利用者と自分達悪魔を繋ぐ経路みたいなもの。

利用者が使うと、自分達は喚びだされ利用者の元へ向かうことになる。

そして、利用者の希望を叶えて対価を頂き、それを自分の糧にして悪魔としての力量を強くしていく。

ついでに悪魔には中級、上級、最上級、魔王という位に分類する事が出来てリアス先輩のお兄さんは魔王として冥界と呼ばれる悪魔と堕天使が暮らす世界の政治を行なっている事も教えてくれた。

リアス先輩がお兄さんの事について教えてくれていると、いつ取りに行ったか分からないがお茶とお菓子をお盆に乗せて運んできてくれた姫島先輩が口元を押さえて、クスクスと笑いながらリアス先輩の話に加えてお兄さんの事について話してくれた。

何でも、このオカルト研究部でリアス先輩と一番長い関わりを持つ姫島先輩は何度も冥界にあるリアス先輩の実家に行った事があるらしく、ここ数年はお兄さんも成長したのか無くなったが昔はリアス先輩が実家に帰る度にお兄さんは魔王の仕事をほったらかしにしてリアス先輩に会っていたらしい。

そしえ、その都度、リアス先輩とリアス先輩のお母さんとお兄さんのお嫁さんの三者から囲まれながら怒られて、怒り終えたお嫁さんに魔王城まで引っ張って行かれる始末だったそうだ。

 

・・お兄さん、何やってるの⁉︎あんた、魔王でしょう⁉︎

 

姫島先輩に教えられてつい、会ったこともなく敬う存在であるべきの魔王様に心中でツッコミをいれてしまった俺は笑いながら話す姫島先輩と姫島先輩の隣で「ハァ...」と額に手をやりながらため息を吐くリアス先輩に苦笑を返した。

すると、部屋の隅で姫島先輩の話を聞いて俺と同じく苦笑していた木場がこちらにやって来た。

 

「部長、そろそろ自己紹介でもしませんか?」

「・・そうね、そうしましょう」

 

お兄さんの事を思い出していたのだろうか、項垂れていたリアス先輩は両膝に手を当てて立ち上がり、姫島先輩と木場、そして先程から一言も喋らず黙々と姫島先輩が持って来てくれたお菓子を食べていた白髪の少女を自分の隣に順番に並ばせた。

 

「先日、会って知り合いみたいなものだけど一応、自己紹介しておくわね。私はリアス・グレモリー。グレモリー家の次期当主よ」

 

簡単に自己紹介をしてくれたリアス先輩が「改めて、よろしくね」と言って締めくくると、隣にいた姫島先輩が声をあげた。

 

「では、次は私ですわね。私は、姫島朱乃。リアスの女王をしてますわ。よろしくね、兵藤君」

 

フフッと微笑みを浮かべた姫島先輩に一瞬、見惚れてしまうがブンブンと頭を振り、「こちらこそよろしくお願いします」と返す俺だった。

姫島先輩に続き、木場、塔城さんと恙なく自己紹介は終わりを迎えた。

・・塔城さんが少し、此方を睨んでいたのは気のせいだろう...気のせいであってほしい。

そう願いながら手短に自分の自己紹介を終えた俺がふと、部室の窓の外を見てみると、オレンジ色の陽の光が窓を照らしていた。

 

「・・じゃあ、そろそろ俺は帰っても良いですか?グレイフィアさんがウチに来るみたいなので」

「あら、そうなの?良いわよ。じゃあ、明日また放課後に会いましょう」

「はい。では、失礼します」

 

鞄を持ち、ぺこりと頭を下げた俺が部室のドアノブに手をかけ、出ようとしたその時だった。

 

「あ、そうそう。イッセー君」

 

リアス先輩に背後から呼び止められた。

 

「はい?」

「分かってると思うけど、一応言っておくわね。貴方は悪魔になったんだから、教会や神社に近づいちゃダメよ」

「はい、グレイフィアさんに今朝教えてもらったので大丈夫ですよ」

「そう?なら良いわ。お疲れ様」

「お疲れ様でした」

 

再度、ぺこりと頭を下げた俺は部室を出て、帰路に着いたのだった。

 




やっと、次の話でアーシアが出せそうです。
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