『先生』を愛した赤龍帝   作:女騎士

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十一話

『オカルト研究部』の部室を出た俺は帰路についていた。

校門を通り過ぎ、商店街を通り過ぎた俺は先日、堕天使に襲われた公園の前を歩いていた。

 

「・・この一週間色々ありすぎたな...」

 

過去を思い出し、苦笑していると「はうっ」という声が、自宅がある方向から聞こえてきた。

声が聞こえてきた方向へ目を向けると、金髪の少女が倒れていた。

 

「!だ、大丈夫ですか⁉︎」

 

慌てて少女の方へ駆けて、様子を見に行くと、こちらに気づいたのか少し涙目でこちらを見上げてきた。

 

「ッ..!」

 

道端を歩いている人の中でも明らかに可愛い部類に入るであろう彼女の顔を見て一瞬、息を呑んだ俺は辺りに散らばってしまった荷物を拾い集めた。

彼女も俺に続いて拾い、見える範囲に落ちているものがない事を確認した俺が拾い集めた荷物を彼女に渡そうとしたその時だった。

 

「・・え?」

「あ、ありがとうございます...え?きゃっ⁉︎」

 

彼女が首にかけている「あるもの」に驚いた俺が目を引き寄せられていると、俺の視線から何かを感じたのかパッと片腕で胸元を隠した目の前の彼女が頬を染めた。

 

「?・・あ、違う違う!その、ネックレスに驚いただけです!」

 

彼女が何故、頬を赤く染めているのか彼女の小さい叫び声で理由を理解した俺は慌てて彼女が思っている事を訂正する。

しかし...。

 

「・・・」

 

あれ?気のせいか睨んでるような..。

・・気のせいだよな?

・・気のせいですよね?

 

「・・・」

 

・・気のせいじゃなかった!超怪しまれてるよ!

胸元を見られまいと片腕で胸を隠していた彼女は、恐る恐る俺から荷物を受け取り、少し大きめの鞄へとしまった。

少しの間が空いた後、俺を警戒していた彼女は口を静かに開いた。

 

「・・ありがとうございます。拾うのを手伝って頂いて」

「え、あ、いえ。当然の事をしたまでですから」

「・・・」

「・・・」

 

必要最低限の話は出来たなと思った俺は、悪魔と敵対している天使関係者であろう目の前の彼女に会釈だけして、再び帰路についた。

しかし、俺は気になった。

何故、首に十字架を掛けていていかにも天使の関係者であろう彼女がこんな力もない悪魔を即座に殺さないのだろうか、と。

一応、グレイフィアさんに天使や堕天使が発するとされる聖なるオーラを感じ取れる様に教えて貰ったのだが、全然出来ない。

 

もしかして、油断したところで首を刎ねられるのかと不安に思った俺が慌てて振り向くと、彼女は周辺の地図が表示されている掲示板を注視していた。

 

「・・・ッ!」

 

ハッ!

危ない危ない。

また、攻撃されるかもしれないってのに、何助けに行こうとしたんだ俺は。

いつも、困ってる人がいたら出来るだけ助ける事を心がけてる事が仇となりつい、いつもの様に助けに行こうとした俺はブンブンっと頭を振り再び帰路に着いた。

しかし...。

 

「・・勘弁してくれよ...」

 

ちゃんと、目的地を探せ出せたのか気になった俺が振り向くと方向音痴なのかまだ彼女は手元にあるメモ用紙と地図に視線を何度も移動させていた。

 

「・・ハァ...」

 

自分の性格に溜息を吐いた俺は、踵を返して今来た道を戻った。

 

「んー...」

「・・あの」

「!」

「何処行きたいんですか?」

「・・見ず知らずの私の為なんかに案内して頂けるんですか?」

「だって、困ってる様に見えたから」

「・・ありがとうございます」

 

ぺこりと頭をこちらに下げた彼女は自分が持っていたメモ用紙をこちらに渡してきた。

なになに...。

彼女に渡されたメモ用紙を受け取り、メモ用紙に書かれていた文面を読んだ後、掲示板を確認すると彼女が行こうとしていたのは教会だった。

先程、リアス先輩から言われた事を思い出し、道順だけ教えようと思い簡単に彼女に教えた。

 

「そこの道を左に行って、突き当たりの十字路を右に曲がって、その十字路から三つ目の道を左に曲がる。そして、その左に曲がった道に繋がってる五つ目の道を右に曲がれば左側に見えてきますよ」

「・・?」

 

掲示板にあった通りに教会の場所を伝えた俺だったが、彼女の反応が今ひとつ芳しくない。

・・これ、俺が送ってあげた方が早くねぇか?

説明するよりも自分が付いて行って教えた方が早い事に気付いた俺は、彼女に少し断りを入れ、今朝教えてもらったグレイフィアさんの電話番号へ連絡した。

すると、ワンコール目でグレイフィアさんの何処か嬉しそうな声が聞こえてきた。

 

『もしもし、イッセー君。どうしたの?』

「あ、突然すみません。グレイフィアさん。・・何かいい事でもありましたか?」

『え?だって、イッセー君からの電話だから嬉しくて...!』

「⁉︎ グレイフィアさん可愛すぎです」

『ッ!そ、そんな事ないわよ...!』

 

グレイフィアさんからの予想外の返答に驚いて思った事を率直に述べる俺にグレイフィアさんは驚き、俺の言葉を否定する。

好きな人との通話が嬉しくて一瞬言葉が出なくなってしまう俺だったが、電話をかけた目的を思い出し、現在、自分がいる状況を伝えた。

 

『・・分かったわ。私も一緒に行くからそこで待ってて。良いわね?』

「すみません。俺が弱いばかりにグレイフィアさんに迷惑かけてしまって」

『そんな事ないわ。イッセー君が強くなったらこうやって一緒に家に帰る事なんて無くなっちゃうと思うわ。だから、イッセー君には強くならないでほしい..私ったらダメね。イッセー君には私が居ない時に襲われても大丈夫な様に、自分の身を守れる位強くなって欲しいのにこんな事を言ってしまうなんて』

「全然、ダメじゃありません!俺はグレイフィアさんにそう言ってもらえて嬉しいです。それに、グレイフィアさんが一緒に帰りたいって連絡してくれたらいつでもグレイフィアさんの仕事終わるまで古本屋とかゲームセンターで時間潰して待ってるんで一緒に帰りましょう!」

『そんな事言っちゃったら毎日待たせてしまうかもしれないわよ?それでも良いの?』

「はい、喜んで」

『フフッ、ありがと。イッセー君。・・じゃあ、イッセー君達がいるところに急いで行くから待っててね』

「分かりました」

 

プツッ

 

・・・グレイフィアさん、ヤバい。

語彙力が無く、グレイフィアさんの可愛さを表現する言葉が出てこない自分に溜息を吐きそうになった俺だったが、こちらに視線を向けている彼女に気づき、少し此処で待ってる様に言われたと伝え、グレイフィアさんが到着するまでの少しの間、言葉を交わすこともなく待つ俺たちだった。




グレイフィアだけをヒロインにする為、原作と結構違うアーシアにしてみました。
気に入らない方がおられたらすみません。
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